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FP中川の「それ間違っていますよ!」

マイホーム購入時のひと手間で数十万円を節約できる方法とは?

マイホームを購入するときは、さまざまな名目でたくさんのお金が出ていきます。ハウスメーカーや不動産仲介業者、銀行などから請求された金額は正当なかぎり支払うのが当たり前ですが、中にはひと手間加えるだけで節約できるものがあります。その1つが「不動産の登記費用」です。今回は、登記費用を節約する方法について説明します。

不動産登記とは?

不動産登記とは、自分が買った建物や土地について「所有者は自分だ」ということを公的に認めてもらう制度のことです。買った人の名前、購入価格、住所、面積、建物の構造といった情報を担当機関である法務局に提出し、手続きをすることで、登記できます。一般的には、司法書士や土地家屋調査士に代行してもらうケースが多いです。

ひとくちに不動産登記といっても、登記は数種類あります。一般的には、買った土地の所有権移転登記、建物の場所や構造、床面積などが載った建物の表題登記、住宅ローンを借りる場合に必要な抵当権設定登記などがあります。

不動産登記にどのぐらいの費用がかかる?

不動産登記にはお金がかかります。費用の内訳は以下のとおりです。

・司法書士や土地家屋調査士への報酬
・登録免許税

たとえば、一戸建てを土地代3000万円、建物代1500万円の計4500万円で購入した場合で計算します。実際の登録免許税は、土地や建物の売買価格や建築価格にそのまま税率を掛けて計算するわけではなく、固定資産税評価額を元に計算します。物件によりますが、固定資産税評価額は売買代金の7割程度です。

土地の所有移転登記の登録免許税は315,000円(3000万円×70%×15/1000)ほどかかります。建物の所有権保存登記は、登録免許税におよそ13,000円ほど(1200万円×70%×1.5/1000、施工会社の利益を2割程度として建物代から差し引いて計算)必要です。登録免許税と印紙代は税金なので必ず支払います(各種軽減税率を適用できるものとして計算)。

これに加えて、不動産登記の手続きをしてもらう費用として、司法書士や土地家屋調査士に報酬を支払います。支払う報酬は、登記の種類や依頼する司法書士などによって違いますので、以下で「一般的にこれぐらい」という数字を示します。

司法書士や土地家屋調査士に支払う報酬
○土地の所有権移転登記(土地取得の場合必要):4万円〜5万円
○建物表題登記(新築の場合必要):8万円〜10万円
○所有権移転登記(中古住宅の場合必要):2万円〜3万円
○抵当権設定登記(住宅ローンを借りる場合必要):5万円〜10万円
○住宅家屋証明書の取得:1万円

土地を買って注文住宅を建て、住宅ローンを借りる場合は、これらの登記がすべて必要です。合計すると20万円〜30万円ぐらい必要、ということになります。

自分で不動産登記すればコストを抑えられる

登録免許税と印紙代は必ず支払いますが、不動産登記は司法書士や土地家屋調査士に必ずやってもらわなければいけない、とは決まっていません。自分で手続きすることもできます。そうすれば、司法書士などへの報酬を支払わなくて済み、20万円〜30万円ほどを節約できます。

いまでこそ、マイホームを買ったときの登記は司法書士や土地家屋調査士へ依頼することが一般的ですが、以前は自分でやるのが当たり前だったそうです。

実際にはたいして難しい作業でない

普段あまりなじみがない「不動産登記」を自分でやるとなると「面倒で手間がかかりそう」と思う人もいるでしょう。実際は、そんなこともありません。私も新築時に自分で登記をしましたが、難しいことはありませんでした。

登記の手順は以下のとおりです。

1. 必要な書類を作成する(登記申請書など)
2. 必要な書類をそろえる
3. 法務局へ提出する

たったこれだけです。建物の図面の作成などに少し手間がかかるだけで、登記申請書は氏名、住所、新しい建物の情報を書く程度のシンプルな書類です。必要な書類も、ハウスメーカーや不動産会社から受け取る書類でほとんどそろいます(住宅家屋証明書という書類も必要ですが、市役所などで簡単に受け取れます)。ネット上でも、登記方法をアドバイスするサイトなどが簡単に見つけられます。

こうして必要な書類をそろえたら、後は法務局に提出するだけです。提出した書類が間違っていたり、足りなかったりしたら、法務局の職員に教えてもらえます。私が自分で登記したときは、書類作成から法務局への提出まで、3時間程度でした。

わずか3時間で20万円〜30万円の費用が節約できるなら、自分でやってみる価値は十分あると思いますが、いかがでしょうか。

抵当権設定登記は銀行が嫌がるケースがある

登記は例外なく自分でできますが、住宅ローンを借りる際に必要な抵当権設定登記は、銀行によっては許可されないケースがあるため、注意が必要です。

抵当権設定登記は、簡単にいうと土地や建物を”借金のカタ”にします、という登記です。この登記があれば、住宅ローンの返済が滞ったとき、銀行が借金の代わりに土地や建物をもらうことができます。これがなければ、銀行は住宅ローンが返済されなくなっても、なすすべがありません。

銀行にとっては非常に重要な登記のため、「自分で抵当権設定登記をします」と銀行に伝えても認められず、銀行が司法書士に抵当権設定登記を依頼するケースがあります(かかった費用は、当然住宅ローンを借りる人が支払います)。

まとめ

お金の知識は知っていないと損することがたくさんあります。マイホームを買うときの登記費用も、そのうちの1つです。ハウスメーカーとの打ち合わせや引っ越し作業などで慌ただしくなるだけでなく、家具・家電の購入など、何かと物入りにもなります。少しの手間をかけるだけで数十万円ものお金が節約できるので、ぜひ取り組んでいただきたいと思います。

中川優也

中川優也

理想の家と豊かな生活を手に入れるためのコンサルタント。 全国から住宅購入相談を700件以上受ける。アドバイスは住宅ローンや保険の見直しにとどまらず、お金持ち思考へ切り替える方法など多岐にわたる。

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