レビュー
価格.comでも好調スタート。話題の高性能スマホの実力をチェック

サムスン「Galaxy S8」&「Galaxy S8+」7日間使用レビュー

サムスンのAndroidスマートフォン「Galaxy S8」および「Galaxy S8+」が、2017年6月8日よりNTTドコモとauから発売された。世界的に評価の高い高性能モデルで、価格.comに寄せられるユーザーレビューでも好評だ。そんな2モデル(NTTドコモ版「SC-02J」と「SC-03J」)を7日間メインスマホとして使い、その実力を検証した。

約5.8インチディスプレイ搭載の「Galaxy S8」(写真左)と、約6.2インチディスプレイを備える「Galaxy S8+」(写真右)。画面サイズ以外のスペックはほぼ共通している

縦長の曲面有機ELディスプレイを採用したユニークなフォルム

サムスンのスマートフォン「Galaxy S」シリーズは、同社の看板スマートフォンとして、世界的に注目を集めている製品だ。その2017年版の最新機種であるGalaxy S8とGalaxy S8+は、NTTドコモから「SC-02J」および「SC-03J」として、auからは「SCV36」および「SCV35」としてそれぞれ発売されている。

9:18.5という縦長のフォルムや、前面いっぱいに広がる有機ELエッジディスプレイ、廃止されたプッシュ式のホームボタンなど過去のスマホのイメージを塗り替える新しい試みが目立つ

左右がゆるやかにラウンドしたエッジディスプレイはそのまま継承されている

左右がゆるやかにラウンドしたエッジディスプレイはそのまま継承されている

「Galax S8」シリーズは、左右が曲面の有機ELエッジディスプレイを採用している。縦横比が、一般的な9:16ではなく、より縦長の9:18.5に変更されたため、そのシルエットは細く長い特徴的なものとなっている。なお、ディスプレイサイズが約5.8インチのGalaxy S8と、約6.2インチのGalaxy S8+の2機種展開だが、搭載されるバッテリー容量、LTEの通信機能などに一部違いがあるものの、CPUやカメラなど基本スペックは共通している。

ボディサイズは、Galaxy S8が、約68(幅)×149(高さ)×8.0(厚さ)mm、重量は約150g、Galaxy S8+が、約73(幅)×160(高さ)×8.1(厚さ)mm、重量は約173gだ。IPX5/8等級の防水仕様と、IP6Xの防塵仕様をクリアしており、デザインは基本的に共通のもの。縦長でベゼルのないエッジ型ディスプレイを採用したことで、大画面でありながらスリムなボディを実現しており、Galaxy S8の横幅は、4インチ台後半のスマホ並に抑えられ、Galaxy S8+の横幅は5インチ台前半のスマホに迫るものである。

Galaxy S8とGalaxy S8+の大きな違いはサイズ。このほか、バッテリーの容量はGalaxy S8が3,000mAhに対して、Galaxy S8+が3,500mAhという違いがある

約6.2インチディスプレイのGalaxy S8+(写真左)の横幅73mmと、約5.7インチディスプレイの「NEXUS 6P」の横幅77.8mmを比較。画面サイズに対して、圧倒的にスリムだ

Galaxy S8のカラバリは、ミッドナイトブラック(写真左)、オーキッドグレイ(写真中央)、コラールブルー(写真右)の3色。au版も共通だ

Galaxy S8+のカラバリは、ミッドナイトブルー(写真左)、アークティックシルバー(写真右)の2色。au版もカラバリは同じだ

ディスプレイを見てみよう。解像度は両機とも共通で1440×2960のWQHD+。ただし、本機は3段階の画面解像度調整機能があり、初期設定では1080×2220のフルHD+表示となる。本機が採用する有機ELパネルは、応答速度、コントラスト比、薄さなどの利点があるが、発色が輝度の影響を受けやすく、暗くすると色かぶりが現れることがある。だが、Galaxy S8とGalaxy S8+はいずれも、輝度を低下させた場合にも色かぶりはさほど目立たず、精細さが高まっている。また、有機ELディスプレイとしては色温度が高く、液晶ディスプレイを見慣れた人でも自然に感じられる色調だ。なお、不足しがちな輝度は以前よりもだいぶ改善されているものの、直射日光の下など明るい場所での視認性は、まだ、バックライトを搭載する液晶のほうが有利といえそうだ。

画面解像度は、720×1480のHD+、1080×2220のFHD+、1440×2960のWQHD+の3段階で調節できる

画面解像度は、720×1480のHD+、1080×2220のFHD+、1440×2960のWQHD+の3段階で調節できる

同じ有機ELディスプレイ同士としてGalaxy S8+(写真右)とNEXUS 6P(写真右)を並べてみると、Galaxy S8+の色温度が高いことがわかる。(いずれも輝度はオートにそろえて撮影)

ディスプレイのカラーバランスは手動で調整も可能だ

ディスプレイのカラーバランスは手動で調整も可能だ

基本性能や機能性に文句なし。Bluetooth 5.0や虹彩認証などの新技術も搭載

Galaxy S8とGalaxy S8+は、一般的な指紋認証や顔認証に加え、虹彩認証にも対応しており、合計3種類の生体認証に対応している。虹彩認証は、今まで富士通の「arrows NX」シリーズなどで採用されていたが、Galaxyシリーズとしては初の試みである。また、顔認証も、Android OSの標準機能ではなく、サムスン独自の技術が使われる。

虹彩認証はスマートフォンに顔を近づけるだけでロック解除できる手軽さとスピードが魅力。ただ、認証精度については、メガネをかけると精度が低下しやすいほか、屋外など周囲の照明の具合が変わると精度が低下する場合があり、登録パターンを何度か取り直すことで、実用的な認証精度になった。

インカメラの隣に並ぶ、虹彩認証用の赤外線カメラ。暗い場所でも認証が行える

インカメラの隣に並ぶ、虹彩認証用の赤外線カメラ。暗い場所でも認証が行える

充電機能では、QuickCharge 3.0に対応しており、Galaxy S8とGalaxy S8+ともに約110分という短時間でのフル充電が可能だ。またワイヤレス充電の規格である「Qi(チー)」にも対応している。Wi-Fiも高性能で、IEEE802.11a/b/c/n/acの各規格に対応するほか、2×2のMIMOに対応している。

FeliCaポート、NFCポート、Qiポートなど、ワイヤレスのインターフェイスも豊富に装備

FeliCaポート、NFCポート、Qiポートなど、ワイヤレスのインターフェイスも豊富に装備

このほか、フルセグ/ワンセグの各テレビチューナー、FeliCaおよびNFCポートが備わるほか、Bluetoothについても最新規格であるバージョン5.0にいち早く対応している。また、心拍計や歩数計などのヘルスケア製品とワイヤレス接続できる通信規格の「ANT+」にも対応している。

基本スペックだが、最新世代に当たるクアルコムのオクタコアCPU「Snapdragon 835 MSM8998(2.35GHz×4+1.9GHz)に、4GBのRAM、64GBのストレージ、256GBまで対応するmicroSDXCメモリーカードスロットを組み合わせる。OSはAndroid 7.0だ。定番のベンチマークアプリ「Antutu ベンチマーク」を動作させてみたところ、総合スコアでGalaxy S8が166,508、Galaxy S8+が164,803となった。前世代のCPU「Snapdragon 820」搭載機のスコアが大体14万点前後だったので、20,000点ほどのスコアアップを果たしている。サブスコアの詳細を見てみると、特に描画性能の向上が大きく、調査項目「3D」では、約67,000〜68,000点、「CPU」は約37,000点と、それぞれ10,000点近くスコアを伸ばしている。

左がGalaxy S8のスコアで、中央がGalaxy S8+のスコアだが、基本スペックが同じこともあって、比較しても誤差の範囲内だ。なお1世代前のCPUを使う「Xperia XZs」(右)のスコアと比べると全般的にスコアが伸びていることがわかる

CPUの発熱ログも調べてみた。検証中の7日間でCPUの温度は最高で35.4℃だったが、これは、ACアダプターに接続しつつソフトウェアのアップデートを行ったときのもの。通常の使用時にはおよそ30℃台前半で推移していた。ボディ表面の発熱も少なく、体温よりも熱くなることが少ない、熱を持ちにくいスマートフォンと言えるだろう。

検証を行った7日間のうち直近5日間のCPU温度の推移グラフ。ACアダプターに接続しつつ、断続的な通信を行ったときに計測した35.7℃が最高で、あとはおよそ30℃台前半で推移した

また、7日間に、バッテリーの充電は3回行っただけで、筆者の利用ペースならフル充電で2日強はバッテリーが持続していた。しかも、急速充電のQuickCharge 3.0に対応していない5V/3AのACアダプターを使っても、フル充電にかかる時間は2時間ほどと高速。このため、バッテリーの状態を常に意識しなくても使い続けられる余裕があった。なお、カタログスペック的には電池持ち時間は、Galaxy S8がドコモ版「SC-02J」で約115時間、au版「SCV36」が約100時間、Galaxy S8+がドコモ版「SC-03J」で約135時間、au版「SCV35」が約115時間となっている。いずれもライバル機と比べて多少長めの数値となっている。

7日間の検証期間中の直近5日間のバッテリーの利用ペースをグラフ化したもの。待ち受け主体なら、3日以上のバッテリー持ちも可能だろう

注目のAIサジェスト機能「Bixby」のほか、UIやアプリに独自の要素

他社のAndroidスマートフォンを使っている人が、Galaxy S8/S8+を使い始めると、操作性に独自の部分が多いことに気づくだろう。まず大きな違いは、ボタンの配置の違いで、Androidスマートフォンでは、前面のボタンは左から、バック、ホーム、タスクという並びだが、本機はタスク、ホーム、バックと、左右のボタンが入れ替わっている。また、近ごろはデザインの共通化が進む、設定画面や通知メニューなども本機独自のものである。

左が設定画面は、デザインや項目などが、Android標準と異なる。右の通知メニューも独自のデザインだ。なお、ショートカットアイコンの数を3×3個、4×3個、5×3個の中から選ぶことができる

また、初期設定されているWebブラウザーがAndroidスマートフォンではおなじみの「Chrome」ではなく、サムスン独自の「ブラウザ」になっている。「ブラウザ」は、画面の拡大や縮小が自在にできるなどChromeにはない特徴があるが、クラウドサーバー上に保存してあるパスワードやブックマークの同期ができないので、他社のAndroidスマホからの乗り換える場合は、少しとまどうことがあるかもしれない。

初期設定されているWebブラウザーはサムスン製の「ブラウザ」。使い慣れた「Chrome」に切り替えたい場合は、設定画面の「アプリ」で選びなおす必要がある

アプリの面では、AIを使った音声入力対応のサジェスト機能の「Bixby(ビクスビー)」にも注目だ。Bixbyは、さまざまなアプリと連携できるうえに、側面に専用のボタンが配置されているなど、かなり力が入れられている。ただ、情報サジェスト機能としてはGoogleの「Google Now」が先行している。また、対話型AIの「Google アシスタント」も登場したばかりということもあって、細かな違いはあるものの機能の重複感は否めない。

サムスン独自の音声入力対応のサジェスト機能「Bixby」、さまざまなアプリと連携し、欲しい情報などが提示される。自己学習機能を備えており、使えば使うほど賢くなる。左側の写真は本体左側面に備わるBixby専用ボタン。ボタンを押せばロック中でもBixbyが起動し、すぐに使うことができる

引き続き夜景に強いカメラ。サブカメラもAFに対応

カメラ機能を見てみよう。カメラも両機種とも共通で、メインカメラは、画素数約1,220万のデュアルピクセルカメラに、F値1.7のレンズの組み合わせで、基本的には昨年モデルの「Galaxy S7 edge」と同じ。いっぽうのサブカメラは、約500万画素から約800万画素に高精細化し、レンズもメインカメラと同じF値1.7の大口径レンズになった。解像度2560×1440の動画撮影に対応したほか、オートフォーカスも利用できるようになるなど、性能アップが図られている。

メインカメラの仕様は、基本的に前機種「Galaxy S7 Edge」と同じだ

メインカメラの仕様は、基本的に前機種「Galaxy S7 Edge」と同じだ

サブカメラは、約800万画素数に向上している。自撮り派にはうれしいポイントだ

サブカメラは、約800万画素数に向上している。自撮り派にはうれしいポイントだ

メインカメラとサブカメラの両方がオートフォーカスに対応。ただし、メインカメラほどの高速性と正確さは期待できない

メインカメラで撮影した光景(オートモード、ISO500、F1.7、1/10秒)。ノイズも少なく手ブレ被写体ブレを抑えた夜景撮影が簡単に行える

メインカメラで撮影した花弁のアップ写真(ISO200、F1.7、1/50秒)。ぎりぎりまで近づき花粉にピントを合わせた。花粉の質感はきちんと描写できている

今期のハイエンドスマホでは最有力。Galaxy S8とGalaxy S8+のどちらを選ぶか悩ましい

以上、Galaxy S8とGalaxy S8+の実力を1週間使ったレビューをお届けした。サムスン得意の有機ELエッジディスプレイは、本機のような縦長ディスプレイとすることで、大画面かつ持ちやすいという持ち味が今まで以上に発揮されている。処理性能の高さもさることながら、バッテリーの持続性や、抑えられた発熱も魅力で、欠点は特に見当たらない。

ライバルになりそうなのは、搭載されるCPUが共通で画面解像度も近い、6月発売のHTC「HTC U11」や4Kスマホの「Xperia XZ Premium」、7月に発売予定のシャープ「AQUOS R」などになるだろう。いずれも魅力的なハイスペックなモデルだが、バッテリーの持続性や持ちやすさでは本機に多少の優位性がある。

むしろ、Galaxy S8とGalaxy S8+のどちらを選ぶかが悩ましい。Galaxy S8+でも十分に持ちやすいし、大型機のデメリットを感じにくいが、両機には9,000円ほどの価格差がある。あとは好みと予算との兼ね合いになるだろう。

田中 巧(編集部)

田中 巧(編集部)

FBの友人は4人のヒキコモリ系デジモノライター。バーチャルの特技は誤変換を多用したクソレス、リアルの特技は終電の乗り遅れでタイミングと頻度の両面で達人級。

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