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無料でここまでできる! 「DaVinci Resolve 15」の基本的な使い方

動画制作の沼に足を踏み入れてみた! カラーグレーディングに挑戦 #後編

スマートフォンで撮影した動画でも、編集で色味を作り込めば、チョット見栄えのする映像にできる! そんな機能を無料で提供してくれるソフトウェアがBlackmagic Designの「DaVinci Resolve 15」です。

この記事では、その「DaVinci Resolve 15(macOS版)」を使い、iPhoneで撮影した動画ファイルを読み込んでから、編集、カラーグレーディングをして書き出すという基本中の基本の作業を解説します。

なお、カラーグレーディングとは何なのか、その詳細を解説した記事を公開しており、以下のURLから確認可能です。


動画制作の沼に足を踏み入れてみた! カラーグレーディングに挑戦 #前編

実際に作業している様子を動画でチェック

まずは、全体のイメージをつかむために、タイムラインに動画ファイルを置いてカットした後、色の調整をして書き出すまでの一連の流れを撮影した4倍速の動画をご覧ください。動画の色味がどんどん変わっていく様子が確認できます。

動画を見ただけでは何をしているのかわからないと思うので、次項では実際にどんな操作をするのか、1ステップずつチェックしていきます。基本的な流れは、「データベースとプロジェクトの作成」「動画ファイルの読み込みと編集」「カラーグレーディング」「データの書き出し」という順番になります。今回初めて「DaVinci Resolve 15」を使うユーザーもいると思うので、インストール後の初回起動時からの操作も紹介します。

プロジェクトの作成

ここでは、まず「DaVinci Resolve 15」を初めて起動した直後の画面から、プロジェクトを作成するまでの手順を確認します。

「DaVinci Resolve 15」を起動し、「新規データベース」をクリックするとポップアップウィンドウが表示されるので、そこで「作成」をクリックし、「名前」欄に任意のプロジェクト名を記入。ここでは「kakaku_com_mag」としています。さらに、「保存場所」をクリックします

ファイルを保存したい場所を選んで、「Open」をクリック。今回のケースのように外付けのHDD内にデータベースを保存することも可能です

「作成」をクリック

「作成」をクリック

データベースを作成したら、「名称未設定のプロジェクト」を選び「開く」をクリック。なお、2回目以降の起動時は、データベースを再度作成する必要はありません

動画ファイルの読み込みと編集

プロジェクトの作成が済んだら、あとは撮影した動画ファイルを読み込んで、必要なカットをつないでいく作業です。

プロジェクトを開くと上記のような画面が表示されます。ここからショートカットキー「Command+I」で動画や音楽ファイルの読み込みが行えます。なお、このショートカットは、Windowsでは「Ctrl+I」です

編集に使用したい動画ファイルを選んで「開く」をクリック。今回は1ファイルしか選んでいませんが、通常はプロジェクトに使用するファイルすべてを一気に読み込んで作業します

読み込んだ動画ファイルが「メディアプール」に表示されるので、それを画面下部の「タイムライン」にドラッグ&ドロップで追加します

タイムライン上でクリップの一部分を選択した状態で、「Command+Shift+[ 」を押すと該当部分をカット、自動で手前のクリップの不要部分を詰められます。また「Command+Shift+] 」では不要部分をカットした後、カーソルの先にある不要部分を詰められるので、これを駆使して必要な部分だけを残します。なお、このショートカットは、Windowsでは「Ctrl+Shift +[ 」と「Ctrl+Shift+]」です。

いよいよカラーグレーディングを行う

さてここからは、いよいよ「DaVinci Resolve 15」を使ったカラーグレーディングのプロセスを見ていくことにしましょう。

画面下にある花火のようなアイコンをクリックすると、カラーグレーディング専用の画面に切り替わります

画面下にある花火のようなアイコンをクリックすると、カラーグレーディング専用の画面に切り替わります

カラーグレーディング画面のUI。画面左が「メディアプール」に読み込まれたファイル、中央がプレビュー画面です

上記画像右上に表示されているのが「ノード」といわれる機能。Adobe系ソフトの「レイヤー」のような概念で、ノードにエフェクトやカラーグレーディングを加えていくことで、後から素早く修正したり不要な部分を削除したりすることが可能になります。

新しいシリアルノードを追加するには「右クリックメニュー」の「ノードを追加」から「シリアルノードを追加」を選択します

このようにシリアルノードが追加されればOK

このようにシリアルノードが追加されればOK

LUTを使って素早く好みの色をつくる

ここから全て手作業で色味を作り込んでいくこともできますが、下地になる調整を自動で行ないたい場合はLUT(Look Up Table)を使用するのが便利。LUTを使えば、プリセットのデータを元に素早く色味の調整ができます。

「DaVinci Resolve 15」にはキヤノンやソニー、パナソニックなどのカメラで撮影したLogデータに対応するLUTが標準でインストールされていますが、iPhoneで撮影したデータとは相性が良くなかったので、今回は無料で配布されている「FG Free Cinematic LUTs Pack」をダウンロードして使用しました。

LUTを追加するには「プロジェクト設定」から「カラーマネージメント」のタブを選び、「LUTフォルダを開く」をクリック

展開されたフォルダに、先程ダウンロードしたLUTパックをドラッグ・アンド・ドロップで移動させれば準備完了です

ノードを右クリックし「LUT」 にカーソルをあわせると、大量の候補が表示されるのでいろいろと試しながら自分の好きな色味を探していきます。今回は「SG CineVibrant」を使用しました。

手作業で細かく色を作り込む

LUTだけでは細かい設定ができず、撮影環境による元データの違いなどにより望んでいる色味にピタリと合わなかったり、カットごとの印象が違ってしまったりする場合があります。

そこで、「DaVinci Resolve 15」 に豊富に用意されているカラーグレーディング用の機能を使用して、調整を行っていきます。

ちなみに、「DaVinci Resolve 15」の起源は、Blackmagic 社に買収されたDa Vinci Systems社が開発していたプロ用のカラーグレーディングソフトにあるため、この機能こそが「DaVinci Resolve」がもっとも得意とする部分です。

作業を始める前に覚えておきたい小技

実際に手作業でカラーグレーディングを行う前に、抑えておきたい小技をご紹介します。

(1)ビューワー(プレビューウィンドウ)の左下にあるレイヤーの重なりのようなアイコンをクリックすると「アンミックス」と呼ばれる機能が使用できます。これをオンにしておくと、編集時にセットしたトランジションなどが全てオフになるので、よりクリーンな映像で色の作り込みができます。

(2)ビューワーの右上にある赤い斜線の入ったアイコンはカラーグレーディングなどの効果を全てオフにできます。アイコンがカラフルな状態の時は効果がオン、斜線が入っているときはオフになり、1クリックで作業前後の様子が確認できるので便利です。

RGBパレードスコープとカラーホイールを使ったコントラストとカラーの調整

カラーコレクションやカラーグレーディングの作業は、自分の目に頼りすぎると癖が強く出すぎてしまったり、結果に再現性がなくなってしまう可能性があります。

そこで、1つの方法として、以下の画像右下(1)にあるRGBパレードスコープと言われるデータを確認しながら行える作業があります。これは動画のデータが保持している赤・緑・青のバランスを示していて、ここからバランスの悪い色やコントラストの弱い色を見つけ出し、画面左下(2)のカラーホイールを使って補正していきます。

画面中央(3)のビューワーは微調整用で、「最後の最後は感覚に頼る」というタイミングで使うべきです。ここだけを見ているとブレが出てしまいます。

カラーグレーディング作業をする際のコツはビューワーに頼らずRGBパレードスコープや波形を見ながら調整をすること

画面下中央のセンターパレットにあるプルダウン・メニューから「色相vs彩度」など任意の項目を選び、左下のアイコンをクリック

そのまま補正したいビューワーのエリアをクリックすると、該当する色の範囲が自動で選択されるので、カーブを調整し色味を変更できます

極端な例ですが、肌の色を青ざめた色にすることも可能です。なお、今回は撮影した元データがiPhoneで撮影した8bitのファイルのため自由度が小さくなってしまっていますが、10bitで記録されたデータであれば、より複雑な色調整や変更が行えます

範囲指定でコントラストやカラーを調整

この映像では、すこしモデルさんの顔が暗めだったので、周囲を選択して明るくする作業をしてみました。範囲での選択なので、よく見ると背景の空や海も明るくなっているので補正の方法としては「やや大雑把」な感じもなりますが、ある意味では「後光がさしている」ような感じになり、被写体が浮き上がって見えるのでコレはこれでアリかもしれません。

映像の中の特定の範囲を選択して、コントラストやカラーを変更するには、画面中央の「ウィンドウ」をクリックし、範囲を指定する「形状」を選択。今回は「円」の選択ツールを選び、楕円に変形させた範囲の調整をしています

編集した動画の書き出し

編集やカラーグレーディングが終わったら、最後は動画の書き出しです。

画面下の「ロケットのようなアイコン」をクリックして、書き出し用のインターフェースを表示し、画面左で好みの設定を選び「レンダーキューに追加」をクリック

「Save As」でファイル名を、「Where」でファイルの書き出し先を指定して、「保存」をクリックします

「Save As」でファイル名を、「Where」でファイルの書き出し先を指定して、「保存」をクリックします

画面右の「レンダー開始」をクリックすると動画の書き出しが始まります

画面右の「レンダー開始」をクリックすると動画の書き出しが始まります

動画ファイルが出来上がれば、あとはYouTubeで公開するもよし、TVの大画面で楽しむもよし

動画ファイルが出来上がれば、あとはYouTubeで公開するもよし、TVの大画面で楽しむもよし

「DaVinci Resolve 15」で編集をした感想

今回は入門編としてiPhoneで撮影した4K(8bit)の映像を2016年モデルのMacBook Pro(15インチ)編集してみましたが、「DaVinci Resolve 15」の挙動は極めてスムーズ。タイムライン上でのプレイバックでもたつくことがなく、作業時にストレスを感じることはありませんでした。

また、ファイルの書き出しも速く、Macに最適化されている「Final Cut Pro X」と比較した場合でも、勝るとも劣らない速さでした。厳密に同じデータで同じ尺のファイルを作っての比較はしていませんが、筆者の環境では「DaVinci Resolve 15」の書き出し速度は驚くほど高速でした。

Mr.TATE(Masahira TATE)

Mr.TATE(Masahira TATE)

世界50カ国以上を旅したバックパッカー。週間アスキー編集部などを経て、AppBankに入社。「バイヤーたてさん」として仕入れとYouTubeを活用したコンテンツコマースに取り組み、上場時は広報として企業PRを担当。現在はフリーランスで活動中。

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