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大手キャリアの新料金ブランド&サブブランドの特徴もチェック

どれが安い? 「ahamo」「povo」「SoftBank on LINE」&「UQ mobile」「ワイモバイル」コスト比較

2020年12月から2021年1月にかけて、大手キャリアから相次いで料金プランの新設や改定が発表されました。

なかでもNTTドコモの「ahamo」は、毎月20GBまでのデータ利用量が月額2,980円(税別)で使えるというMVNO(仮想移動体通信事業者)の格安SIMにも匹敵する料金設定であることから、発表当初から大きな注目を集めています。

いっぽう、マルチブランド戦略を展開するKDDIとソフトバンクは、「ahamo」に対抗する新ブランドを準備しつつ、既存のサブブランドであるUQ mobileやワイモバイルの料金プランも刷新。スマートフォンのランニングコストを安く抑えたいユーザーにとって、この春は環境が大きく変わることになりそうです。

そこで今回は、大手キャリアの新料金ブランドとサブブランドについてサービス内容のおさらいとコストの比較をしてみようと思います。

※記事中の価格は特に表記がない限り税別です。2021年2月5日時点の情報です。

各社新料金ブランドの内容は?

まずはドコモ、KDDI、ソフトバンクの新料金ブランドをチェックしましょう。ドコモの「ahamo」、KDDIの「povo」、それにソフトバンクの新ブランドコンセプト「SoftBank on LINE」の料金プランについて、データ利用量や月額料金などの情報を以下にまとめました。なお、ソフトバンクの「SoftBank on LINE」はあくまでも新ブランドのサービスコンセプトという位置付けですが、本記事では便宜上新ブランドの仮称として用いています。

また、ドコモはマルチブランド戦略を採用していませんが、「ahamo」はファミリー割引の特典対象外であるなど従来のプランとは異なる別のブランドに近いサービス内容であるため、本記事ではKDDIにならい「ahamo」「povo」「SoftBank on LINE」をまとめて「新料金ブランド」と呼称しています。

ドコモ、KDDI、ソフトバンクの新料金ブランドのサービス内容

ドコモ、KDDI、ソフトバンクの新料金ブランドのサービス内容

「ahamo」「povo」「SoftBank on LINE」はデータ利用量が毎月20GBまでで、月額料金は「ahamo」と「SoftBank on LINE」が2,980円、「povo」がそれよりも500円安い2,480円となっています。いずれもオンライン専用のサービスとなっており、家族割引や固定通信サービスとのセット契約による割引特典を受けることはできません。

月額料金は通話定額オプションを含んでいるかどうかで異なります。「ahamo」と「SoftBank on LINE」には各通話最初の5分間が無料になる通話料割引が組み込まれていますが、「povo」では月額500円のオプションとして分離されています。そのため、5分間無料の通話料割引を利用することが前提の場合、月額料金はいずれも2,980円となります。

また、国内通話がかけ放題になるオプションも「ahamo」「SoftBank on LINE」では月額1,000円、「povo」では月額1,500円で用意されています。かけ放題オプションを追加した場合の月額料金も3,980円で揃うため、通話定額オプションを利用する場合のコストは横並びということになります。なお、通常の通話料はいずれも30秒あたり20円となっています。

対応するネットワークは「ahamo」「povo」「SoftBank on LINE」のいずれも4Gと5Gの両方で、5Gネットワーク対応端末を使ってきた人は新料金ブランドでも引き続き5Gを利用できます。データ利用量を使い切った後の通信速度も上り・下り最大1Mbpsで揃っています。

このようにほぼ横並びの新料金ブランドですが、キャリアごとの特徴も備えています。ドコモの「ahamo」は発表当初同社のファミリー割引の対象外とされていましたが、各種割引特典は適用されないもののファミリー割引の対象として扱われることが2021年1月14日に案内されています。

たとえば3人家族がドコモの「5Gギガホ」を契約している場合、「みんなドコモ割」が適用されることで各回線から1,000円が割り引かれます。このうち1人だけが「ahamo」に乗り換えた場合、「ahamo」もドコモの回線としてはカウントされるので、家族の人数は「3人」のままとなります。割引額も1回線につき1,000円が維持されますが、「ahamo」は割引特典の対象外であるため、割引が受けられるのは「5Gギガホ」を契約し続ける2人のみということになります。

「povo」は通話料割引がオプションとして分離されていることに加えて、各種オプションをスマートフォン上のアプリから手軽に追加したり停止したりできる「トッピング」という仕組みが用意されます。「オプションの付け外しが簡単になった」と言ってしまえばあまり目新しさは感じられないかもしれませんが、1回200円で24時間データ通信が無制限になる短期間限定のオプションや、1GBあたり500円の容量チャージなどもトッピングとして用意される予定です。

また、ソフトバンクの「SoftBank on LINE」ではコミュニケーションツール「LINE」のトークや通話などが無料になるゼロレーティング機能の提供が予定されています。

KDDIとソフトバンクのサブブランドの新料金プランは?

次に、KDDIのサブブランド「UQ mobile」とソフトバンクのサブブランド「ワイモバイル」の新しい料金プランの内容をチェックしてみましょう。UQ mobileの「くりこしプラン」とワイモバイルの「シンプル」のサービス内容を以下にまとめました。

UQ mobileとワイモバイルの新料金プラン

UQ mobileとワイモバイルの新料金プラン

UQ mobileの新料金プランにおけるデータ利用量と月額料金は、「くりこしプランS」が毎月3GBまでで1,480円、「くりこしプランM」が毎月15GBまでで2,480円、「くりこしプランL」が毎月25GBまでで3,480円です。このうち「くりこしプランL」は2020年10月に発表されていた「スマホプランV」の内容を見直したものとなります。

「くりこしプラン」の通話料は30秒あたり20円で、通話料割引は組み込まれていません。毎月合計60分まで無料の「通信パック(60分/月)」(月額500円)、各通話最初の10分間が無料の「かけ放題(10分/回)」(月額700円)、国内通話がかけ放題になる「かけ放題(24時間いつでも)」(月額1,700円)を必要に応じて追加可能です。

いっぽう、ワイモバイルの新料金プランにおけるデータ利用量と月額料金は、「シンプルS」が毎月3GBまでで1,980円、「シンプルM」が毎月15GBまでで2,980円、「シンプルL」が毎月25GBまでで3,780円です。このうち「シンプルL」はUQ mobileと同様に、2020年10月に発表されていた「シンプル20」の内容を見直したものとなります。

「シンプル」の通話料も30秒あたり20円で、従来のプランとは異なり通話料割引は組み込まれなくなりました。必要に応じて各通話最初の10分間が無料の「だれとでも定額」(月額700円)、国内通話がかけ放題になる「スーパーだれとでも定額(S)」(月額1,700円)の追加が可能です。

比較的横並びだった新料金ブランドとは違い、UQ mobileとワイモバイルの料金プランには目立つ違いがあります。まず、ワイモバイルの「シンプル」は2回線目以降(最大9回線まで)の月額料金が1回線あたり毎月1,080円割り引かれる「家族割引サービス」や「おうち割 光セット(A)」の対象ですが、UQ mobileの「くりこしプラン」は「UQ家族割」や「ギガMAX月割」の対象外です。そのため、2回線目以降の月額料金を比べるとワイモバイルのほうが580円もしくは780円お得です。

その代わりUQ mobileの「くりこしプラン」は従来のプランや「シンプル」と比べて月額料金があらかじめ安く設定されていて、1回線目の月額料金に限れば「シンプル」よりも300円もしくは500円お得です。また、プラン名称にもなっているように、「くりこしプラン」では余ったデータ利用量が翌月へ繰り越されるのが特徴です。

なお、ワイモバイルは2021年2月から5Gサービスを開始しており、「シンプル」は新料金ブランドと同様に4Gと5Gの両方に対応していますが、UQ mobileの5Gサービスは2021年夏の開始が予定されていて、「くりこしプラン」で利用できるのは4Gのみとなります。

新料金ブランドとサブブランド新料金プランのコストを比較

続いて、3社の新料金ブランドおよびKDDIとソフトバンクのサブブランド新料金プランのコストを比較してみましょう。新料金ブランド「ahamo」「povo」「SoftBank on LINE」とサブブランドの新料金プラン「くりこしプラン」「シンプル」の月額料金を以下の表にまとめました。

なお、月額料金は通話定額オプションを付けない「通話定額なし」、各通話最初の数分間が無料になる通話料割引オプションを付けた「準通話定額」、かけ放題の通話定額オプションを付けた「通話定額あり」の3パターンに分けて試算しています。また、ワイモバイルについては「家族割引サービス」が適用された場合の2回線目以降の月額料金も併記しています。

大手キャリア新料金ブランドとサブブランド新料金プランのコスト比較

大手キャリア新料金ブランドとサブブランド新料金プランのコスト比較

前述のように、新料金ブランドの「ahamo」「povo」「SoftBank on LINE」は通話定額オプションを含めた場合の月額料金が揃っています。そのため、通話料割引が不要であれば「povo」が500円お得ですが、通話料割引が必要な場合はどのブランドを選んでもコストは変わりません。

新料金ブランドとサブブランドを比べてみるとどうでしょうか。UQ mobileの「くりこしプラン」とワイモバイルの「シンプル」ではデータ利用量が新料金ブランドの前後5GBとなる15GBや25GBに設定されており、データ利用量では新料金ブランドと競合していません。

UQ mobileから見てみると、毎月25GBまでの「くりこしプランL」と新料金ブランドを比較すると「準通話定額」や「通話定額あり」の条件では新料金ブランドのほうが1,200円、「通話定額なし」の条件では「povo」のほうが1,000円お得です。毎月15GBまでの「くりこしプランM」と新料金ブランドを比べると、「準通話定額」や「通話定額あり」の条件における差額は200円と小さく、「通話定額なし」の条件では「povo」との価格差はありません。

「くりこしプランM」や「くりこしプランL」と新料金ブランドのデータ利用量の差は5GBと比較的少なく、どのプランを選ぶのかはデータ利用量を使い切った場合の速度(最大1Mbps)で乗り切れるかどうかがひとつのポイントとなります。乗り切れるのであれば新料金ブランドよりも「くりこしプランM」、あるいは「くりこしプランL」よりも新料金ブランドといったように、よりコストの安いプランを選ぶことも可能です。

ワイモバイルの場合、毎月25GBまでの「シンプルL」と新料金ブランドを比べると「準通話定額」あるいは「通話定額あり」の条件では新料金ブランドのほうが1,500円、「通話定額なし」の条件では「povo」のほうが「シンプルL」よりも1,300円お得となります。毎月15GBまでの「シンプルM」と新料金ブランドを比べても、「準通話定額」あるいは「通話定額あり」の条件では新料金ブランドのほうが700円、「通話定額なし」の条件では「povo」のほうが500円お得です。

いっぽう、「家族割引サービス」が適用された2回線目以降と新料金ブランドを比較すると、「準通話定額」あるいは「通話定額あり」の条件では「シンプルM」のほうが380円、「通話定額なし」の条件では「povo」よりも580円安くなります。「シンプルL」の場合は「準通話定額」と「通話定額あり」の条件で新料金ブランドとの差額が420円、「通話定額なし」の条件では「povo」との差額が220円まで狭まるため、家族全員で同じキャリアを選べるのであればワイモバイルも魅力的です。

新料金ブランドは特徴でチョイス、UQ mobileやワイモバイルの新プランも注目

「ahamo」の発表以来注目を集めてきた各キャリアの新料金ブランドは、コストの点ではほぼ横並びの状況となっています。どのキャリアから選ぶべきなのかは、従来タイプの料金プランを契約する家族ともファミリー割引が組めるドコモの「ahamo」、通話定額が不要なら他社よりも安く利用可能で「トッピング」が便利なKDDIの「povo」、LINEが対象のゼロレーティング機能が付くソフトバンクの「SoftBank on LINE」といったそれぞれの特徴を踏まえて選択するのがよさそうです。

いっぽう、これまでコストパフォーマンスのよさから人気を集めてきたサブブランドの新料金プランも注目です。UQ mobileの「くりこしプランM」は新料金ブランドとの差額が200円以下とオプション料金並み。ワイモバイルの「シンプルM」は「家族割引サービス」が適用された2回線目以降の月額料金が新料金ブランドよりも380円もしくは580円お得です。

どちらもデータ利用量は毎月15GBまでなので新料金ブランドと比べて5GB少ないものの、店頭でもサポートが受けられるというメリットがあります。新料金ブランドはいずれもオンライン専用なので、UQ mobileやワイモバイルのほうが安心して利用できるという人も多いかもしれません。

また、新料金ブランドの料金プランはデータ利用量が毎月20GBまでの一種類のみ。データ利用量がもっと少なくてもいいという人は、サブブランドの毎月3GBまでのプランやMVNOの格安SIMといったより安いサービスを選ぶことで、通信コストをさらに安く抑えられるはずです。

大手キャリアのメインブランドとサブブランドの改定、それに新料金ブランドの登場と市場環境が大きく変わるこの春。インパクトだけでなくサービス内容にも注目して賢くサービスを選びましょう!

松村武宏

松村武宏

信州佐久からモバイル情報を発信するフリーライターであり2児の父。気になった格安SIMは自分で契約せずにはいられません。上京した日のお昼ごはんは8割くらいカレーです。

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