レビュー

9,980円から購入可能な高コスパ。楽天モバイルの5G対応小型スマホ「Rakuten Hand 5G」

楽天モバイルオリジナルのスマートフォン「Rakuten Hand」に、5Gに対応した後継機「Rakuten Hand 5G」が登場。低価格で話題となった前モデル「Rakuten Hand」からの進化点を押さえつつ、その特徴に迫った。

※本記事中の価格は税込で統一している。

小型スマホ「Rakuten Hand」が5Gに対応。ストレージも128GBに増量

楽天モバイルは、オリジナルのAndroidスマートフォンとして、コンパクトな「Rakuten Hand」シリーズと、大型の「Rakuten BIG」シリーズという2製品を発売している。今回紹介する「Rakuten Hand 5G」は、コンパクト系の「Rakuten Hand」の後継機として、2022年2月14日に発売された5Gスマートフォンだ。税込価格は39,980円だが、割引をフルに活用すれば実質9,980円から購入できる低価格が特徴となっている。

「Rakuten Hand 5G」のボディは、約63(幅)×138(高さ)×9.5(厚さ)mmで、重量は約134g。前モデル「Rakuten Hand」とサイズは同じだが、約5g重くなった。ディスプレイは、1,520×720のHD+表示に対応した約5.1インチの指紋認証付き有機ELディスプレイから変更はない。なお、FeliCaポートの搭載も変わらないが、「モバイルSuica」や「モバイルPASMO」といった交通系ICカードを切り替えて併用できるようになった。また防水性能は、IPX2等級の防滴仕様から水没にも耐えるIPX8等級へ、防塵性能はIP5X等級からIP6X等級へとそれぞれ高められている。いっぽう、ヘッドホン端子は非搭載になり、変換アダプターが同梱される。スピーカーはモノラルのまま変更はない。

楽天のロゴがプリントされた背面。検証機のボディカラーはホワイトだが、このほかにブラックとクリムゾンレッドのカラーバリエーションが用意される

楽天のロゴがプリントされた背面。検証機のボディカラーはホワイトだが、このほかにブラックとクリムゾンレッドのカラーバリエーションが用意される

ボディ下面には、写真左から、スピーカーホール、USB Type-Cポート、マイクホールが配置される

ボディ下面には、写真左から、スピーカーホール、USB Type-Cポート、マイクホールが配置される

ボディ上面。「Rakuten Hand」にあったヘッドホン端子が省略されている

ボディ上面。「Rakuten Hand」にあったヘッドホン端子が省略されている

右側面はボリュームと電源のボタンが配置される。eSIM専用機なのでSIMカードスロットはない

右側面はボリュームと電源のボタンが配置される。eSIM専用機なのでSIMカードスロットはない

USB Type-Cからヘッドホン端子への変換アダプターが同梱される

USB Type-Cからヘッドホン端子への変換アダプターが同梱される

曲面ディスプレイを備えた軽いボディは、手によくなじむ。ディスプレイ指紋認証は精度も認証速度も良好で、使用感は軽快だ。前モデルに比べて防水性能が上がったことや、モバイルSuicaとモバイルPASMOの併用対応FeliCaポートを備えている点も評価できる。なお、ディスプレイの画質は、有機ELパネルらしい黒の表現で引き締まった印象ではあるが、従来モデル同様に最大輝度が低めのため、明るい屋外などでは視認性があまりよくない。加えて、リフレッシュレートは60Hz駆動のままで、HDR動画の表示にも対応していない。近ごろは、本機と同様の安価なエントリー向けスマートフォンでも高速駆動やHDR対応ディスプレイを備えたものが増えているので、この点では多少の見劣りがする。なお、ヘッドホン端子は非搭載だが、Bluetoothの音声コーデックに関しては、標準のSBCに加えてaptX/aptX HD/aptX Adaptive/aptX TWS+/LDAC/AACの各コーデックに対応しているため、ワイヤレスイヤホンやヘッドホンとの相性は悪くない。

利用できるBluetoothオーディオコーデックの一覧。ハイエンドモデルではないが対応コーデックは多く、ワイヤレスイヤホンやヘッドホンとの適合性にすぐれる

利用できるBluetoothオーディオコーデックの一覧。ハイエンドモデルではないが対応コーデックは多く、ワイヤレスイヤホンやヘッドホンとの適合性にすぐれる

搭載されるSoCは、「Snapdragon 480 5G」で、4GBのメモリーと128GBのストレージを組み合わせる。増設用のメモリーカードスロットを備えていないため、従来モデルから倍増された128GBのストレージ容量はうれしい。プリインストールされるOSはAndroid 11となり、楽天モバイルが発表したAndroid 12へのバージョンアップ予定リストには掲載されていない。

本機の処理性能を、定番のベンチマークアプリ「GeekBench5」を使って計測したところ、シングルコアは506、マルチコア1,587となった。従来機「Rakuten Hand」のスコアはシングルコアが570前後、マルチコアが1700前後だったので、本機のほうがやや劣る結果となった。グラフィック性能を計測するベンチマークアプリ「3DMark」で計測したところ、「Wild Life」のスコアは989となり、従来機のスコア780前後に比べると、2割ほどスコアが伸びている。

なお、これらのベンチマークアプリでは計測できないが、ストレージの種類が「Rakuten Hand」のeMMCからUFSに変更されている。そのため、データの書き込みなどストレージの性能に左右される状況では、体感速度がいくらか向上していることを実感できた。

左が「GeekBench5」の計測結果で、シングルコアが506、マルチコアが1,587。右は「3DMark(Wild Life)」の計測結果で、989となった

左が「GeekBench5」の計測結果で、シングルコアが506、マルチコアが1,587。右は「3DMark(Wild Life)」の計測結果で、989となった

通信機能を見てみよう。前述したように「Rakuten Hand 5G」は5Gに対応する。ただし、5Gの対応周波数帯はn77のみ。n77は楽天モバイルのほかは、国内ではKDDIとソフトバンクで利用されている。
いっぽう、4Gの対応周波数帯はB1/2/3/4/5/7/8/12/17/18/19/26/28/38/40/41/42と多く、NTTドコモのB19や、KDDIのB18、ソフトバンクのB8といった他社のプラチナバンドも含まれている。4Gに限れば対応する周波数帯も多く、他社回線でも比較的快適に利用できそうだ。なお、楽天モバイルの5Gエリアはまだ限定的ではあるが、接続できれば、4Gよりも数倍速い通信速度が期待できる。

また、本機は、デュアルeSIM対応のため、2個のeSIMプロファイル(データ)を同時に待ち受け状態にできる、eSIM版のDSDV(デュアルSIMデュアルVoLTE)と言える。ただし、楽天モバイル以外の通信キャリアのeSIMの動作確認は行われていない。また、楽天モバイル以外のeSIMサービスは、再発行に制約がある場合も珍しくないので、自己責任で利用することになる。

実質シングルカメラだが、画質は素直

本機に搭載されるメインカメラは約6,400万画素の標準カメラと、約200万画素の深度センサーという組み合わせのデュアルカメラだ。フロントカメラは約1,600万画素となっている。AIシーン認識機能やHDR撮影機能、ARエフェクト機能を搭載するほか、RAWデータでの保存も可能だ。

メインカメラのレンズには、かなりわかりにくいが保護シールが貼ってある。保護シールを付けたままだと、にじみやフレア、発色の甘さなど本来の性能が妨げられる

メインカメラのレンズには、かなりわかりにくいが保護シールが貼ってある。保護シールを付けたままだと、にじみやフレア、発色の甘さなど本来の性能が妨げられる

以下に、本カメラを使って撮影した静止画の作例を掲載する。いずれもカメラ任せのオートモードを使用している。

祠を撮影。曇りだったため、明暗差が少ないシーンだ。肉眼の印象に近く、鮮やかさを誇張しない素直な絵作りだ

祠を撮影。曇りだったため、明暗差が少ないシーンだ。肉眼の印象に近く、鮮やかさを誇張しない素直な絵作りだ

屋根裏を撮影。明暗差を大きくしてみたが、屋根裏の暗部のディテールとハイライトとなる遠景の樹木いずれもバランスが取れている

屋根裏を撮影。明暗差を大きくしてみたが、屋根裏の暗部のディテールとハイライトとなる遠景の樹木いずれもバランスが取れている

明るめな夜景を撮影。こちらも誇張を抑えた素直な絵作りだ。ただし、露光時間が多少長くなるため、手ブレには少々シビアな面も。長めにしっかりとホールドしたい

明るめな夜景を撮影。こちらも誇張を抑えた素直な絵作りだ。ただし、露光時間が多少長くなるため、手ブレには少々シビアな面も。長めにしっかりとホールドしたい

ISO7,188という超高感度での夜景撮影。ノイズの発生は仕方ないが、闇に浮かぶ給水塔や構図中央付近の鉄柵などのディテールは、思いの外はっきり写し取られている

ISO7,188という超高感度での夜景撮影。ノイズの発生は仕方ないが、闇に浮かぶ給水塔や構図中央付近の鉄柵などのディテールは、思いの外はっきり写し取られている

本機のメインカメラは比較的シンプルな作りではあるが、AIを使ったシーン認識を備えており、明るい日中から夜景撮影まで、シャッターを押すだけのカメラ任せで撮影してもクセの少ないキレイな写真が撮れる。鮮やかさを誇張し過ぎているきらいのあった従来機「Rakuten Hand」よりも、基本性能の向上を実感できる。注意点としては、手ブレ補正機能を搭載しないことによる、低照度のシーンでの露光時間の長さだ。夜景にはさほど強いとは言えないので、その点は覚えておきたい

各種割引適用で端末価格は9,980円〜。月額料金も3,278円でデータ使い放題

本機のコストパフォーマンス面を見てみよう。端末価格は39,980円で、割引として、新規契約やMNP契約など楽天モバイルの回線を初めて契約したユーザーを対象にした20,000円の「プランセット値引き」が用意される。これに加えて、5,000分の楽天ポイントが進呈される「Rakuten UN-LIMIT VIお申し込み特典」や、オプションメニュー「10分(標準)通話かけ放題」(月額1,100円)への加入と利用で5,000ポイントが進呈される特典もある。これらの割引をフルに活用すれば、実質負担は9,980円に抑えられる。

こうした端末の導入コストに加えて、月々の維持費の安さも楽天モバイルの魅力だ。楽天モバイルの通信プラン「Rakuten UN-LIMIT VI」は、月額3,278円でデータ通信が使い放題(厳密には1日に10GBを超過すると、その日いっぱい速度制限がかかる)。また、専用の通話アプリ「楽天Link」を使えば、音声通話とSMSの送受信が無料になる。月間通信容量が1GB以下なら月々数円のユニバーサル料金や電話リレーサービス料だけでよい。また、楽天市場での買い物の際にポイント還元率がプラス1%加算されたり、Google Playで、キャリア決済を使うと、10%のポイント還元が受けられる優遇などもあり、コストパフォーマンスは相当に高いと言える。

バッテリー容量は2,630mAh。1日しっかり使えば電池持ちは2日程度

本機のバッテリーは、2,630mAhという小容量のもの。カタログスペックでは、LTEエリアにおける連続待受時間は約343時間、連続通話時間は約26.6時間となっており、従来機「Rakuten Hand」の、連続待受時間約402時間、連続通話時間約18時間で、いずれにしてもさほど電池持ちはよいほうではない。

実際の電池持ちだが、1日3時間程度利用したところ、48時間でバッテリーの残量が10%を下回った。1日に30分程度使用する待ち受け主体の利用ペースなら4日はバッテリーが持続するが、1泊の旅行でもモバイルバッテリーや充電器の携帯は積極的に検討したほうが無難だ。

5G対応に加えて、ストレージの大容量化やカメラ性能のアップなどで、使いやすくなった

楽天モバイルのオリジナル端末ということもあるが、楽天モバイルでの製品ラインアップで本機のライバルとなりそうなのは、従来モデル「Rakuten Hand」だろう。「Rakuten Hand」は、モデル末期で端末価格が12,980円まで下落しているうえに、回線契約を同時に行うなど各種の割引条件と合致すれば実質無料で購入できる。ただし、こちらはOSが2020年登場のAndroid 10であるうえに、バージョンアップの予定もない。また、ストレージが64GBと少なく増設もできないのも、昨今の大容量化が進むアプリ事情を考えればやや不安点だ。また、カメラ性能も、「Rakuten Hand 5G」のほうがかなり改良されている印象を受けた。5G対応であることは、現状そこまで強いセールスポイントにはならないかもしれないが、いくつかの改良によって使いやすくなった本機は、家族に持たせるためのファーストスマホとして、また低コストで運用する2台目としての魅力は十分にありそうだ。

田中 巧(編集部)

田中 巧(編集部)

FBの友人は4人のヒキコモリ系デジモノライター。バーチャルの特技は誤変換を多用したクソレス、リアルの特技は終電の乗り遅れでタイミングと頻度の両面で達人級。

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