HPのノートPC「Pavilion」シリーズの中で 、最も軽いのが13インチのHP「Pavilion Aero 13 G3 Ryzen 7」です。価格.com「ノートパソコン」カテゴリーの人気売れ筋ランキングでは5位、モバイルノートに絞ると3位(2024年4月26日時点)の高順位につけており、人気の高さがうかがえます。ユーザーに愛されるその理由はどこにあるのか、人気モデルの使い心地はいかほどか。実際に試用して確かめてみました。
HP「Pavilion Aero 13 G3 Ryzen 7」の価格は119,800円(税込。2024年4月26日時点の価格.com最安価格)。レビューで試用したモデルの本体色は「セラミックホワイト」。ほかに「ピンクベージュ」があります
本製品の第一印象は、とにかく軽いこと。HP「Pavilion Aero 13 G3 Ryzen 7」の重量は約957gで、13.3インチノートとすれば平均的かもしれませんが、ノートPC全体で見るとかなり軽いです。筆者は日頃から1.6Kg近いノートPCを持ち歩いていますが、「どうして自分はこんなに重いPCを持ち歩いているんだ……」と切なくなったほどです。
片手で持っても十分安定する軽量ボディ。エアロの名は伊達ではありません
軽さの利点はさまざまですが、「ノートPCを持ち歩くことを億劫に思わなくなる」ことは、特に日頃から持ち歩く必要がある人にとって大きなメリットでしょう。スペックを見て軽いだろうなとは思っていましたが、実際に持ち歩いてみてその軽さに改めて驚かされました。
感じ方に個人差はあれど、これだけ軽ければ体への負荷も小さく、体力も続きます。肩や腰にもやさしいですし、元気に動ける時間も増えるというもの。職場や学校に移動するだけで疲れるなんてこともありません。仕事や勉強の生産性を上げる最短ルートは、軽いPCを持ち歩くことかもしれませんね。
アンダー1KgのノートPCは少なくありませんが、「Pavilion Aero 13 G3 Ryzen 7」は119,800円というコスパのよさも見逃せません。また、本モデルは、「10万円前後かつ1Kg未満の13インチノート」で最もCPUスコア(PassMark)が高いモデルでもあります(人気売れ筋ランキングで比較。2024年4月26日時点)。そのため、Officeなどのソフトでも問題なく処理できます。また、13.3インチのディスプレイは16:9よりも縦に10%表示領域の広い16:10を採用。Webブラウザーの閲覧やアプリの表示でも有利です。
Office系ソフトも問題なく動作。「Teams」のようなビデオ会議も快適。なお、今回レビューしたモデルには「Microsoft Office」は付属しません
仮に重量が増えてもいい、もしくは高価になってもいいとするなら、ほかのモデルも候補になるでしょう。ですが、たとえばビジネス用途や学生向けモデルとしてノートPCを探す場合、あまりに高いスペックは持て余しがちです。
「スペックはそこまで高くなくていいんだけど」といった、ある種の割り切りが可能なシチュエーションであれば、本モデルはスペックも価格もちょうどいいバランス。なおかつ、ここに“軽さ”という付加価値があるのが、本モデルが評価されている点でしょう。
慣れないうちはenterやbackspaceを押そうとすると、右側のキーを押してしまいそうになります
バランス感覚にすぐれたモデルではあるものの、キーボードの配置にはややクセがあります。enterキーの右側にキーが縦に配列されており、慣れないうちは「backspaceキーを押そうとしたら右のhomeキーを押してしまう」という誤操作が起こりがちです。価格.comのレビューやクチコミでも、この点についての言及がいくつか見受けられます。右上=backspaceと体が覚えてしまっている人にとっては、厄介かもしれませんね。
マイクロソフトの公式アプリ「Microsoft PowerToys」でhomeキーをbackspaceに置き換えている様子
対策方法としては、マイクロソフトの公式アプリ「Microsoft PowerToys」などのWindowsユーティリティアプリを使って右端のキーをリマップ、あるいは無効化するなどの方法が効果的。とはいえ、慣れでカバーできる範囲でもあり、実際に本機で原稿執筆をしてみましたが極端にタイプミスが増えることはありませんでした。
また、USB Type-Cポートが1基しかないため、ここから充電している場合は、ファイルの取り込みなどの場合に残る2基のUSBポートを使うことになります。その場合、通信速度があまり出ない、あるいはUSB Type-C to Type-Cケーブルを使う場合はハブが必要といった点がネックになりえます。とはいえ、これも重箱の隅をつつくような小さなデメリットでしょう。
厚さ18.9mmのボディながら天面耐圧試験では300kgの加重をクリア
タッチ対応ディスプレイやSDカードスロットは非搭載ですが、このあたりは価格を思えば妥当なところです。むしろ、機能的な物足りなさよりも、本体の軽さからくる取り回しのよさのほうが印象的でした。「自分が求めるスペックならこれくらいでいい、なおかつ予算も重量も抑えられた」といったコスパに対する評価が、ランキングの順位に表れているのでしょう。ちなみに価格.comで満足度を見てみると、やはりというべきか持ち運びやすさが特に高評価でした(2024年4月26日時点)。
ちなみに、こう見えて堅牢性も十分(天面耐圧試験300Kgをクリア)で、満員電車のような環境への対策もバッチリ。さらに、バッテリー駆動時間はメーカー公称値で12時間(Mobilemark 2018)。45分間で50%充電できる「ファーストチャージ」機能も備え、通勤や通学でノートPCを持ち運ぶのが日常的なユーザーのニーズをしっかりと押さえています。
「10万前後でとりあえずノートPCが必要」という人なら、選択肢に入れておきたいモデルと言えます。
軽さは正義、ここに間違いはありませんでした。