2024年5月に発売された「motorola edge 40 neo」(以下、「edge 40 neo」)は、2023年7月に発売済みの「motorola edge 40」(以下、「edge 40」)の下位モデル。「edge 40」のほうが上位CPUを搭載していますが、「edge 40 neo」はWi-Fi 6Eをサポートし、バッテリー容量を増量するなど勝っているスペックがあります。
とはいえ2024年6月14日時点で標準モデルである「edge 40」のほうが、下位モデル「edge 40 neo」よりも最安価格は低くなっており、どちらを買うか悩ましい状況です。というわけで今回は両機種のスペック、パフォーマンス、カメラ画質などをじっくり比較して、どちらを買えばいいのか検証してみました。
左が「edge 40 neo」、右が「edge 40」
初期OSは両機種とも「Android 13」ですが、「edge 40」は「Android 14」の提供が開始されています。プロセッサー(SoC)は、「edge 40 neo」が「MediaTek Dimensity 7030」、「edge 40」が「MediaTek Dimensity 8020」を採用。メモリーはどちらも8GB。ストレージは両者とも256GBですが規格が異なり、「edge 40 neo」がUFS 2.1、「edge 40」がUFS 3.1です。
ディスプレイは約6.55インチの有機ELディスプレイ(2400×1080、144Hzなど)というところまでは共通。ただし「edge 40」はHDR10+対応で、「edge 40 neo」は公式サイトにHDRに関する記載がありません。
しかし、YouTubeでHDR動画の再生を試したところ、「edge 40 neo」でもHDR動画を再生できました。ディスプレイの全スペックが同一とは断言できませんが、少なくとも「edge 40 neo」でもHDRコンテンツを再生できるのは間違いないようです。
左が「edge 40 neo」、右が「edge 40」。ディスプレイのサイズ、解像度、アスペクト比、リフレッシュレートは同じです
YouTubeでは2モデルともHDRコンテンツを再生できましたが、「Netflix」アプリではどちらもHDRコンテンツを再生できませんでした
カメラはどちらも背面に約5000万画素広角(F1.4、OIS)カメラ、約1300万画素超広角(F2.2、マクロカメラ)、前面に約3200万画素(F2.4)カメラを装備。ただし、「edge 40」にのみ環境照度センサーが内蔵されており、マイクが1つ多いトリプル構成(上面、下面、背面)です。環境照度センサーがカメラ画質に影響を与えるかは、後ほど実写テストで確認してみましょう。
「edge 40 neo」(左)と「edge 40」(右)。素材は違えど、外観に差はほとんどありません。なお「edge 40」はQi規格のワイヤレス充電対応です
外部インターフェイスはどちらもUSB Type-Cポート搭載。ワイヤレス通信は「edge 40 neo」がWi-Fi 6E、Bluetooth 5.3、「edge 40」がWi-Fi 6、Bluetooth 5.2に対応。また両機種とも「おサイフケータイ」、IP68の防水防塵に対応しています。
左が「edge 40 neo」、右が「edge 40」。どちらも側面が丸められているので、サイズよりも握りやすく感じられます
SoCは、「edge 40 neo」が「MediaTek Dimensity 7030」、「edge 40」が「MediaTek Dimensity 8020」を採用しています。定番ベンチマーク3本を実行したところ、「edge 40」は「edge 40 neo」に対して、総合ベンチマーク「AnTuTu Benchmark V10.2.5」の総合スコアは137%相当、「Geekbench 6.3.0」のSingle-Core Scoreは102%相当、Multi-Core Scoreは139%相当、「3DMark」のWild Lifeは266%相当のスコアを記録しました。
ベンチマークスコア上は、両者に大きな差があるのは間違いありません。ただしブラウジングや動画再生、写真や動画の撮影などにおいて、「edge 40 neo」の動作が遅く感じられることはなかったです。ベンチマークスコアほどの性能差は、動画の書き出しなどの高負荷な作業以外で発生することはないと思われます。
「edge 40 neo」のスコア
「edge 40」のスコア
「原神」はどちらの端末でも実用的な速度で動作します
カメラ画質は、解像感という点ではほぼ同等です。ただ発色は大きく異なっており、「edge 40」のほうが全体的に明るく、派手な色で記録される傾向がありました。この違いは、「edge 40」にのみ環境照度センサーが搭載されているのが原因である可能性が高いです。
しかし「edge 40」のほうが画質はすぐれているかというと、必ずしもそうではありません。たとえば下の例でいえば、花の写真は「edge 40 neo」のほうが実際の色に忠実です。「edge 40」は緑の色が鮮やかすぎですね。
ただし、多少色が違ったとしても、レタッチソフトで修正できる程度。カメラの構成や、解像感は同じなので、ほかのスペックを重視して選んでもよいと思います。
「edge 40 neo」
「edge 40」
「edge 40 neo」
「edge 40」
「edge 40 neo」
「edge 40」
「edge 40 neo」(8倍ズーム)
「edge 40」(8倍ズーム)
「edge 40 neo」
「edge 40」
「edge 40 neo」
「edge 40」
「edge 40 neo」と「edge 40」の使い勝手はほぼ同等。ベンチマークスコア自体は「edge 40」のほうが大きく勝っていますが、「edge 40 neo」でも「原神」などの3Dゲームを実用的な速度でプレイ可能です。
カメラの発色は異なるものの、解像感という点では両者に大きな違いはありません。指紋認証、顔認証、おサイフケータイ対応という点は同じですし、防水防塵もIP68と同水準。使い勝手で大きな差となるのは、Qiによるワイヤレス充電ぐらい。さらに、Wi-Fi 6Eに対応し、バッテリー容量が多い点は、下位モデルの「edge 40 neo」のほうが勝っています。
しかしながら、記事執筆時点で「edge 40」のほうが最安価格は低くなっているんですね。また現在「Android 14」にアップデートできるのは「edge 40」。総合的に考えると、特段の理由がない限りは「edge 40」のほうがおすすめと言えるでしょう。