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「価格.comプロダクトアワード」10年の歴史を振り返る

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パソコン周辺機器部門

価格.comプロダクトアワードの「パソコン関連」部門は、2006年の開始時より10年の間、プロダクト大賞を選出してきた。2008年からは「パソコン本体」部門が分かれ、パソコンの周辺機器やパーツ、ソフトウェアの各カテゴリーをカバーする部門となった。なお、本年2015年からは、「パソコン周辺機器」部門と「パソコンパーツ」部門の2つの部門に分かれ、それぞれ大賞を選出している。

この10年間のプロダクト大賞受賞製品を見てみると、大きく分けて2つの流れがあることがわかる。ひとつは、周辺機器の中で特に液晶ディスプレイの人気が高い点。もうひとつは、パソコンパーツの受賞製品としてはCPU、SSDが比較的多いということだ。

まずは、液晶ディスプレイの大賞受賞製品から見てみよう。2006年上半期に選出された「AL1722」、さらに2006年(年間)で選出された「AL1916Asd」は、ともに台湾に本拠を置くAcerの製品だ。今や日本国内でもAcerは名だたるパソコンメーカーとして知られているが、この当時、Acerといえば、ほぼ液晶ディスプレイのメーカーという認知だったように思う。そんなAcerの製品が高い評価を受けた理由は、先進の機能性とコストパフォーマンス。当時主流だった17インチクラスでも、新製品で3万円を切ることはなかなかなかった時代に、2万円台のプライスを付けたAcerの製品は衝撃的だった。もちろん品質も十分で、これが高い評価につながった。1年置いて2008年に、今度はBenQの「E2200HD」がプロダクト大賞に輝いているが、こちらも受賞の理由はAcerと似ている。当時大型化が進みつつあった液晶ディスプレイ市場で、21.5型フルHDというハイスペック機でありながら、3万円を切る圧倒的なコストパフォーマンスが支持されたものだ。

2006年(年間)で大賞に選出された、Acerの19インチ液晶ディスプレイ「AL1916Asd」。低価格設定で人気を集めた

2008年のプロダクト大賞に輝いた、BenQの「E2200HD」。21.5型フルHDというハイスペック機でありながら、3万円を切る圧倒的なコストパフォーマンスが支持された

その後、2010年には、三菱電機の「Diamondcrysta WIDE RDT231WMS-D」が、初の国産メーカーとしてプロダクト大賞を受賞した。23型フルHDというメインストリームの製品だが、三菱電機ならではの超解像技術を用いた高画質と、ゲームなどでも使える高速応答性を備えつつ、戦略的な低価格設定のWeb限定モデルとして発売され、そのよさが知られると瞬く間に売り切れとなるほどの人気を博した。その後、しばらく液晶ディスプレイの大賞受賞が見られなくなるが、今年2015年には、「パソコン周辺機器」部門として独立後初のプロダクト大賞受賞製品として、LGエレクトロニクスの「27MU67-B」が選出されている。こちらは、27型で4K解像度という、4K時代の最先端モデルといえる製品だが、5万円台で購入可能というコストパフォーマンスの高さから受賞に至っている。

このように、液晶ディスプレイは、この10年で計5製品が大賞に選出されるなど、人気が続いているカテゴリーだ。ほかのパソコン周辺機器と異なり、技術進化のスピードが速いのも、液晶ディスプレイの人気が根強く続いてきた理由のひとつだろう。解像度は、WXGAからフルHD、そして4Kへとこの10年で大きく進化し、画面サイズも、主流のサイズが17インチから21インチ、24インチ、そして今では27インチへと大型化している。こうした技術が大きく進化するときに、液晶ディスプレイの人気が高まる傾向にあるが、その時々でベストと思われる製品が大賞に選出されてきたことは非常に興味深い。

今年2015年は、「パソコン周辺機器」部門として独立。初のプロダクト大賞受賞製品は、LGエレクトロニクスの「27MU67-B」だ。27型で4K解像度というハイスペックながら、5万円台で購入可能なコストパフォーマンスの高さから受賞に至っている

いっぽうのパソコンパーツ系も、過去にはCPU製品が、最近ではSSD製品が相次いでプロダクト大賞を受賞している。CPUでは、2007年のインテル「Core2 Duo E6750」と、2011年のインテル「Core i7 2600K」が大賞を受賞。SSDでは、2009年にインテル「X25-M Mainstream SATA SSD SSDSA2MH080G2R5」が、2012年にインテル「Intel SSD 330 Series SSDSC2CT120A3K5」が、さらに2014年と2015年には、2年連続でcrucialの「CT256MX100SSD1」と「CT250MX200SSD1」が受賞し、計4回の受賞の歴史を残している。パソコンパーツの評価は、性能と価格でほとんど決まってしまう面があり、これらプロダクト大賞に選出された製品は、いずれも高性能でありながら、価格的にもかなり手ごろで、安心感もあるという点が高く評価されたものだ。

2007年のプロダクト大賞製品、インテル「Core2 Duo E6750」

2007年のプロダクト大賞製品、インテル「Core2 Duo E6750」

こうしたパソコンパーツを利用するのは、以前はパソコンの自作を行う自作PCユーザーがメインだった。自作PCユーザーは、パソコン自体を買い換えなくても、毎年性能の上がるパーツを交換していくことで、パソコンの処理性能をアップしていくわけだが、以前はその中心にあったのがCPUであったのに対し、今ではその中心はSSDへと変化していることが、この受賞履歴からも感じられる。10年前のパソコン市場では、まだCPUの性能アップがパソコンの性能アップにダイレクトに結びついている部分があったが、CPUの性能がある程度のところまで行き着いてしまった結果、それ以上の処理速度アップがCPUでは行えなくなってしまった。その象徴とも言えるのが、2011年にプロダクト大賞を受賞したインテル「Core i7 2600K」であろう。「Core i7」というCPUは、2015年の今でも現役の最上位シリーズであるが、実は2011年当時、すでにユーザーが感じられるレベルで十分な処理速度を誇っており、その後はもちろん毎年性能は向上しているものの、大きな話題を呼ぶには至らなくなっていた。

こうした進化の限界を迎えたCPUに代わって、パソコンの交換パーツの中心になってきたのが「SSD」である。SSDはそれまでのHDDに代わる新たなストレージとして期待されているパーツであるが、HDDのようにモーターとディスクなどの機械パーツを使わず、フラッシュメモリーでデータを記録するため、故障しにくく、データの読み込み/書き込み速度が圧倒的に速いのが特徴。HDDからSSDに換装するだけで、パソコンの体感速度が圧倒的に速くなるということから人気を得てきた。すでに価格のこなれているHDDと違って、容量辺りの単価が高いのがネックだったが、2009年にプロダクト大賞を受賞した、インテル「X25-M Mainstream SATA SSD SSDSA2MH080G2R5」あたりから、比較的手ごろな価格帯で入手できるようになり、その後、徐々に価格が下がってきたことから、今や自作PCユーザー以外に、ノートパソコンのHDD換装用としても広く使われるようになってきた。こうしたSSD人気に後押しされるように、プロダクト大賞でも、ここ数年SSDの存在感が高まってきている。今しばらくは、このSSD人気が続くだろう。

2009年にプロダクト大賞を受賞した、インテル「X25-M Mainstream SATA SSD SSDSA2MH080G2R5」

2009年にプロダクト大賞を受賞した、インテル「X25-M Mainstream SATA SSD SSDSA2MH080G2R5」

2014年と2015年は、2年連続でcrucialのSSDが大賞を受賞。今年2015年は「CT250MX200SSD1」がパソコンパーツ部門の大賞製品となった

価格.comプロダクトアワード2015 パソコン周辺機器部門
価格.comプロダクトアワード2015 パソコンパーツ部門

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