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「価格.comプロダクトアワード」10年の歴史を振り返る

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スマホ・携帯電話部門

この10年でもっとも大きな変化を遂げたのが、この「携帯電話」部門ではないだろうか。言うまでもなく「スマートフォン」の登場と急激な進化・普及が、この部門の10年を振り返るキーワードだが、その流れを、価格.comプロダクトアワードのプロダクト大賞受賞製品を例にひも解いてみよう。

本アワードが開始された2006年から2009年までの4年間、大賞に選出されていたのは、いわゆる「ガラケー」だった。もちろんこの頃、スマートフォンはまだ主流ではなく、それが一般的になるのは、2008年に国内で発売されたアップルの「iPhone 3G」を待たなくてはならない。この当時の携帯電話は、国内メーカー製の2つ折りタイプのものが主流であったが、各メーカーとも独自の魅力を製品に注ぎ込み、かなり高機能な製品ばかりが市場に出回っていた。そんな中、高い評価を得た製品を順に見ていこう。

まず、2006年に大賞に選出された、シャープ「SoftBank 911SH」であるが、当時人気だった同社の液晶テレビ「AQUOS」の名を冠した「AQUOSケータイ」として、ワンセグ放送を美しく見られる高画質な液晶画面と、クルッと回転する画面ギミックなどが好評を博した。続く2007年に大賞を受賞した、富士通「FOMA F905i」も、同様の回転画面機構を備えており、「全部入り」の高機能性と使いやすさが高評価を呼んだ製品だ。いっぽう、2008年に大賞に選出された、パナソニック「FOMA P706iμ」は、その薄さと軽さ、高いデザイン性が高く評価され、続く2009年のパナソニック「P-01B」は、独自のタッチパッド機能や大きなサブディスプレイなどのユニークな機能が人気を集めた。

2006年に大賞に選出された、シャープ「SoftBank 911SH」

2006年に大賞に選出された、シャープ「SoftBank 911SH」

2007年に大賞を受賞した、富士通「FOMA F905i」

2007年に大賞を受賞した、富士通「FOMA F905i」

その後、2008年にアップルから「iPhone 3G」が発売され、翌年2009年の「iPhone 3GS」でその人気が爆発する。この年の価格.comプロダクトアワードでのプロダクト大賞こそ逃したものの、翌年2010年の「iPhone 4 32GB」、さらに2011年の「iPhone 4S 64GB」と、2年連続でアップルの「iPhone」シリーズが、大賞に選出された。この時期はまさに「iPhone」旋風が国内の携帯電話市場を席巻していたころで、これをきっかけにスマートフォンが一気に主流化。従来のガラケーは市場から姿を消していくいっぽう、Androidを搭載するスマートフォンが、国内メーカー各社から発売されるなど、スマホブームがわき起こった。ただ、国内メーカー製のスマートフォンはまだ第1世代か第2世代といったところで、メーカー間の技術レベルにバラつきが多く、なかには、バッテリーが1日も持たないといった製品もあったくらいだ。

2010年に大賞を受賞した「iPhone 4 32GB」。翌年2011年も「iPhone 4S 64GB」が選出された

2010年に大賞を受賞した「iPhone 4 32GB」。翌年2011年も「iPhone 4S 64GB」が選出された

当初はソフトバンクのみの取り扱いだった「iPhone」も、au、ドコモと主要3キャリアが取り扱うようになり、しばらくは「iPhone」で安泰かと思われていたが、徐々に国内メーカーのAndroidスマートフォンの品質が向上し、「iPhone」の導入が遅れたドコモを中心にAndroidスマホのユーザーも着実に増えていく。そんな中で最初にその頭角を現したのは、ソニーモバイルコミュニケーションズが手がける「Xperia」シリーズだった。「Xperia」シリーズは、そのデザイン性の高さと、基本性能の高さ、そしてソニーならではのAV機器との連携機能や、高品質なカメラ機能などから人気を呼び、その結果、「iPhone 5」が発売された2012年には、ドコモから発売された「Xperia acro HD SO-03D」が、大賞に選出されることに。さらに続く2013年と2014年には、シャープの「AQUOS PHONE SERIE SHL22」「AQUOS ZETA SH-04F」という、「AQUOS」シリーズのAndroidスマートフォンが2年連続で大賞を受賞しているが、これは、それまで長らくスマートフォンの最大の課題であったバッテリー駆動時間の短さを、独自の省電力ディスプレイ「IGZO」と大容量バッテリーの搭載で見事に解消し、「3日間使える」という、長時間駆動を実現した点が大きく寄与している。

2012年は、ドコモの「Xperia acro HD SO-03D」が大賞に選出

2012年は、ドコモの「Xperia acro HD SO-03D」が大賞に選出

2013年と2014年は、シャープ「AQUOS」シリーズのAndroidスマートフォンが2年連続で大賞を受賞。画像は、2014年の大賞受賞製品である「AQUOS ZETA SH-04F」

このように、現在のスマートフォン市場は、アップルの「iPhone」シリーズと、ソニー、シャープ、富士通らのAndroidスマートフォンが、それぞれしのぎを削る展開が続いているが、今年2015年はさらなる大きな変化が、携帯電話市場に訪れている。それが、いわゆる「SIMフリー化」だ。今年2015年は、日本国内でもSIMロック解除が義務づけられた、いわゆる「SIMフリー元年」だが、その流れに乗って、今最も勢いをつけているのは、台湾や中国のメーカーを中心とした「SIMフリーモデル」だ。2015年12月時点では、SIMフリーモデルの種類はかなりの数にのぼっているが、ユーザーが高く評価しているのは、性能面でも妥協がなく、長く使えるSIMフリー機。そんな中、本部門のプロダクト大賞に選出された、Huaweiの「Ascend Mate7 SIMフリー」は、まさにこうしたトレンドの移り変わりを如実に反映した存在だと言えるだろう。

従来のガラケーからスマートフォンへ。アップル「iPhone」からAndroidスマートフォン、そしてSIMフリーへと、この10年間で実にめまぐるしく変化した日本の携帯電話市場。プロダクト大賞に選ばれた受賞製品の変遷は、こうした時代の変化を如実に示しているようだ。

今年2015年は、HuaweiのSIMフリースマホ「Ascend Mate7 SIMフリー」が選出された

今年2015年は、HuaweiのSIMフリースマホ「Ascend Mate7 SIMフリー」が選出された

価格.comプロダクトアワード2015 スマートフォン部門

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