端末価格が648円というドコモの格安スマホ

NTTドコモ「MONO MO-01J」レビュー

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2016年12月9日にNTTドコモから発売されたAndroidスマートフォン「MONO MO-01J」は、特定の料金プランで12か月の継続使用という条件下なら、端末価格が648円(税込み)という低価格で話題を集めているが、実際のところ実用性はどうなのだろう。製品レビューを通じて、その特徴や、どんなユーザーに向いた製品なのかを明らかにしていこう。

端末価格648円(税込み)に注目の集まるNTTドコモの「MONO」

端末価格648円(税込み)に注目の集まるNTTドコモの「MONO」

不要なものは切り捨て、必要なものはしっかり残した、メリハリのある性能

「MONO MO-01J」(ZTE製。以下、MONO)は、720×1280のHD表示に対応する約4.7インチの液晶ディスプレイを搭載するAndroidスマートフォンだ。ボディサイズは、約69(幅)×136(高さ)×8.8(厚さ)mmで、重量は約138g。最近のAndroidスマートフォンの中では比較的コンパクトな部類で、実機を手にした印象も軽い。

まずは、デザインから見てみよう。ボディの表裏に使われるガラスパネルがもたらすフラットなシルエットは、Xperiaシリーズに少し似ている。だが、側面のフレーム部分は、やわらかい餅を上下のパネルに挟んで押しつぶしたようなふくらみがあり、印象に残る個性的なデザインだ。側面には、ストラップホールとマナーモードの切り替えスイッチが備わる。いずれも、シニア向けケータイでは今でもよく見かけるものだ。

ディスプレイは、オーソドックスな液晶で、少しマゼンタの色かぶりがあるものの、画面サイズに対する解像度も適切なので粗さは感じない。画質も及第点だ。マルチタッチも10点に対応しているので、ゲームの操作などで制限が生じることもないだろう。

ディスプレイは4.7インチで、HD表示に対応。少しマゼンタが強めの発色だ

ディスプレイは4.7インチで、HD表示に対応。少しマゼンタが強めの発色だ

低価格スマホでは5点に制限されていることが多いマルチタッチだが、本機は10点対応

低価格スマホでは5点に制限されていることが多いマルチタッチだが、本機は10点対応

平面のガラスパネルが張られた背面のデザインは、少し前のXperiaのデザインに近い

平面のガラスパネルが張られた背面のデザインは、少し前のXperiaのデザインに近い

側面部分はやわらかい餅を上下のパネルで押しつぶしたようなユニークな形状だ

側面部分はやわらかい餅を上下のパネルで押しつぶしたようなユニークな形状だ

側面にあるスイッチは、マナーモード切り替えに使う。ボリュームボタンで音量を最小にしてもマナーモードには切り替わらない

次に基本性能を見てみよう。搭載されるCPUは「Snapdragon 617 MSM8952(1.5GHz×4+1.2GHz×4)」で、RAMは2GB、ROMが16GBという構成。増設用のmicroSDXCメモリーカードスロットは128GBまで対応する。OSはAndroid 6.0だが、Android 7.0へのバージョンアップ対象機種になっている。

定番のベンチマークアプリ「Antutu ベンチマーク」の総合スコアは、44358となった。このスコアは、大体2年ほど前の高性能モデルに近い。「Xperia XZ」や「Galaxy S7 Edge」など、現在国内で選ぶことのできる最速クラスのスマートフォンのスコアは12〜13万なので、これと比較すると、およそ1/3のスコアだ。ただ、体感速度が3倍違うわけでなく、WebページやSNSの閲覧、静止画や動画の視聴、カジュアルゲームのプレイ程度なら、まず問題ない。日常的な用途なら、処理性能に不満を感じることはなさそうだ。

「Antutu ベンチマーク」の総合スコアは、44358となった

「Antutu ベンチマーク」の総合スコアは、44358となった

いっぽう、NFCおよびFeliCaポート、赤外線通信ポート、フルセグ/ワンセグの各テレビチューナーなど、あれば便利な付加的な機能はほとんどついていない。ただ、IPX7等級の防水仕様と、IP5X等級の防塵仕様には対応しているほか、急速充電規格の「急速充電2(QuickCharge 2.0)」、ハイレゾ音源の再生には対応している。

拡張ポートは、採用が進んでいるUSB Type-Cポートではなく、従来からの防水・防塵仕様対応のmicroUSBポートを採用する

プリインストールアプリもシンプル。カメラは十分な性能の1330万画素

ホーム画面はNTTドコモ標準の「docomo LIVE UX」が使われる。プリインストールされるアプリは、「Gmail」や「YouTube」「Google フォト」などのGoogle純正アプリと、「dメニュー」や「ドコモメール」など、NTTドコモのものがメイン。「LINE」や「Twitter」、「Instagram」といったSNSアプリがプリインストールされていない。

バッテリーは着脱不可の内蔵式で容量は2,440mAh。実際の使用パターンに近いバッテリー持ちの指標である「電池持ち時間」は約80時間となっており、同時期に発売される「AQUOS EVER SH-02J」の約115時間や、「Xperia X Compact SO-02J」の約95時間と比べると短めである。今回の検証は期間が短かったので1回の充電しか行わなかったが、同時期に発売される「Xperia X Compact SO-02J」あたりと比べると少しバッテリーの消費ペースが少し早く感じた。

SNSアプリなどはプリインストールされておらず、初期状態でのアプリアイコンの数は少なめ

SNSアプリなどはプリインストールされておらず、初期状態でのアプリアイコンの数は少なめ

メインカメラは約1,330万画素で、性能的には十分だ。動画撮影についても1920×1280のフルHD撮影に対応している。サブカメラは約490万画素で、こちらも、同時期に発売されるほかの製品と比べて大きな見劣りを感じるものではない。

メインカメラは約1,330万画素。HDR撮影やスマイルシャッター機能を備え、美肌効果フィルターや、パノラマ撮影機能も備える

サブカメラは約490万画素。こちらも標準的なスペックだ

サブカメラは約490万画素。こちらも標準的なスペックだ

通信速度よりも対応エリアに重点を置いたLTEのバンド構成

MONOの対応LTEバンドは、B1/3//19/21の4バンドのみ。いずれもNTTドコモのLTEネットワークでは中核部分を担うものだ。その代わり、サービスが始まってまだ日の浅いTD-LTEのB42や、対応エリアが限られているB28には対応していない。また、高音質な通話が可能なVoLTEには対応しているが、さらに通話音質を高めたVoLTE(HD+)には非対応だ。また、通信速度を高めるキャリアアグリゲーションにも対応しておらず、通信速度は下りで最大150Mbps止まりになっている。国内で使う分には通話エリアは相当に広いが、通信速度のピーク値についてはそれほど高くはない。

nanoSIMカードを採用。NTTドコモでサービス中のLTE主要4バンドに対応しているため、通話エリアは広い

nanoSIMカードを採用。NTTドコモでサービス中のLTE主要4バンドに対応しているため、通話エリアは広い

端末価格は格段に安いが、毎月の通信費は今まで同様にかかる

最後に、本機で注目される端末価格や通信料金を見ておきたい。一括購入価格は32,400円(税込み)なのだが、「カケホーダイ」や「カケホーダイライト」「データプラン」といった基本料金と、データ通信の「パケットパック」に12か月加入するなどを条件にした「端末購入サポート」を使えば、一括で648円(税込み)まで値引きされる。なお、途中で解約するなど、端末購入サポートの条件から外れた場合の解除料は、15,876円(税込み)。こちらもかなり安い。

ただ、端末価格は安いものの、毎月支払う通信料金については、NTTドコモの通常のスマートフォンと同じで、MONOのための特別な料金プランなどは用意されていない。そのため、最低でも月額7,000円程度の出費は毎月かかる。結果から言うと、行政の指導の影響で、最近ではほとんど見かけなくなった、1円スマホ、実質無料スマホなどと同じような月額料金になりそうだ。

通信キャリアをNTTドコモに限定しないのであれば、格安SIMカードと低価格のSIMフリースマートフォンを組み合わせたほうが、トータルコストとしては断然安く抑えられる。では、本機の優位性はどこにあるのだろうか? それはやはり、全国津々浦々に完備されたNTTドコモのサポート体制にあるだろう。端末でもサービスでも、何でも困ったことがあればドコモショップを頼ればいい。この安心感はSIMフリースマートフォンでは実現が難しいものだからだ。

手厚いサポートが受けられるのが最大のメリット、シニアや主婦層、学生向けの1台

価格の安さで注目を集めるMONOだが、処理性能や通信性能といったスマートフォンの基本スペックについてはいたって標準的で、決して“安かろう悪かろう”の製品ではない。ただ、通信料金はさほど安くないので、トータルのコストパフォーマンスでは、格安スマホには及ばない。一部には、「MONOはMVNO(この場合、格安SIMとSIMフリースマホのセットを指す)キラー」とする見方もあるが、本機のターゲットユーザーは、多少のトラブルなら自力で解決できるパワーユーザーではなく、端末の性能はほどほどでもよいがサポートは今までどおりしっかりしたものを求めたいという、シニアや主婦、学生層と言えそうだ。

田中 巧(編集部)

田中 巧(編集部)

FBの友人は4人のヒキコモリ系デジモノライター。バーチャルの特技は誤変換を多用したクソレス、リアルの特技は終電の乗り遅れでタイミングと頻度の両面で達人級。

製品 価格.com最安価格 備考
MONO MO-01J docomo 0 HD表示に対応する4.7インチ液晶を備えるNTTドコモのAndroidスマートフォン
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2017.1.20 更新
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