30分の充電で約7時間使える急速充電機能を搭載

薄くて軽くてバッテリーは17時間! 東芝の新型2in1「dynabook V82」はすべてがハイレベル

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「dynabook」で知られる東芝のパソコン関連事業が昨年4月に東芝本体から切り離され、子会社である東芝クライアントソリューションに継承された。今回は新会社として初の新規開発モデルである2in1パソコン「dynabook V」シリーズを取り上げる。「31年間培ってきた技術の集大成」という位置づけの本モデルは、新会社として最初のモデルということもあり、かなり気合が入っている。同シリーズの最上位モデル「dynabook V82」を使って、その実力をチェックしていきたい。

12.5型液晶を搭載するdynabook V82。タブレットスタイルでも使えるコンバーチブルタイプの2in1パソコンだ。価格.comの最安価格は204,800円(2017年1月4日時点)

薄型・軽量ボディの“全部入り”2in1パソコン

dynabook V82を一言で言うなら、“全部入り”だ。ディスプレイ部分が360度回転する、コンバーチブルタイプの2in1パソコンで、タブレットとしても、ノートパソコンとしても利用できる。12.5型液晶を搭載する本体の重量は約1099g、厚さは約15.4mm。12型前後の液晶を搭載する2in1パソコンとしてはトップクラスの軽さと薄さを達成している。これだけ軽くて、薄いボディでありながら、カタログスペックで約17時間という長時間バッテリー駆動を実現しているのも見逃せない。しかも、CPUにはTDP(熱設計電力)が15Wの「第7世代Coreプロセッサー」を搭載。東芝ではメインマシンとしても使えるだけの性能を備えていると謳っている。このほかにも、Thunderbolt 3対応のUSB Type-Cやアクティブ静電ペンによる手書き入力機能、「Windows Hello」の指紋認証や顔認証への対応など、薄型・軽量ボディに多くの機能が盛り込まれている。

ボディはマグネシウム合金製で、カラーは「オニキスメタリック」という金属調のグレー。東芝の薄型モバイルノートの定番カラーだ。高級感はないが、道具として飽きずに長く使えそうな印象を受けた。手にすると、見た目よりもずっと軽く感じられる。360度回転するディスプレイのヒンジも絶妙な力加減で、好みの場所でしっかりと止まってくれる。タッチ操作にもすばやく反応し、ストレスなくスムーズに操作できる。指紋が付きにくく、見やすいノングレア(非光沢)液晶なのもポイントだ。

360度回転するヒンジは、シミュレーションから導き出された信頼性の高い2軸ヒンジ。頑丈でガタつかず、スムーズに回転する

約1kgのボディは、片手ではさすがに難しいが、両手であれば長時間持ち続けられる

約1kgのボディは、片手ではさすがに難しいが、両手であれば長時間持ち続けられる

12.5型液晶はノングレアタイプ。手書き入力用に特殊なフィルムが貼ってあるが、明るくて見やすいディスプレイだ。画面上部には顔認証用のカメラを搭載する

バッテリーについては、30分で約7時間 のバッテリー駆動ができる容量を充電できる「お急ぎ30分チャージ」を搭載。バッテリーの状態をソフトウェアで監視し、約50%になるまでは大電流を供給し、その後は段階的に電流を下げて充電を続けるというものだ。スマートフォンの急速充電に近く、ちょっと充電すれば長く使える便利な機能と言える。

「お急ぎ30分チャージ」という急速充電を搭載。公称の数値はバッテリー残量が0%の状態から充電した場合の数値だが、バッテリー残量が25%の状態から30分充電したところ、55%まで充電された

USB Type-C接続のACアダプター。持ち運びに適したコンパクトなACアダプターだ

USB Type-C接続のACアダプター。持ち運びに適したコンパクトなACアダプターだ

手書き入力のしやすさは2in1パソコンとしてはトップクラス

2in1パソコンを選ぶ理由として、手書き入力ができることを挙げる人は少なくないはずだ。AndroidやiOSに比べると、Windowsはタッチ操作に適したアプリは少ないが、手書き入力用のアプリはいくつかあるし、プロ用のものもそろっている。

dynabook V82には、アクティブ静電結合方式のアクティブ静電ペンが付属し、画面には適度な抵抗感を出すために特殊なフィルムが貼られている。これにより、紙とペンに近い書き味を実現しているのだ。ツルツルすべることもなく、線の濃淡や太さも思い通りに描ける。ペン先が1mmと細く、小さな文字も書きやすい。筆圧検知機能も2048段階で、2in1パソコンとしてはトップクラスだ。視差(ペン先と実際に描かれる線との距離)も少ない。個人的な感覚だが、これまで試してきたなかでは、dynabookV82が紙とペンの書き味に一番近いと感じた。

「TruNote」というオリジナルのノートアプリが付属するのもうれしいポイント。アップデートが止まっているのが気になるが、今後も便利なノートアプリを開発し続けてほしいところだ。

特殊なフィルムを貼った画面とアクティブ静電ペンの書き味は、紙に文字を書いているような感覚だ

特殊なフィルムを貼った画面とアクティブ静電ペンの書き味は、紙に文字を書いているような感覚だ

アクティブ静電結合方式のアクティブ静電ペン。単6形電池1本を使用する。ペン先のキャップはペンの逆側にはめられる。ペン先は1mmと極細

メインマシンとしても使える高い基本性能

dynabook Vシリーズは、ハイスペックなのも魅力だ。CPUには開発コード名「Kaby Lake」と呼ばれる第7世代Coreプロセッサーを搭載する。薄型・軽量ボディに高性能なCPUを搭載するために、東芝の高密度実装技術やシミュレーション技術などが活用されている。dynabook V82は、CPUに「Core i7-7500U」(2.70GHz、最大3.50GHz)を採用し、メモリーは8GB、ストレージは512GBのSSD(Serial ATA)だ。メインマシンとして使っても、ストレスを感じることはないだろう。競合他社の高性能モデルと比べて唯一劣る点を挙げるとすれば、SSDがSerial ATA接続であることだ。PCI Express接続のほかのモデルに比べると、読み書きのスピードは少し劣る。

ディスプレイは1920×1080のフルHD解像度の12.5型液晶。ペン入力用に特殊なフィルムが貼られているため、鮮やかさが少し足りない印象を受ける。それでも、反射しにくいノングレアタイプで、指紋が付きにくく、見やすいディスプレイとなっている。

パソコンの総合性能を測定するベンチマークソフト「PC Mark 8 Professional Edition」(Futuremark)の結果。2in1パソコンとしては優秀なスコアだ

「CrystalDiskMark 5.2.0 x64」(ひよひよ氏作)の結果。PCI Express接続のSSDを搭載する他社モデルに比べると、読み書きスピードは劣る

こだわりのキーボードは使いやすく誤操作防止機能も優秀

使い勝手にもこだわっている。キーボードのキーピッチは19mm、キーストロークは1.5mmと、スタンダードノートPCと同等の仕様。特に薄型ボディでありながら、1.5mmのストロークを確保したのは立派だ。さらに、キートップの中央に0.2mmのへこみを設けて、指先にフィットするように工夫しているのも見逃せない。実際の打ち心地も、強めにタイピングしても本体がたわまず、気持ちよくタイピングできる。バックライトも備えており、打鍵音も静かだ。

キーピッチ19mmのフルサイズキー。タッチパッドの面積は狭いが、滑りがよく使いやすい。Windows Hello対応の指紋センサーも備える

1.5mmのキーストロークを確保。キートップの中央に0.2mmのへこみを設けることで、指先がキーにフィットする

1.5mmのキーストロークを確保。キートップの中央に0.2mmのへこみを設けることで、指先がキーにフィットする

誤操作を防ぐ、入力自動切り替えも優秀だ。指やペンで操作している間はキーボードが無効化され、画面から指やペンを離して1秒たつとキー入力が有効になる。言葉にすると複雑に感じるかもしれないが、要は指やペンで操作している間はキーボードに触れても、誤って文字が入力されないということだ。もちろん、タブレットスタイル時もキーボードは無効化される。

外部インターフェイスにはThunderbolt 3対応のUSB Type-Cを搭載する。USB Type-Aコネクターよりも小さく、上下の区別がなく向きを気にせずに使える便利なコネクターだ。最大40Gbpsというスピードを誇るデータ転送だけでなく、電源供給やディスプレイへの映像出力(外部ディプレイ)などを1つのコネクターでこなす万能さも魅力。使い勝手のよいコネクターだが、最新のコネクターだけに対応機器が少なく、アダプターが欠かせない。その点、dynabook Vシリーズには、HDMI、USB3.0、RGB、有線LANを備えたUSB Type-Cアダプターが付属する。別途購入する必要がなく、純正品の安心感もある。

外部インターフェイスは左側面にUSB Type-Cとヘッドホン出力、右側面にUSB3.0を搭載

外部インターフェイスは左側面にUSB Type-Cとヘッドホン出力、右側面にUSB3.0を搭載

付属のUSB Type-Cアダプター。有線LAN、USB3.0、HDMI、RGB出力を備える。裏面にはUSB Type-Cを装備しており、USB Type-Cアダプターを接続したまま充電できる仕様だ

まとめ

dynabook Vシリーズは、東芝がこれまで培ってきた技術を活かして作られた意欲作だ。パソコン関連事業を分社化してから初めての新モデルでありながら、完成度は非常に高い。「一台で、かなえてみせる。」というコピーの通り、何でもこなせるパワフルで万能なノートPCに仕上がっている。携帯性、パフォーマンス、使い勝手のすべての点がハイレベルだが、その中でも、約17時間というバッテリー駆動時間と、短時間ですばやく充電できる「お急ぎ30分チャージ」という急速充電機能は競合他社のモデルにはない、dynabook Vシリーズならではの魅力だ。今回試用したdynabook V82の価格.comの最安価格は204,800円(2017年1月4日時点)。さすがに高価だが、高性能な手書き入力が可能なタブレットとしても、抜群のスタミナを誇るモバイルノートとしても、メインマシンとしても使えることを考えれば、価格分の価値はあると言えるだろう。

三浦善弘(編集部)

三浦善弘(編集部)

パソコン関連を担当する双子の兄。守備範囲の広さ(浅いけど)が長所。最近、鉄道の魅力にハマりつつあります。

製品 価格.com最安価格 備考
dynabook V82 V82/B PV82BMP-NJA 172,799 急速充電機能を搭載する2in1パソコン
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2017.4.28 更新
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