レビュー

ダイソンのドライヤー「Dyson Supersonic」新型をレビュー! スタイリングしやすくなったってホント?

大いに話題を呼んだ2016年6月の発売から1年。ダイソンのドライヤー「Dyson Supersonic」から、“日本人向け”に改良された新モデル「HD01 ULF」が発売された。最高温度を前モデルの75℃から100℃に上げ、一部のモードの風量を抑えたことで、よりスタイリングがしやすくなったのだそう。「髪質を美しく保つだけでなく、きれいにセットしたい」と考える日本人向けというわけだ。そこで今回は、そのヘアドライ性能だけでなく、髪を美しくセットするための豊富なアタッチメントの使い勝手にも注目。「HD01 ULF」をじっくり使った感想をレポートする。

2.4m3/分の大風量で、長い髪も毛先まで吹き上げる「Dyson Supersonic」

2.4m3/分の大風量で、長い髪も毛先まで吹き上げる「Dyson Supersonic」


<従来モデルのレビューはこちら>
コレが本当の大風量! ダイソンのドライヤーを1か月使ってみて感じたこと

<関連記事>ダイソンのドライヤー「Dyson Supersonic」が日本人向けにアップデート

4万円越えの価格でも売れるのはなぜ? 「Dyson Supersonic」はココがすごい

2017年6月15日現在、前モデルは価格.comの「ドライヤー・ヘアアイロン 人気売れ筋ランキング」で7位という上々の人気ぶり(「HD01 ULF」は8位)。購入者の満足度は平均4.1(5点満点)とそこそこ高い。安いものでは1,000円台から手に入り、高くても2万円台が相場のドライヤー市場で、4万円越えという価格の「Dyson Supersonic」がこのような人気を誇るのはなぜなのか。まずは「HD01 ULF」が前モデルから踏襲している製品特徴を簡単におさらいしつつ、改良ポイントを見ていこう。

「HD01 ULF」の本体サイズは、78(幅)×245(高さ)×97(奥行)mm、重量は630g、コード長は1.9m、最大消費電力は1,200W 。重量が20g重くなった以外は、外観など前モデルと同じ

2.4m3/分の大風量

「Dyson Supersonic」の人気のもっとも大きな理由と言えるのが、他を圧倒する風量だ。「大風量」とうたっている他社のドライヤーの風量は、1.3 m3/分から、多くても2.0m3/分。2.4m3/分という「Dyson Supersonic」の風量のすごさがおわかりいただけるだろう。

なぜこの大風量を実現できているかというと、「Dyson Supersonic」にもダイソンの「羽根のない扇風機」に使用されている「エアマルチプライアー」の技術が採用されているから。ダイソン史上最小・最軽量ながら最大約110,000回/分という高速モーターを搭載し、モーター部が取り込んだ空気を約3倍に増幅させることで、高速で高圧な気流を送り出すことができるという。

モーターがハンドル部に入っているため、一般的なピストル形状のドライヤーとはかけ離れた見た目も発売当初話題になった。しかしこの形、意外と持ちやすい

下の動画は、「HD01 ULF」と筆者が普段使用している風量1.3m3/分のドライヤーの髪の“吹き上げ感”を比較してみたもの。風量1.3m3/分のドライヤー(下)もそれなりに髪の毛を吹き上げるが、「HD01 ULF」の勢い(特に電源を入れた瞬間のパワーがすごい)には及ばない。髪の吹き上げ方も、「HD01 ULF」は風圧の強さが感じられる。

毎秒20回の風温測定機能

また、「Dyson Supersonic」はヘッドに内蔵されたセンサーによって、風の温度を毎秒20回も測定し、髪を傷めない温度に保つ機能も搭載している。マイナスイオン機能も備えているので、静電気の発生も抑制できるという。

風の温度を「速乾/標準/低温/冷風」の4段階から、風量を「スピード(強風)/レギュラー(中風)/スタイリング(弱風)」の3段階から選択できるのは前モデルと同じだが、その温度と量が「HD01 ULF」では変わっている。風の最高温度が75℃から100℃になり、髪を過剰な熱から守りつつも、クセやうねりをしっかり伸ばすことができる温度の風が吹き出せるようになった。また、風量では、「レギュラー(中風)」「スタイリング(弱風)」の風量を抑えたことで、前髪など細かい部分や、顔まわりのスタイリングがしやすくなったという。

風温、風量の調節ボタンは吹き出し口の反対側に付いているため「使いづらい」という意見も多い。筆者は途中で風量調節をすることがほぼないためか、1か月ほど毎日使用していてそこまで手間と感じることはなかった

筆者が初めて「HD01 ULF」を使った時の感想は、「ドライヤーじゃないみたい」というものだ。普段使用しているドライヤーで髪を乾かす際は速乾性重視で風量1.3m3/分、風温125℃の状態で使用するため、ドライヤー特有の熱さを感じる。しかし、「HD01 ULF」の場合はその熱さを感じないため、まるで嵐の中にいるような(ちょっと大げさだが、近い)感覚。さすがに使用し始めて1か月以上経った今では慣れてありがたみを感じにくくなっているものの、最初のころは清々しいとさえ感じていた。

清々しいまでの強風。音は過剰にうるさいというわけではないが、風圧が強いため、耳に当たると“ボボボーーー”という音が頭まで響くようでやや不快。なるべく耳や目のまわりに当てないようにしながら使いたい

なお、手でアシストせずとも髪が根元から吹き上がるので、「手でバサバサやらなくても風が毛先まで吹き上げてくれるから楽だわ」と、横着をして片手でスマホを操作しながら乾かしていたら毛先がからまってしまって大変だったので、軽いハンドブローは入れたほうがいい。

当然大風量なので、乾くのも早い。と言いたいところだが、風量1.3 m3/分、温度125℃の普段使用しているドライヤーで乾かすのとそんなに変わらない結果に。筆者の髪の場合、どちらを使用しても、平均7分半ほどで乾く。とはいえ、「HD01 ULF」のほうが風圧があり、頭皮が早く乾くので、頭に熱がこもる不快感が少ないのがうれしい。どうせ同じ時間なら、温度は低めで快適に、髪にやさしく乾かせるほうがよいので、最近はもっぱら「HD01 ULF」に手が伸びてしまう。

アタッチメントを活用してスタイリングしてみた

前モデルと「HD01 ULF」の違いは、温度と風量を変えたことによってよりスタイリングがしやすくなったこと。今回は、付属のアタッチメントを使って、簡単なスタイリングも試してみた。

前モデルの風温は最高75℃だったが、「HD01 ULF」は100℃近い温度に達する

前モデルの風温は最高75℃だったが、「HD01 ULF」は100℃近い温度に達する

付属するアタッチメントの種類は前モデルと同様で、髪を整えながらやさしく乾かせる「スムージングノズル」、ブローしたい所だけに風を的確に当てる「スタイリングコンセントレーター」、風を分散させることで、カールやウェーブを生かしながら乾かせる「ディフューザー」の3つ。

左から、「スムージングノズル」「スタイリングコンセントレーター」「ディフューザー」。すべてマグネット式で簡単に着脱できるうえ、温風で使用しても表面が熱くなりにくく安全に使用できる

ストレートヘアの人は使わないと損!「スムージングノズル」

まずは、「スムージングノズル」を使用して、ストレートヘアをスタイリングしてみる。

まずは、「スムージングノズル」を使用して、ストレートヘアをスタイリングしてみる。

「スムージングノズル」

「スムージングノズル」を装着すると、「強風」で使用した場合でも風を平面に当てることができるので、下の動画のように毛の流れを乱さず、表面を整えるような吹き付けができる。

風温:100℃、風量:弱風で使用。少しずつ髪を取り、なでるように風を吹き付けていく。髪がぶわわーっと広がらない。すごく簡単。むしろ楽しい

アタッチメントを使用せずに乾かした髪(左)と比べてみると、その差は一目瞭然。「スムージングノズル」でブローした髪(右)は表面がなめらかで、頭も小さく見える。毛先までまとまりのある仕上がりだ

ストレートヘアの人は、「スムージングノズル」を使わないと損だと声を大にして言いたい。ドライヤーのアタッチメントは洗面台の下にしまいっぱなしという人も多いと思うが、「スムージングノズル」だけでもすぐ手に取れる場所に置いておいて、仕上げに使ってほしい。

「スタイリングコンセントレーター」で、言うこと聞かない前髪のスタイリング

次に、「スタイリングコンセントレーター」で、前髪をきれいにしてみる。

「スタイリングコンセントレーター」。「スムージングノズル」と似ているが、吹き出し口の幅がより狭い

「スタイリングコンセントレーター」。「スムージングノズル」と似ているが、吹き出し口の幅がより狭い

下の動画を見ると、「スタイリングコンセントレーター」を使うと、「スムージングノズル」よりもさらに局所的な吹きつけができていることがわかる。強風で使用しても、狙ったところ以外の髪が吹き上がることはほぼない。

風温:100℃、風量:弱風で使用。狙った場所以外に極力風を当てずに済むので、ほかの部分の髪があらぬ方向でクセ付けされてしまうこともないし、手も熱くなりにくい

ぱくっと割れてだらしない印象になってしまっていた前髪も、流れを整えることですんなりまとまる

ぱくっと割れてだらしない印象になってしまっていた前髪も、流れを整えることですんなりまとまる

これまでは、朝起きて前髪が割れていると、「広範囲を一度水で濡らしてから再度乾かす」という方法で解決していたが、それだと乾くのに時間がかかる。「スタイリングコンセントレーター」があればピンポイントで思い通りの方向に流せるので時短になり、忙しい朝はとくに重宝しそうだ。

「ディフューザー」で伸びかけのパーマをきれいに出してみた

最後は、ドライヤーのアタッチメントとしてはかなり大きめな「ディフューザー」を使用してみる。実は筆者の髪にはゆるいパーマがかかっているが、普段は手ぐしを通しながらヘアドライしてしまうため、ここ最近はまともにパーマのウェーブを出していなかった。もはや残っているかも微妙なウェーブだが、くっきり出すことができるのか。

「ディフューザー」。ベースと突起に空いた穴から風がやさしく吹き出す

「ディフューザー」。ベースと突起に空いた穴から風がやさしく吹き出す

「ディフューザー」を使用すると、吹き出し口の先に温かい空気の玉ができているような感じで、強風でもほとんど髪がなびくことがない。しかし、音が大きい……。

風温:100℃、風量:強風で使用。ウェーブが出るように、髪の毛を軽くにぎるようにして当てていく。強風設定にしても髪はあまりなびかず、髪の内側に空気を含ませるような感覚だ

「ディフューザー」で乾かした髪(右側)と、普通に乾かした髪(左側)を比べると、左のほうはウェーブが出ている。パーマは束感がなくなるとただの「ボサボサヘア」に見えかねないので、束感を生かして乾かせるのはうれしい

確かに「ディフューザー」を使用するとウェーブの出は明らかによい。ただ、風がやさしい分、アタッチメントを付けずに使用するのに比べ、乾くのに時間がかかる。そして音がうるさいので耳のそばに長時間にあると正直辛い。どうしてもウェーブをしっかりきれいに出したいという時限定で使うかも。

まとめ

ダイソンのドライヤーは、その風量と速乾性ばかりがフィーチャーされがちだが、「HD01 ULF」なら、アタッチメントを駆使することで細やかなセットも可能ということがわかった。“日本人向け”のアップデートを有効活用することで、よりその価値を感じられるのではないだろうか。

大泉瑠梨(編集部)

大泉瑠梨(編集部)

美容・健康家電を中心に新製品レポートやレビュー記事を担当。時には体を張って製品の実力をチェックします。

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