米を炊くだけなのに、なぜ価格がそんなに違うの? 選ぶときにチェックしておいたほうがいいポイントは? など、炊飯器を選ぶ際に疑問に思うことを簡単にまとめました。さらに、1万円以下のマイコン式からおいしさを追求したIH式や圧力IH式まで、価格.comで人気の炊飯器をピックアップしたので、自分にぴったりの炊飯器を見つけてください!
炊飯器とひとことで言っても、数千円で買えるものから10万円を超えるものまでさまざま。その価格の差とは? 炊き上がったごはんのおいしさや価格の差につながる炊飯器の種類など、炊飯器選びに役立つポイントを知っておきましょう。
炊飯器の開発においてメーカーの多くが目指すのは、昔ながらの「かまど炊き」の味です。そして、かまど炊きの最大の特徴が薪で燃やした「炎」による高い火力。燃えさかる炎で釜を一気に沸騰させ、その際に発生する泡が米の間を通り抜けることで米全体に熱をムラなく伝えます。とはいえ、電気の力だけでは炎のような高火力は再現できません。このため、高級炊飯器メーカーは蓄熱性の高い特殊な内釜を採用したり、加熱方法を工夫したりすることで、かまど炊きに近い炊飯を再現しています。
炊飯器には、大きく「IH式」「圧力IH式」「マイコン式」「ガス式」という4つの加熱方式があり、ごはんの炊き上がりや炊飯器の価格に関係します。まずは、加熱方式によるそれぞれの特徴を知りましょう。
内釜の底に電熱ヒーターを配置する、昔ながらの加熱方式がマイコン式です。シンプルな加熱方式だけにラインアップが豊富で、安いものならば数千円から購入可能。比較的低価格帯の製品に多い加熱方式ですが、加熱プログラムや内釜の蓄熱性にこだわり、おいしさを追求しているモデルもあります。
コイルから発生した磁力が金属を通るとき、その金属を発熱させるのがIH式。炊飯器の内釜自体が発熱するため熱のムラやロスが少なく、マイコン式よりも高火力を期待できます。また、火力をきめ細かく調整できるのもIHの特徴。高機能モデルの中には、鍋底部だけではなく側面やふたにもIHコイルを配置し、さらなる高火力を実現するとともに、通電を切り替えて激しい熱対流を発生させる製品もあります。マイコン式よりも本体をコンパクトに抑えられるため、最近は超小型炊飯器にも採用されています。
IH加熱に加えて、内釜内に圧力を加えるのが圧力IH方式。水は通常100度で沸騰してそれ以上温度は上がりませんが、高圧力下では100度以上の高温になります。高い温度で米の中心まで加熱することで、ごはんの旨みや甘みを引き出し、粒感のある炊き上がりが期待できるのが特徴。高級炊飯器の多くはこの方式を採用しており、10万円を超えるモデルもあります。
ガスを使って直火でごはんが炊ける炊飯方式です。4つの加熱方式の中では最も火力が強く、炊飯時間が短い製品がほとんど。かまど炊きに近い炊き上がりを再現できると、こだわりのある人に根強く支持される炊飯方式ですが、使用するにはガスの元栓が必要なうえ、都市ガスとプロパンガスで使える製品が異なる点は注意が必要です。
価格.comで炊飯器の売れ筋をメーカー別でチェックしてみると、象印が約49%、タイガーが約20%と、この2メーカーだけで全体の7割近くを占めています。加熱方式などで分類していないため、マイコン式から圧力IHまで幅広い容量のラインアップを揃えるメーカーが強い印象。このグラフは2025年8月のものですが、通年で、割合はそれほど大きく変わっていません。
IHコイルを分割することでかまどの炎の揺らぎを再現した高級モデル「炎舞炊き」シリーズをはじめ、大火力で炊き上げるミドルクラスの「豪熱大火力」シリーズ、圧力IH式からマイコン式まで幅広いモデルが揃う「極め炊き」シリーズ、デザインも好評なIH炊飯器「STAN.(スタン)」がラインアップされています。
内釜に本物の萬古焼土鍋を使った高級モデル「土鍋ご泡火(ごほうび)炊き」シリーズのほかは、土鍋素材のコーティングを内釜に施し、土鍋のような遠赤効果や蓄熱性を発揮。ただし、マイコン式には同社の特徴である「土鍋」要素は採用されていません。
圧力を急激に抜くことで激しく沸騰させ、IHの加熱位置を高速で切り替えて強力な熱対流を生み出す炊飯方法「Wおどり炊き」が上位モデルの特徴。従来モデルで採用していたのスチームを使わず、熱風を利用する「ビストロ」シリーズが最上位グレードに登場したほか、米や水の計量・投入から炊飯まで全自動で行う「自動計量IH炊飯器」もラインアップしています。
高級炊飯器は圧力IH式を採用していることがほとんどですが、三菱電機は“あえて圧力をかけない”IH式を採用しており、さっぱりとした味わいと粒立ちのあるごはんが好きな人に好まれる傾向。クラスを問わず非圧力方式を貫いているメーカーです。
「圧力」と「スチーム」を使った炊飯方法に、京の米老舗「八代目儀兵衛」の炊飯メソッドを組み合わせた炊飯方法を採用した高級モデル「ふっくら御膳」シリーズが人気。圧力IH炊飯器ながら弾力のある食感のごはんが炊き上がるのと、比較的軽量な内釜や高級炊飯器としては珍しい蒸気カット機能を採用している点が好評です。最新のラインアップは圧力IH式のみ。
内釜内の空気を抜き、真空状態にして浸しや保温を行う真空機能を上位モデルに採用。米の中心まで吸水させて米の糖化を促進させ、保温ではごはんの酸化を抑えておいしさを保ちます。ラインアップ数はそれほど多くありませんが、圧力IH式、IH式、マイコン式が用意されています。
ごはんを炊く点は変わらないものの、白米だけでなく、健康志向の高まりを受け、玄米、麦ごはん、雑穀米など炊飯できる米の種類が拡充され、冷凍したごはんをおいしく食べるための「冷凍ごはん」コースを搭載したモデルが増加するというように炊飯器は時代のニーズに合わせて進化しています。そうした近年のトレンド中で、特に押さえておきたい3つのポイントを見ていきましょう。
数年前まで、炊飯器は「東のメーカーはしゃっきり、西のメーカーはやわらかめの炊飯が得意」と言われていましたが、この数年はどのメーカーも「粒感」を重視し、比較的食感のあるかための炊き上がりが標準化しています。とはいえ、好みの食感は人によって異なるもの。ごはんの硬さや粘りにこだわるなら食感の炊き分け機能を搭載したモデルを選びましょう。通常は3段階くらいですが、なかには100通り以上の食感を用意しているモデルや、白米と無洗米だけでなく、玄米や雑穀米、麦ごはんなどでも食感の炊き分けができるモデルもあります。
マイコン式は比較的シンプルな構造ですが、IH式や圧力IH式の炊飯器は複雑な構造をしているものも多く、製品によってはお手入れ点数が内釜を含めて5点以上になることも。しかし、最近は、独立した蒸気口パーツなどを廃することで使用後に洗うパーツは加熱板(内ぶた)と内釜の2点だけという製品も増えています。
炊飯器を使った調理が流行っており、レシピサイトもありますが、調理機能を搭載していない炊飯器で調理して故障した場合、メーカー保証が受けられない可能性があります。炊飯器でおかずを作ったり、ケーキを焼いたりしたいなら、調理機能を搭載した製品を選びましょう。ちなみに、調理機能を搭載しているのはミドルクラス以下。「おいしいごはん」にこだわる高級炊飯器にはあまり搭載されていません。
おすすめの炊飯器を目的に合わせて選べるように、「コスパにすぐれる炊飯器」「高級炊飯器」「3合炊き&小容量炊飯器」「マイコン炊飯器」「ガス炊飯器」の5つに分類してみました。
そこそこおいしいごはんが味わえる、手ごろな価格の5.5合炊き炊飯器を価格.comでの人気を参考にしてセレクト。加熱方式により価格帯が違うので、高級モデルに多い圧力IH式の場合、3万円でも十分手ごろな価格だと言えます。
鉄を仕込んだ上位モデルの内釜とは異なりますが、釜全体に熱が伝わりやすい釜形状を採用。沸騰維持工程で大火力を加え、激しい対流を起こして芯までふっくらしたごはんを炊き上げます。エントリークラスですが、価格.comの「炊飯器 人気売れ筋ランキング」で上位に入り続けている手堅いモデル!(2025年9月5日時点)。
●象印「豪熱大火力 NW-YB10」のスペック
・サイズ:250(幅)×365(奥行)×205(高さ)mm
・炊飯容量:0.5〜5.5合
・消費電力:1,240W
・炊飯時間の目安(白米):約47〜54分(ふつう)
・食感炊き分け機能:[白米、無洗米]2通り
・調理機能:−
5合炊きの圧力IH炊飯器ながら、同社の3合炊きタイプよりも小さい設置面積を実現。デザイン重視のモデルに見えますが、内釜は上位モデルと同じ、発熱性と蓄熱性を兼ね備えた「ダイヤモンド竈釜」を採用しており、内釜内の圧力を高め、米の芯まで糊化してふっくらとおいしいごはんを炊き上げます。
また、煮込み調理や低温調理、無水調理に対応した自動/手動の調理機能も搭載。自動調理レシピの中には予約ができるものもあります。なお、調理機能は使わないなら「SR-R10B」を選ぶのもあり!
●パナソニック「SR-CR10B」のスペック
・サイズ:255(幅)×284(奥行)×233(高さ)mm
・炊飯容量:0.5〜5合
・消費電力:1,200W
・炊飯時間の目安(白米):約52分(「ふつう」)
・食感炊き分け機能:[白米、無洗米]3通り
・調理機能:○
「2-4」で紹介している最上位機「RZ-W100JM」と同じ内釜を採用し、ほぼ同じ加熱プログラムを搭載した狙い目のモデル。「極上コース」で炊ける米の種類や、炊き上げ時の最高圧力が最上位機1.5気圧、本製品1.3気圧と異なるほか、スマートフォン連携機能などは搭載されていませんが、蒸気カット機能を備え、ほどよい甘みと粒立ちのあるごはんが炊ける点は同じです。
2025年9月5日時点の価格.com最安価格は最上位機と比べて68,000円ほど安いので、多機能を求めないなら本製品で十分でしょう。
●日立「ふっくら御膳 RZ-V100JM」のスペック
・サイズ:248(幅)×302(奥行)×234(高さ)mm
・炊飯容量:0.5〜5.5合
・消費電力:1,400W
・炊飯時間の目安(白米):約45〜65分(極上ふつう)
・食感炊き分け機能:[白米、無洗米]3通り
・調理機能:−
本物の土鍋を使った上位モデルとは内釜が異なるものの、土鍋炊きを再現した高火力と泡立ちで米の旨みを引き出しながらふっくら炊き上げる「ご泡火炊き」シリーズのエントリーモデル。2025年9月5日時点の価格.com最安価格は5万円弱と少々高めですが、おいしさも妥協したくないなら狙い目。「ご泡火炊き」シリーズで唯一、調理メニューを搭載しています。
●タイガー「ご泡火炊き JRI-G100」のスペック
・サイズ:251(幅)×302(奥行)×216(高さ)mm
・炊飯容量:0.5〜5.5合
・消費電力:1,210W
・炊飯時間の目安(白米):約46〜59分
・食感炊き分け機能:[白米]3段階(粘り加減を2段階で設定可)
・調理機能:○
圧力を高めてから一気に減圧し、爆発的な沸騰と熱対流を起こす「おどり炊き」と、釜を包み込むように配置したIH、遠赤効果を高めたダイヤモンドコートを施した内釜が米一粒一粒に熱を伝え、旨みを引き出します。0.5〜1.5合のごはんをおいしく炊き上げる「少量コース」や、「金芽ロウカット玄米」専用コースを搭載。
●パナソニック「おどり炊き SR-M10B」のスペック
・サイズ:247(幅)×333(奥行)×237(高さ)mm
・炊飯容量:0.5〜5.5合
・消費電力:1,200W
・炊飯時間の目安(白米):約48分(ふつう)
・食感炊き分け機能:[白米、無洗米]4通り
・調理機能:−
5合炊きは大き過ぎるけれど、3合炊きでは少し足りないという人に提案したいのが4合炊きタイプ。3合炊きタイプでは炊き込みごはんは2合までしか作れませんが、本製品なら最大3合炊けます。
IHコイルを分割し、対面する2つを同時加熱することで高火力と激しい対流で炊き上げる「炎舞炊き」シリーズなので、価格は70,000円弱と少し高め。しかし、象印の炊飯器を選ぶ人はおいしいごはんを求める人が多いのか、30,000円ほど安い「豪熱大火力」シリーズの4合炊きタイプ「NW-MB07」よりも本製品のほうが売れています(2025年9月5日時点)。
●象印「炎舞炊き NW-UT07」のスペック
・サイズ:230(幅)×305(奥行)×205(高さ)mm
・炊飯容量:0.5〜4合
・消費電力:1,140W
・炊飯時間の目安(白米):約50〜56分(ふつう)
・食感炊き分け機能:[白米、無洗米]5通り
・調理機能:−
主に30代の共働き・子育て世帯をターゲットとしたシリーズのひとつである本製品は、高火力で炊き続けて米の旨みを引き出し、芯までふっくらしたごはんを炊き上げる基本的な炊飯のほか、子どもの成長に合わせて10倍、7倍、5倍、2倍がゆを作れる「ベビーごはん」メニューを用意。水を入れる量を調整する方法ですが、内釜に専用の水位線が記されているので、作り分けはそれほど手間ではないでしょう。
●象印「STAN. NW-SB10」のスペック
・サイズ:235(幅)×290(奥行)×195(高さ)mm
・炊飯容量:0.5〜5.5合
・消費電力:1,115W
・炊飯時間の目安(白米):約52〜59分(ふつう)
・食感炊き分け機能:[白米]3段階
・調理機能:○(米粉パン発酵/焼き)
底部に配置されたIHヒーターと、ふたと側面にあるヒーターを使い、高火力で炊き上げ。沸騰後も高温を維持することで、ごはんの旨みを引き出します。昔ながらのデザインや操作性ですが、その分、使いやすいでしょう。無洗米に適した炊き方で炊飯する「無洗米」コース、ケーキやパンが焼ける専用メニューを搭載しています。
●象印「極め炊き NW-VJ10」のスペック
・サイズ:255(幅)×375(奥行)×205(高さ)mm
・炊飯容量:0.5〜5.5合
・消費電力:1,105W
・炊飯時間の目安(白米):約46〜53分(ふつう)
・食感炊き分け機能:[白米、無洗米]3段階
・調理機能:○(ケーキ、パン焼き、パン生地の発酵)
とにかくおいしいごはんが食べたいなら最上位モデルを選べば間違いなし! 内釜や構造、加熱プログラムなどにメーカー各社が独自の工夫を凝らしており、それぞれのメーカーが考える「おいしいごはん」の特徴が最も出るのもこのグレードの魅力です。
底部のIHコイルを6分割し、対面する2つのブロックを同時に加熱。順番に切り替えていくことで縦方向と横方向の対流が引き起こされ、釜の中心部まで米が激しくかき混ざります。一度の加熱範囲が狭いため、面積当たりの最大火力が高いのも特徴。大火力と蓄熱性・発熱効率の高い内釜で、ふっくらとした甘みが際立つごはんを炊き上げます。
●象印「炎舞炊き NX-AA10」のスペック
・サイズ:260(幅)×330(奥行)×240(高さ)mm
・炊飯容量:0.5〜5.5合
・消費電力:1,440W
・炊飯時間の目安(白米):約37〜75分(炊き分けセレクト)
・食感炊き分け機能:[白米、無洗米]15通り(「炊き分けセレクト」使用時)※「わが家炊き」を使用すればさらに細かい調整が可能、[雑穀米]3段階、[麦ごはん]2段階
・調理機能:−
底面から底側面までIHコイルを巻きつけ、さらに底面のIHコイルを2層にした構造と、発熱パワーが強化された内釜底面の発熱体、そして蓄熱性にすぐれる内釜「本土鍋」の組み合わせにより、最高温度約300度での炊飯を実現。土鍋ならではの細かい泡で米一粒一粒を守りながら激しく米を対流させ、ハリと艶のあるごはんを炊き上げます。0.5合や1合の少量を炊く「一合料亭炊き」メニューの際に、よりおいしい炊き上がりになるように内釜に入れて炊飯空間を小さくする「中ぶた」が付属するのも特徴。
●タイガー「土鍋ご泡火炊き JRX-S100」のスペック
・サイズ:282(幅)×366(奥行)×219(高さ)mm
・炊飯容量:0.5〜5.5合
・消費電力:1,080W
・炊飯時間の目安(白米):約44〜58分(火加減「中」)
・食感炊き分け機能:[白米、無洗米]5段階
・調理機能:−
高圧状態から急減圧することで爆発的な沸騰を起こし、さらに底と底側面のIHへの通電を切り替え、激しい対流を起こして米を“おどらせて”炊く「Wおどり炊き」に加え、熱風を使うことで素早い加圧と加熱を実現。また、釜底の温度、圧力や沸騰の状態を検知センサーのほかに、赤外線センサーが搭載され、リアルタイムで温度変化を読み取れるように。より最適な火加減や圧力加減で炊飯できるため、甘み豊かなふっくらごはんが楽しめます。
●パナソニック「ビストロ SR-X910D」のスペック
・サイズ:286(幅)×300(奥行)×229(高さ)mm
・炊飯容量:0.5〜5.5合
・消費電力:1,210W
・炊飯時間の目安(白米):約48分(「ビストロ炊飯」ふつう)
・食感炊き分け機能:[白米、無洗米]13通り(「ビストロ炊飯」使用時)
・調理機能:−
圧力とスチームを使って炊飯しますが、水を入れる必要はなし。炊飯時に発生する蒸気を内ぶた部分に溜める機構とヒーターがあり、スチームにして噴射します。最高1.5気圧で炊き上げ、蒸らし工程でも減圧することなく、高温をキープしたままスチームを投入できるので、ふっくらと甘く、艶やかなごはんが炊き上がります。炊飯時に蒸気がほとんど出ない「蒸気カット」機能や、約790gと軽い内釜を採用しているのも魅力。
●日立「ふっくら御膳 RZ-W100JM」のスペック
・サイズ:248(幅)×302(奥行)×234(高さ)mm
・炊飯容量:0.5〜5.5合
・消費電力:1,400W
・炊飯時間の目安(白米):約48分(極上ふつう)
・食感炊き分け機能:[白米、無洗米、雑穀米、玄米、麦ごはん]3通り(「極上コース」使用時、スマホアプリの「わがや流コース」を使用すればさらに細かい調整が可能)
・調理機能:○(スマホアプリ使用)
底部の独立した2つのIHコイルを順番に加熱して対流の回転方向を切り替えるとともに、沸騰後に圧力を開放しながら加熱することで大きな対流を起こします。また、内釜内を真空状態にして浸水や保温するのも特徴。浸し工程では米の中の空気が抜けるため、早い段階から米の芯まで熱が届き、米の表面だけがやわらかくなり過ぎない、弾力のあるごはんが炊き上がります。そして保温では酸化が抑えられるので黄ばみにくく、長時間保温してもごはんの水分をキープできるのが強み。
●東芝「RC-10ZWX」のスペック
・サイズ:253(幅)×328(奥行)×246(高さ)mm
・炊飯容量:0.5〜5.5合
・消費電力:1,420W
・炊飯時間の目安(白米):約35〜45分(匠炊き「ふつう」)
・食感炊き分け機能:[白米、無洗米]5段階(「匠炊き」使用時)
・調理機能:−
釜底に3つのIHコイル、胴回りに4重のヒーター、ふたにもヒーターを搭載した「八重全面加熱」で大火力を実現。内釜上部に設けた段差で沸騰時の泡を潰し、火力を弱めることなく大火力で沸騰を継続します。また、最上位モデルながら圧力をかけないIH式なのもポイント。あえて圧力を加えないことで米の表面にある旨みを閉じ込める「保水膜」が保持され、粒感の際立つごはんが炊き上がります。タイ米などの長粒米や高タンパクで低糖質な「ダイズライス」が炊けるほか、白米や玄米の冷凍用コースを搭載するなど、多様な炊飯に対応しているのも特徴。
●三菱電機「本炭釜 紬 NJ-BW10H」のスペック
・サイズ:261(幅)×315(奥行)×257(高さ)mm
・炊飯容量:0.5〜5.5合
・消費電力:1,400W
・炊飯時間の目安(白米):約55〜74分(炊き分け名人「ふつう」)
・食感炊き分け機能:[白米、無洗米]ねばり3通り×かたさ5通り(「炊き分け名人」使用時)
・調理機能:○(低温調理)
専用のIHコンロに、熱をキープするための「断熱カバー」と鋳物ホーロー鍋を載せて炊飯する構造は一般的な炊飯器とは別物ですが、弾力のある食感のごはんのおいしさを絶賛する声が多い逸品。ふたに吹きこぼれ抑制の機構を設け、高い機密性や熱伝導性、蓄熱性を有する鋳物ホーロー鍋の特徴を生かして高火力を維持し、激しい対流を起こして炊き上げます。ただし、炊飯モードでは保温できません。調理モード(中火、弱火、極弱火、保温)を使えば、料理を作ることもできます。
●愛知ドビー「バーミキュラ ライスポット」のスペック
・サイズ(IHコンロに載せた状態):311(幅)×296(奥行)×208(高さ)mm
・炊飯容量:1〜5合
・消費電力:1,350W
・炊飯時間の目安(白米):約60分(「普通」)
・食感炊き分け機能:−
・調理機能:○
・お手入れ点数(洗い物点数):2点
ひとり暮らしや2人暮らしなどの少人数世帯の増加などから、おいしさを追求した3合・3.5合炊きIH炊飯器もラインアップが増えています。ただし、炊き込みごはんは最大炊飯量より1合ほど少ない分量でしか炊けないので、そうした炊飯の際に量が足りるかも考慮しましょう。米や水の計量から炊飯まで全自動の2合炊きIH炊飯器もあります。
小容量タイプでもおいしさを追求するなら、5.5合炊きの最上位モデル「JRX-S100」をそのまま小さくした「JRX-S060」はいかがでしょうか。消費電力は異なりますが、本土鍋の内釜、最高温度約300度での炊き上げ、炊き分けなど構造や機能は同じ。甘みがあり、艶やかで弾力のあるごはんが味わえます。なお、「JRX-S100」では0.5合や1合の少量のごはんをおいしく炊く「一合料亭炊き」メニューで「中ぶた」をセットしますが、3.5合炊きの本製品は使用しないため付属しません。
●タイガー「土鍋ご泡火炊き JRX-S060」のスペック
・サイズ:257(幅)×332(奥行)×205(高さ)mm
・炊飯容量:0.5〜3.5合
・消費電力:750W
・炊飯時間の目安(白米):約44〜58分(火加減「中」)
・食感炊き分け機能:[白米、無洗米]5段階
・調理機能:−
丸底の内釜が米の対流を促し、炊きムラを抑えます。白米(無洗米)の炊飯には圧力の強さとかける時間を調整して2通りの食感に炊き分けできるメニューのほか、「白米ふつう」と「おかゆ」の中間の硬さで炊ける「やわらか」メニューも搭載。通常の炊飯メニューよりもじっくり吸水させて炊くことで甘みや栄養素を引き出す「熟成炊き(白米・玄米)」も用意されています。
●象印「極め炊き NP-RU05」のスペック
・サイズ:230(幅)×320(奥行)×195(高さ)mm
・炊飯容量:0.5〜3合
・消費電力:700W
・炊飯時間の目安(白米):約52〜59分(「ふつう」)
・食感炊き分け機能:[白米、無洗米]2通り
・調理機能:−
外面に遠赤コート、内面に遠赤効果の高い備長炭と熱伝導率の高いダイヤモンドをコーティングした内釜を採用。高火力で加熱し、最大1.2気圧の圧力をかけることで、甘みや粘りを引き出し、米の中心部までふっくらと炊き上げます。通常の「本かまど」コースで3通りの食感に炊き分けられるほか、ごはんの甘みをより楽しめる「甘み炊き」コースも搭載。
●東芝「RC-6PXV」のスペック
・サイズ:246(幅)×302(奥行)×216(高さ)mm
・炊飯容量:0.5〜3.5合
・消費電力:700W
・炊飯時間の目安(白米):約40〜50分(「本かまど」コース)
・食感炊き分け機能:[白米、無洗米]3通り
・調理機能:−
外側上部に熱伝導性の高い銅素材の「かまどコーティング」、下部に蓄熱性の高い土鍋素材の「土鍋蓄熱コーディング」を施した9層の内釜を採用。高い遠赤効果と土鍋のような細やかな泡立ちの沸騰で、米のおいしさを引き出します。5分単位で設定して煮込み調理ができる「調理」メニューも搭載。
●タイガー「ご砲火炊き JPD-G060」のスペック
・サイズ:227(幅)×305(奥行)×194(高さ)mm
・炊飯容量:0.5〜3合
・消費電力:705W
・炊飯時間の目安(白米):約40〜53分
・食感炊き分け機能:−
・調理機能:○
構造は、高級炊飯器で紹介した「バーミキュラ ライスポット」とまったく同じ。そのまま小さくなっただけなので、炊飯だけでなく、鋳物ホーローとして調理にも使用できます。一般的に、炊飯方法などは同じでもレギュラータイプと小容量タイプで炊いたごはんの炊き上がりは若干違いますが、本製品はまったくと言っていいほどごはんの味や食感に違いがないのがすごいところ!
●愛知ドビー「バーミキュラ ライスポット ミニ」のスペック
・サイズ(IHコンロに載せた状態):258(幅)×250(奥行)×173(高さ)mm
・炊飯容量:0.5〜3合
・消費電力:1,050W
・炊飯時間の目安(白米):約60分(「普通」)
・食感炊き分け機能:−
・調理機能:○
・お手入れ点数(洗い物点数):2点
米や水を量る手間を省きたい人に提案したいのが自動計量IH炊飯器。本体に米びつと水タンクを備えており、事前に米と水を入れておけば、炊飯したい量の米とその合数に合わせて水が自動で計量され炊飯が始まります。米は無洗米専用なので、洗米の必要もありません。炊き上がり時間の予約は、スマートフォンのアプリ「KitchenPocket」でしか行えませんが、外出先から炊飯をスタートしたり、予約炊飯の時間を変更したりできます。
内釜がおひつの中にあり、炊き上がったごはんは、おひつごとテーブルに置けるのもユニーク。なお、保温機能は非搭載で、炊き込みごはんやおかゆなどにも対応していません。白ごはん専用の炊飯器です。
●パナソニック「SR-AX1」のスペック
・サイズ:176(幅)×336(奥行)×336(高さ)mm
・炊飯容量:0.5〜2合
・消費電力:470W
・炊飯時間の目安(無洗米):約52〜60分(「銀シャリ」)
・食感炊き分け機能:[無洗米]5段階(スマホアプリ使用)
・調理機能:−
以前はIH炊飯器の価格が高かったため、安く買うならマイコン式一択でしたが、最近は圧力をかけて炊飯しないIH式であれば5.5合炊きタイプでも1万円台から購入できます。長年使うものなので1万円台でも十分安いですが、1万円以下で手に入れたいならマイコン式でしょう。なお、マイコン式の5.5合炊きはそれほど多くなく、小容量モデルがメインです。
遠赤効果の高い黒厚釜が炊きムラを抑え、内釜の遠赤効果と底・側面・ふたからの加熱でふっくらとしたごはんを炊き上げます。白米(無洗米)は最大12時間までおいしく保温できる保温機能を搭載。最初に高温で煮た後、温度を下げて煮込み、さらに温度を下げて煮込みを続ける「調理」メニューも備えているので、味の染み込んだ煮込み料理が作れます。
●タイガー「〈炊きたて〉JBH-G102」のスペック
・サイズ:252(幅)×349(奥行)×215(高さ)mm
・炊飯容量:1〜5.5合
・消費電力:635W
・炊飯時間の目安(白米):約43〜55分
・食感炊き分け機能:−
・調理機能:○
・お手入れ点数(洗い物点数):3点(分離する必要のあるパーツあり)
底面と側面だけでなく、ふたにもヒーターを搭載し、内釜を包み込むように炊き上げます。沸騰中も高火力を維持して激しい対流を起こし、炊きムラを抑制。白米は3段階で食感を炊き分けでき、無洗米専用の炊飯メニューも用意されています。雑穀米、麦、発芽玄米、発芽米、分づき米、もち米など幅広い米の種類に対応しているのも魅力。ごはんの乾燥を抑えて24時間までおいしく保温する機能も備えています。
●象印「極め炊き NL-DT10」のスペック
・サイズ:265(幅)×370(奥行)×215(高さ)mm
・炊飯容量:1〜5.5合
・消費電力:660W
・炊飯時間の目安(白米):約50〜57分(「ふつう」)
・食感炊き分け機能:[白米]3段階
・調理機能:−
高い蓄熱性と遠赤効果を備えた内釜と、釜を包み込むように配置されたヒーターを使い、高火力で炊きムラを抑えてふっくらと粘りのあるごはんを炊き上げます。この構造により、従来モデルと比較し、粘りが約25%、弾力が約10%アップしたそう。今流行の冷凍保存するための「冷凍ご飯」メニューも用意されています。また、煮込み調理やパン生地の発酵・パン焼きのほか、低温調理などができる「クッキング高温」「クッキング低温」という調理メニューを備えているのもポイント。レトルト食品をあたためる機能があるのもユニークです。
●タイガー「〈炊きたて〉JBS-A055」のスペック
・サイズ:247(幅)×278(奥行)×192(高さ)mm
・炊飯容量:0.5〜3合
・消費電力:350W
・炊飯時間の目安(白米):約46〜57分
・食感炊き分け機能:−
・調理機能:○
「4-3」で紹介したタイガー魔法瓶「〈炊きたて〉JBS-A055」と同じく、低温調理もできる調理メニューを備えていますが、本製品は「煮込み系」「パン/ケーキ系」「低温調理系」「炒飯系」「発酵系」と調理の種類に合わせたメニューが用意されています。炊飯器としての基本機能である炊飯は、熱伝導性と蓄熱性のバランスのとれた内釜と、上下から一気に加熱する「Wヒーター」で米の旨みを逃がさず炊き上げ。ごはんに含まれる難消化デンプン(食物繊維成分)を増加させて炊く「食物繊維米」メニュー(白米と無洗米のみ)などヘルシーさを意識したメニューも多く搭載しています。
●アイリスオーヤマ「RC-MGB30」のスペック
・サイズ:215(幅)×255(奥行)×198(高さ)mm
・炊飯容量:0.5〜3合
・消費電力:485W
・炊飯時間の目安(白米):約45〜70分
・食感炊き分け機能:[白米、無洗米]3段階
・調理機能:○
・お手入れ点数(洗い物点数):3点
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直火による高温で炊飯できるガス炊飯器は、ごはんのおいしさにこだわる家庭で人気。ただし、ガス設備のある家は減っているため、現在ガス炊飯器を発売しているのは、リンナイとパロマの2メーカーしかありません。また、ガス炊飯器は家庭用モデルが少なく、保温やタイマーといった電気式炊飯器なら当たり前の機能が搭載されていない製品も多いので注意が必要。今回紹介する3製品はガス栓につなぐほか、電源プラグをコンセントに挿し込む仕様なため、電気を使って保温できます。
ガス炊飯器は筒型の鍋のような無骨なデザインが多い中、一般的な電気炊飯器に近いデザインを採用しているのが「直火匠」です。ガス式ならではの直火の高火力と蓄熱厚釜でかまど炊きのような炊飯を実現。炊飯メニューには白米と玄米専用の炊飯メニューしか用意されていませんが、白米には新米用のメニューがあります。また、洗米してすぐに炊くか、事前に浸しておいた米を炊くかを選べるのも特徴。ガス式ながら液晶ディスプレイ搭載で操作性がよく、保温や予約炊飯ができる使い勝手のよさも魅力です。
●リンナイ「直火匠 RR-055MTT」のスペック
・サイズ:277(幅)×413(奥行)×275(高さ)mm
・炊飯容量:0.5〜5.5合
・消費電力:213W
・炊飯時間の目安(白米):約41〜47分(「洗米すぐ」)
・食感炊き分け機能:[白米、無洗米]5段階
・調理機能:−
・お手入れ点数(洗い物点数):3点(分離する必要のあるパーツあり)
本製品も液晶ディスプレイを備え、操作性に配慮。白米と玄米専用の炊飯メニューが搭載されている点は「5-1」の「直火匠」と同じですが、本製品はケーキが焼ける調理メニューがあります。調理温度は高温(約130度)、中温(約120度)、低温(約115度)の3段階で選択でき、調理時間は1〜80分の範囲で設定可能。内釜にはフッ素樹脂加工を施し、手入れもしやすく工夫しています。炊飯に関しては、密閉性を高めて内釜内への熱の入りを促進。釜底全体を均一に加熱して炊きムラを抑え、ふっくらとしたごはんを炊き上げます。
●パロマ「炊きわざ PR-M09TR/TV」のスペック
・サイズ:293(幅)×328(奥行)×262(高さ)mm
・炊飯容量:0.5〜5合
・消費電力:185W
・炊飯時間の目安(白米):約38〜48分
・食感炊き分け機能:−
・調理機能:○(ケーキ)
・お手入れ点数(洗い物点数):3点
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モデルチェンジの時期を迎え、象印の「豪熱大火力」シリーズの旧モデル「NW-BA10」「NW-YB10」が人気。大火力で沸騰を維持し続けることで甘みを引き出したふっくらごはんを炊き上げることと、2〜3万円台で購入できるコストパフォーマンスのよさが高評価を呼んでいます。また、2万円台で買えるパナソニック「SR-CR10B」も、その手ごろさからか、ここへ来て人気が上昇。(2025年9月5日時点)
【Profile】鎌田 剛 価格.com編集長
1996年にソフトバンクにて複数のパソコン情報誌の編集・立ち上げに携わった後、2002年にカカクコム入社。2006年「価格.comマガジン」を創刊。以降、編集長としてメディア運営に携わる。日経MJにてコラム連載、ラジオ出演なども幅広く行う。家電製品アドバイザー資格保持者。