コーヒーメーカーとケトル、オーブン&トースターがラインアップされている、デロンギのニュークラシックシリーズ「ディスティンタコレクション」。マットなメタリックカラーでエレガンスに仕上げられたデザインばかりに目がいきがちですが、実は性能もあなどれません。今回は、2017年9月に新モデルが登場したオーブン&トースターの実力を体験会で、見て、試食してチェックしてきました。
新モデル「オーブン&トースター EOI407J」には、「スタイルコッパー」「フューチャーブロンズ」「エレガンスブラック」「ピュアホワイト」の4色がラインアップ
新モデル「EOI407J」は、スクエア(四角)とサークル(丸)を融合させた「スクエアクル」と称される、少し丸みを帯びた筐体やボタンなどのデザインは従来と同じですが、ヒーターがロの字型からU字型に変更されました。ヒーターの形が変わることで全長が伸び、熱量もアップ。出力が1,100Wから1,200Wに向上しました。これにより、トースター機能もオーブン機能も強化され、最高設定温度(220℃)までの到達時間が40秒以上速くなったそうです。また、一般的なトースターとは異なり、オーブン機能も備えるEOI407Jにはシーズヒーターが採用されているのもポイント(トースターは石英管であることが多い)。遠赤外線効果により、食材の表面をこんがり、中の水分はキープしたまま焼くことができるといいます。
M字型ヒーターを採用したことにより熱源エリアが拡大し、庫内の温度ムラが従来より35%低減したとのこと
(※従来のヒーターは異なる製品のものです。この形のヒーターがEOI407Jの前モデルに搭載されていました)
上部にもシーズヒーターが搭載されており、上下から加熱します
一般的な石英管ヒーターを採用するオーブントースターの場合、立ち上がりは早いもののヒーター自体が高温となるため食材の中に火が通るまでに表面が炭化してしまうことも。上のスライドのように、パウンドケーキをきれいに焼くには、じっくり加熱できるシーズヒーターのほうが適しているようです
EOI407Jは本国・イタリア(ヨーロッパ)の基準に準じ、本体の表面温度が高温になり過ぎないように扉や筐体を2重構造としています。安全性に配慮しているだけでなく、この構造により、庫内の熱や水分を確保できるため、食材の焼き上がりがふっくらするのだそう
クロワッサンを他メーカー製も含め、オーブントースターで焼いた結果を見てみると、EOI407Jで焼いたクロワッサン(左端)は巻きの部分もしっかり高さが出てふっくら! このスライドでは見えにくいですが、クロワッサンの天面はEOI407Jで焼いたもの以外は炭化したそうです
上記クロワッサンの加熱検証で、EOI407Jで焼いたものが焦げなかったのはは庫内の高さも関係します。庫内サイズはメーカーにより測り方がバラバラで、ヒーター設置部も含めていることも多いのだそう。そのため、スペック上の数値をあてにしてラックに食材を載せると上部ヒーターぎりぎりになってしまったり、ときには入らないこともあるといいます
EOI407Jは、庫内サイズの表記が実測値(ラックからヒーターまでの距離)とそろえられています。他メーカー製品の場合、表記と実測値が異なることが多いため、パンを焼くだけなら問題ありませんが、食材や皿の高さが関係してくるオーブン調理も行いたい人は気をつけましょう
EOI407Jは保温から220℃まで火力が調整でき、45分までのタイマーを装備。一度の操作で最大45分間加熱できるので、ほとんどのオーブン料理が作れます
トレイやラック、ピザストーンが付属しているので、メニューにあわせて使い分けましょう
朝食のパンを焼くなど普段使いにも活躍するEOI407Jですが、この体験会ではオーブン調理が実演されました。オーブン料理と聞くと、準備がめんどうなイメージがありますが、料理研究家・渡辺麻紀さんが考案されたレシピはどれもカンタン! それでいて見栄えがよく、おいしいのだから完璧です。その様子をお伝えしましょう。
火力がアップしたということで、パリッとジューシーさが実感できたのがピザ。市販のピザ生地にチーズとトマトを載せて焼いただけなのに、感動のおいしさに仕上がりました。
料理研究家・渡辺麻紀さんが実際に調理してくれました。市販のピザ生地にチーズとスライスしたトマトを並べたら準備完了
オーブン調理なので、予熱するひと手間だけは必要です。ピザストーンも入れ忘れないようにしましょう
十分に予熱された庫内にピザをセット。直径19〜22cmまでのピザを入れることができます(食パンなら4枚一度に焼き上げ可能)
220℃で約10分焼いたピザにオリーブオイルと塩をかけたら、できあがり! トマトの鮮やかさはそのままに、理想的に焼き上がりました
どれほどカリッと焼けているかは、ピザをカットする際の音で想像してみてください(下の動画参照)。あまりにおいしそうなので、ピザに夢中になりすぎ、撮影するのが残り2切れというタイミングまで遅くなりましたが、それでもいい音がしています。
食べてみると、音同様に生地がカリッと焼き上がっていました。しかし、生地内部の水分はちゃんと残っているので食べづらさはありません。かつ、トマトのジューシーさが残っており、みずみずしさとサクッと感を一度にあじわえる贅沢なピザでした。なお、具材が載ったピザを買ってきて焼いてもおいしく焼けるそうです
続いてのメニューは、煮込みロールキャベツ。ピザと比べると準備は少々かかりますが、ガスコンロやIHクッキングヒーターで作るよりも下処理が適当で済むそう。しかも、煮ているのに焦げ目でアクセントをつけるワザわりのレシピ! これは一見の価値ありです。
塩、こしょう、みじん切りした玉ねぎ、パン粉を混ぜた合びき肉を広げ、野菜を入れて丸めます。その丸めた肉をキャベツで包み、たこ糸で縛れば、ほぼ準備完了
鍋に入っているスープは、トマトジュースにブイヨンと塩、こしょうを加えただけ。そのスープの中に、ロールキャベツを入れます。スープにすべて浸さないのがポイント!
予熱しておいたEOI407Jに鍋をセット。鍋にフタをしないで加熱することで、ロールキャベツに焦げ目をつけます
なお、重いものを置いた状態でラックを引き出しても、ラックがひっくり返ることがないので安心です
200℃で40分加熱したロールキャベツを見てみると、グツグツと煮えています(下の動画参照)。ガスコンロやIHクッキングヒーターで煮込み料理を作る際には対流で食材を動かすように調理するのに対し、EOI407Jは熱で包み込むようにして加熱するので、煮崩れの心配がほぼないのだそう。なので、今回作ったロールキャベツの場合、それほどしっかりたこ糸で縛らなくても崩れないといいます。
煮込みながら焼き色がつけられるのは、オーブンだからこそですね
ロールキャベツを割ると、中からいろいろな具材が現れるのが楽しい! もちろん、味もパーフェクト。しっかりダシが染み込んでいながら、肉はふわふわです。筆者はロールキャベツがあまり好きではないのですが、これはおいしい
モノ雑誌のシロモノ家電の編集者として6年間従事した後、価格.comマガジンで同ジャンルを主に担当。アウトドアからオタク系まで意外と幅広くイケちゃいます。