あけましておめでとうございます。お正月、みなさまはどうお過ごしでしょうか? さて、お正月の食べ物といえば「お餅」。年末から大量に作ったり買いだめたりするわけですが、本当に大量すぎてお正月中に消費しきれないこともよくあります。
「もう餅はいいよ……」なんて言いながら、あまった餅をひたすら焼く正月明けの地味な苦労(うちは毎年やってます)。そこで注目したいのが、エムケー精工の「もちブレンダー」(型番:RMB-02KW)です。こちら、お餅からいろいろな料理を作れる家電なんです。焼き餅やお雑煮に早くもマンネリを感じ始めたあなた、必見ですよ!
エムケー精工は、40年以上にわたって「餅つき機」の開発を行ってきたメーカー。そんな同社が、餅から料理を作れるようにと開発したのが、このもちブレンダーです。外観・仕様・付属パーツについては、以下の写真をご覧ください。というか、普通に餅つき機能も付いているので、「餅つき機に調理機能が加わったもの」と言ったほうがわかりやすいかも。
本体サイズは190(幅)×220(高さ)×300(奥行)mm、重量は約3.3Kg。安全装置として、温度ヒューズ・電流ヒューズ・モーター保護装置を装備しています。ねり容器、計量カップのほか、取扱説明書と専用レシピ集も同梱
使うときは、ねり容器に「羽根」を取り付けて、そこにお餅や食材を入れます。この羽根が回って、お餅や食材をかくはんする仕組み。楕円形のねり容器は、お餅にコシを出し、理想的なつき上がりを実現するそう
本体底面には、専用開発の鋳込みヒーターを搭載。すばやく均一に材料を加熱して調理します
サイズはこんな感じで、キッチン下の収納にも収まります。そこまで場所を取らないので、置き場に困りません
続いては、もちブレンダーの使い方を見ていきましょう。調理モードは、「アレンジ1」「アレンジ2」「もちつき」の3種類を搭載しています。お餅料理を作るときはレシピに合わせて「アレンジ1」か「アレンジ2」を選択、餅つき機として使う場合は「もちつき」を選びます。
本記事の主旨は「お餅を調理」ということで、ここではお餅料理作りを中心にご紹介しましょう(もち米と水を入れてボタンを押すだけで、約60分後にはつきたてのお餅が食べられる餅つき機能もかなり魅力的なんですけどね)。
お餅料理を作る際の手順は、以下の3ステップ。お餅と食材を一気にねり容器に入れたら、それを本体にセットし、フタを閉めてボタンを押すだけ。あとはもちブレンダーが、自動で材料を炊き混ぜてくれるんです。ほったらかしでいいので超簡単!
【ステップ1】切り餅(または丸餅)と材料をねり容器に一気に入れて、それを本体にセット。材料は本当にただポンポン入れるだけで、自分で混ぜる必要などは一切ありません
【ステップ2】フタを閉めてコースを選び、スタートボタンを押します
【ステップ3】あとはもちブレンダーにおまかせしていれば、モチモチメニューのできあがり! 簡単に言うと、お餅と食材を加熱しながら一気にかくはんして、混ぜ込んでくれる機械です
スーパーで売っている普通の切り餅(原材料名:もち米/国産100%のもの)を、何もせずそのまま使えるのが手軽です。容量は、1度に切り餅2〜7枚(1個あたり約50g)、丸餅3〜11個(1個あたり約30g)を調理できます。ちなみに、餅つき機として使う場合はもち米1〜2合に対応していますよ。
なお、「お餅の全自動調理」というのは一般的にスタンダードではありませんが、本製品には「専用のレシピ集」が付属するのでご安心を。27種類もの餅レシピが載っているので、あまったお餅でいろいろ作って楽しめちゃいます!
このレシピ集通りに作ればまず大丈夫。というか、レシピをいろいろ見ているだけでも楽しい
というわけで、もちブレンダーを使っていろいろなメニューを作ってみたので、感想をお伝えしましょう。まずは、メイン料理となるおかず系のレシピから試してみました。おかず系の基本メニューは、すべて「アレンジ1」(調理時間約25分)を選択して作ります。材料を一気にねり容器に入れて、ボタンを押すだけなので超ラク!
最初のメニューは、お餅をカルボナーラ風に食べる「カルボもち」。ねり容器に入れる材料は、切り餅2個・ベーコン・ピザ用チーズ・牛乳・塩です。これを「アレンジ1」コースで調理すると、切り餅を「つきたて風」によみがえらせた感じになりました。かなりモチモチでコシがあります。この完成品をお皿に盛りつけ、粉チーズ・黒コショウを振り、オリーブオイルを回しかけてできあがり。つきたてのやわらかいお餅に、カルボナーラの味が練りこまれている感じでおいしい!
切り餅2個・ベーコン・ピザ用チーズ・牛乳・塩をすべてねり容器に入れて、「アレンジ1」で調理。25分後、かなりモチモチなモノができあがりました
お皿によそって、粉チーズ・黒コショウ・オリーブオイルで味付けします
見てください、このモチモチ感! ベーコンの形もちゃんと残っており、食感にアクセントがあって飽きません。ベーコンとチーズのコクにオリーブオイルが香ばしくからんで、オシャレ味のお餅といった感じに
続いては、「もちっとチーズガレット」を作ってみました。切り餅2個に、チーズや生パン粉・牛乳などの材料を入れてもちブレンダーにかけるのですが、ポイントはそのあとです。完成品を取り出して、最後にフライパンで表面を焼くんです。これにより、表面こんがり・中身モチモチと、まるで韓国料理のチヂミみたいな食感になって絶品! 今回はレシピ通りにプレーンなタイプを作ってみましたが、ほかにもいろいろな具材を入れてアレンジできそう。
材料は、切り餅2個・ピザ用チーズ・粉チーズ・生パン粉・牛乳・塩で、上述の「カルボもち」と近い。もちブレンダーにかけたあとのモチモチ感も似ています
これを、最後にフライパンで焼くのがポイント。もちブレンダーにかけたあとだから火は通っているので、表面をカリッとさせるだけでOK
形はイビツですが……これが本当においしいんです! 表面はカリッ、中身はモッチモチでチヂミみたい。家族にも好評でした
続いては、その名の通りお酒と合いそうな「おつまみイカもち」。材料は切り餅のほか、さきいかや梅肉、めんつゆなどを入れて作ります。完成品は普通のつきたてのお餅くらいにモチモチ感があり、ひと口サイズに丸めると、味付けのお餅ボールができあがる感じ。最後にチーズ・ネギ・かつおぶしをかけて食べるのですが、ネギがよく合っていて、梅肉の酸味がほんのり香るのがオツ! 晩酌のお供にピッタリです。
材料は、切り餅3個・さきいか・梅肉(チューブ)・めんつゆ(2倍濃縮)・水。かなり粘度が高い餅生地ができます
完成品をひと口サイズに丸めてお餅ボールに。さきいかはところどころ原型を残しつつも、混ざり込んでいる感じ
最後にスライスチーズを乗せて、万能ネギ、かつおぶしを振りかけて完成! さきいかの味が染み込んだ餅に、ネギがよく合います。なお、このレシピは普通のお餅と同じように時間が経つと固くなってしまうので、できあがったらすぐに食べるべし
次に、もちブレンダーで作るスープ系のメニューを2品ご紹介しましょう。いずれも、牛乳など水分になる材料を多く入れるレシピで、モチモチ感の残った汁物を作ることができます。お餅が汁に溶け込んでトロトロに混ざるのがポイント。お年寄りや小さな子どもにちょうどいいですし、風邪をひいたときにもピッタリだと思いました。このように水分量の多い調理は「アレンジ2」(調理時間約35分)を選択して作ります。
まずは、「とろとろクラムチャウダー」。切り餅のほか、ホワイトソース・シーフードミックス・コンソメ・牛乳などをねり容器に入れてセットし、「アレンジ2」を選択します。完成したクラムチャウダーは、モチモチ感がほどよく残っている程度で、舌触りはその名の通り「トロトロ」。クリーミーかつトロトロなので、やみつきになりそうなおいしさでした! お餅だから少量でもお腹にたまるので、小腹がすいたときにもよさそう。
材料は、切り餅1個・ホワイトソース・シーフードミックス(解凍)・コンソメ(顆粒)・牛乳。今回はレシピ集にある2倍の量でも作れるのか試してみたところ、問題なく成功! レシピによると思いますが、多少の分量調整はできそうです(ただし自己責任で)
スープ皿によそい、最後に黒コショウを振りかけて完成!
ホワイトソースに溶け込んだお餅がゆるく残ってトロトロ! シーフードミックスはかくはんされてなくなってしまうかと思っていたのですが、エビやホタテがちゃんと原型を留めています。ウマい!
続いては、「お豆腐ミルクもち粥」。こちらは、切り餅のほかに豆腐や鶏ガラスープ・牛乳を入れ、「アレンジ1」のほうを選択して作ります。完成したお粥は、上述のクラムチャウダーよりやや水分が多めのできあがりに。牛乳・お餅・豆腐が混ざり合って、食感は「トロサラ」って感じです。ここに、ゴマ・ネギ・ショウガなどを散らしてフィニッシュ。鶏ガラスープの素の代わりにコンソメを入れたり、トマト缶をプラスしたりすれば洋風にもアレンジできそう。
材料は、切り餅1個・絹ごし豆腐・鶏ガラスープの素(粉末)・牛乳・塩。お餅はかくはんされて、完全に牛乳に溶け込んでいる状態。食感は「トロサラ」です
お皿によそったあと、ゴマ、刻みネギ、千切りショウガを散らして仕上げ。ベースとなる豆腐がタンパクなので、味にパンチを付けるために最後の味付け調整は必須です。とはいえ豆腐だから何でも合うので、ゴマ油やお醤油をたらしたり、とろけるチーズを入れても美味でした!
スープの中に見える細かいツブツブは、豆腐です。またねり容器の底のほうではお焦げのようなものができていて、これが香ばしくておいしい!
もちブレンダーは、お餅でスイーツも作れるんです。レシピも豊富で、くるみゆべしやかぼちゃを練り込んだお餅なんかもあるのですが、ここでは筆者がおもしろいと思ったメニューをご紹介しましょう。その名も「ちょこもちソース」!
こちら、チョコレートと牛乳を入れて作るだけのシンプルなレシピなのですが、できあがりはモチモチ感を残した新感覚のチョコレートソースになるんです。粘り感はトルコアイスを彷彿とさせるもの。これをアイスやクッキー、フルーツなど、いろいろな素材にかければ、おいしい「新感覚スイーツ」ができますよ。ホームパーティーで出すデザートの脇に付けたら、みんなが「何これ!」ってなりそう。
レシピは超シンプル。切り餅2個・板チョコ(甘いもの)・牛乳のみです。これを「アレンジ1」にかけるだけ
できあがったチョコレートソースは、サラサラではなくトロトロ! 餅っぽさが生きているのがわかります
アイスクリームにかけてみました。チョコレートソースなのですが、お餅が練り込まれているのでアイスに溶けず、ずっとチョコレートとしての本体を保っています。食べてみると、アイスとからむモチモチの食感がおいしい! しかしこれ、どこかで体験したことがあるな……と思ったら「雪見だいふく」でした! 口に入れると、完全に雪見だいふくの食感です
最後に、実際に使ってみた筆者が思う「もちブレンダーを使うときの注意点」をお話ししましょう。
まず、完成したお餅料理をお皿に取り出すときに、ヤケドをしないように気を付けたいということ。もちブレンダーは、お餅と食材を加熱しながらかくはんするので、全メニューともでき上がりがアツアツなんです。特に水分の多いレシピは、モチモチ感が残って粘度のある液体になっているので、取り出しにくいことがあります。
上で紹介した「ちょこもちソース」なんかは特に粘度の高いレシピ。焦って取り出すとヤケドの恐れがあるので、できれば時間に余裕のあるときに作りましょう(笑)。ねり容器は、調理後2〜3分経てば素手で持てるくらいになるので、急がないレシピであればそれまで待ったほうが安全かもしれません。急ぐときは必ずミトンを着用
続いて、もちブレンダーのお手入れについてです。これはレシピにもよりますが、大なり小なりどうしても、ねり容器や羽根にお餅のこびりつきが発生します。それでも、ねり容器・羽根・本体のフタも外して水洗いできますし、ねり容器は汚れが付きにくい加工になっているのがうれしいところ。少し水につけておくなどすれば、こびりつきも取れやすくなります。
レシピによりけりですが、写真のように水分量の多い調理の後はこびりつきが発生します。ひとまずねり容器と羽根を少し水につけておいたあと、家庭用中性洗剤で洗えばOK。羽根の奥まで入った汚れはつまようじなどで取りましょう
あまり水分量の多くないレシピだと、こびりつきもこの程度。ねり容器はスルッと汚れが取れる加工になっていて、洗いやすいです
というわけで、もちブレンダーの特徴を見てきましたが、いかがだったでしょうか? お正月明けにあまったお餅の消費に苦労している人はもちろん、普段からお餅が好きな人にはたまらない家電ですよね。冒頭でご紹介した通り、餅つき機能も付いているので、もちブレンダーでついたお餅を保存しておいて、後日再び本製品で調理するというのもアリです。
その特徴を簡単にまとめると、和・洋・中のメインおかずからおつまみ、スープ、スイーツまで、いろいろなお餅料理を全自動で楽しめること。まさにお餅の魅力を拡げてくれる1台です。もちブレンダーがあれば、お正月だけではなく1年中お餅を楽しめること間違いなし!