レビュー

価格.comの人気売れ筋ランキング1位の餅つき機、東芝「もちっ子生地職人」を使ってみた

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お正月が近づいてきたので、餅つき機をレビューします! これまで筆者はパック餅を買っていたのですが、昨年、餅つき機を使ってみたところ、できたてのおいしさに感動。もう一度、つきたての餅が食べたいのです!! ということで、今回選んだのは価格.comの餅つき機 人気売れ筋ランキングで2位に輝く(2017年12月14日時点)、東芝「もちっ子生地職人 PFC-M116」(以下、PFC-M116)です。1位はホームベーカリー(パナソニック「SD-BMT1001」)なので、餅つき専用機としては実質「PFC-M116」が1位。はたして、その実力とは?

構造をチェック!

ボイラーに注いだ水を蒸気にしてもち米を蒸し、その後で内部の羽根を回転させて餅をつく(こねる)というのが餅つき機の基本的なしくみ。蒸気を、もち米の上と下のどちらから放出するのかで蒸し方が製品により異なるものの、容量1升までのタイプの場合、蒸し時間が約30〜40分で、つき時間が10分前後というのが一般的です。この時間だけ見ると1時間以内の短時間で餅が作れるように思いますが、実は、その前の工程であるもち米の浸し時間が長い! 通常6〜12時間水に浸さねばならず、それほど時間がかかるならパック餅を買ったほうがいいとなりそうですが、浸水時間を短縮する機能を搭載したモデルもあります。今回紹介するPFC-M116もその機能を搭載しており、通常10時間ほどかかる浸水工程は約40分で完了。さらに、餅の硬さをつき分けできる機能があるのも魅力です。

2合〜1升のもちが一度につけるPFC-M116の本体サイズは、250(幅)×309(高さ)×353(奥行)mmと少々大きめ

2合〜1升のもちが一度につけるPFC-M116の本体サイズは、250(幅)×309(高さ)×353(奥行)mmと少々大きめ

サイズは少し大きいですが、本体内に付属品を納められるので収納はスッキリ! 天面のカバーも「のし板」として使え、ムダがありません

本体底にはボイラーを装備。この部分に水を注ぎ、発生する蒸気でもち米を蒸します

本体底にはボイラーを装備。この部分に注いだ水が加熱され、発生する蒸気でもち米を蒸します

PFC-M116はもち米を浸す・蒸す、餅をつくの3つの運転モードを備えており、用途によって本体に装着するパーツを交換します。浸水工程では「ひたし容器」(左)、蒸す、つく工程では「うす」(右)を使用。「うす」の底にある穴から蒸気が流れ込み、もち米を蒸します

餅つき機ではめずらしい機能ではありませんが、餅以外にパンやピザ、うどんの生地を練って作ることができます。室温と生地温度を検知するセンサーが搭載されているので、発酵(一次発酵)もおまかせ! 別売の「みそ用はね」を用意すれば、自家製味噌作りも楽しめます。また、蒸し機能を使えば、野菜の蒸し物や茶碗蒸しなどを作ることも可能

餅をついてみよう!

さっそく、餅をついてみます。PFC-M116の特徴は浸水工程を短縮できることと、餅の硬さを変えられることなので、その両方を試してみましょう。

最初に行うのは、もち米の浸し。取扱説明書によると、浸し時間は新米が6〜10時間、古米が10〜12時間となっていますが、PFC-M116は「一気ひたし」機能を使うことで、約40分で浸水工程が完了。炊飯器のように、浸しの際に加熱することで吸水を促進させているようです。なお、自然浸水を行うと「一気ひたし」で作る餅よりも、やわらかめの仕上がりになるそう。PFC-M116は、硬さをつき分けできるので「一気ひたし」を利用したほうがいいような気がします。

洗米したもち米をひたし容器に入れ、指定の位置まで水を注ぎます

洗米したもち米をひたし容器に入れ、指定の位置まで水を注ぎます

蒸気を発生させるための水を、ボイラーに入れます

蒸気を発生させるための水を、ボイラーに入れます

もち米と水を入れたひたし容器を本体にセットし、フタをします

もち米と水を入れたひたし容器を本体にセットし、フタをします

「一気ひたし」キーを押したら、あとは終わるのを待つだけ

「一気ひたし」キーを押したら、あとは終わるのを待つだけ

約40分後にブザーが鳴り、浸しが完了。水は湯気が出るほどには熱くなっておらず、ほんのり温かいかもという程度でした

浸しを終えたもち米はザルにいれ、10〜30分、水を切ります。水がしっかり切れていないとやわらかい餅になる可能性があるそうなので、30分間水切りを行いました

浸水工程を短縮させる機能のない餅つき機なら、ここまでの準備で10時間以上かかりますが、PFC-M116は洗米や水切りなどの時間を含めてもトータル1時間20分くらいで済みました。

続いて、もち米を蒸します。蒸しあがったら、そのまま餅をつく工程へと進むので、羽根をセットするのを忘れないように!

「一気ひたし」の前に入れた水がボイラーに残っている場合は、そのまま蒸し工程へ進みます

「一気ひたし」の前に入れた水がボイラーに残っている場合は、そのまま蒸し工程へ進みます

うすを装着し、餅をつくための羽根をセット

うすを装着し、餅をつくための羽根をセット

準備しておいたもち米を入れ、フタをしたら「むす」キーを押します

準備しておいたもち米を入れ、フタをしたら「むす」キーを押します

約25分で蒸しあがりました。わりと水分がない印象です

約25分で蒸しあがりました。わりと水分がない印象です

蒸しあがったもち米を餅にするので、つく工程へと移ります。「標準」と「やわらかめ」で硬さを選べますが、まずは「標準」の餅を作ってみましょう。なお、つく際にはフタはしません

つく工程が始まると羽根が回転し、もち米がどんどん餅の状態になっていきます(下の動画参照)。運転音は会話やテレビの音をさえぎるほど大きいわけではありませんが、振動はそこそこするので、集合住宅で深夜、床に置いて稼動させるのは注意したほうがいいかもしれません。

約10分で、餅がつきあがりました。丸まっているので簡単に取り出せるかと思ったら、トレイになかなか落ちてきません。しゃもじなどを用意したおいたほうがいいでしょう

丸めようと餅を引っぱったら、予想以上に伸びました! しかも、コシがすごい。つきたての餅を食べてみましたが、おどろくほど弾力があり、食べごたえがあります

「標準」でついた餅は強いコシが出ることがわかったので、「やわらかめ」ではどう変わるのかも試してみました。なお、「やわらかめ」キーを押すところまでの準備は同じですが、もち米の量が420g以下の場合は「やわらかめ」を選択できません。

「標準」でつく場合と水やもち米の量を変えなくていいので、つく段階の気分でつき分けできるのがイイ! メーカーに聞いたところ、「やわらかめ」は蒸気の量を多くすることでやわらかく仕上げるということでした

「やわらかめ」は「標準」よりも2分ほど長くついて、完了。ついている時の餅の動きから、やわらかさが違うことはわかりました。できあがった餅を取り出す際も、餅がとろ〜んと流れ出てくるかのようです

餅を引っぱってみると、「標準」でついた餅より伸びがすごい! 口に入れたら吸い込みながら食べられるのでは? と思うほど伸びます

あまりにも伸びるので丸めるのを忘れて、限界に挑戦! 60cmくらいは余裕で伸びました

あまりにも伸びるので丸めるのを忘れて、限界に挑戦! 60cmくらいは余裕で伸びました

伸びがいいので、大量の具を入れても包むのが簡単! 今回、大福を2つ作ったら、新品のチューブのあんこがなくなりました……。でも、市販の大福ではあり得ないほどのあんこを入れて作れるのが、手作りのいいところ!

作った大福を食べておどろいたのが食感。やわらかくてモチモチしているのに、コシはしっかりあります。つきたてをすぐ食べるなら、断然、「やわらかめ」のほうが好み! この伸びのよさと弾力はクセになります

つきたての餅は、「標準」と「やわらかめ」であきらかな違いがありましたが、冷蔵庫で保存した餅を焼いても違いがあるのかを確かめてみました。

ビニールに入れて1晩冷蔵庫で保存した餅を焼きます

ビニールに入れて1晩冷蔵庫で保存した餅を焼きます

見た目では「標準」と「やわらかめ」がどちらなのか、まったくわかりません

見た目では「標準」と「やわらかめ」がどちらなのか、まったくわかりません

「やわらかめ」をどちらに置いたかを知っているので、「やわらかめ」のほうがやわらかいような印象を受けますが、つきたてほどの明確な違いは感じませんでした。

ちなみに、焼いた餅もすごく伸びます(手で持てる熱さまで冷ました状態でも、この伸び!)

まとめ

昨年、エムケー精工のコンパクトな餅つき機「ミニもっち RM-05MN」(以下、ミニもっち)を使用した筆者からすると、PFC-M116は本体サイズが大きい!と思ったのが正直な気持ち。とはいえ、PFC-M116はミニもっちの2倍の容量の餅が作れるので、このサイズ感は仕方ないこと。ひとり暮らしで、ちょっと餅を作りたいという用途にはマッチしないかもしれません。しかし、餅の仕上がりは上々。実は、ミニもっちとPFC-M116は蒸し方が違います。ミニもっちはもち米の上から蒸気を噴出し、水気を下に落とす蒸し方を採用しており、余分な水分がつかないのでコシの強い餅ができるのがウリでした。いっぽうPFC-M116は、一般的な餅つき機に多い、下から蒸気を出して蒸す仕様。そのため、べちゃつきやコシの弱さを心配していたのですが、まったく問題なし! むしろ、PFC-M116の「標準」でついた餅にほうがコシはあるかもしれません。また、PFC-M116のつき分けの簡単さに感動しました。ミニもっちは、ついている途中に水を手動で加えなければなりませんでしたが、PFC-M116は蒸気の量をコントロールしてつき分けてくれます。420g以上の量でないとつき分けできないというキマリはありますが、おまかせできるのはありがたい。

ただ、蒸気を下から出すため、うすに複数の穴が空いているのですが、ここに餅が詰まってしまい、手入れがめんどうでした。ボイラー部にある羽根をつける棒にも餅がつきますが、取り外しできないので、フキンで拭き取らねばなりません。これは、下から蒸気を出すタイプだと仕方ないことなのかもしれませんが、後片付けは少々疲れました。とはいえ、1回体験すると、餅が固まらない内にお湯につけておくなど知恵が働くようになるので、2回目以降は比較的ラクに片付けすることができるようになるでしょう。

うすの底にある穴は、楊枝などを使いながら汚れを取ります

うすの底にある穴は、楊枝などを使いながら汚れを取ります

羽根をつける棒にあるオレンジのパーツは取り外しできますが、それ以外はフキンでの拭き取り清掃となります

羽根をつける棒にあるオレンジのパーツは取り外しできますが、それ以外はフキンでの拭き取り清掃となります

お手入れの部分で少々めんどうな面はあるものの、今回、PFC-M116を試してみて、この製品が価格.comの餅つき機 人気売れ筋ランキングで実質1位(2017年12月14日時点/ホームベーカリー除く)に支持されている理由を納得できました。餅つき機は、他メーカー製品であってもそれほど大きく構造は違いません。だからこそ、PFC-M116に搭載されている浸水工程を短縮できる機能や手軽につき分けできる機能は、選ぶ際の大きな決め手となるはずです。

このレビューでは試していませんが、蒸し物を作ったり、パン生地を練ることもできます。1品だけ試しに、赤飯を作ってみたところ、「一気ひたし」で時短でき、便利でした

赤飯にもべちゃつきはなく、弾力のある仕上がり。モチモチ感もばっちりです。ムダな水分がない感じなので冷めると硬くなりますが、ラップをして電子レンジで加熱するといい具合に復活するので、一度に食べ切れなくても問題なし!

中村真由美(編集部)
Writer / Editor
中村真由美(編集部)
モノ雑誌のシロモノ家電の編集者として6年間従事した後、価格.comマガジンで同ジャンルを主に担当。気づけば15年以上、生活家電の情報を追い、さまざまな製品に触れています。
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