職業柄、テレビや雑誌の「2021年ヒット予測」などの企画が大好きなのですが、今年に入って真っ先に気になったのが、テレビで2021年のヒット食品候補として紹介されていた「発酵あんこ」。なにこれおいしそう! ということで、さっそく作ってみました。
「発酵あんこ」とは、ゆであずきに麹を混ぜて作る、砂糖を使わないあんこのこと。甘酒のように、麹と合わせて発酵させることで糖分が生成されて甘くなるため、「小豆甘酒」「小豆麹」と呼ばれることもあるそうです。
あずきには食物繊維やビタミンなどの栄養がたっぷり含まれているのはもちろん、砂糖を使わないため普通のあんこよりもカロリーや糖質が抑えられるので、ヘルシーフードとして注目されています。
おもな材料は小豆と麹(今回は乾燥米麹)。配分は1:1です。あとは水と塩(お好みで)があればOK
発酵あんこの作り方は、やわらかく煮たあずきに同量の麹を混ぜ、60℃で8時間ほど保温するだけ。家庭で甘酒を作る方法と同じです。甘酒が炊いたご飯から作るように、発酵あんこも、まずはあずきを煮る必要があります。
保温するための道具は、ヨーグルトメーカー(60℃で8時間が設定できるもの)、電気調理鍋(低温調理モードがあるもの)、炊飯器などが使用できますが、今回はヨーグルトメーカーで作っていきます。
使用するのは、アイリスオーヤマ「KYM-013」。「飲むヨーグルト」を含む6つの自動メニューが搭載されているほか、温度は25〜65℃を1℃刻みで、発酵時間は1〜48時間までを1時間刻みで設定することができます
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甘酒を作る時と同様、使用する容器や混ぜるためのスプーンなどは、熱湯消毒をしておきます
今回はあずき150gで作っていきます。あずきは2〜3回水洗いしたあと、たっぷりの水から3分ほど軽くゆでます。これであずきのアクが抜けます
アク抜きしたあずきのお湯を切り、あずきの3倍の量(450ml)の水を加え、やわらかくなるまで煮ていきます
ここでは電気圧力鍋を使用し、加圧時間15分で圧力調理しました。普通の鍋で煮る場合は、弱火で1時間ほどじっくり煮ます
箸や指で簡単につぶせるくらいのやわらかさが目安です
あずきが高温のまま麹を混ぜててしまうと発酵しないので、60℃程度まで冷ましつつ、好みで塩を加えます。ここでの水分量の目安は市販のゆであずきくらい。水分が多いなと感じる場合は、ここで調整しましょう
60℃程度まで冷めたら、あずきと同量の乾燥米麹を混ぜていきます
水分が少なすぎると発酵が進みにくくなるので、水の減らしすぎには注意。この段階でややびちゃっとしているくらいがちょうどよいようです
ヨーグルトメーカーの専用容器にセットし、60℃で8時間保温。熱湯消毒済みのスプーンなどで2時間ごとにかき混ぜると、発酵がまんべんなく進みます
ちなみに、今回使用したアイリスオーヤマの電気圧力鍋「PC-MA2」は低温調理モードも搭載されているので、ヨーグルトメーカーに移し替えず、このまま保温してもOKです! なのになぜヨーグルトメーカーで調理するかというと、筆者宅では、炊飯から簡単なあたためまで、電気圧力鍋が1日中フル稼働しているから。発酵あずきは8時間と長時間の保温が必要なので、その間に電気圧力鍋がまったく使えないのは困る……というわけで今回は、ヨーグルトメーカーにまかせることにしました。
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8時間後、「発酵あんこ」の完成です。時間はかかるけど、簡単!
できあがりはこんな感じ。あずきがゆであがった段階で水分調整はしませんでしたが、うまくできました
できあがった発酵あんこを食べてみました。思ったよりあっさりした甘さでおいしいです。甘さは砂糖で作るあんこの8割くらいでしょうか。通常のあんこのこってりした甘さが苦手な人でも食べやすいと思います。
いっぽうで、材料の半分は麹なだけあり、遠くに麹特有のほのかなフルーティーさを感じることがあります。甘酒が苦手な方は気になるかもしれません。
お餅を入れてぜんざい風に。あっさりした甘さなので、そのままばくばくいけます。一度冷やした発酵あんこを鍋で温める場合は、麹が焦げ付きやすいので注意が必要です
トーストにのせれば、パンの味を引き立てるあっさり系小倉トーストに
個人的ヒットは、冷やして無糖ヨーグルトと合わせること。発酵食品同士だけありとても合います! はちみつやジャムは入れすぎると甘くなりすぎてしまうのでヨーグルトに加える量に慎重になるのですが、発酵あんこはたっぷり入れてもおいしく食べられます
飲み物との相性も◎。ブレンダーにかけておくと液体とも混ざりやすいです
無糖の飲むヨーグルトと一緒にシェイカーに入れてシェイク! おいしいうえに、時間がない時でもぱっと栄養がとれて、お腹にもたまるので重宝しています。アイリスオーヤマ「KYM-013」は飲むヨーグルトも作れるので、完全手作りで発酵あんこヨーグルトドリンクができます
温かいままでも冷やしてもおいしい発酵あんこは、ギルトフリーなスイーツとしてこれからお世話になる機会が増えそう。家庭で作った発酵あんこの保存期間は、冷蔵庫で1週間ほど言われています。冷凍保存をすればもう少し長く保存がききますが、冷凍保存すると食べるのがおっくうになるのは私だけでしょうか。なので、まずは1週間で食べきれる量から作るのがおすすめです。今回、あずき150gを使用してできあがりは600gほど。1人暮らしなので、1日100g弱消費しても十分な量でした!
美容・健康家電を中心に新製品レポートやレビュー記事を担当。時には体を張って製品の実力をチェックします。