タイガー魔法瓶の圧力IH炊飯器の最上位モデルがモデルチェンジ。土鍋を使った内釜「本土鍋」が進化し、ごはんの甘みや粒立ちをさらに引き出して炊き上げる新モデル「土鍋ご泡火炊き JRX-G100」(5.5合炊き)をプレス向け体験会で見てきました!
エボニーブラックとアイボリーホワイトの2色を用意。市場想定価格は148,500円(税込)で、2024年6月21日発売予定
本物の土鍋を使った内釜「本土鍋」は、金属釜と比べ、遠赤効果や蓄熱性が高いのが特徴。それに加え、2023年発売モデル(JRX-T100/T060)で採用したIH構造「300℃ WレイヤーIH」により、タイガー史上最高となる炊飯時の炊飯温度約300度を実現しました。
底面から底側面までIHコイルを巻きつけ、さらに底面のIHコイルを2層にした「300℃ WレイヤーIH」構造が、土鍋の遠赤効果や輻射熱と組み合わさることで約300度の大火力を生み出します
2層構造になった底面からの大熱量と、ゆっくりと熱が伝わる土鍋の特性により、内釜の上下で温度差が生まれます。その温度分布は、直火で炊く土鍋と同じだそう。この温度差で自然な熱対流が発生し、米一粒ひと粒に熱を加えて炊き上げます
新モデル「JRX-G100」も「本土鍋」と「300℃ WレイヤーIH」構造を採用している点は同じですが、土鍋炊飯器の要である「本土鍋」が改良されました。といっても、ベースの土鍋は変わっていません。
金属釜と比べて約4倍の遠赤効果を持つ土鍋のベース部分は変えずに、性能を引き出しました
土鍋はそのままではIHに反応しないため、底面に発熱体をコーティングしています。その発熱体に、シラス台地から採掘された火山灰を原料とした「シラスバルーン」を練り込み、蓄熱性を向上。底面のIHが2層になった「300℃ WレイヤーIH」構造が生み出す大熱量を、「本土鍋」底面の蓄熱性がアップすることで、より多くの熱を蓄えられるようになりました。この蓄熱は、たとえば、浸水後、炊き上げで一気に加熱して高温にするときに使用されます。蓄えられる熱が多くなったことで、これまでよりも早く高温に到達できるようになり、ごはんの弾力がアップ。
「シラスバルーン」を特殊なミキシング技術で練り込んだ発熱体を採用することで、蓄熱性を高めました
さらに、内釜側面に塗布している釉薬(ゆうやく)の鉄やコバルト系の配合を見直して遠赤効果を高め、ごはんの甘みと弾力をアップ。この2つの改良により、前モデルと比べ、炊き上がったごはんの甘み成分が約8.5%、粒感(弾力性)が約5%アップしました。
新モデル「JRX-G100」で炊いたごはん。艶々で、いい香りがします
土鍋を使い直火で炊いたごはんと「JRX-G100」で炊いたごはんを食べ比べてみると、土鍋で炊いたほうは粘りが多いからなのか食感は柔らかめ。物足りない柔らかさではなく、弾力も感じられておいしいですが、粒感は「JRX-G100」の圧勝。それでいてモチモチしており、甘みも感じられます
粒立ちがよく、ほどよい粘りのあるごはんはおにぎりにも最適
激しい対流で米同士がぶつかると米の表面が傷付き、べたついた食感になったり、旨みが流出したりします。「本土鍋」で炊き上げたごはんのハリ、艶、粒立ちが損なわれないのは沸騰時に発生する泡がポイント。垂直に上がった細かい泡が米の間をすり抜け、クッションとなり、米同士がぶつかって傷付くのを防ぎます
炊き上がりのごはんの味や食感だけでなく、保温したごはんのおいしさを追求するため、保温機能も改良。「土鍋ご泡火炊き」は、「ハリつやポンプ」で外気を取り込んで余分な熱と蒸気を外に出し、細やかな温度制御で臭いや黄ばみを抑える「おひつ保温」を採用しています。新モデルでは、ポンプで取り込む空気のルートを2方向から1方向に変更。集中的に効率よく外気を送り込めるようになったことで、従来モデルよりも内釜内に送り込む空気量が増え、より料亭で出てくるような木製のおひつに近い湿度コントロールを実現したそう。
「JRX-G100」で、「おひつ保温」と普通の保温で12時間保温した比較。「おひつ保温」でない右側のごはんは、少し黄色に変色しています
12時間保温したごはんを拡大してみると、「おひつ保温」でないほうのごはんにひび割れが! 「おひつ保温」は必要以上の熱と蒸気を逃がし、釜内を最適な湿度と温度にコントロールすることで炊き立てのおいしさを保ちます
その他の部分については、前モデルからの変更点はなし。炊飯中は赤色、保温中は橙色、予約時は緑色に点灯する「エモーショナルランプ」や、見やすい「大型ホワイトバックライト液晶」、マグネット式で着脱しやすい内ぶたなど、使いやすく評判のいい機能はそのまま採用されています。
液晶に表示される文字は大きくて視認性抜群。タッチパネルでの操作もしやすいです
ふたを閉じた部分の淡い光が「エモーショナルランプ」。炊飯器の状態を色で知らせてくれます
使用後に洗うのは内ぶたと内釜の2点。内ぶたは食器洗い乾燥機に対応しています。ちなみに、内ぶたはマグネットで本体に取り付ける仕様なので、着脱が楽なのもいい!(下の動画参照)
5.5合炊き「JRX-G100」と同日に、3.5合炊き「JRX-G060」も発売されます。搭載している機能やメニューは同じなので、「JRX-G100」と同レベルのごはんが期待できるでしょう。操作性、お手入れも同じです。
※「JRX-G100」には炊飯空間を小さくすることで1合でもおいしく炊く「中ぶた」が付属しますが、小容量の「JRX-G060」では不要なため、付属しません。
3.5合炊き「JRX-G060」に用意されているカラーバリエーションは、5.5合炊き「JRX-G100」と同じ2色。「JRX-G060」の市場想定価格は143,000円(税込)です。本体サイズは「JRX-G100」が282(幅)×366(奥行)×219(高さ)mmで、「JRX-G060」が257(幅)×332(奥行)×205(高さ)mm