ちょっと高価な製品を購入するとき、ひとつ前のモデル(型落ち)と機能や価格の差を比べてから決めるという人は多いでしょう。そこで、価格.comで人気の高い製品をピックアップし、新旧モデルを比較して異なる点をざっくりまとめてみました。
今回比較したのは、タイガー魔法瓶の圧力IH炊飯器「土鍋ご泡火炊き」の最上位モデル。2024年発売の「JRX-G100」と2023年発売の「JRX-T100」を比べてみました。
価格.comの「炊飯器」カテゴリーの人気売れ筋ランキングを見ると、2023年発売の「JRX-T100」がトップ10にランクイン。2024年6月に発売された最新モデル「JRX-G100」は25位(2024年10月2日9時55分時点)ですが、はたして型落ちを購入するほうがお得なのでしょうか?
本記事ではメーカーの公式サイトやカタログの情報を基に最新モデル(2024年モデル)と型落ちモデルを比較しています。主な機能や構造が同じでも基板やパーツ、ソフトウェア、操作部のデザインなど細かい部分がブラッシュアップされていることもあるのでご留意ください。
2024年モデルのデザインや搭載されている炊飯コースなど、基本的な部分は2023年モデルと同じ。どちらも5.5合タイプで、本体サイズは282(幅)×366(奥行)×219(高さ)mm。最大消費電力は1,080Wです。
「土鍋ご泡火炊き」は、本物の土鍋を使った内釜「本土鍋」を採用しているのが特徴。高い蓄熱性と遠赤効果を持つ土鍋がお米の旨みを引き出します。2023年にはIH構造を一新し、隙間を減らしてコイルを巻き付け、中央部のコイルを2層にした「300℃ WレイヤーIH」構造にすることで発熱パワーを向上。このIH構造と本土鍋の組み合わせにより生み出される炊飯時の最高温度300度の大火力と、直火で炊く土鍋と同じ温度差で発生する熱対流がお米一粒ひと粒に熱を加えて、甘みと香りのあるふっくらごはんを炊き上げます。
「300℃ WレイヤーIH」構造によりまんべんなく熱が伝わり、熱効率がアップ
「本土鍋」は細かい泡が垂直に上がるのもポイント。激しい対流で炊き上げても泡がクッションとなって米同士がぶつかって傷付くのを防ぐため、ハリや粒立ちのあるごはんが炊き上がります
2024年モデルでの変更点は、主に2つ。「本土鍋」の性能が向上したことと、保温機能が改良されたことです。
元々「本土鍋」は金属釜と比べて約4倍の遠赤効果があります。その「本土鍋」自体は変わっていませんが、2024年発売の「JRX-G100」は内釜側面に塗布している釉薬(ゆうやく)に含まれる鉄やコバルト系の配合を調整し、遠赤効果が向上。さらに、内釜底面の発熱体を蓄熱性の高い「シラスバルーン」を練り込んだものに変更しました。これらの改良により、前モデルで炊き上がったごはんより甘み成分が約8.5%、粒感(弾力性)が約5%アップ。
2024年発売の「JRX-G100」と2023年発売の「JRX-T100」ともに、ごはんが炊き上がった後、「ハリつやポンプ」で外気を取り込んで炊飯器内の余分な熱と蒸気を放出し、最適な湿度で保温することでごはんのべちゃつきや乾燥を軽減する「おひつ保温」を搭載しています。2024年モデルでは、空気を取り込むルートを2方向から1方向に変え、庫内に送り込む空気量を増やすことにより、料亭のおひつに近い湿度コントロールを実現。従来モデルよりも炊きたてのおいしさを保てるようになりました。
「JRX-G100」で、「おひつ保温」と普通の保温で12時間保温したごはんの状態。「おひつ保温」で保温したごはんのほうが、変色が少ないです
2024年発売の「JRX-G100」は内釜の遠赤効果と蓄熱性がアップし、ごはんの甘みや弾力が増したということですが、「本土鍋」は元々高い遠赤効果と蓄熱性を有しているので、2023年発売の「JRX-T100」でも弾力があり、香りも高いごはんが味わえました。メーカーが開催した体験会で試食した程度ですが、個人的には型落ち(2023年モデル)でも十分満足できると思います。ただ、長時間保温する家庭では、よりおいしく保存できるように改良された「おひつ保温」を搭載した2024年モデル「JRX-G100」を選んだほうがいいかもしれません。
2024年10月2日9時55分時点の価格.com最安価格を見ると2023年モデルのほうが20,000円ほど安いですが、在庫が少なくなると型落ちのほうが高くなる可能性があります。2023年モデルのユーザー満足度は高いので、基本的な部分は変えずに進化した2024年モデルを選んでも満足できるでしょう
2024年発売の「JRX-G100-KG」(エボニーブラック)の価格推移。発売当初は15万円近かった価格は9万円台まで下がっています(2024年10月2日9時55分時点)