音楽・映像ソフトのレンタル店日本最大手「TSUTAYA」を運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(以下、CCC)によって、「二子玉川ライズ・ショッピングセンター」の1,2階にオープンした新業態の家電販売店「二子玉川 蔦屋家電」(以下、蔦屋家電)をご存知だろうか? 5月3日のオープンから、連日SNSなどでも話題となっている新注目スポットだ。
CCCといえば、2011年に「代官山 蔦屋書店」を開業。書店の内部にカフェを併設してくつろげる空間を演出したり、書籍のテーマごとにコンシェルジュを配置したりと、新しい書店の形を作ったことが記憶に新しい。そんなCCCが手がける蔦屋家電のコンセプトは、“ライフスタイルを買う家電販売店”。いったいどんな家電販売店なのか。蔦屋家電を訪れたらぜひチェックしてほしいポイントとともに、店内の様子をレポートしよう
店内は、まるでインテリアショップのようなハイセンスな空間。製品はポップやシールを貼らずに美しく展示され、吹き抜けには巨大オブジェが飾られている。家のようにくつろげる居心地のよい空間を目指しているという
蔦屋家電の敷地面積は、1階、2階合わせて2,000坪以上という広さ。一般的な家電量販店と大きく異なるのは、店内を「人文、衣、食、住、デザイン、旅行」の6つのエリアに分類し、家電だけでなく、関連する書籍や雑貨を同じ空間にディスプレイしている点。また「代官山 蔦屋書店」同様、エリアごとにその分野のプロフェッショナルであるコンシェルジュが常駐している点だ。「家電はライフスタイルを変えるもの」という考えから、家電販売を通して“ライフスタイルを提案する”ことをコンセプトとし、製品は二子玉川の客層に合わせて厳選したものだけを取り扱う。なお、製品の価格交渉は基本的に行わない。
今回、二子玉川に1号店をオープンする決め手になったのは、都心からのアクセスのよさだけでなく、二子玉川周辺住民に家電量販店のニーズがあったことだという。
CCCは、ここ数年で「代官山 蔦屋書店」、佐賀県の武雄市図書館、「湘南T-SITE」など、新たなライフスタイルを発信する施設を次々と展開。蔦屋家電はその中でも、もっともラグジューアリーな文化複合施設という位置づけだ
CCCの調査によると、現在インターネットで購入されているものの第1位は本、第2位は家電。同社は、「代官山蔦屋書店」によるネット時代の書店のイノベーションに手ごたえを感じ、家電販売の刷新に着手したという
二子玉川周辺住民を対象に行った「この街に欲しい施設はなんですか?」というアンケートでは、「映画館」に次いで「家電量販店」を求める声が多かった
蔦屋家電に展示される製品にはポップやシールを付けないが、製品に関する質問にはコンシェルジュが答えてくれる
コンシェルジュに紛れ、ソフトバンクのロボット「ペッパー」もお客さんの案内役として活躍。各フロアに1台ずつ配置されている
蔦屋家電は、新しい「ワークスタイル」を提案する1F、新しい「衣食住」を提案する2Fの2つのフロアで構成されている。ここからは、店内の要チェックポイントとともに、それぞれのフロアの特徴を見ていこう。
1Fフロア
まずは、パソコンやAV機器、カメラといった「黒もの家電」を中心に取り扱うエリアが集まっている1Fフロアをチェック。店内はダークブラウンの木材や間接照明を多用したモダンな雰囲気が漂っている。
1F入り口は書籍コーナーへ直結しているため、「家電店に来た」という印象は皆無だ。併設されている「スターバックスコーヒー」や「ファミマ!」などで購入した飲み物を飲みながら書籍を読めるカフェスペースも設置
「蔦谷家電 Apple Authorized Reseller」
最新のApple製品が並ぶエリア。製品を自由に試すことができるのは「Apple Store」と同様だが、ショーウィンドウに無人航空機「ドローン」がディスプレイされているのがインパクト大だ。
無人航空機「ドローン」のディスプレイ。Apple製品と直接の関係はないが、訪れた人の中には、吸い寄せられるようにドローンの展示スペースへ向かう人が多数。なかでも、40万円弱という高級ドローン「inspire1」が注目を集めていた
開放感のある空間に「iPhone6」や「Apple Watch」など最新のApple製品が並ぶ。試用スペースにはイスも用意されているので、じっくりと製品を試すことができる
蔦屋家電で取り扱うスマートフォンは、現在のところiPhoneのみ。キャリアは各社から選ぶことができる
製品のすぐそばに関連書籍を陳列。アップル社関連書籍はもちろん、「りんご」をテーマにした書籍もあるのがユニークだ
「ネットワーキング」
PCやその周辺機器を取り扱うエリアで、PCのラインアップは「Surface Pro 3」が中心。なかでも、初の店舗販売となる「Signature エディション」は要チェックだ。
「Surface Pro 3」Signature エディション。これまでオンラインストアMicrosoft Store限定で販売されていたが、蔦屋家電で初めて店頭販売を開始。「Windowsのパフォーマンスを最大限発揮できる」という使用感を、イスに座ってじっくり試すことができる
LGの21:9ディスプレイ「34UC97」(上)、NANA0の1:1ディスプレイ「EV2730Q」(下)