主要メーカーのフラグシップモデルの特色を紹介するとともに、複数あるシリーズの特徴を解説。リビングに適するエアコン、書斎や子供部屋にマッチしそうな1台を見極めるヒントにしてほしい。ちなみに、ここに掲載されたフラグッシップモデルは、すべてスマートフォンと連携して遠隔操作などができる機能を搭載している。
加湿もできる「うるさら7 Rシリーズ」の一番の注目ポイントは、「プレミアム冷房」。エアコンは設定温度に近づくと運転能力が弱くなり、消費電力を抑えた運転へと切り替わる。部屋を冷やし過ぎないように、熱交換器の温度が高めになるのだ。そうなると除湿力がダウンしてしまい、蒸し暑さの原因となっていた。そこで、冷房能力を下げた状態でも、熱交換器の一部のみ温度を下げて除湿を継続できる仕組みを採用。従来と比べて最大約5倍の除湿量を実現したプレミアム冷房なら、快適な涼しさで過ごせるだろう。また、下方から気流を吸い込む機構で、サーキュレーションを利用した際のような循環する気流を再現。冷房でも暖房でも部屋の奥まで気流が届くとともに、温度ムラが低減される。
暖房運転の有効的な機能としては、起床時間をセットしておくことで約1分で高温風が出る「翌朝暖房」や、外気温-15℃でも4分で50℃の温風が放出される「高温風モード」を搭載。
暑さで蒸した部屋でエアコンをONにしても、なかなか涼しくならない。そんな状況を解決する「すぐでる冷房」は、センサーで人の居る位置を検知して送風してくれるので素早く爽快になれる。天井から涼気が降り注ぐような風が身体に当たらない気流も用意されており、長時間冷房ONでも不快になりにくい。そして暖房運転では、フォルムの改良や足元をみはるセンサーを追加することで、足元の温度が約35℃でポカポカを実現。運転がONになる時間帯を学習する機能も備えているため、寒い冬でも瞬時に温風を出すことができる。
また、自動お掃除機能の手法も見逃せないポイント。通常、自動お掃除されたフィルターのホコリはダストボックスに蓄積され、10年に1度ほど手動で廃棄しなければならないが、パナソニックのエアコンは毎回ホコリを自動で屋外に排出してくれる。手間をかけず、おまかせしたい派にはたまらない。
人の動きを感知する人感センサーや温度変化を読み取る焦電センサーを採用するメーカーが多い中、三菱電機は赤外線センサーを搭載。温度そのものを検知することができるため、身体の温度を細かくチェックできる。さらに冷房運転においては、体感温度が高い時は冷風、低くなれば送風と自動で切り替えるハイブリッド運転で“節電しながら快適”を提供。
さらに、センサーは360°センシングできる機構に進化しており、エアコンが設置されている側の窓も検知可能に。この効果は、窓から入る日差しや冷気に有効に働く。たとえば冬に冷気の侵入を検知した場合、2つに分かれたフラップの片方で冷気をカットし、もう片方のフラップで人の足元に向けて温風を届けるという効率のよい暖房を実現。人の出入りも把握できるため、不在時は運転を停止し、入室にあわせて運転スタートすることもできる。
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間取りや人の位置・活動量を調べる「画像カメラ」と人の周囲の温度を測る「温度カメラ」に加え、家具の場所や形を読み取る「ものカメラ」を搭載することで部屋を立体的に捉えることに成功。“気流の通り道”を見つけることができるようになり、必要な場所に的確に冷風や温風を届けることが可能になった。この検知性能の向上にあわせ、従来は1枚だったフラップを3つに分割。独立して動くフラップで、遠近/左右ときめ細かくフォローする。
そして、夏の就寝時に役立つ“みはり機能”が秀逸。タイマーで運転が停止した後も、室温変化と寝返りの頻度から“寝苦しそう”と判断すると運転が再開されるのだ。暑さで夜中に目が覚めるという事態が低減しそう。暖房運転では同機能は働かないが、予約しておくと約30秒で温風が吹き出す「すぐ暖房」や、室外機の霜取り運転時に室温が低下しないようにする機能で快適さを提供する。
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夏の朝や夜など、それほど暑くない時に積極的に利用したいのが「節電冷房」。ACモーターの扇風機とほぼ同等の消費電力(45W)で冷房できるのが特徴だ。普通の冷房よりは控えめな運転となるが、“ちょっと暑い”を解消するには十分。暖房運転でも同様の働きができるので、タイミングを見極めて使えば上手に節電できそう。
また、“空気の質”にもこだわりをみせる。一般的なエアコンは吸い込んだ空気をフィルターでろ過して汚れを除去しているが、「SDRシリーズ」はプラズマ帯電させた熱交換器でキャッチ。花粉からPM2.5まで99%除去できるという。実際に空気清浄機と集じんスピードを比較してみたところ、ほぼ同時間で集じん完了した。熱交換器に吸着した汚れはドレン水で自動排出されるため、手入れは不要。空気清浄モードに切り替えなくても、冷暖房しながら自動で空気がキレイになるのはうれしい。
部屋の温度と湿度をセンサーでみはり、冷房と送風を相互に切り替える“やさしい運転”を搭載。夏場、エアコンをつけたまま就寝すると冷え過ぎるが停止すると寝苦しいという人に役立つだろう。いっぽう暖房運転は、足元の温度を設定できることがポイント。足元を狙った暖房運転は他メーカーにも多く搭載されているが、温度設定ができるのは「E-SXシリーズ」ならでは。15℃でほのかに暖めるモードも用意されているので、少し肌寒い日は控えめ暖房を活用しよう。
また、冷房・暖房にあわせてパネルの開き方が変わる機構を採用しているのも「E-SXシリーズ」のウリ。冷房時は天井に冷気が天井に吹き出るようにパネルが開き、暖房時は下方向に温風が出る開き方にチェンジする。
前面から冷風を放出すると同時に、本体横に装備されているサイドファンからも気流が吹き出して部屋の空気を循環。サイドファンは前後に角度が変えられるほか、左右の向きを調整するフラップが搭載されており、風が届きにくい横方向や真下の温度もしっかりコントロールしてくれる。さらに、前面にあるルーバーは風に沿って曲がるように設計されているため、部屋のコーナーにエアコンを設置しても反対側の隅まで気流が到達するという。
暖房時も、冷房運転と同様に異なる2つの気流で効率的に部屋を暖める。また、室外機の霜取り前に温度を上げることで肌寒くならないようにしたり、運転開始の時間を設定しておけば約1分で温風が出る機能も用意。
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※このページに記載されている期間消費電力量は「JIS C 9612:2013」のものです。