レビュー
煙らない&ニオイも少ないって本当? 燻製作りの難易度と実力を徹底検証!!

部屋で燻製が作れる“世界初”のロースター「けむらん亭」を使ってみた!

燻すことで食材に香りを付ける燻製は、煙をおこすための木材と熱源、食材を並べる網、そして煙を閉じ込める容器があれば作れる。金属性のボウルやダンボールといった、身近にある道具でも対応できることからチャレンジする人も多い。ただ、煙とニオイがネック。燻製の手法で煙の量や臭度は異なるため一概には言えないが、室内で実行するのはかなり躊躇する。

そんな懸念を抱かずに“部屋で燻製作り”ができるロースター「けむらん亭 NF-RT1000(以下、けむらん亭)」(パナソニック)が登場した。発売日(2015年9月1日)前から発売後も価格.comのフィッシュロースター 人気売れ筋ランキングの1位に継続ランクインしており、注目度の高さがうかがえる(2015年9月3日現在)。さっそく、「けむらん亭」の仕組みをチェックするとともに実力を調査してみよう。

けむらん亭 NF-RT1000

飴色でおいしそうな燻製は、すべてスモーク時間20分以内で完成!

「けむらん亭」ってどんなもの?

燻製が作れることが最大のウリではあるが、「けむらん亭」の大本は魚や肉を焼くロースター。マイコン制御のフィッシュロースターとして展開されてきた従来の「おさかなけむらん亭 NF-RT700P」に、スモーク機能を追加したのが「NF-RT1000」だ。よって、燻製を作るだけでなくいろいろな焼き料理にも対応する。ボタンを押すだけでマイコン制御で火加減や調理時間を自動調整してくれるオート機能も装備されており、手軽さもバッチリ。もちろん、手動で設定できるモードも用意。

そして、室内で燻製作りをしても大丈夫なように「浄化構造」を備えている。煙が発生するタイミングでファンが稼働し、排気口へと誘導するのだが、その間に煙やニオイを分解するためのヒーターと触媒を配置。ヒーターで加熱されたフィルターを通過してから排気することで、“煙がモクモク&ニオイが充満”状態にならずに済む。

サイズは450(幅)×185(高さ)×355(奥行)mm

スモーク機能が追加されているものの、従来の「おさかなけむらん亭 NF-RT700P」とサイズは同じ、450(幅)×185(高さ)×355(奥行)mm

庫内上部に遠赤ブラックヒーター、下部にシーズヒーターを搭載

庫内上部に遠赤ブラックヒーター、下部にシーズヒーターを搭載。遠赤効果で、七輪で焼いたような焼き上がりとなるという

「受け皿」の上に「焼網」を乗せて調理する

食材を並べる「焼網」を、脂垂れなどを受ける「受け皿」の上に乗せた状態で使用する。魚や肉の焼き物をする時だけでなく、燻製時もこのスタイルは必須

操作部

焼き調理は、マイコンが自動制御する「オートメニュー」と、220〜280℃の温度帯で加熱時間を設定できる「手動」が用意されている。そして、燻製を作るモードも装備

燻製を作ってみよう!

構造をざっと見たところで、さっそく燻製作りにトライ。「けむらん亭」で燻製を作る大まかな方法は容器にスモークチップを入れ、その上に食材を並べた網をセットするというシンプルなものだが、少し手を加えなければならないことがあるので“ささみの燻製”を作りながら手順を追ってみよう。

燻製作りに必要なもの

燻製を作る際には付属の容器と網、そしてスモークチップ(別売)を使用する。いろいろな木材のスモークチップがあるので、食材に適したものをセレクトするといい。今回は、酸味があり香りが付きやすい「サクラ」と、甘くて上品な香りでクセのない食材向きな「リンゴ」を用意してみた

容器にスモークチップを入れる

ささみの燻製には「サクラ」のスモークチップを使用することに。取扱説明書の目安を参考に、15gを投入。容器中央の楕円のライン内に収まるように敷き詰める

アルミホイルを下に巻く アルミホイルを上にかぶせる

食材を並べる網はそのまま使用するのではなく、アルミホイルを併用する。水分や油が落ちやすい食材を燻製にする場合は「パターン1」のようにアルミホイルを受け皿のようにし、溶けやすい食材は「パターン2」で対応

ささみを燻製にする

ささみは塩をして10分ほど放置し、水気を拭き取るという下準備をしておく。その後、アルミホイルを下に巻いた状態の網に並べる。さらに、容器上部をアルミホイルで覆う。庫内を煙で充満させるのではなく、スモークチップから出た煙は容器内に閉じ込めてスモークするというわけだ

セットして加熱スタート

アルミホイルでフタをした容器を庫内にセットし、「くんせい」ボタンを押して加熱時間を設定したら後はおまかせ! 今回は、16分の加熱にしてみた

調理が始まると1分ほどで、換気を促すためのファンが稼働した。下の動画で聞こえる音が、ファンの稼働音だ。間近で撮影しているため大きな音のように聞こえるが、テレビの視聴を妨げるようなボリュームではないので実環境では問題にならないだろう。

排気口や本体の隙間からも煙が出ている様子はない

8分ほど経過したところで、ほんのりスモークチップの香りがしたが、排気口や本体の隙間からも煙が出ている様子はない

16分間スモークしたささみ

16分間スモークしたささみ。キレイな飴色になっている

スモークしたささみをカット

カットしてみると、元の色との差がよくわかる。しっかりと香りをまといながらも、ささみはパサパサになっておらず、実に美味

燻製後の様子

調理後、網には食材の汚れが付いてしまうが、アルミホイルを受け皿のようにしているので洗う手間が少なくて済む。正直、アルミホイルを施す作業はめんどうだが、調理後が楽になるのはいい。スモークチップは、水をかけて火種がない状態にしてから廃棄しよう

いろいろ燻製にしてみよう!

初めての燻製作りが簡単においしくできたので、家にあるいろいろな食材を燻製にしてみることに。

チーズ

燻製の定番(筆者基準)である、チーズをスモークしてみる。今回は、おなじみの6Pチーズをセレクト。並べるだけなので、手間はなし!

チーズを燻製にする

15gのスモークチップ(サクラ)を入れて15分加熱してみたところキレイな飴色になったが、加熱し過ぎたのか少々チーズの縁が溶けてしまった

縁が熱で溶けてしまった

しかし、冷めればしっかりとチーズが固まるので縁が溶けても食べるぶんには問題ない

スモークチップの量と加熱時間の関係が不明確だったので、スモークチップを10gと15gにしたものを加熱時間13分で燻製してみた。

スモークチップ10gと15gで燻製した比較

15gのほうが少し飴色が濃いような気はするが、香りや味わいには差は感じず。加熱時間を13分にしたおかげか、15分加熱したほどチーズの縁は溶けなかった。加熱の加減は、スモークチップの量よりも時間で調整するほうがよいようだ

15gのスモークチップは13分ではすべて焼けない

ちなみに、スモークチップ15gの燻製後の状態を見てみると焼けていない部分があった。15gのスモークチップは13分ではすべて焼けないようだ。燻製が失敗したわけではないので問題ないが、少しでもロスを減らしたいならば調理後の状態を見つつ、スモークチップの量と加熱時間を変えていくといいだろう

燻製にしたチーズを挟んだサンドイッチ

燻製にしたチーズは、そのまま食べるだけでなくサラダに入れたりサンドイッチに挟んでもおいしい。燻製にするという少しの手間で、ワンランク上のサンドイッチになった!

以降は、これまでの経験をもとに作った燻製の数々。基本的に、食材に味がなさそうなものには事前に塩をかけたり、水分が多いものは水気を取ってから燻製した。

ソーセージは並べるだけでOK。フライパンで焼くより皮がシワシワになったが、中身まで乾燥しているわけではない。適度なジューシーさと芳醇な香りでおつまみにピッタリ!

塩気のないものなので、ささみを燻製にした時と同じように塩を振り、10分ほどおいてから水気を拭いて加熱。色付きが控えめに見えるが、香りは十分だ

水煮のホタテの水気を切り、風通しのよいところで1時間乾燥。その後、燻製してみると柔らかながら甘い香りのするホタテが味わえた

冷凍の枝豆を解凍して、水気を拭き取ってから燻製する。これまでの魚肉に比べると、香りの付き具合は弱い。口に含む時にフッと香りが漂う感じで、一風変わった枝豆を味わえる

フルーツなのでスモークチップは「リンゴ」をセレクト。燻製後は、レーズンがふっくらとしてそのまま食べてもホクホクでおいしい。冷めるとまた萎んでしまうので、温かいうちに食べるほうがいいかも。写真右のようにチーズに混ぜて食すのもあり

ちくわの中に明太子を詰めて燻製にすると、少し凝ったおつまみが完成。食材をただ燻製にするだけでもおいしいが、ひと手間加えて創作するのも楽しい

ししゃも
燻製だけでなく、ほかの焼き料理もできる「けむらん亭」なら、食材を先に焼いてから燻製にするというワザも使える。火加減などが自動調整されるオートメニューでししゃもを焼き、焼けたししゃもを燻製にしてみよう。ちなみに、ししゃもだけでなく、魚の切り身や肉類は同じように焼いてから燻製にするといいようだ。

まずは、ししゃもを焼く

焼網にししゃもを並べて、オートメニューの「干物」を選択。焼き加減「弱」を選ぶと、加熱時間が自動で設定された

焼きあがり

14分後、見事な焼きあがりに。オートメニューで焼いている時も、煙が出ることはなかった

焼いたししゃもを燻製にする

焼網や受け皿を洗っている間にししゃもが冷めたので、燻製の準備に移る。燻製に必要な手順を施した容器に焼いたししゃもを乗せてスモーク開始! スモークチップは「サクラ」を15g、加熱時間は15分にしてみた

ししゃもの燻製

焼いたうえに燻製をするとカチカチになってしまうのではないかと心配していたが、身は柔らか。食べきれず冷蔵庫で保存して翌日に食したが、普通に焼いただけよりも燻製のほうが時間が経ってもおいしさが劣化しないように感じた。焼き魚であまったものがあれば燻製にしてしまうというのも手だ

燻製以外の調理をチェック

上のししゃもで行ったようなマイコン制御で焼きあがるオートメニューや、加熱時間や温度を自分で設定する手動モードの実力を確かめてみよう。

オートメニュー
オートメニューには「生・姿焼き」「切身」「干物」「つけ焼き」といった魚を焼くためのメニューと、鶏肉調理用の「とり肉」、そして「焼きいも」の6メニューが用意されている。それぞれに適した加熱時間が設定されているが、食材のサイズや状況によっては「弱/中/強」で調整も必要だ。

【オートメニュー1 設定:切身-弱】鮭の切身

鮭の切り身をオートメニューで焼く

鮭の切身を焼網にセットして、オートメニューの「切身」で「弱」を設定。加熱時間は12分と表示された

遠赤効果で焼くからか、身がふっくらとして皮はパリパリに。焦げつくこともなく、おまかせで上手に仕上がった。裏面に焼き色はないが、皮の焦げ具合だけで十分満足だ

【オートメニュー2 設定:とり肉-弱】焼き鳥

焼き鳥をオートメニューで焼く

「とり肉」メニューは、串に刺した焼き鳥にも対応する。加熱時間は20分を設定。少しネギが焦げてしまったが、鶏肉も硬くなっておらず上々の出来栄えだ。ほかにも、手羽先やタレに浸けた鶏肉を焼くこともできる

【オートメニュー3 設定:焼きいも-強】焼き芋

さつまいもをオートメニューで焼く

遠赤でふっくらと甘く焼きあがる焼き芋にもトライ。直径が約5cmならば「強」ということだったので、「強」で28分加熱してみた。皮は焦げてるが、均一に火がとおり、ホクホクで甘さたっぷりの焼き芋が完成

手動モード
オートメニューにない焼き物を作りたい時は、手動で行う。220〜280℃まで6段階から選べる温度と、1分刻みでセットできる時間を設定する。

【手動モード1】トースト(温度設定:280℃ 加熱時間:5分)

トーストを手動で焼く

取扱説明書に載っていなかったが、「けむらん亭」にはトースターとしての役割も兼ねてほしい。そこで、6枚切りの食パンを1枚焼いてみる。パンは高温で焼くほうがいいので最高温度の280℃を設定し、5分のタイマーをセット

トーストの焼きあがり

5分は長過ぎたかも……と心配していたが、すごくおいしそうな焼き色がついた。途中でパンをひっくり返していないが、裏面も少し焼けている。パンの水分が必要以上に飛んでおらず、サクサクですばらしい仕上がりだ

【手動モード2】フライの温め(温度設定:260℃ 加熱時間:7分)

フライを手動で温める

冷蔵庫で保冷しておいたフライを温め直してみたところ、少し加熱し過ぎて炭化した部分が! 加熱時間がわからない時は、短めを繰り返すほうがよさそうだ。若干焦げてしまったが、焦げた部分を取り除いて食せば衣はサクサクで揚げたてのよう。さらに、受け皿に余分な油がたっぷり落ちているのもヘルシーな感じがしてうれしい

まとめ

“室内で燻製が作れる”というウリ言葉は伊達ではなかった。ニオイはするが、煙はまったく視認できず。換気扇を回して調理すれば、いつまでもニオイが取れないという事態は避けられるだろう。このように燻製の懸念点を払拭したうえ、手順が容易であるのも魅力。トースター感覚で扱えるので、いろいろな食材やスモークチップで燻製してみたくなる。普段食べている食材が、燻製になるとどんな味になるのかな? という好奇心もわく。スモークする時間が短いので急な来客にも対応できそうだし、手作りの燻製はちょっぴり贅沢な感じもするので評判も高まりそうだ。

そして、燻製だけでなく魚や肉、トーストなどいろいろな焼き物ができるのもいいところ。燻製専用となると躊躇してしまうが、多様に使えるのであればタンスの肥やしにはならないだろう。加熱をコントロールしてくれるオートメニューもあり、使い勝手もよい。普段使いから特別な使い方(燻製)まで1台でカバーできる「けむらん亭」は、使える度も楽しめる度も「高」! 非常にコスパのいい調理家電と言える。

手入れ

調理後に洗浄する際は、本体から受け皿ごと外してシンクに持ち運べばOK。ガラス扉の部分も取り外しできるので、洗いやすい

中村 真由美(編集部)

中村 真由美(編集部)

モノ雑誌のシロモノ家電の編集者として6年間従事した後、価格.comマガジンで同ジャンルを主に担当。アウトドアからオタク系まで意外と幅広くイケちゃいマス。

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