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本格シーズン入りの「扇風機」市場。大手、新興入り乱れてのシェア争いが熾烈に

5月も後半に入り、東京で夏日を記録するなど、一気に初夏めいてきた。そうなると動き出すのが、簡単に涼を取れる家電製品「扇風機」だ。「価格.comトレンドサーチ」のデータを基に、今年2016年の扇風機市場がどのようになっていくのかを少しだけ占ってみよう。

安定したニーズを維持する扇風機。伝統の大手メーカーに加え、新興勢力も入り乱れて過熱するシェア争い

図1:「扇風機・サーキュレーター」カテゴリーのアクセス推移(過去2年間)

図1:「扇風機・サーキュレーター」カテゴリーのアクセス推移(過去2年間)

図2:「扇風機・サーキュレーター」カテゴリーのアクセス推移(過去3か月)

図2:「扇風機・サーキュレーター」カテゴリーのアクセス推移(過去3か月)

図1は、価格.comの「扇風機・サーキュレーター」カテゴリーの過去2年間のアクセス推移を示したもの。2年前も1年前もほぼ同じような盛り上がりを見せており、昨年2015年を例に取ると、徐々に暑くなってくる4月後半くらいからアクセスが急増。ピークは盛夏となる7月後半で、ここへ向けて市場全体が盛り上がっていくイメージだ。図2は、ここ3か月の「扇風機・サーキュレーター」カテゴリーのアクセス推移を示したもの。やはり4月後半くらいから徐々にアクセスが伸びてきているのがわかる。昨年と比較しても、同数くらいのアクセス推移となっており、今年も安定したニーズが期待できそうだ。

図3:「扇風機・サーキュレーター」カテゴリーの上位5メーカーのアクセス推移(過去3か月)

図3:「扇風機・サーキュレーター」カテゴリーの上位5メーカーのアクセス推移(過去3か月)

図4:「扇風機・サーキュレーター」カテゴリーの6〜10位のメーカーのアクセス推移(過去3か月)

図4:「扇風機・サーキュレーター」カテゴリーの6〜10位のメーカーのアクセス推移(過去3か月)

では、このカテゴリーにおいては、どのようなメーカーが人気なのか。図3は、過去3か月における「扇風機・サーキュレーター」カテゴリーのアクセストップ5メーカーのアクセス推移を示したものだが、これを見ると、「日立」「パナソニック」「シャープ」といった、伝統的な国内大手家電メーカーの製品に加え、「ダイソン」「テクノス」といった、海外メーカーや新興メーカーの顔ぶれも見える。さらに、その下の6位〜10位の顔ぶれを見ると(図4)、「山善」「東芝」「バルミューダ」「アイリスオーヤマ」「三菱電機」といったように、こちらも大手国内家電メーカーと、新興勢力が入り乱れている状態だ。

このように、現在の国内扇風機市場は、伝統的な大手家電メーカーと、新興メーカーが入り乱れて、熾烈なシェア争いを行っている状況にある。元々、扇風機という製品自体が非常にシンプルな構造のため、新規参入しやすいという面もあるが、ここまでさまざまなメーカーが入り乱れている家電市場もある意味珍しいといえる。大手家電メーカーは、独自の付加価値を付けた高級製品を中心に幅広いラインアップで勝負し、新興メーカーは低価格とデザイン性で、さらに、掃除機で有名なダイソンは独自の機構で、この市場に対して存在感を示しており、全体として活況を呈していると言えるだろう。

DCモーター搭載の高級扇風機は引き続き好調。低価格が売りのテクノス、値下がり率の高い日立の製品が狙い目

図5:「扇風機・サーキュレーター」カテゴリーの売れ筋上位5製品のアクセス推移(過去3か月)

図5:「扇風機・サーキュレーター」カテゴリーの売れ筋上位5製品のアクセス推移(過去3か月)

図6:「扇風機・サーキュレーター」カテゴリーの売れ筋上位5製品の最安価格推移(過去3か月)

図6:「扇風機・サーキュレーター」カテゴリーの売れ筋上位5製品の最安価格推移(過去3か月)

このように、活況を呈している扇風機市場であるが、売れ筋の製品に変化はあるだろうか。図5は、「扇風機・サーキュレーター」カテゴリーの売れ筋上位5製品のアクセス推移(過去3か月)を示したものだが、これを見ると、日立の「HEF-110R」が頭ひとつ飛び抜けた人気となっており、2位以下は比較的混戦という状況なのがわかる。これを最安価格の面から見たのが図6だ。ダイソンの「羽根のない扇風機」こと「Dyson Pure Cool Link タワーファン」が、58,000円と飛び抜けて高価だが、そのほかのモデルはすべて15,000円以下。うち3モデルは10,000円以下とかなり安いことがわかる(最安価格はすべて2016年5月24日時点)。

日立「HEF-110R」

日立「HEF-110R」

実は、ここ数年の扇風機市場で、人気を牽引してきていたのは、DCモーターと呼ばれる高トルク・低回転の高級モーターを採用した「高級扇風機」と呼ばれる製品群だ。しかし、現在の売れ筋ランキングを見る限り、上位2モデル(日立「HEF-110R」、東芝「F-ALT55」)については、DCモーター非搭載の従来型の低価格機種である。もちろんDCモーター搭載モデルも、3位以下8位まで6モデルがベスト10入りしているのだが(9位のアイリスオーヤマ「PCF-HD15」はサーキュレーターのため除外)、現状では、5,000〜6,000円レベルで購入できる低価格モデルのほうが売れている状況となっている。

テクノス「KI-321DC」

テクノス「KI-321DC」

通常、DCモーター搭載の高級扇風機は、価格も10,000円以上するが、上記の人気製品の中で、異彩を放っているのが、3位につけているテクノスの「KI-321DC」という製品。DCモーター搭載機ながら、2016年5月24日時点の最安価格は何と4,791円という、破格のプライスをつけているのだ。テクノス自体は、東京・北千住に本拠を構える国内メーカーであるが、大手メーカーにはできないような低価格戦略で急激に知名度を増しつつある。ユーザー評価でも5点満点4.50という高めの評価を得ている(レビュワー2名)ことから、DCモーター搭載機を狙っている人にとっては、気になる存在と言えるだろう。

いっぽう、大手家電メーカーのほうに目を移すと、どのメーカーもここ数年、DCモーター搭載機のラインアップを拡充して力を入れているが、なかでも存在感を示しているのが日立だ。売れ筋ランキングのベスト10内には、1位の「HEF-110R」をはじめ計5モデルがランクインしており、頭ひとつ抜けている。なお、この5モデルのうち3モデルがDCモーター搭載の高級扇風機だ。しかし、どうして日立の製品がここまでほかのメーカーに差を付けて人気になっているのだろう。その理由は、どうやら急激な価格下落にあるようだ。

図7:日立のDCモーター搭載扇風機・人気3モデルの最安価格推移(過去3か月)

図7:日立のDCモーター搭載扇風機・人気3モデルの最安価格推移(過去3か月)

図7は、過去3か月における、日立のDCモーター搭載扇風機・人気3モデルの最安価格推移を示したもの。いずれも4月中旬発売の新モデルだが、製品発表当初の販売価格と比べると、かなり価格が下落していることがわかる。売れ筋4位の「HSF-DC910」で見ると、27,860円から16,823円へとほぼ4割ほど価格が下落しており、その他のモデルもほぼ3〜4割の下落となっている。発売されてからまだ1か月程度であることを考えると、かなり激しい価格下落と言っていいだろう。

図8:その他のメーカーのDCモーター搭載扇風機・人気モデルの最安価格推移(過去3か月)

図8:その他のメーカーのDCモーター搭載扇風機・人気モデルの最安価格推移(過去3か月)

参考までに、その他のメーカーの製品の最安価格を示したのが図8だ。これを見ると、たとえば、売れ筋6位のパナソニック「F-CM338」は約32%、2015年モデルではあるが、12位のシャープ「PJ-E3DS」で約20%と、さほどの値下がりとはなっていない。販売価格帯でいえば、日立もその他のメーカーもおよそ13,000〜17,000円くらいのゾーンに売れ筋モデルが集中しているが、値下がり率で言えば日立製品のほうが高く、その分お得感もあるということのようだ。

鎌田 剛(編集部)

鎌田 剛(編集部)

価格.comの編集統括を務める総編集長。パソコン、家電、業界動向など、全般に詳しい。人呼んで「価格.comのご意見番」。自称「イタリア人」。

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