ドーム状の庫内と350℃の高温調理が特徴的な東芝のスチームオーブンレンジ「石窯ドーム」が、7年ぶりにフルモデルチェンジ! 8月上旬発売予定となっている「ER-PD7000」は、オーブン調理時に熱風を効率よく循環させるための工夫を施したほか、センサーを駆使して解凍の精度を高めたという。また、庫内容量30L以上のクラスで業界最小となる奥行を実現したのもポイントだ。発表会で見てきたER-PD7000の魅力をお伝えしよう。
庫内容量30Lの「石窯ドーム ER-PD7000」には、「グランホワイト」と「グランレッド」の2色が用意される。市場想定価格は18万円(税込)
オーブン調理において、いかに早く庫内を熱風で充満させ、加熱ムラを減らすかはとても重要なこと。石窯ドームは庫内の天井を湾曲させることで循環効率のよい加熱を実現してきたが、ER-PD7000では庫内の四隅を丸くし、熱風ユニットを従来より約1.5倍長くすることにより隅々までムラなく熱風を行き渡らせることができるようにした。従来から誇る、業界最高350℃の高温と約5分で200℃まで到達する素早い予熱はER-PD7000でも保持。
従来どおりのドーム状に膨らんだ天井に加え、左右下側の角を丸くした。隅に丸みを持たせることで、熱風の循環がより促進されるという。庫内はセラミックコーティングされており、全面から遠赤外線が放射される
本体背面にある熱風ユニット(熱が篭る部分)の横幅が従来の1.5倍に拡大。ちなみに、ヒーターの太さや長さに変更はない
冷凍クロワッサンを焼いてみたところ、オーブン温度が100℃違うと膨らみ方にもはっきりとした差がでた。ER-PD7000のほうがふんわりとしたパンが作れそうだ
オーブン調理で使用する角皿は周囲にスリットを設けることで熱風の循環を妨げないようにしているほか、セラミックのコーティングで発熱効率を高めている
角皿よりも深さのある「深皿」も1枚同梱される。深皿を利用すれば、ソースのようなものやパエリアなども作りやすい
上段に深皿、下段に角皿をセットし、同時にカレーと焼き野菜を調理する実演が行われた。上段で煮込み、下段で焼きを一度に行うというわけだ
焼き野菜を飾ったちょっとおしゃれなカレーが完成。じっくりグリルされた野菜は甘みがよく引き出されていた。一度にできてしまうのは、手間も時間もかからずうれしい
ちなみに、操作部には同社オーブンレンジ初のカラータッチ液晶を採用。4.3インチと大きいので、文字も見やすく操作もしやすい
オーブンレジンにある機能の中でもっとも使用頻度が高いであろうレンジも大きくリニューアル。レンジでの温めの場合に、その精度を左右するセンサーが改良された。ER-PD7000では、庫内をスイングしてセンシングする「1024ポイント赤外線センサー」と庫内の中央部分を連続的に見張る「センター赤外線センサー」という2つのセンサーを組み合わせて温度変化を感知。これにより、少量の解凍やスピーディな解凍ができるようになったという。
「1024ポイント赤外線センサー」は、「8つ目赤外線センサー」で一往復1,024か所を検知する
新しいセンサーにより、搭載されている解凍モードの運転時間が短縮。冷凍した薄切り肉がはがせる程度に解凍する「スチーム全解凍」では、2015年度モデルよりも100gの解凍時間が8分も短くなった
庫内の底にあるマイクロ派を発生させるアンテナは、従来よりも5cm大型化することで広範囲を加熱できるようにした
耐熱ボウルに食材を入れレンジ加熱して作ったスープは、具材のキャベツ、しめじ、玉ねぎにしっかりと火が通っていながらもシャキシャキ! 鍋で作るより簡単でおいしいかも♪
オーブンレンジは高機能になるほど本体サイズが大きくなるものだが、ER-PD7000は従来よりも奥行を6.6cmも縮め、庫内容量30L以上クラスで最小の奥行を実現。その秘密は、背面にあった熱風ファンを駆動させるためのモーターを下部に移動させ、ファンの回転方式を変更したことによる。このサイズ感は、同社が8年前に発売した21Lオーブンレンジとほぼ同等。買い替えても設置場所に困らずに済むのは、大きな魅力だ。
従来モデル(左)よりも、かなり奥行が小さくなったことがわかる。ER-PD7000は庫内の奥行が39.9cmになり、ハンドルを含めても44.2cmとコンパクト化。一般的なレンジ台の寸法(45cm)に置いても、ハンドルが飛び出さない
従来は熱風を送りだすためのファンのモーターが背面に搭載されていたため、奥行が必要だった
ER-PD7000はモーターを本体下に配置し、ベルトを用いてファンと接続して駆動させる
8年前に発売された庫内容量21Lのオーブンレンジ(左)よりも、庫内容量30LのER-PD7000のほうが奥行は小さい。設置スペースに高ささえあれば、ためらわず買い替えできそう