冷凍なのに解凍しないでカットできる「切れちゃう瞬冷凍」や、約−3〜0℃で凍らせずに1週間近くストックできる「氷点下ストッカーD」など、マイナス温度になっても凍らない「過冷却現象」を利用した保冷が特徴的な三菱電機の冷蔵庫「置けるスマート大容量」に新モデルが誕生。計8機種がラインアップされるが、最大のポイントは“栄養素が増える野菜室”だ。どのような仕組みなのか、発表会で見てきた様子をお伝えしよう。
「置けるスマート大容量」シリーズは定格内容積700Lの「MR-WX70A」から455Lの「MR-B46A」まで、8機種が2016年8月25日から順次発売される
健康志向の高まりにより野菜の消費量が増加しているものの、野菜を保存するための野菜室は、ほかのゾーンよりもうるおいを高めにしても時間の経過とともに鮮度が劣化していくのが実情。そこで、「置けるスマート大容量」新シリーズは冷気が直接野菜に触れない構造にするとともに、LEDの光を照射して野菜の栄養素を増大させる機構を備えた「朝どれ野菜室」を搭載した。これにより、野菜室に入れた野菜の初期値よりもビタミンCの量が約18%、糖(グルコース)量が9%もアップ。加えて緑化も促され、葉物野菜の緑色も鮮やかになるという。
「朝どれ野菜室」の奥に、赤、青、緑のLEDが搭載されている
3色のLEDは点灯させる色を切り替えたり、消灯させることで自然界の日光の一日のサイクルを再現(下の動画参照)。まず最初に3色とも点灯させて“朝の光”を2時間照射したあと、青色LEDのみOFFにして“昼の光”を12時間浴びせる。その後、すべて消灯させて“夜の状態”を作りだすのだ。
野菜室に入れておいても、ビタミンCは減っていってしまう。しかし、LEDを照射する「朝どれ野菜室」は野菜室に入れた時よりも野菜に含まれるビタミンCが増大!
ビタミンCだけでなく、野菜の甘みを増し、鮮度を長持ちさせるのに欠かせない糖の量も「朝どれ野菜室」に入れておくほうがアップする
同じ玉のキャベツとレタスをカットし、LED照射あり/なしの野菜室で7日間保存してみた。照射なしのほうは芯付近が白いままなのに対し、「朝どれ野菜室」のものは光合成が行われ、緑化が促進されたことがわかる
ちなみに、LEDにより根菜類の発芽が促されるのではないかと心配されるかもしれないが、「朝どれ野菜室」にじゃがいも2週間入れておいても問題はなかったという。
さらに野菜室には、鮮度を保つ工夫が施されている。野菜に直接冷気が当らないように仕切りを設けることで、うるおいを保持するのだ。その構造を紹介しておこう。
従来は下のほうにわずかにあった程度の仕切りを、高いものに改良
上の部分がスライドしてフタのような役目となり、野菜が入っている部分が密閉される
冷気は野菜室の側面から流れ、スリットから流入。しかし、野菜のあるゾーンは密閉されているため、中に冷気は入らず、外から冷やされる
右側のほうれんそうが「朝どれ野菜室」に入れておいたもの。水分の蒸散量が抑制され、葉っぱがみずみずしい!
「置けるスマート大容量」のもう1つの魅力である「氷点下ストッカーD」は、従来から踏襲。「氷点下ストッカーD」のくわしい解説は、前モデルのレポートでチェックしてみて!
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