レビュー

おいしさと健康のため、我が家にコンパクトな「精米機」を導入してみました

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じつは米は「生鮮食品」。鮮度が重要な食材で、約2週間ほどで味が落ちるとも言われています。このため、筆者が米を購入するときにまずチェックするのは「精米日」。基本的にスーパーでは精米1週間以内のお米を選択しています。とはいえ、2人暮らしの我が家では、米2kgを消費するのに1か月ほどかかる……。そのため、味が落ちるといわれる2週間以内に食べきることができません。そこで筆者が目を付けたのが「精米機」です。

炊飯前に精米すれば、精米日を気にすることなく米を消費できるはず! 精米機にはさまざまなタイプ、価格帯の製品がありますが、今回はコンパクトさと価格の手ごろさからアイリスオーヤマの精米機「米屋の旨み 銘柄純白づき 精米機 RCI-A5」(以下、RCI-A5)をチョイス。試用してみることにしました。

「米屋の旨み 銘柄純白づき 精米機 RCI-A5」の本体サイズは21.2(幅)×28.7(奥行)×22.3(高さ)とコンパクト。重量は3.4kg

操作性はシンプルで使いやすくて◎

RCI-A5の使用方法は非常に簡単。付属の計量カップで精米カゴに1〜5合までの玄米を入れ、フタを閉めてスタートボタンを押すだけです。精米がスタートすると、精米カゴ内の羽根が回転し、米がカゴ内部で回転。カゴの凹凸や米同士の摩擦で米を磨くというシンプルな精米方法です。また、フタをしていないとスタートできない安全設計や、精米が終わると自動的に電源が切れるという手軽さも魅力です。

精米かごに玄米を投入し(写真上)フタを閉めると(写真下)、設定メニューのLEDが点滅から点灯に切り替わります。フタを開けっ放しで動作しない安全設計はうれしいポイント

精米カゴは凹凸のある「ディンプルメッシュ」を採用。上方向に飛び散った米が、この凹凸にぶつかって下に落ちる仕組みだそう

そして、RCI-A5の特徴の1つが、精米カゴ内部に凹凸がある「ディンプルメッシュ」。米は回転時に遠心力で上方向飛ばされますが、この凹凸で米が下に落ちることで米が散らばりにくく、均一に磨くことができるといいます。

また、もう1つの特徴が、設定できる機能の多さです。RCI-A5は低価格帯の精米機ながら、米のブランドごとに精米時間を調整する機能を搭載します。設定ボタンは「こしひかり」や「つや姫」などの6銘柄ですが、「こしひかり」は「ミルキークイーン」や「あさひの夢」などの複数銘柄に使用可能で、全31銘柄に対応しています。

銘柄選択やモードなど機能が豊富。銘柄は全31種類あるほか「選択しない」ことも可能です

銘柄選択やモードなど機能が豊富。銘柄は全31種類あるほか「選択しない」ことも可能です

「精米したて」は美味しいの?

さて、実際に玄米を1合精米してみたところ、説明書には「ディンプルメッシュで米が広がらない……」と説明があった割に、精米中に米が飛び散りパチパチとフタにぶつかってしまいました。精米された米をみてみても、フタなどにぶつかるためか砕米があちこちに見られます。この問題は、3合以上の量を精米したところ、米が飛び散らなくなり解決しました。このため、個人的には3合以上での精米がおススメです。

以下の動画のように、玄米の量が少ないと精米カゴの米があちこちに飛び散って砕ける米が増えてしまいました。ですが、3合以上で精米するとこの問題はなくなりました。

一合で精米したもの米は割れて不揃いな大きさのものが多いのに対し、五合で精米したものは粒がそろっているのがわかります

気になる精米したての米の味は、香りが爽やかで、みずみずしい! また、食感もいつもよりモチッとしています。一番近いのは、新米が出回る時期のご飯の味でしょう。最初は「精米でそこまで味がかわるだろうか?」と疑問でしたが、明らかに味は変わっています。ちなみに、試しに精米して一週間放置した米も炊飯してみましたが、こちらは精米したてのご飯との違いはあまりわかりませんでした。やはり、一般的に言われている「精米2週間以内」というのが米が劣化しやすいタイミングなのかもしれません。

一週間前に精米した米(左)と、直前に精米した米(右)を同時に炊飯して試食。一週間で刃、味も香りもあまり変化がありませんでした

一週間前に精米したぬか(左)と、直前に精米したぬか(右)も比較してみました。ラップをかけて保存していたにもかかわらず、あきらかに一週間前のぬかは乾燥してパサパサ。「米は精米すると乾燥しやすくなる」という理由がよくわかります

ちなみに、精米機を使用していて少々面倒に感じたのは「計量」を2回しなけらばならないこと。通常の炊飯用計量カップは180mlだが、RCI-A5用の軽量カップは精米後に米が削られることを見越してひとまわり大きめ。このため、精米後にもう一度炊飯するコメの量を量りなおす必要があり、しかも毎回少量づつ「あまり」が出てしまいます。毎日の作業となると、この「あまり」の処理が意外に面倒。このため、米が劣化しにくい一週間分をまとめて精米するのもよいかもしれません。

一般的な炊飯器用の軽量カップ(左)と、RCI-A5付属の計量カップ(右)。RCI-A5用のほうが、かなり大きいのがわかる

CI-A5で1合分を精米し、炊飯器の軽量カップで1合除いたところ。精米カゴに中途半端な量の米が残ってしまう

CI-A5で1合分を精米し、炊飯器の軽量カップで1合除いたところ。精米カゴに中途半端な量の米が残ってしまう

美味しいだけじゃなく健康にも◎

ところで、RCI-A5は通常の精米のほか、炊飯時に米を洗わなくてよい「無洗米」を精米するモードや、古く酸化した米表面を削りお米のおいしさをよみがえらせる「白米みがき」、そして胚芽だけ残す「胚芽米」モードも搭載しています。さらに、米を精米する割合を「3ぶ」「5ぶ」「7ぶ」から選択することも可能です。

最初は「美味しい白米が食べたい」と思って精米機を使い始めましたが、こうなると断然気になるのが「玄米ご飯」。玄米は栄養豊富で身体によいとはわかりつつも、食感やニオイが気になって頻繁には食べない家庭も多いでしょう。しかし、自宅に精米機があれば、玄米の胚芽や糠の一部を残しつつ、白米に近い食感や味に近づけることもできます。

そこで、RCI-A5で玄米を「3ぶ」づきにしたところ、玄米独特の匂いはそのままあったものの、もしゃっとした独特の食感はかなり軽減されていました。また「5ぶ」づきでは、匂いと食感がずいぶんと軽減。さらに「7ぶ」づきにしたところ、味の濃いどんぶりなどにすれば、玄米とはわからないレベルで食感もニオイも白米に近い味になりました。「家族は玄米が苦手だけど、健康のために食べさせたい」という場合は、最初は「胚芽米」、その後「7ぶ」、「5ぶ」と、徐々に慣らしていくのもよいのではないでしょうか。

左から「玄米」「3ぶづき」「5ぶづき」「7ぶづき」の玄米ご飯と精米した米。個人的には5ぶづきあたりから、かなり食べやすいと感じました

7ぶづきでも「玄米くさい」と感じる場合は、米の胚芽だけ残す「胚芽米モード」もおススメ。玄米ご飯と比較すると栄養は減りますが、胚芽には豊富なビタミンがあるので、白米より健康的です

芽となる「胚芽」部分だけを残した胚芽米(左)と一般的な純白米(右)

芽となる「胚芽」部分だけを残した胚芽米(左)と一般的な純白米(右)

ちなみに、個人的に気に入らなかったのは「無洗米」モード。これは玄米を洗米の必要がない無洗米に精米する機能ですが、炊飯すると独特の匂いがあり、個人的にはあまり好きにはなれませんでした。

手入れがラクじゃないと続かない!

ところで、家庭用の精米機のほとんどは「かくはん式」か「圧力循環式」です。「圧力循環式」とは、筒型のパーツに米を循環させることで精米する方式。一般的に循環式は米が砕けにくく、米の味にこだわりたい場合はこちらを勧められることが多いようです。反面、取り外しできるパーツが少なく、とくに重要な「筒」部分の掃除が面倒なのがデメリット。

いっぽう、今回試用したRCI-A5は「かくはん式」。前述したように「ふるい」状の精米カゴに米が残り、ぬかはカゴの下にあるぬかボックスに落ちるというシンプルな構造になっています。汚れるパーツはほぼ水洗いできるため、お手入れがラクなのが特徴です。もちろん、今回試用したRCI-A5も、米と接するパーツはすべて取り外し可能。すべて丸洗いできます。

精米後は、まずぬかボックスに溜まったぬかを捨てます。ぬかは料理のあく抜きに使用できますが、大量にでるのでなかなか使いきれません。我が家では庭の肥料にするほか、ハンカチに包んで洗顔や身体を洗うのに使いました。肌がしっとりすべすべになります

ぬかボックスに精米カゴ、フタ、羽根はすべて水洗い可能です

ぬかボックスに精米カゴ、フタ、羽根はすべて水洗い可能です

本体にぬかが落ちてしまうこともありますが、こちらは水洗いできないので硬く絞った濡れフキンなどで掃除します

まとめ

最初は「精米したくらいで味が変わる?」と疑問だったものの、実際に食べ比べてみると味の違いは歴然。毎年、新米が手に入ると「お米ってこんなに美味しかったっけ?」と感動しますが、その美味しさに近い感動が手軽に得られます。価格も2016年8月21日現在で10993円〜と、かなりリーズナブル。最近は10万円を超える高級炊飯器も人気ですが、炊飯器を買い替えるより手軽に「美味しいお米」を味わえるのではないでしょうか。

また、高級炊飯器を購入していて「さらにもう一段階美味しいご飯が食べたい」という人にも、一度精米機のおいしさを体験してほしいと感じました。

倉本 春
Writer
倉本 春
パソコン雑誌編集者からドッグカフェオーナーという、異色の経歴を経た家電ライター。家電を活用することで、いかに家事の手を抜くかに日々頭を悩ませている。
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