トライアスロン、はじめました。
無謀 or 英断? 36歳から始めるトライアスロン【第3回】

トライアスロン初心者に最適なロードバイク5傑と選び方

“鉄人レース”とも呼ばれるトライアスロンは、過酷なスポーツというイメージが強い。そんな競技に今、ひとりの男がチャレンジしようとしている。「価格.comマガジン」編集者、牧野(36歳)だ。トライアスロンを趣味にしているライターの私からその魅力について吹き込まれ、ちょっと興味があるそぶりをしていたら、いつの間にかチャレンジすることに……。準備期間は1年間。果たして超初心者の牧野は完走し、トライアスロンの魅力と感動をお届けできるのか?

「ロードバイク」の解説のあと、初心者に最適なロードバイクを紹介!

「ロードバイク」の解説のあと、初心者に最適なロードバイクを紹介!

東京・千駄ヶ谷にあるトライアスロン専門ショップ「アスロニア」を取材

東京・千駄ヶ谷にあるトライアスロン専門ショップ「アスロニア」を取材

【連載バックナンバー】
第1回 トライアスロンとは?/ランニングシューズの選び方
第2回 ウェットスーツの選び方

トライアスロンに最適な自転車とは?

連載第2回では、トライアスロン最初の種目「スイム」で使用するウェットスーツについて紹介した。徐々にトライアスリートとして(知識だけは)進化してきつつある編集・牧野。今回は3種目の中で、最も距離と競技時間が長い種目「バイク」について、東京・千駄ヶ谷にあるトライアスロン専門ショップ「アスロニア」の店長、蒔田(まきた)俊史さんにお話をうかがった。

トライアスロン専門ショップ「アスロニア」の店長、蒔田俊史さん(左)と編集・牧野(右)

トライアスロン専門ショップ「アスロニア」の店長、蒔田俊史さん(左)と編集・牧野(右)

牧野:初心者がトライアスロンをしようと思った時に、まず必要になるのがロードバイクですよね?

蒔田:トライアスロンの場合は、ロードバイクとトライアスロンバイクがあって、どちらも使用できますが、本当に自転車レースが初めての人はロードバイクからスタートするのがいいかもしれません。

まずはロードバイクから始めて、“スポーツ用自転車”というものを理解してからトライアスロンバイクを購入するのが一般的

牧野:“ママチャリ”と比べて、どんなところに違いがあるんですか?

蒔田:第1に圧倒的に軽いという特徴があります。素材はカーボンとアルミニウムが一般的なのですが、アルミバイクの重いモデルでも10kg、カーボンモデルになると6kgのモデルもあります。指3本で持てますよ!

牧野:指3本! 軽いということは、スピードの出しやすさや運搬のしやすさなど、それだけでメリットになるのはわかります・・・・・・。

蒔田:2つ目の特徴としては、乗っている時に前傾姿勢になること。そうなることで風の抵抗がグッと少なくなるので、軽量のメリットと同様にスピードが出しやすくなります。

そして3つ目は、ギアの多さです。

牧野:ギアですか? 何種類の変速が可能なんですか?

蒔田:“ママチャリ”だと基本的には3段くらいだと思いますが、トライアスロンに使用するロードバイクは今、22段変速が一般的です。そんなに使うの? と思うかもしれませんが、コースには上りや下りがあるのが当たり前で、“意外と使ってしまう”というのが正直なところだと思います。

軽さのカーボン、頑丈さのアルミ

牧野:ロードバイクには、軽さ以外にも特徴はあるんですか?

蒔田:カーボンは軽くて振動吸収性がある素材で、今、最先端の自転車はほとんどカーボン製です。でも、カーボンは繊維の集まりをプラスチックで固めたもの。衝撃に対して“へこむ”わけではなく、ヒビが入ったり、割れたりしてしまいます。いっぽうでアルミは、ぶつけた場合、へこむのでそのまま走行は続けられます。「自分はモノの扱いが雑なんだよな」とか、「初心者だし扱いがわからない」という人はアルミバイクから始めるのがいいと思います。価格もカーボン製バイクよりもお手頃ですしね。

あと、通勤や通学にも使いたい人にも、もちろんカーボンバイクでも問題ないのですが、アルミバイクのほうが使い勝手はいいと思います。

軽量のアルミバイク(10sほど)を実際に持ってみて、その軽さに驚く牧野

軽量のアルミバイク(10sほど)を実際に持ってみて、その軽さに驚く牧野

牧野:おおお! これは軽いですね!! これがアルミってことは、カーボンバイクはもっと軽いってことですよね・・・・・・。

蒔田:そうですね。たとえば、止まった状態からグッと踏み込んだ時、または、ある程度加速している状態から踏み込んだ時に、カーボンバイクのほうがスピードに乗りやすいですね。

牧野:こんなにゴツいというか、しっかりとした作りなのに軽いのには驚きました!

ドロップハンドルの形状には意味がある

ロードバイクの特徴のひとつである、ドロップハンドル

ロードバイクの特徴のひとつである、ドロップハンドル

牧野:ドロップハンドルは、どうしてこんな形状なんでしょうか?

蒔田:いろいろな握り方をするために、こういう形状になっています。握り方を変えると同時に姿勢も変わるので、長い時間自転車に乗っていても疲れにくかったり、痛みが出にくかったり、そんな効果があります。

ハンドルの下の部分(下ハン)を握ると、深い前傾姿勢になり空気抵抗が軽減できる。向かい風の時などにも有効

体勢がキツくなく、ブレーキやシフトの操作もしやすいため、通常はブラケット部分(ブレーキレバーの上部)を握って走る

ハンドル上部(上ハン)は、上り坂やリラックスした体勢で走りたい時に使用する

ハンドル上部(上ハン)は、上り坂やリラックスした体勢で走りたい時に使用する

ロードバイクに後付けするパーツとして、DHバー(ダウンヒルバー)というパーツがある。これは、ドロップハンドルなどに取り付けるハンドルのことで、パッドに肘をのせて上体を預けることで、前傾姿勢が深くなり、空気抵抗の軽減効果が期待できる。

DHバーは、簡単にドロップハンドルに取り付けられるが、バー自体にはブレーキが付いていないので、練習などでこのポジションをとる時には道路事情などを考えて行う必要がある

DHバーのトップブランド、プロファイルデザインのDHバー「T1+ カーボン ブラック」。メーカー希望小売価格は26,038円(税込)。重量が585gと軽量で、肘をのせる左右のパッドの幅、高さなどの調整幅が広く、それぞれのライダーに合わせたセッティングがしやすい

「ブレーキ&シフトレバー一体型」が主流

牧野:お話を聞きながら、ずっと疑問に思っていたんですが、シフトチェンジはどこで行うんですか?

蒔田:シフト操作は、ブレーキレバーの下部にシフトレバーが搭載されているので、これを使って操作します。ハンドルから手を放さずに操作できるので、このようなブレーキレバー一体型モデルは今は一般的ですね。

牧野:どうやって操作するんですか?

ブレーキレバーとシフトレバーが一体化したシマノの「STIレバー」

ブレーキレバーとシフトレバーが一体化したシマノの「STIレバー」

蒔田:手前に握ればブレーキとして使用できますし、シフトチェンジしたい場合は、外側から内側に向かって指で押し込んであげるとギアが変わります。

このレバーひとつでシフトアップとシフトダウンの操作が可能。右側のレバーはリアの変速に使用し、左側のレバーはフロントの変速に使用する

牧野:ちなみに、ブレーキも左右で異なるんですか?

蒔田:日本製と海外製では仕様が異なっていて、日本製はハンドルの右側がフロントブレーキ、左側がリアブレーキになっています。海外製はその逆を採用していますね。これは、ワイヤーを変えれば簡単に変更できるので、たとえば海外での生活が長い人なんかは、海外仕様にして乗っている人もいます。

日本製バイクの場合は、右レバーを握るとフロントブレーキが利く仕様。ちなみに、左右のブレーキを逆にしてもルール違反にはならない

長時間乗っても痛くないサドルも完走のポイント

ロードバイクのサドルの中央先端には、縦長の穴が開いている

ロードバイクのサドルの中央先端には、縦長の穴が開いている

牧野:さっきサドルを触ってみたんですが、意外と硬いんですね。

蒔田:そうですね。“ママチャリ”のサドルはかなりクッションが厚めになっていますが、ロードバイク用サドルは薄くて軽量なので、硬いと感じると思います。このまま座るとかなり痛いかもしれないですね。

でもこれは、乗った時にハンドルとサドルとペダルにかかる力が分散されるように、サドルを調整することで快適に乗れるようになります。このような乗車姿勢「ポジション」と言います。

また、はいているパンツにパッドが付いたモデルを使用することで、痛みを予防することもできますし、このサドル(上の写真)のように真ん中に穴が開いたものを使用することで、尿道部分の圧迫を回避することもできます。いずれにせよ、長時間乗っても痛みが出ない快適な乗り心地を作ることが、完走にとって大事なポイントです。

これを買っておけば間違いない!
初心者トライアスリートに最適なロードバイク5選

キャノンデール「CAAD12 105」

メーカー希望小売価格は、205,200円(税込)

メーカー希望小売価格は、205,200円(税込)

「CAAD12 105」は、8.3sというカーボンバイクに匹敵する軽さを実現したアルミ製バイク。コンポーネントは2×11速の「SHIMANO 105」を採用しており、ホイール交換などの拡張性も高い。丈夫なアルミ製で、購入してからもレースカスタマイズを楽しめるため、長くトライアスロン用の愛車として活躍できる1台だ。

【SPEC】
・重量:8.3kg(56cm)
・サイズ:44/48/50/52/54/56/58p

スペシャライズド「アレー スプリント DSW SL COMP」

メーカー希望小売価格は、178,200円(税込)。メインコンポは「SHIMANO 105」(2×11速)を採用

メーカー希望小売価格は、178,200円(税込)。メインコンポは「SHIMANO 105」(2×11速)を採用

「アレー スプリント DSW SL COMP」は、アルミ加工技術「ハイドロフォーミング」を施し、まるでカーボンバイクのような曲線的なデザインを実現したアルミバイク。空気抵抗を軽減する“薄い”ブレード状のシートチューブ(サドル下のフレーム)と、クイックなハンドリングをもたらすリア側のフレーム設計が特徴だ。直感的操作にもクイックに対応するので、トライアスロンのレースはもちろん、通勤・通学などでも幅広く使用できる。

【SPEC】
・スピード:非公表
・サイズ:49/52/54/56/58p

ジャイアント「TCR ADVANCED 2」

メーカー希望小売価格は、210,600円(税込)。メインコンポは「SHIMANO 105」(2×11速)を採用

メーカー希望小売価格は、210,600円(税込)。メインコンポは「SHIMANO 105」(2×11速)を採用

「TCR ADVANCED 2」は、約20万円の価格でありながら、上位モデル譲りのカーボンフレーム、「SHIMANO 105」、さらにはパンクトラブルにも強いチューブレスタイヤを搭載。最高のコストパフォーマンスを実現したレース用バイクだ。少し太めの25Cサイズのタイヤを標準装備することで、乗り心地が向上して疲労が軽減するので、バイクのあとにランが控えるトライアスロンでは特に有利になる。

【SPEC】
・重量:7.9s(47cm)
・サイズ:42.5/44.5/47/50cm

ガノー「AXIS C1」

メーカー希望小売価格は、160,920(税込)。メインコンポは「SHIMANO 105」(2×11速)を採用

メーカー希望小売価格は、160,920円(税込)。メインコンポは「SHIMANO 105」(2×11速)を採用

レース用コンポーネント「SHIMANO 105」を搭載しながらも、約16万円のハイコストパフォーマンスモデル。レースにも使用できるパーツをそろえながら、キャリアやバッグも取り付けられるので、ツーリングにも使用できる。ロードバイクの楽しさやノウハウを学ぶのに最適な1台。

【SPEC】
・重量:8.9kg(50cm)
・サイズ:47/50/53cm

ビアンキ「インプルーソ」

メーカー希望小売価格は、186,840円(税込)。メインコンポは「SHIMANO 105」(2×11速)

メーカー希望小売価格は、186,840円(税込)。メインコンポは「SHIMANO 105」(2×11速)

現存する世界最古の自転車ブランド、ビアンキのアルミバイク。弓なりのフレーム形状を採用し、ソフトな乗り心地を実現。快適性が重視しされた設計のため、身体への負担が少ない状態でバイクパートを終わらせてランパートに移行できる。また大きめのギア(軽いギア)が標準装備されており、足に自信がない初心者や、上りの多いコースにチャレンジするトライアスリートに最適な1台だ。

【SPEC】
・重量:非公表
・サイズ:44/46/50/53/55/57p

【取材協力】
「アスロニア」

【店舗情報】
住所:東京都渋谷区千駄ヶ谷1丁目1番24号 鳩森八幡神社ビル1F
営業時間:【平日】12:00〜21:00【土・日・祝】11:00〜19:00
定休日:火曜日

【連載バックナンバー】
第1回 トライアスロンとは?/ランニングシューズの選び方
第2回 ウェットスーツの選び方

今 雄飛

今 雄飛

ミラソル デポルテ代表。自転車、トライアスロン、アウトドア関連のライターとしても活動中。趣味はロングディスタンスのトライアスロン。

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