価格.comマガジンの編集長に「長年乗っているクロスバイクが寿命だから、ロードバイクに買い替えたいんだよね」と言われ、スポーツサイクル専門店「Y'sRoad」の協力のもと、購入したいロードバイクの絞り込みまで行ったのが1年10か月前。さぞ、自転車ライフを満喫しているだろうと「その後、どうっすか?」と質問したところ、「実は、まだ買ってないんんだよね(テヘペロ)」と驚きの返事が! そして、あろうことか「そろそろ新しいのが欲しいんだよね」と、聞き覚えのあるひとことが返ってきたのだ。ということで、再び、プロにロードバイク選びを手伝ってもらうべくY'sRoadに行ってきた!
ご機嫌でY'sRoadの店舗前でポーズを決める鎌田編集長だが、筆者からすると、2回目なのだから今度こそ買ってくださいよ! と気が気じゃない
【前回の記事】
結局買うことなく、プロにロードバイクの選び方を教えてもらった記事はこちら!
訪れたのは、Y'sRoadの中でも試乗車がたくさん揃えられている東大和店。前回、ロードバイク選びの基本的なレクチャーをたっぷり受けた店舗に、再び、おじゃますることとなったのだ。さすがに数時間かけて話を聞いたにも関わらず、2年近く購入していないことを申し訳なく思っていたのだが、Y'sRoad東大和店の大元英俊さんから発せられたのは「いい時期にいらっしゃいました!」のひとこと。ロードバイクの多くは10月頃から新モデルが発表され、順次発売されていくため、人気の車種やカラーは早々に売れてしまうこともあるので、筆者たちが取材に訪れた11月はいい時期なのだそう。つまり、今なら新モデルを選びたい放題! 俄然、鎌田編集長の購入意識が高まったように感じる。なお、予算は自転車本体のみで20万円くらい。今度こそ、購入となるか!?
※この特集にある「販売価格」は取材時のY'sRoad 東大和店での価格となります
入店したところで、「実はまだ購入してないんです」と謝罪する鎌田編集長を、Y'sRoad東大和店の大元さんが朗らかに出迎えてくれた
正直なところ、前回訪れた時から2年弱経っているとはいえロードバイクのトレンドはそれほど変わっていないだろうと思っていたのだが、大元さんによると今のトレンドは大きく移り変わっているという。そのひとつが、幅広いグレードのモデルに導入され始めた油圧式ディスクブレーキだ。ディスクブレーキにはワイヤーでブレーキをかける「機械式」と油圧でブレーキをかける「油圧式」があり、油圧式はハイグレードモデルに搭載されるのが一般的なのだが、2019年モデルは、シマノの上から3番目のグレードとなるコンポーネント(変速ギアやブレーキなどのパーツの総称)「105」が一新されたことでディスクブレーキにおける常識が一変。エントリークラスのロードバイクに採用されることが多い「105」に油圧式ディスクブレーキが追加され、これにより、油圧式を採用した20万円程度で購入できるエントリーモデルが続々と登場しているのだ。これまで、このグレードのロードバイクにも機械式ディスクブレーキや安い油圧式ディスクブレーキを搭載したモデルは若干あったものの、大半はリムブレーキ。リムブレーキは雨などでリムが濡れるとブレーキの効きが落ちやすいが、ディスクブレーキは安定した効きが得られるうえ、油圧式であればより少ない力でブレーキをかけられるのでコントロール性が高まる。
従来からある、リムを挟み込んでブレーキをかけるリムブレーキ。キャリパーブレーキとも呼ばれる
ディスクブレーキは、ホイールの中央部に配置された円盤(ディスク)をピストンで押されたパッドで挟み込む構造。その可動方法の違いで、機械式と油圧式に分けられる
2018年モデルにも油圧式ディスクブレーキを搭載したエントリーモデルはあったが、断然、2019年モデルが推しだという。その大きな要因は、やはりシマノの「105」に油圧式ディスクブレーキが追加されたことにある。しかも、「フラットマウント」と呼ばれるマウント方式を「105」にも採用したことで、この方式がスタンダードになることが決定的となり、合わせて、フロントのホイールを固定する方法もディスクブレーキのメリットを最大限に生かせる「スルーアクスル」規格が標準となってきているのだ。さらに、ディスクブレーキモデルのリアホイールの軸幅も、従来はリムブレーキ時代のサイズである130mmやマウンテンバイクなどに採用されてきた135mmの規格が混在していたが、2019年モデルは142mm幅が一般的になりつつある。このように規格が確立してくると、あとからホイールやブレーキをアップグレードする際に規格が合わなくなるという心配がグッと減る。パーツを交換していくことが一般的なロードバイクにおいて、拡張性のある規格を選ぶことは大切なこと。規格が定まってきた今なら、長く乗れる油圧式ディスクブレーキ搭載モデルが選べるのだ。
ホイール中央の固定する部分が細い軸で固定する「クイックリリース(QR)」規格ではなく、太くて剛性の高い「スルーアクスル」規格がスタンダードになり、フロントまわりの剛性感が飛躍的に高まった
新型「105」の油圧式ディスク対応のデュアルコントロールレバーは小型化が進み、手が小さな人でも握りやすくなった。こういったところも、油圧式ディスクブレーキを搭載した最新モデルが推奨される理由だ
このほか、リアの変速機(ディレーラー)が改善され、より大きなギア(ペダルが軽くなる)が装着できるようになったのも2019年モデルの特徴。坂道も含めた多様なシーンに対応できるようになるのはもちろん、変速のフィーリングもよくなっている。
リア11段変速の105のディレーラー。大きなギアが装着できるようになると、従来と同じ段数であってもギア比の幅が広くとれるようになる
2019年モデルのトレンドというわけではないが、手頃に入手できるようになってきたカーボン製フレームのことについても触れておきたい。そもそもカーボンフレームは、レース用モデルに使用されてきた素材。ゆえに、安定性よりも機敏性を重視した造りとされていた。しかし、レースには出ないが長距離を走りたいという人が増えてきたことを受け、「エンデュランス」と呼ばれる長距離ツーリング向けのモデルが誕生。カーボンは軽量なだけでなく、素材となる繊維の構造や編み方によって剛性や車両の特性を自由に設計できるため、振動吸収性など快適性に注力したフレームを作ることも可能だ。もちろん、エンデュランスバイクのカーボンフレームは振動吸収がよく、安定性にすぐれたフレーム形状となっている。さらに、衝撃を緩和するための工夫がそれぞれのモデルで行われているので、乗り心地も上々。とはいえ、従来のカーボンフレームは価格が高かったため、予算の関係で少々重くてもアルミや鉄(クロモリ)のフレームを選ぶしかなかった人も多かったのだが、技術の進歩とロードバイク人気などからカーボンフレームの価格が低下。ここ数年で価格はアルミフレームより少し高いくらいとなり、カーボンフレームを採用した20万円台のエントリーモデルが続々とリリースされている。カーボンフレームは軽量だけれど、衝撃に弱いと言われていたのももはやひと昔前のこと。現在のカーボンフレームは少々の転倒では傷付くこともないので、積極的に選んで問題ない。
キャノンデール「SYNAPSE(シナプス) CRB DISC SE ULT」(2019年モデル/販売価格37万円・税別)は、「SAVE PLUSマイクロサスペンション」と呼ばれる構造をリアまわりやフロントフォークに採用。扁平加工されたフレームが板バネのように路面からの衝撃を吸収することで、不快な振動を取り除く
横に広がっている部分がしなって衝撃や振動を吸収する。写真は2018年モデルだが、2019年モデルも構造は同じ
トレック「Domane(ドマーネ) SL5」(2019年モデル/販売価格24万1000円・税別)。このシリーズには「ISO SPEED(アイソスピード)」という技術が採用されており、その吸収力は“異次元の快適性”と言われているほどだ
シーポストを独立して動くようにするとともに、ハンドルを支えるステムもショックを吸収する構造とすることで、ライダーに衝撃が伝わらないようにしている
とはいえ、カーボンフレームを絶対に選ぶべきというわけでもない。やや重量が増すが、アルミフレームも加工技術の進化により、カーボンフレームモデルに比肩するほどの軽さや吸収力を持ったモデルも登場している。ペダルを踏み込んだ瞬間に反発して進むようなアルミ特有のフィーリングなどが好きな人は、高品質なアルミフレーム採用モデルを選ぼう。
キャノンデール「CAAD 12 105 DISC」(2019年モデル/販売価格23万円・税別)はフレーム単体の重さがカーボン並み。「SPEED SAVEマイクロサスペンション」構造により、路面からの振動をしっかり吸収する。“カーボンキラー”と呼ばれるほどの俊敏な加速性を実現
自転車選びはパーツのグレードや性能に目が行きがちだが、好みのデザインであることが重要となる。スペックで迷った時には、デザインやカラーで選ぶというのも全然アリだ。そんなデザインにおける2019年モデルの傾向をお伝えしておこう。これまでは黒や白系のシンプルな車体が売れ筋だったのに対し、今期はラメなどが入った手の込んだものやアースカラーといった少し変わったカラーリングがラインアップ。このようなカラーは毎年のトレンドを反映しているため、次の年には同じカラーが用意されないこともある。人気色は早々に売り切れてしまうので、早めに購入するほうがいい。
今期のカラートレンドをよく表しているトレック「EMONDA ALR5」(2019年モデル/販売価格17万2000円・税別)。光の当たり方で表情が変わるマジョーラのような紫を採用
トレック「EMONDA SL6 DISC」(2019年モデル/販売価格35万2000円・税別)にはラメの入ったレッドのカラーもある。シンプルなカラーのイメージが強いトレックにはめずらしいカラーだ
キャノンデールがこんなカラーを出すなんて! と衝撃を受けたのが「CAAD12 105 DISC」(2019年モデル/販売価格23万円・税別)
実際に購入する前に、できれば試乗はしていただきたい。自分が欲しいモデルが試乗車として用意されていないことも多いが、ブレーキやフレームの素材など、気になる違いを体感できるので、何を選ぶか絞り込む際にかなり役立つ。今回は鎌田編集長の希望で、油圧ディスクブレーキ搭載モデルとエアロフレームのモデルの2台に試乗してみた。
試乗のためにジャージを持参し、着替えるほどの気合いの入り方! 店外で試乗スタート!!
ディスクブレーキ専用に設計されており、それに合わせてカーボンの積層なども最適化。従来のリムブレーキとディスクブレーキでは、ブレーキをかけた際、フレームに負荷がかかる部分が異なるが、そういった部分もしっかり押さえた設計となっている。カーボンフレームのエンデュランスバイクで、前述のように路面からの衝撃吸収もバッチリ。レースでも通用する軽さと剛性を備えながら、長時間のライドでも疲れにくい。
試乗車は2018年モデルのため最新モデルとはカラーリングや細部が異なるが、「SYNAPSE」の特性は試乗で体感できる
まずは試乗スペースで乗ってみる。油圧式ディスクブレーキモデルは初めてということもあり、じっくり乗り味を確かめている様子
数周まわったところで、公道へ
急いで追いかけたが、すでに姿が見えない。かなりのスピードで走っていったようだ……と数分待っていたら、反対側から戻ってきた!
戻ってきた鎌田編集長から発せられたコメントは「ブレーキがラク!」。それもそのはず! 油圧式ディスクブレーキはレバーを握った力を油圧で増幅するため、軽く握るだけでいい。極端に言うと、指はディスクに伝える制動力をコントロールするだけなので、ブレーキ操作が非常にラクになるのだ。ワイヤー式のブレーキの場合、長い下り坂で腕がパンパンになってしまうこともあるが、油圧式なら余裕。さらに、指1本でブレーキをコントロールできるため、残りの指でハンドルをしっかり握れるという安心感もある。効きのよさとすぐれたコントロール性に鎌田編集長の心が油圧式ディスクブレーキに動いたように感じた。
舗装路での試乗を終えて戻ってきた鎌田編集長に、大元さんが「衝撃吸収性もすごいので、ちょっとした荒れた道もスムーズに走れますよ」とアドバイス
そのアドバイスを受け、さっそく砂利が敷き詰められたエリアを走行。体に伝わってくる振動が少なく、安定感もあるので、これは確かに乗りやすいと感動していた
なんでも、最近は未舗装路(グラベル)を走れる性能を持ったグラベルロードというジャンルも登場しており、欧米を始めとする海外では大きなムーブメントとなっている。最適化された構造のフレームに、グリップ力と衝撃吸収性にすぐれた太めのタイヤを装備しているのがポイントだ。日本国内ではなじみがないジャンルだが、日本の道は少し郊外に出ると舗装路でも荒れた路面が多いので、意外とグラベルロードは相性がいいかもしれない。なお、試乗した「SYNAPSE カーボン ディスク 105」はグラベルロードではないが、このモデルのように地面からの衝撃を吸収する工夫が施されているロードバイクが増えているという。
FELT「Broam60」(2019年モデル/販売価格11万8000円・税別)は700×40Cのかなり太めのタイヤを装着したグラベルロード。650B(27.5インチ)のホイールに換装して、さらに太いタイヤを履かせることも可能だ
続いて試乗するメリダ「REACTO 4000」は、エアロフレームのロードバイク。レースには出ないからエアロロードを選択肢に入れていなかった鎌田編集長だが、近年、人気が高まっているということで試乗することになった。
エアロロードのフレームは通常のロードバイクのような丸いパイプを組み合わせた形状ではなく、ブレード状にし、空気抵抗を減らしているのが特徴。従来はトライアスロンや平地でのタイムアタックといったレースシーンで使われるだけだったが、素材や設計技術の進化でより車重が軽くなり、ヒルクライム(坂を上るレース)にも使われるようになってきたという。しかも、本格的なエアロ特性を持った20万円前後のモデルも続々と登場してきていることもあり、エアロロードを選ぶ人が増えているのだ。
カーボンフレームにシマノ「105」コンポーネントを組み合わせており、車重は8.4kg。エアロロードとしてはかなり軽量で、鎌田編集長も思わず「軽い!」とひとこと。なお、ブレーキはディスクではなくリムタイプ
車輪を支えるシートステーのフレームも見るからに空気抵抗が少なそう。近年のエアロフレームは前面投影面積を減らすだけでなく、周囲の空気を整流することで空気抵抗を減らしている
シートポストも扁平形状とされ、空力性能に貢献。レーシングマシンっぽい雰囲気だ
エアロフレームは風を切って疾走している姿が似合う。バーレーン・メリダチームのカラーもかっこいい!
今回もやはり公道へと飛び出していってしまった。「エアロロードはちょっと……」と言っていたくせに、すでに気に入っている様子
「とにかく軽く進む!」というのが「REACTO 4000」を試乗した鎌田編集長の感想。エアロ効果は高速でないと実感できないと思われがちだが、20〜30km/hの速度域でも十分に味わえるので、遠くまで行きたいツーリングユースがメインの人でも、より体力を温存して長い距離を走れる。そして、「REACTO 4000」に関しては見た目のかっこよさも好印象だったようだ。
いよいよ、鎌田編集長が購入したいモデルの絞り込みへと移る。約2年越しのこの企画、今回もたっぷりレクチャーや試乗に時間をかけたので、絶対完結(購入)してほしい……。
最初に鎌田編集長が向かったのは、イタリアブランドのビアンキのブース。その中でもひときわアグレッシブなエアロフレームを採用した「ARIA 105」(2019年モデル)が選ばれた。イタリア好きなため、どうしても惹かれてしまうようだ。販売価格27万8000円と、20万円くらいの予算からすると少々高めか!?
試乗でエアロフレームに対する認識が変わったのか、最初に選ばれたのはまさかのエアロロードバイク。高速巡航のために開発された車体は、トライアスロンレースなどにも対応するという
ホイールも空力にすぐれたセミディープリム形状を採用。ブレーキはディスクではないが、カーボンフレームに最新の「105」コンポーネントを装備している
続いて選ばれたのは、またしてもイタリアのメーカーのコルナゴ「A2-R」(2019年モデル)。「105」コンポーネントを採用しているものの、今期買いですよ!とレクチャーを受けた油圧式ディスクブレーキは搭載しておらず、フレームもアルミ製というスペックで、販売価格16万9000円とリーズナブルだ。かなり気に入った様子で、ほかのブースを回っても、何度も「A2-R」の前に戻ってくる行動を繰り返しており、これが選ばれるような気がしてならない。試乗の際「ディスクブレーキ最高」って言ってたくせに、結局見た目かよ! もちろん、それでも正しいのだが、企画としては油圧式ディスクブレーキ搭載モデルを選ぶ流れだろと、鎌田編集長を除くメンバーは心の中で総ツッコミしていたのはヒミツだ。
シックなカラーリングの中にイタリア国旗の差し色が気に入ったらしい
リムブレーキにカーボン製のフロントフォークを装備。大元さんによると、フロントフォークを上位モデルのものに変えるだけでハンドリングは激変するとのこと
2018年モデルの「MONDO2.0 SORA」を並べ、双方の違いを細かく大元さんに聞くなど、ほかのバイクを見ている時とは真剣さが違う。「A2-R」に決まってしまうかもしれない……
今期のトレンドを押さえたセレクトをしてほしいと思っていた筆者の念が通じたのか、最後の1台に油圧式ディスクブレーキを備えたキャノンデール「CAAD12 105 DISC」(2019年モデル/販売価格23万円・税別)が選ばれた! アルミフレームだがカーボン並みに軽く、コンポーネントは「105」。近年のロードバイクはトップチューブが斜めになったデザインの「スローピング」が主流だが、「CAAD12 105 DISC」は水平基調のフレーム「ホリゾンタル」となっているのが特徴だ。
アメリカブランドなので選択肢になかったのだが、グリーンというめずらしいカラーが響いたという
ロゴがフレームと同色なのも高ポイント!
と、この3モデルに絞り込んだものの、ビアンキやコルナゴが好きだけど、ディスクブレーキも捨てがたい……と決めかねている状況。2年前と同じく、保留にしたまま終了かと思われたその時、「決めた!」と鎌田編集長が決断した。
選ばれたのは……
キャノンデール「CAAD12 105 DISC」(2019年モデル)!
自分でも、まさかキャノンデールを選ぶなんて……と思っているとのこと(アメリカブランドを選ぶことがまずないため)。しかし、油圧式ディスクブレーキを搭載していながら23万円(税別)という価格であることと、カラーリングが決め手となったという
展示されている時は気付かなかったが、間近で見てみると、トップチューブの上面やフォークの裏側にキャノンデールのイメージカラーである蛍光グリーンの差し色が! なかなか小技が効いている
溶接もキレイで、ワイヤー類は内部を通す構造になっている
路面からの衝撃をいなすため、リアフレームは少し扁平な形状に。カラーリングや衝撃吸収の構造など、いろいろな面から見ても、これはいい買い物をした!と筆者も思う
購入するモデルが決まっても、すぐ納車とはいかない。ロードバイクはフレームサイズがいくつもあり、身長や腕や手の長さに合わせて最適なサイズを選ぶ必要がある。さらに、ハンドル位置を決めるステムやサドルの高さ、前後位置などを乗り手に合わせてセットするフィッティングや、納車前の整備(必要なところにグリスを入れたりする)を行わねばならないのだ。ということで、納車は後日!
Y'sRoadでは独自の計測システムで、体に合った最適なフレームサイズや細かい設定を計算してくれる
帰り間際には、購入した「CAAD12 105 DISC」(2019年モデル)をスマホで撮影。かなり気に入っている!
自転車を購入したら、これで完了というワケではない。自転車に乗る際に必要なヘルメットなどのアイテムを揃えなければならないのだ。また、ロードバイクには基本的にペダルが付属していないので、別途購入が必須。そのほか付属される場合もあるが、前後ライト(リアは反射板でもOK)やベルを必ず装備しておかねばならないので、自転車本体以外にかかるお金も予算に見積もっておこう。鎌田編集長はこれまでクロスバイクに乗っていたこともあり、ある程度のグッズは持っているとのことなので、足りないものだけを購入することとなった。
シューズとペダルを固定するビンディングペダルか、手持ちのシューズで使えるフラットペダルにするかが悩みどころ
専用のシューズを使うビンディングペダルは足をペダルに固定するため、ロードバイクの前傾姿勢に慣れないうちは避けたほうがいいと大元さんは言う
アドバイスどおり、まずはフラットペダルを購入することに。ペダルは整備の際、取り付けてもらえる
絶対に購入しなければならないのはペダルだけだったのに、新しいグッズを見ているうちに欲しくなってしまった鎌田編集長。ヘルメットや空気入れポンプなどを物色し始めた!
ウルトラ警備隊みたい!と大盛り上がりした、このヘルメット。目を保護するバイザーが一体となったOGK Kabuto「AERO-R1」なら、サングラスを別途購入する必要はなく、サングラスのように落下の心配もない。メガネをしたまま装着も可能だ
バイザーがいらない時は、上下をひっくり返してヘルメットにマグネットで固定すればいい! ツーリング中にお店に寄る際、このような機構があると便利。なお、バイザーは可視光線透過率の異なる別売のものに変更することもできる
ということで、OGK Kabuto「AERO-R1」のマットブラックグレーを購入することに決定!
空気入れポンプの進化に感心し、買ってしまったパナレーサー「ワンタッチポンプ BFP-02AGEZ-S」は、口金をバルブに差し込むだけで取り付けできる手軽さが魅力。ポンプ上部に空気圧ゲージが装備されているので見やすく、空気を減らすエアリリースボタンも用意されている
チェーンロックは、クウハク「稲180」をセレクト。180cmの長さがあり、1本で前後のホイールとフレームを通してフェンスやポールにくくりつけるなどしてロックできる。折りたたんでコンパクトに収納できるのも◎
ペダルだけでいいと言っていたのに、結局、空気入れポンプやヘルメット、テールライト、サイクルコンピューター、チェーンオイル、盗難防止用のチェーンロックを購入
ちなみに、水分補給のためのボトルとボトルケージは数が多くて決められなかったので、後日、納車日に購入したという
以上で買い物終了! 会計をして、お店をあとにする。
想定の範囲内の金額でいい買い物ができたとご満悦の鎌田編集長(大元さんも笑顔!)。しかし、この写真の後方を見てほしい。外は真っ暗。2〜3時間で済むだろうと言われた取材だったが、5時間近くかかってしまった
1週間後、自転車を取りにY'sRoad 東大和店を再び訪れた鎌田編集長。「CAAD12 105 DISC」に乗り、約40kmの道のりを走って帰ったそう。
買ったばかりのボトルケージとボトルも装着
以前から50〜100km程度の距離をクロスバイクで走っていたので、約40kmの距離もまったく苦にならず。でも、「CAAD12 105 DISC」は圧倒的に軽快!
ちなみに、こちらがこれまで鎌田編集長が乗っていたビアンキ「BACKSTREET(2002年モデル)」。15年ほど乗り続け、ブレーキなどいたるところがボロボロに……
ペダルを漕ぐと変な音が鳴り、サドルも破れているので最近は乗って出かけるのが恥ずかしくて乗っていなかったという
「CAAD12 105 DISC」が納車されてからは、自転車で出かける頻度が増え、ちょっと遠出をするたびに、こんな写真を撮ったりしちゃうとのこと
【取材協力】
Y's Road 東大和店
http://ysroad.co.jp/higashiyamato/
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カメラなどのデジタル・ガジェットと、クルマ・バイク・自転車などの乗り物を中心に、雑誌やWebで記事を執筆。EVなど電気で動く乗り物が好き。