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小型で音のよい洒落たスピーカーならELAC「BS 312.2」を検討してみては?

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「2023東京インターナショナルオーディオショウ」で展示されていた「BS 312.2」

「2023東京インターナショナルオーディオショウ」で展示されていた「BS 312.2」

「2023東京インターナショナルオーディオショウ」で展示された、ドイツELAC(エラック)の新スピーカー「ELEGANT BS 312.2」がいよいよ販売開始される。

初代機から数えると25年以上愛されているという人気シリーズはツイーターを一新され、さらにスピーカー保護用のグリル(ネット)にバリエーションが用意されるうれしい新要素も用意されている。

狭小空間でも使いやすいスリムなスピーカー「ELEGANT BS 312.2」について、ELAC本国から来日したエクスポート・マネージャーHolger Witt氏に話をうかがえたので、詳細を紹介しよう。

エラックのエクスポート・マネージャーHolger Witt氏

エラックのエクスポート・マネージャーHolger Witt氏

新世代のツイーター「JET6」を採用した人気のコンパクトシリーズ

冒頭のとおり、ELACの「300」シリーズはスリムで狭いスペースでも扱いやすいスピーカーとして長く人気のシリーズだ。25年前の「CL310 JET」以来、ツイーター、ウーハーユニットともに改良が重ねられているが、スリムなプロポーションは保ったまま「ELEGANT BS 312.2」に引き継がれている。

このコンパクトさが日本でも支持されている理由になっており、ここであえて「ELEGANT BS 312.2」を取り上げる理由でもある。スリムで使いやすく、しかもクオリティが高いスピーカーは意外と少ないもの。ペアの希望価格は385,000円(税込)と高価ではあるが、テレビ脇にも置きやすい本格スピーカーとして、注目したい。

幅123mmで設置性が高い。ただし、奥行きが270mm(突起部を除く)と長めである点には注意。本体背面にバスレフポートがあり、スピーカー端子はバイワイヤリング仕様

幅123mmで設置性が高い。ただし、奥行きが270mm(突起部を除く)と長めである点には注意。本体背面にバスレフポートがあり、スピーカー端子はバイワイヤリング仕様

そのほかの主要スペックはこちら。115mmウーハーとJETツイーターによる2ウェイ構成であることも変わらない特徴だ

そのほかの主要スペックはこちら。115mmウーハーとJETツイーターによる2ウェイ構成であることも変わらない特徴だ

さて、「ELEGANT BS 312.2」の特徴は、なんと言ってもツイーターに「JET 6」というユニットを採用したこと。ELACの高級スピーカーは必ず「JET(Jet Emission Tweeter)」と呼ばれるハイルドライバーの一種を採用しているが、それが新世代のユニットに改められたのだ。

ハイルドライバーを簡単に説明すると、プリーツ上に折りたたまれた薄いダイヤフラムの間の空気を圧縮・放出することで発音するという仕組みのユニットだ。少ないエネルギーで高能率の仕事を得られるのが一般的な特徴とされている。

「JET 6」の特徴は、振動板フィルムにプリントされた導電アルミニウムのパターンに変化をもたせたことと、振動板フィルム自体のたたみ幅を数種類の組み合わせとしたこと。これらはひと言で表せば最適化のため、とのことだが、実際に共振と歪みの低減、周波数特性のリニアリティ向上に寄与しているという。

「JET 5」を搭載していた従来製品は順次「JET 6」搭載の新製品に入れ替わる予定で、2024年の前期にはハイエンドである「CONCENTRO」シリーズの新製品が登場するという。「ELEGANT BS 312.2」は次世代のELAC製品の第1弾として選ばれたわけで、このモデルに対する力の入れようが伝わってくる。

「JET 6」のダイヤフラム素材にはカプトンというポリイミドフィルムが使われ、導電アルミニウムがプリントされている。このユニットは本社工場のあるドイツ キールで生産される

「JET 6」のダイヤフラム素材にはカプトンというポリイミドフィルムが使われ、導電アルミニウムがプリントされている。このユニットは本社工場のあるドイツ キールで生産される

左が従来ユニット「JET 5」で右が「JET 6」の振動板プリントイメージ。「JET 5」では導電アルミニウムのパターンが「細い」「太い」の2種類で、それが交互にプリントされていた。しかし、「JET 6」では太さのパターンを増やし、複雑に組み合わせているという

左が従来ユニット「JET 5」で右が「JET 6」の振動板プリントイメージ。「JET 5」では導電アルミニウムのパターンが「細い」「太い」の2種類で、それが交互にプリントされていた。しかし、「JET 6」では太さのパターンを増やし、複雑に組み合わせているという

振動板を変更する場合は、それにあわせて必ず開口部も変更される。3Dプリンターを使い、数百のサンプルテストを繰り返した結果、製品版が完成したという

振動板を変更する場合は、それにあわせて必ず開口部も変更される。3Dプリンターを使い、数百のサンプルテストを繰り返した結果、製品版が完成したという

「JET 6」における最も大きな変化はTHD(歪み)の改善にあるそうだ。写真は実測値のグラフで、「JET 5」と比較すると1.5kHz近辺の歪みが大幅に低減されていることがわかる

「JET 6」における最も大きな変化はTHD(歪み)の改善にあるそうだ。写真は実測値のグラフで、「JET 5」と比較すると1.5kHz近辺の歪みが大幅に低減されていることがわかる

ウーハーユニットについても改良が加えられた。マグネットの磁気をより強力に、ボイスコイルをより大きくし、従来よりも高効率に仕上げられたとしている

ウーハーユニットについても改良が加えられた。マグネットの磁気をより強力に、ボイスコイルをより大きくし、従来よりも高効率に仕上げられたとしている

「2023東京インターナショナルオーディオショウ」では、「JET 6」を搭載した新モデル「VELA FS 409.2」も展示されていた。「VELA 400」シリーズは順次「JET 6」を搭載したモデルに入れ替わり、「SOLANO 280」シリーズ、ハイエンドの「CONCENTRO」シリーズも順次新製品が登場するという

「2023東京インターナショナルオーディオショウ」では、「JET 6」を搭載した新モデル「VELA FS 409.2」も展示されていた。「VELA 400」シリーズは順次「JET 6」を搭載したモデルに入れ替わり、「SOLANO 280」シリーズ、ハイエンドの「CONCENTRO」シリーズも順次新製品が登場するという

選べるグリルでインテリア性も向上!

「ELEGANT BS 312.2」をここで紹介するのには、実はもうひとつの理由がある。ユニット保護用のグリル(ネット)が改められたことだ。「そんなこと」と思われる人もいらっしゃるかもしれないが、スピーカーをリビングルームなどに置く場合、結構目立ってしまうもの。せっかくスリムでテレビ脇などにも置きやすいのだから、インテリア性が向上するのは大いに歓迎すべきポイントだ。

グリル変更のポイントは3つ。

●グリルはすべて別売
●金属製メッシュとファブリック製の2種が用意される
●ファブリック製グリルはカラーバリエーションを展開予定

まず、グリルはすべてオプション扱いの別売となった。音質を最優先すればユニット保護用のグリルは必要ないため、必要な人だけ購入してください、というシステムだ。

また、以前からの金属製メッシュグリルと、ファブリック製のグリル2種が用意される。金属製メッシュグリルはパンチングメタルで、エンクロージャーの接合部にはめ込むような形。ファブリックグリルはマグネットキャッチで、従来の「300」シリーズすべてに使用できる。

スリムで置きやすいだけでなく、音質、そして外観にもこだわった「ELEGANT BS 312.2」にぜひ注目していただきたい。

基本のグリルは3種。左からグリルなし、金属製メッシュ、ファブリック製グリル(グレー)、ファブリック製グリル(ブラック)。金属メッシュグリルはペアで13,200円(税込)、ファブリック製グリルはペアで38,500円(税込)

基本のグリルは3種。左からグリルなし、金属製メッシュ、ファブリック製グリル(グレー)、ファブリック製グリル(ブラック)。金属メッシュグリルはペアで13,200円(税込)、ファブリック製グリルはペアで38,500円(税込)。ただし、2023年12月18日現在アナウンスされている本体色はブラックのみ

さらに、ファブリック製グリルはカラーバリエーションが展開される計画もあるという。ファブリックはイエロー、ブルー、レッドで、それぞれフレーム色にブラック/ホワイトのバリエーションが用意される。計6種を見込んでいるようだ

さらに、ファブリック製グリルはカラーバリエーションが展開される計画もあるという。ファブリックはイエロー、ブルー、レッドで、それぞれフレーム色にブラック/ホワイトのバリエーションが用意される。計6種を見込んでいるようだ

こちらが実際のファブリック製グリル(グレー)

こちらが実際のファブリック製グリル(グレー)

アルミニウムとラバーで製作された専用ベースも別売のオプションとして用意される。価格はペアで38,500円(税込)

アルミニウムとラバーで製作された専用ベースも別売のオプションとして用意される。価格はペアで38,500円(税込)

専用ベースはスピーカースタンドとの間に挟むほか、家具の上などに設置する場合にも、エンクロージャーの振動を効率よく吸収するという。このベースも過去の「300」シリーズすべてのモデルで利用できる

専用ベースはスピーカースタンドとの間に挟むほか、家具の上などに設置する場合にも、エンクロージャーの振動を効率よく吸収するという。このベースも過去の「300」シリーズすべてのモデルで利用できる

今後は人気のアクティブスピーカーも拡充される

ELACといえば、もっと手の届きやすい製品として、アクティブスピーカーにARC対応HDMI端子を装備した「Debut ConneX DCB41」が人気だ。

最後に、この路線での展開が続くのかを聞いてみたところ、2024年の前半には「Debut ConneX DCB41」よりも少し大きなアクティブスピーカーを発売する予定とのこと。「Debut Reference DBR62」のアクティブ版といった製品になるようだ。

「JET」ツイーター搭載モデルではないが、音質が強化された「ConneX(コネックス)」シリーズとして展開される見込み。こちらの発表も楽しみに待ちたい。

同じく「2023東京インターナショナルオーディオショウ」で展示されていた「Debut ConneX DCB41」。人気を受けて、カラーバリエーションモデルが限定販売されている

同じく「2023東京インターナショナルオーディオショウ」で展示されていた「Debut ConneX DCB41」。人気を受けて、カラーバリエーションモデルが限定販売されている

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柿沼良輔(編集部)
Writer / Editor
柿沼良輔(編集部)
AV専門誌「HiVi」の編集長を経て、カカクコムに入社。近年のAVで重要なのは高度な映像と音によるイマーシブ感(没入感)だと考えて、「4.1.6」スピーカーの自宅サラウンドシステムで日々音楽と映画に没頭している。フロントスピーカーだけはマルチアンプ派。
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