“ちょっとした動作”をエクササイズにしてしまうワザを“パーソナルトレーナー・おぜきとしあき”が毎週お届けする連載。6回シリーズで“イケてるお腹”を目指す今週のメソッドは、イスから立ち上がるだけでできるトレーニング!
イスに座ったまま片足を宙に浮かし、その状態で立ち上がる。負荷が高いトレーニングなため1セット何回という目安ではなく、職場や自宅でイスから立ち上がる際に意識的に行う程度でOK。ただし、左右の足にバランスよく負荷をかけたほうがいいので、できるだけ左右交互に行うようにしよう。一度着席して左右を入れ替え、もう一度立ち上がるのもありだ。
1:イスに腰掛けた状態で、骨盤を立てるイメージで背すじを伸ばす。腰に手を置くと骨盤の角度を意識しやすい。その姿勢で片足を持ち上げる
2:そのまま右足だけで立ち上がる。姿勢を保ったまま、バランスを崩さないようにしよう
3:足を替えて、同じように実行
立ち上がるスピードは、動画でチェックしてほしい。前のめりになりやすいが、背筋を伸ばしたまままっすぐに立ち上がるようにしよう。浮かせているほうの足も、フラフラしないように意識してみて。
立ち上がる際には太腿の筋肉ももちろん使われるが、このトレーニングでの狙いは足を持ち上げることで鍛えられる腰部のインナーマッスル・腸腰筋。腸腰筋は骨盤と大腿骨をつなぐ腸骨筋と、背骨から大腿骨をつなぐ大腰筋で構成される。上半身と下半身をつなぐ唯一の筋肉で、非常に重要だが腰の深い場所にあるため鍛えるのが難しい。さらに、骨盤と背骨の角度を正常な状態でキープする役割も果たしている筋肉でもある。腸腰筋が弱ると骨盤が後傾し、下腹がポッコリと出やすくなってしまう。また、胃腸など消化器系の内臓とも密接に関わっている筋肉なので、鍛えることで内臓の働きを活性化させ代謝を高める効果もある。30代から急速に衰えはじめる筋肉なので、きちんと鍛えておこう。
「立ち上がる前に意識してほしいのは、膝と足の向き。どちらもまっすぐ前を向き、左右が平行になるよ うに気をつけてください。変な方向を向いていると、腸腰筋に正しく効きません。また、膝が直角になっているかも確認しておきましょう。膝が前に出過ぎていても、逆に足を投げ出すようなカタチになっても膝関節に負担がかかってしまいます。負荷の大きい動作なので、くれぐれも正しい体勢で行うようにしてください」
男性は着席した時に足を八の字に開いてしまいやすいが、膝も、地についている足もまっすぐ前を向くように
膝を90°にして、背筋も伸ばしておこう。イスには深くかけないほうが立ち上がりやすい
執筆:増谷茂樹