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ついに55インチで35万円前後。LG製品は23万円! 普及価格帯に突入した有機ELテレビの最新動向

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そこそこ好調だった薄型テレビの夏ボー商戦。有機ELテレビはまだ様子見

ソニー「BRAVIA KJ-55A1」(写真は65V型)

ソニー「BRAVIA KJ-55A1」(写真は65V型)

今年2017年は、春先から夏前にかけて、国内の主要テレビメーカーから相次いで「有機ELテレビ」が発売されたこともあり、「有機ELテレビ」の普及元年になるのではないかと言われている。その最初の動向が示されるのが、6月から7月にかけてのいわゆる「夏ボー商戦」であったわけだが、その結果はどうだったのだろうか。

図1:「薄型テレビ」カテゴリーの閲覧者数推移(過去2年間)

図1:「薄型テレビ」カテゴリーの閲覧者数推移(過去2年間)

図1は、「価格.comトレンドサーチ」で見た、過去2年間における「薄型テレビ」カテゴリーの閲覧者数推移だ。これを見るとわかるように、「薄型テレビ」全体で見ると、昨年よりも今年のほうが盛り上がり感は高い。しかも、昨年は夏ボー商戦の期間がかなり短く、すぐに収束してしまったのに対して、今年は8月に入っても、それほど閲覧数は落ちていない。つまり、今年の夏ボー商戦は、「薄型テレビ」はそこそこ好調だったことがうかがえる。

図2:有機ELテレビ・主要3製品の売れ筋ランキング推移(過去3か月)

図2:有機ELテレビ・主要3製品の売れ筋ランキング推移(過去3か月)

しかし、売れ筋製品の顔ぶれを見ていると、その好調は必ずしも「有機ELテレビ」の好調とは結びついていないことがわかる。図2は、有機ELテレビの人気上位3製品の売れ筋ランキング推移を示したものだが、もっとも人気のあるLG電子「OLED55C7P」ですら最高で9位、2番手につけるソニー「BRAVIA KJ-55A1」でも最高13位と、売れ筋製品の中心になっているとは言いがたい状況だ。今年の夏ボー商戦で売れていた薄型テレビは、2Kあるいは4Kの液晶テレビが中心であり、有機ELテレビはまだ様子見という人が多かったことがわかる。

図3:有機ELテレビ・主要3製品の注目ランキング推移(過去3か月)

図3:有機ELテレビ・主要3製品の注目ランキング推移(過去3か月)

ただ、有機ELテレビの人気がないのかと言えば、そういうわけでもない。図3は、上記人気3製品の注目ランキング推移を示したものだが、こちらのほうでは、3製品すべてがベスト10に入っており、2製品がベスト5に入るなど、注目度自体は高いことがわかる。特にソニー「BRAVIA KJ-55A1」に至っては、長いこと、注目ランキングでは首位をキープしてきており、注目度は、すべての薄型テレビの中でもトップと言っていい。つまり、製品として注目しているが、なかなか「買い」というところにまで至っていない様子見状態、というのが、今の有機ELテレビの状況なのだ。

図4:有機ELテレビ・主要3製品の最安価格推移(過去3か月)

図4:有機ELテレビ・主要3製品の最安価格推移(過去3か月)

なぜ「様子見」なのか? やはりそこは有機ELテレビの販売価格が大きく影響していると思われるが、実を言えば、有機ELテレビはすでにかなり値下がりしており、そろそろ購入を本気で考え始いる人も増えてくる価格帯に突入している。図4は、上記3製品の最安価格推移を示したものだが、夏ボー商戦が始まった6月くらいから見ると、今時点では、どの製品もかなり価格を下げていることが見て取れる。特に一番如実なのは、LG電子「OLED55C7P」で、6月上旬には35万円前後だった最安価格が、直近では23万円を切るところまで下がっており、わずか3か月で約12万円、割合にして3割以上も値下がりしている。これに対する国内勢も、注目度ではNo.1のソニー「BRAVIA KJ-55A1」が、44万円から36万円程度に、続いて人気のパナソニック「VIERA TH-55EZ950」が、48万円から35万円程度にそれぞれ最安価格が下落しており、3か月で2〜3割程度の価格下落を見せている。

筆者は、有機ELテレビが本格的に普及するかどうかは、55インチクラスの製品で、30万円を切るラインまで価格が下がるかどうかがひとつの目安になると思っているが、そういう意味では、LG電子の「OLED55C7P」はもう十分にこのラインをクリアしているし、ソニー、パナソニックなど、国内メーカーの製品も現状で35万円前後と、年末までに30万円前後まで行きそうというラインが見えてきた。そういう意味では、有機ELテレビの「普及元年」は、比較的順調なペースで推移していると感じる。買い時という意味では、もう少し先かもしれないが、そう遠くない将来に必ず訪れるだろう。

ユーザー評価は軒並み好評。価格が下がれば本格普及の可能性大

下がってきたとはいえ、液晶テレビに比べると、まだまだ割高感のある有機ELテレビ。しかし、これまでに有機ELテレビを購入したユーザーの評価はすこぶる高く、満足度としては、どの製品もかなり高めになっている。

図5:LG電子「OLED55C7P」のユーザー評価(2017年9月6日時点)

図5:LG電子「OLED55C7P」のユーザー評価(2017年9月6日時点)

図6:ソニー「BRAVIA KJ-55A1」のユーザー評価(2017年9月6日時点)

図6:ソニー「BRAVIA KJ-55A1」のユーザー評価(2017年9月6日時点)

図5、図6は、有機ELテレビの中でも人気の、LG電子「OLED55C7P」、ソニー「BRAVIA KJ-55A1」のそれぞれのユーザー評価を示したものであるが、まず驚きなのは、いずれの製品も2017年9月6日時点で、満足度が満点の5.00となっていることだ。20万円、30万円を超える高価格帯家電製品でありながら、購入したユーザーの多くが満点を与える例は珍しく、有機ELテレビの持つ、主に画質面の魅力がユーザーにかなり強く訴求しているようだ。

ユーザーのコメントをいくつか紹介すると、「(画質は)感動を覚えるレベルです。購入を決めた一番の理由です。VODの視聴時間が増えるのは間違いないでしょう」「UHDブルーレイを有機ELで見た時の圧倒的な画質に惚れて買ってしまいました。液晶だったら買ってなかったと思います」(OLED55C7P)、「画質の方は、さすがOLEDです、黒がほんとに真っ黒! UltraHDブルーレイのパシフィックリムやハリーポッターなど数本を観ましたが、素晴らしの一言に尽きます!一度OLEDを観てしまうと液晶の映像には戻れなくなりました」「自発光テレビだからこそ可能な漆黒表現による作品への没入感は半端でありません。映画マニアなら必ず満足できる逸品だと思います」「(画質は)マジ素晴らしいです。値段ほどの価値、違いがあるかと問われれば、人それぞれでしょうけど、自分としては、文句ありません」(BRAVIA KJ-55A1)など、どちらの製品も、画質に関してはどのユーザーも口をそろえて「感動レベル」「液晶には戻れない」「買ってよかった」などの、高評価を与えている。まだ価格としては、若干高めではあるものの、その価格なりの価値を見いだしている人がほとんどのようだ。

LG電子「OLED55C7P」

LG電子「OLED55C7P」

逆に、価格以外の問題点としては、多くの製品でシステム全般の動作のもたつきが指摘されている。特に、ソニー「BRAVIA KJ-55A1」の場合、採用されている基本システム「Andoid TV」の動作が遅い点が指摘されており、この点は早めにアップデートしてほしいという声が多い。いっぽう、LG電子「OLED55C7P」のほうは、システム全般の動作はサクサクと動くが、ソニー「BRAVIA KJ-55A1」などの国内勢に比べると、サウンドがやや弱いという意見が多いようだ。ただし、「OLED55C7P」は、国内勢の有機ELテレビに比べると、現状10万円以上の価格差があり、コストパフォーマンスのよさで見れば、全く問題にならないとする意見も多い。

いずれにしても、現在発売されている有機ELテレビは、液晶テレビとは別次元の画質のよさ(特に黒の沈み込み)が、すでに多くのユーザーによって高く評価されており、購入者の満足度は非常に高い。今後、年末にかけて、さらに販売価格が下がってくることが予想されるが、国内メーカー製の製品でも、現状から3万円以上下がった30万円近いプライスになってきたときが買い時だろう。そうなれば、一気に本格普及も見えてくる。

鎌田 剛(編集部)

鎌田 剛(編集部)

価格.comの編集統括を務める総編集長。パソコン、家電、業界動向など、全般に詳しい。人呼んで「価格.comのご意見番」。自称「イタリア人」。

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2017.9.20 更新
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