ハイエンドライン「A&ultima SP1000」
現行ラインアップのなかでも、フラッグシップに位置するモデルがこの「A&ultima SP1000」。Astell&Kernシリーズとして初めて5インチタッチパネルを採用したモデルで、左右、上下からフリップすることでさまざまな選択項目が出現するメニュー構成を用意する。大画面と合わせて、操作性はかなり良好だ。
ボディは、ステンレスを採用したStainless Steelモデルと、無酸素銅を採用したCopperモデルの2タイプをラインアップ。ともに、削り出し素材を用いるという、ハイエンドモデルならではの豪華な造りとなっている。また、右側の音量ダイヤル長押しで電源オンオフ、スマートフォンのようなトレイ式microSDスロットなど、他のモデルとは異なる個性的な仕様も持ち合わせている。
ステンレスを採用したStainless Steelモデルと、無酸素銅を採用したCopperモデルの2タイプを用意
ヘッドホン出力は、3.5mmアンバランスと2.5mm4極バランスの2系統用意。micorSDメモリーカードスロットは、現行ラインアップで唯一のトレイ式だ
旭化成エレクトロニクス製最新DAC「AK4497EQ」をデュアル搭載したサウンドは、極上のSN感がもたらすピュアな音質が特徴。基本的にはストレートな表現の音色だが、SN感のよさ、歪み感の圧倒的な低さのおかげで、音楽の魅力を最大限に引き出す良質なサウンドを楽しませてくれる。
Nirvanaを聴けば音質や広がり感よりも音の厚みやパワー感を大切にした、尖ったエッジとスモーキーな響きをあわせ持つ独特のサウンドを、TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDを聴けば広大に広がる音場に計算され尽くして配置された音の洪水を存分に楽しむことができる。また、イヤホンだけでなく、鳴らしにくい傾向のある高級ヘッドホンも直接接続で充分に楽しめる、ヘッドホンアンプ部の駆動力の高さもありがたい。
ちなみに、ボーカル、特に女性ボーカルはStainless Steelモデルが少々ハスキーなイメージ、Copperモデルが少々艶やかさがのるイメージとなっているので、このあたりは音色の好みに合わせてチョイスするのがベストだ。
■A&ultima SP1000の主な仕様
DAC:旭化成エレクトロニクス AK4497EQ×2
リニアPCM:32bit/384kHz
DSD:DSD256
内蔵メモリー:256GB
外部メモリー:microSDカードスロット×1(最大400GBまで対応)
連続再生時間:約12時間(FLAC/44.1kHz/16bit)
本体サイズ:75.8(幅)×132(高さ)×16.2(奥行)mm
重量:約386.6g(Stainless Steel)、約387.9g(Copper)