レビュー
心拍数センサーやカメラなしで睡眠をトラッキング!?

Google「Nest Hub」レビュー。睡眠モニタリング搭載モデルの実力は?

Googleが2021年5月5日に発売した「Google Nest Hub」(以下、Nest Hub)。ディスプレイを搭載するスマートスピーカーという特徴を持つ製品で、初代「Nest Hub」の後継モデルになります。公式サイトの販売価格は11,000円(税込)です。今回は実際に「Nest Hub」を試し、その実力を確かめてみました。

睡眠モニタリング搭載の「Nest Hub」を使ってみた

睡眠モニタリング搭載の「Nest Hub」を使ってみた

Google「Nest Hub」とは?

スマートディスプレイとは、ユーザーの音声に反応して天気やニュースなどの情報をディスプレイ上に映し出したり、特定のアプリケーションを実行することができる、スマートスピーカーに画面(ディスプレイ)が付いたデバイスです。提供された情報がディスプレイに表示されるため、スマートスピーカーよりも情報がユーザーに伝わりやすいという特徴を備えます。

筆者は、スマートディスプレイの「Google Nest Hub Max」を1年以上使用していますが、「OK、Google」のひと声で天気や調べ物のほか、音楽再生まで行えますし、使わないときには「Google Photo」と同期して家族の写真を表示するデジタルフォトフレームとして利用できるため、今では生活に手放せないアイテムのひとつになっています。

情報を画面に表示してくれるのは、スマートスピーカーにはない特徴

情報を画面に表示してくれるのは、スマートスピーカーにはない特徴

「牛の鳴き声を教えて」のように、音声を利用した調べ物もできます。これは子どもがいる家庭には便利な機能です

「牛の鳴き声を教えて」のように、音声を利用した調べ物もできます。これは子どもがいる家庭には便利な機能です

今回レビューする「Nest Hub」は、こういった基本機能を網羅しつつ、初代モデルに比較してスピーカーの低音が50%向上し、マイクが2基から3基へと増設されるなど音質や音声アシスタントの精度がアップグレードされています。

ディスプレイスタンド部にスピーカーを搭載

ディスプレイスタンド部にスピーカーを搭載

スピーカーの低音出力が50%向上しており、音楽再生用途でも十分に利用できます。ただ、音量が大きくなると、音質の劣化が目立つので、大音量で使うのには不向きかも

スピーカーの低音出力が50%向上しており、音楽再生用途でも十分に利用できます。ただ、音量が大きくなると、音質の劣化が目立つので、大音量で使うのには不向きかも

このほかには、スマートホームのコントロールUIが改善されたり、設定した時間に近づくと画面がだんだん明るくなり、音も少しずつ大きくなる「目覚ましディスプレイ」を新しく搭載しています。

これら以外で大きく進化したのが、心拍数センサーや加速度センサー、そしてカメラを使わずに、動きを検知する「Soliレーダー」で睡眠トラッキングを可能にしたことです。

「Soliレーダー」は数mmの動きをも検知するセンサーで、「Nest Hub」はこのセンサーだけでユーザーの睡眠状態をトラッキングできると言います。スマートウォッチは、心拍数センサーや加速度センサーを活用し、睡眠の状態をトラッキングするのですが、睡眠中もスマートウォッチを着用する必要があるというデメリットがあります。

いっぽう、「Google Nest Hub」は、ベッドの横に設置するだけで睡眠をトラッキングできるというわけです。また、マイクを使っていびきや咳の頻度も測定可能という、新しいタイプの睡眠データを提供してくれます。

今回のレビューでは、筆者の自宅に設置してテストを行いました。本当に設置するだけで睡眠モニタリングが可能なのか、その結果は次項で解説しましょう。

実際に「Nest Hub」の睡眠トラッキングを試してみた

「Nest Hub」の睡眠モニタリングを利用するには、設置場所について以下の条件を満たす必要があります。

・ベットやマットレス、布団と同じ高さに設置(同じ高さでなくてもよいが、精度が低くなる可能性あり)
・頭や胸の近くのベッドサイドに設置
・腕を伸ばして届く範囲(約30〜60cm)
・「Nest Hub」とユーザーの間にさえぎるものをおかない
・設置後は動かさない

筆者は、寝室のベッドサイドにイスを置き、その上に「Nest Hub」を設置しました。布団やマットレスだと、高さ調整に少し工夫が必要かもしれません。

設置場所を決めたらキャリブレーションを行います。と言っても、ベッドの上に数十秒間横になるだけです。後は、いつも通りに寝て起きるだけで睡眠モニタリングが利用できます。

設置して寝転ぶだけでキャリブレーションはすぐに完了

設置して寝転ぶだけでキャリブレーションはすぐに完了

なお、筆者は、妻と子どもの3人で寝ています。Googleによると、より精度の高い睡眠データを得るには、ひとりで寝るのが好ましいとのことです。「Nest Hub」にとっては、少し厳しい環境かもしれませんが、実際の結果はどうなるのか。

起床後は「Nest Hub」からすぐに睡眠データが確認できます。また、スマホのアプリ「Google Fit」でもデータは確認可能。最初は起きてすぐに「Nest Hub」を操作して確認していましたが、どちらかと言うと寝転んだままでも見られる「Google Fit」のほうが使いやすかったです。

「Nest Hub」で見られる睡眠データ。「Google Fit」のほうがより詳細なデータが見られます

「Nest Hub」で見られる睡眠データ。「Google Fit」のほうがより詳細なデータが見られます

「Nest Hub」がモニタリングしてくれるのは、寝床にいた時間、睡眠時間、睡眠効率(眠りにつくまでの時間)、寝床に入った時間、起床時間、睡眠状態、いびき、咳、呼吸数です。Soliレーダーだけで、かなり多くのデータが得られます。

とある日の睡眠データ。寝床にいた時間と睡眠していた時間を時計で表示してくれます

とある日の睡眠データ。寝床にいた時間と睡眠していた時間を時計で表示してくれます

寝床に入る時間や、起床時間が、事前に設定したものとどれくらいずれているのかを評価

寝床に入る時間や、起床時間が、事前に設定したものとどれくらいずれているのかを評価

寝床にいた時間や睡眠時間など時間に関するデータの精度は、筆者の体感とほぼ同じ。妻と子どもが先に寝て、後からベッドに入るという習慣でしたが、きっちり計測できていました。

ただし、睡眠時間に計測ミスが出てしまうこともありました。筆者がまだ就寝していない時間なのに睡眠していることになっているというもの。このときは、子どもが寝ながら「Nest Hub」の近くに移動してしまっていたため、これが睡眠中と認識されたようです。複数人で一緒に寝る場合は、こういった点に気を付けることで、計測の精度が上がるでしょう。

1時頃に就寝したはずなのに、22時から寝ていることになっていたデータ。おそらく子どもを間違えて認識してしまったものと推測されます

1時頃に就寝したはずなのに、22時から寝ていることになっていたデータ。おそらく子どもを間違えて認識してしまったものと推測されます

睡眠の状態に関しては、心拍数センサーを搭載しているスマートウォッチのように、レム睡眠とノンレム睡眠まで計測できるわけではなく、睡眠と目覚めという2つの状態しか計測できません。それでも、二度寝までキッチリ認識できていたのは、なかなかスゴイですね。

面白かったのは、いびきと咳です。特にいびきについては、自分でも気になるという人も多いのではないでしょうか。スマートウォッチでも計測できませんし。

睡眠の状態は、睡眠と目覚めの2種類のみ。また、いびきを頻繁にかいていることが判明

睡眠の状態は、睡眠と目覚めの2種類のみ。また、いびきを頻繁にかいていることが判明

室内の明るさの変化や、呼吸数も計測できます

室内の明るさの変化や、呼吸数も計測できます

筆者は「いびき」なんてたまにかく程度と思っていましたが、実際に計測してみるとかなり頻繁にかいていることがわかりました。念のため、妻に確認すると、「たまにうるさいときがある」と言われてしまいました。

ただし、2歳の子どもが深夜に目覚めてごそごそしながら、1時間くらいしゃべっている、ということがあるので、それが計測されている可能性も否定できません(そうであってほしい)。自分で調べたところ、いびきにはさまざまな原因があるようなので、この状態が続けば病院に行ってみてもいいかもしれないと思いました。

という感じで、「Nest Hub」の睡眠モニタリングは、スマートウォッチよりも気楽に利用で、いびきや咳なども計測できるというメリットがあります。いっぽう、睡眠の状態を詳しく知りたいという人は、より詳細なデータが得られるスマートウォッチのほうがいいかもしれません。

睡眠モニタリングとは関係ありませんが、「目覚ましディスプレイ」は心地よい目覚めにピッタリのアラームでした。寝ていると、遠くのほうで鳥のさえずりが聞こえてきて、なんだか音がするなあと思っていると目覚ましがなるので、自然に起きられる気がしました。

心地よく起きられる「目覚ましディスプレイ」。「Soliレーダー」により、手を振るだけでアラームを止めることもできます

心地よく起きられる「目覚ましディスプレイ」。「Soliレーダー」により、手を振るだけでアラームを止めることもできます

まとめ

「Nest Hub」は、スマートディスプレイの機能に加えて、睡眠モニタリングも利用できる珍しいデバイスです。気になったのは、筆者のように寝室に設置し、かつ複数人で寝る場合、ほぼ睡眠モニタリングとアラーム専用デバイスになってしまうことでしょう。後は、寝起きに天気や今日のスケジュールを確認するくらい。また、睡眠モニタリングも、家族が寝る位置などに気を付ける必要があります。

子どもがいるため、寝る前に音楽を聞くこともないですし、Google Photoと同期して写真を表示していましたが、寝室にいる時間が少ないため、写真を見ることはほとんどありません。そのため、家族がいる人には、寝室専用のサブ機という位置づけになるでしょう。リビングなどでメインで使うなら、大きい画面&高音質の「Google Nest Hub Max」のほうが使い勝手がよいと思います。

反対に、ワンルームマンションなどに住んでいる人であれば、音声アシスタントや音楽再生、デジタルフォトフレーム、そして睡眠モニタリングといった「Nest Hub」の機能をフル活用できるかと思います。価格も10,000円ちょっととお手頃なので、スマートディスプレイが気になっている人にはピッタリではないでしょうか。気になる人は、ぜひチェックしてみてください。

水川悠士(編集部)

水川悠士(編集部)

最新ガジェットとゲームに目がない雑食系ライター。最近メタボ気味になってきたので健康管理グッズにも興味あり。休日はゲームをしたり映画を見たりしています。

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