場所やシーンを問わずに使えるモバイル型が人気のプロジェクター。手軽に大画面を実現できる方法として注目されていますが、映像の明るさやクオリティは製品によって大きく異なります。
そこで、価格.comで人気のモバイル/据え置き型のプロジェクターを集め、同条件で映像を投写。比較視聴を実施しました。その様子は、ぜひ以下の動画からご覧ください。
比較した製品は、写真の6モデル
はじめに確認したいのは、気になるプロジェクターがモバイル型か据え置き型か。映像を投写するディスプレイという意味では同じですが、その性質はかなり違います。
●バッテリーを内蔵しているモデルならば、どこでも使える
●使うたびに机などにセットする使い方が想定される
●多くのモデルでは、フォーカスと台形補正を自動で調整してくれる
●映像の明るさは控えめ
モバイル型プロジェクターは自動で焦点を合わせてくれるオートフォーカス機能を持っていることが多く、使うたびに異なる場所に置く場合などに重宝します
モバイル型プロジェクターは単焦点の製品が多く、画面サイズは置く位置で調整するのが基本です。投写面に近づければ画面が小さくなり、投写面から遠ざければ画面は大きくなります。
●電源ケーブルをつなぐ必要があるため、場所は固定する前提の場合が多い
●レンズ機構が充実しているモデルならば、「レンズシフト」や「レンズズーム」を使える
●明るい映像を得やすい
据え置き型プロジェクターでは、オートフォーカス機能を持っている製品は少数派です。写真のように、手動でのフォーカスは物理的なダイヤルで調整することになります
据え置き型プロジェクターは、利便性よりも画質や設置の正確性を重視した製品が多いと言えます。プロジェクター本体の位置は変えずに映像の位置を上下する「レンズシフト」や映像の大きさを変える「レンズズーム」を使える製品もあり、プロジェクターや画面の場所を決めて使うにはとても便利です。
撮影条件の都合で、動画並びに以下スクリーンショットの映像には、“モアレ”のような横ラインが出ています。これは肉眼では確認できない現象ですので、ご了承ください。また、各製品の画質や明るさ調整用モードは「標準」やそれに準じた明るいモードを選んでいます
まずは明るい(照明のついた)環境で各モデルの映像を投写。それらを同条件で撮影したデータがこちらです。明るさを得づらいモバイル型の5モデルでは、どうしても映像が暗く見えてしまいます
照明を落として、暗い(全暗)環境で撮影したデータがこちら。どのモデルでも、明るい環境下で見るよりもコントラストが得られています。こうして見ると、スペック上の明るさの違いがしっかり映像にも出ていることがわかります
明るさや精細感(解像度)の違いは、字幕を見るとよくわかります。SD解像度の「Nebula Capsule Pro」では画素のメッシュが確認できますが、フルHD以上の解像度を持つそのほかのモデルは、表示がより滑らか
最後に、比較した6モデルの特徴と比較結果をまとめました。コストの限られたこの価格帯の製品は、それぞれで持ち味が異なります。動画もご覧いただいたうえで、ご自身の用途に合うかどうか、検討してみるとよいでしょう。
本記事の投写には、すべてキクチの「GFP-80HDW」(グランヴューホワイト)という80インチスクリーンを使っています。立ち上げ(折りたたみ)式で使いやすく、購入しやすい価格が魅力です
左が壁(一般的なビニールクロス仕上げ)投写で、右が「GFP-80HDW」への投写映像。字幕の白など、色が正確に出るだけでなく、精細感も増して見えます
比較に使った映像は、ビコムのUltra HDブルーレイ「世界一 正四尺玉 越後 片貝まつり 浅原神社秋季例大祭奉納大煙火」。ぜひ自宅でのリファレンスとしてもご利用ください