Bluetoothスピーカーは、スマホやPCとワイヤレスで接続して使える便利なアイテムです。手軽に使えるにもかかわらず、期待できる音質改善効果は劇的。多くのメーカーから価格や見た目のバリエーションに富んだ製品が発売されています。
ここでは、価格.comで人気のBose(ボーズ)製Bluetoothスピーカーを集め、実機をチェック。音質だけでなく、操作性やバッテリーの持ち時間(連続再生時間)、防水機能などの使いやすさを総合的に検証し、おすすめモデルを選出しました。
検証でわかった「どこが違うの?」「どう選べばよいの?」という疑問に正面から答えます。
〈レビュー・監修〉AVライター 小岩井 博
カフェ店員、オーディオビジュアル・ガジェット関連媒体の編集・記者を経てライターとして活動。黒物・白物を問わず家電製品、身の回りの生活に役立つモノ、インテリアなど幅広いジャンルで執筆を行う。
【価格.comマガジンがおすすめする理由】
1.張りのある低音とクリアーな高域を両立している
2.シンプルな機能性で直感的に操作できる
3.ファブリック素材の質感がよい
【ただし、こんな人には向きません】
1.ひんぱんに外に持ち出したい人
2.防水性能が欲しい人

「SoundLink Home Bluetooth Speaker」はその名前のとおり、ポータブル性能よりも家(Home)の中で音楽を楽しむことに注力されたような仕様で防水機能はありません。しかし、そのサウンドは低域から高域までバランスよく、非常にクリアー。電子音のきらめきやボーカルの抜けがよく、幅216mmという本体サイズから想像する以上の広がりを感じられます。
バリエーション豊かなBoseのBluetoothスピーカーのなかでも、今特におすすめなのが「SoundLink Home Bluetooth Speaker」です。
Boseらしく低音には張りがあり、量感をともなったタイトな表現が好印象。特にベースのうねりが自然に再現されており、全体として聴きやすくまとまっています。
Bluetoothスピーカーは派手な外観の製品も多いですが、本機はアルマイト加工のアルミボディに布製のグリルを採用するなど、デザインの面でも高品位な仕上がりになっています。
オリジナリティのある機能は見当たりませんが、ハンズフリー通話や2台使用でのステレオ再生、2台のデバイスと同時接続できるマルチポイント接続に対応するなど、日常使いには十分といったところ。
Bluetoothスピーカーとしては非常に高音質で、本格的なサウンドを求める人でも満足できるでしょう。ただし、ネックなのは、連続再生時間が最大約9時間と短く、防水機能がない点。また、サイズの割には重量感があるので、あまり持ち運ぶことを考えず、リビングや寝室などに設置してある程度決まった場所で使用するのがよいかもしれません。
「SoundLink Home Bluetooth Speaker」の使用イメージ
手軽によい音で音楽が楽しめるのがBluetoothスピーカーのメリットですが、そのなかでBoseの製品にはどのような特徴があるのでしょうか。
BoseのBluetoothスピーカーを試聴して改めて感じた独自の魅力は、外観のサイズからは想像できない深みのある低音を再生すること。いっぽうで中高域はクリアーで、どんなジャンルの音楽でもオールマイティに楽しませてくれます。
Boseが好きな人は、また次もBose製品を選んでしまうような、個性と魅力があるサウンドがいちばんの特徴と言えるでしょう。
本体に搭載される物理ボタン操作を中心としたシンプルな設計が基本で、どの製品も直感的な操作が可能。そのうえで、マルチポイント接続(複数デバイスとのペアリング)などの現代的な便利機能も兼ね備えています。
スピーカーの向きを検知して音声を最適化する「PositionIQテクノロジー」のような機能も、ポータブルスピーカーを多く手掛けるBoseならではと言えます。音質と使いやすさに配慮されたありがたい機能です。
製品ラインアップも豊富で、ここで紹介するBluetoothスピーカーのほかにも360度全方位に音を広げるスマートスピーカーなども展開しています。
Bluetoothスピーカーとは、スマホやPCとBluetooth(無線)接続して、音楽を再生するアイテム。スマホ本体から音を出すよりも断然高音質を期待できるうえ、バッテリーを搭載しているため持ち運んで使える手軽さも魅力です。
多くの製品は防水(と防じん)機能を備えているため、お風呂やアウトドアでも利用したい人は防水性能に注目するとよいでしょう。

Bluetoothスピーカーのメリットは、手軽に高音質を持ち運べること。防水機能があれば浴室やキャンプなど、どこでも使えますよ。
Bluetoothスピーカーのメリットを確認したところで、まずは基本的なBluetoothスピーカーの選び方を解説します。
迫力のある低音を出すためには、どうしてもスピーカーの大きさが必要なもの。つまり、音質のよいものが欲しい場合は、それなりに大きなサイズの製品を選ぶ必要があります。あくまで目安ではありますが、価格のほかにも本体のサイズや重量を気にしてみるとよいでしょう。
本体が大きいと音質に有利ないっぽうで、携帯性は下がります。手のひらサイズとも言える製品は非常に便利ですが、低音の再現性は期待できません。
また、メーカーや製品にもよりますが、本体が大きければ大きめのバッテリーを搭載する余裕も生まれやすく、より長時間の再生に対応できる可能性もあります。

本体が大きいほど音質には有利ですが、当然持ち運びにくくなります。バランスがよいのは500mlペットボトルくらいのサイズ。オールラウンドに使いやすいと言えます。
Bluetoothスピーカーの音質の良し悪しは、基本的にはスピーカーの設計に依存しています。しかし、音質を決定づけるのはそれだけではなく、実は対応するコーデック(音声データの圧縮方式)にも影響されます。使っているスマホ(音楽の送信機)とBluetoothスピーカー(音楽の受信機)がどちらも音のよいコーデックに対応していれば、さらに高音質を期待できます。
「iPhone」と「Pixel」シリーズなどのAndroidスマホでは対応コーデックが異なるので、それぞれ見ていきましょう。
・「iPhone」(Apple製品)ユーザーは……
AACに対応しているかどうかをチェック
「iPhone」などのApple製品は、SBCとAACのコーデックに対応しているので、製品ごとに細かく確認する必要がありません。BluetoothスピーカーがAACに対応していれば、「iPhone」と最高の相性と言えます。
・Androidスマホユーザーは……
aptX以上のコーデックに対応しているかどうかをチェック
Androidスマホは、製品によって対応コーデックがバラバラ。まずは使っているスマホがaptX以上のコーデックに対応しているかどうかを確認してみましょう。もし対応しているようならば、Bluetoothスピーカーも同じコーデックに対応しているものを選ぶと、より高音質を期待できます。

コーデックとは、Bluetooth通信での音声データ圧縮方式のこと。利用するには、スマホ(やPC)とBluetoothスピーカー双方が同じコーデックに対応している必要があります。
防水機能が欲しい場合は、「IPX7」以上の等級の製品が安心です。誤って水中に落としても(沈めても)壊れる可能性が低いため、あらゆるシーンで使えるでしょう。シャワーや少しの雨に対応していればよい場合は、「IPX5」や「IPX6」でも十分と言えます。
なお、細かなチリの侵入を防ぐ、防じん性能もある製品は「IPX」の「X」部分に数字が入ります。やはり数字が大きいほど性能が高く、最大等級は6。「IP67」であれば水もチリも防ぐため、砂浜などでも安心して利用できるでしょう。
なお、ここで紹介した製品はすべてIPX6以上の防水性能を備えていますから、どれを選んでも防水機能の面では安心です。
製品によって連続再生可能な時間はさまざま。外に持ち出すことも想定するならば、1日中使っても安心な20時間以上使えるものを選ぶとよいでしょう。
いっぽう、あくまで固定した場所で使う想定であれば、あまり気にする必要はありません。こまめに充電するのであれば、急速充電に対応しているかどうかも確認するとよいでしょう。
ここからは、AVライター小岩井博さんが実際に聴いて、“これは買い!”とおすすめする製品を紹介します。
・〈基準1〉音質
低域から高域までの音がクリアーに聴こえるか、音が左右上下に自然に広がるか、離れて聴いた場合にも音質が変わらないか、過度な低音が高音をじゃましていないか、などを総合的にチェックしました。
・〈基準2〉使いやすさ
本体に操作ボタンがあるか、その操作がスムーズか、などをチェックしました。そのほかにアプリが用意されているか、独自機能があるかを加点要素として検討しています。
・〈基準3〉連続再生時間
公称の連続最大再生時間を確認しています。
・〈基準4〉携帯性
大きさと重さのほか、持ち運びやすさに配慮されているかどうかをチェックしました。
| 製品 価格.com最安価格  | 画像 | ショップリンク | サイズ | 重量 | 連続再生時間 | 防水・防じん | 対応コーデック | 
|---|---|---|---|---|---|---|---|
  | ![]()  | Amazon楽天市場Yahoo! | 216×112×58mm | 891g | 9時間 | - | SBC、AAC | 
  | ![]()  | Amazon楽天市場Yahoo! | 265×120×105mm | 2,130g | 20時間 | IP67 | SBC、AAC、aptX Adaptive | 
  | ![]()  | Amazon楽天市場Yahoo! | 201×91×53mm | 600g | 12時間 | IP67 | SBC、aptX Adaptive | 
やっぱり音質がいちばん大事、という人には「SoundLink Home Bluetooth Speaker」がおすすめ。
この製品の魅力は、低域から高域までバランスよく、非常にクリアーなサウンドを実現していること。電子音のきらめきやボーカルの抜けがよく、幅216mmという本体サイズから想像する以上の広がりを感じられます。低音はスッキリしつつも張りがあり、リズム隊(ドラムやベース)のタイトな表現も好印象。特にベースのうねりが自然に再現されており、全体として聴きやすくまとまっています。
操作ボタンは天面に集約され、カラーと調和した控えめなデザインがポイント。アルマイト加工のアルミボディに布製のグリルを採用するなど、デザインの面でも高品位な仕上がりになっています。
「BOSE」アプリには非対応ですが、ハンズフリー通話や同製品2台でのステレオ再生に対応しており、使い方の幅は広がります。
いっぽうで、連続再生時間が最大約9時間と短く、防水機能がないのはネック。また、サイズの割には重量感があるので、あまり持ち運ぶことを考えず、リビングや寝室などに設置してある程度決まった場所で使用するのがよいかもしれません。
Bluetoothスピーカーとしては非常に高音質なモデルであり、本格的なサウンドを求める人におすすめできます。
・安定した音質で、もっと早く購入すればよかったと思った
・中高音(歌声)がハッキリ聴こえると同時に、引き締まった低音が気持ちよくビートを刻んでくれる
※2025年10月21日時点の、価格.com「SoundLink Home Bluetooth Speaker」の製品ページに寄せられたユーザーレビューの一部を抜粋・編集しています。
Bose「SoundLink Max Portable Speaker」は、パーティーやイベントなど大人数が集まるシーンにも対応可能なパワフルなサウンドが魅力の1台です。
ボーカルをストレートに表現する勢いのあるサウンドで、一音一音がくっきりと再現されます。身体に響くような低音が楽しめるいっぽうで、低音のパワーが中高域を聴こえにくくしてしまっている面も。ステレオらしい広がり感に加え、離れて聴いても音質の変化が少ないのも特徴です。
コーデックはaptX Adaptiveまでサポートするほか、アナログ音声入力による有線接続にも対応。「Bose」アプリでのイコライザー調整や、「Bose SimpleSync」テクノロジーで、本機を「Bose Smart Soundbar」やスマートスピーカーと連携も可能です。
パワフルな出力の代わりに、本体サイズはBoseのBluetoothスピーカーのなかでも最大級の大きさ。持ち手が用意されていますが、重さは2.13kgと片手で持ち運ぶには少ししんどいかもしれません。
IP67相当の防水防じん性能と約20時間のバッテリー寿命、そしてパワフルなサウンドを生かして、アウトドアなどで活用すると場が盛り上がるのではないでしょうか。
・高音から低音まで、非常にクリアーな音質
・デカいだけあって、ずっしりした音を響かせてくれる
※2025年10月21日時点の、価格.com「SoundLink Max Portable Speaker」の製品ページに寄せられたユーザーレビューの一部を抜粋・編集しています。
Boseの人気モデル「SoundLink Flex Portable Speaker」の第2世代モデルは、スリムなデザインにIP67の防水防じん性能を備えたBluetoothスピーカーです。
本体のサイズ感を超えた迫力ある低音が魅力。クラブ系ミュージックや打ち込み系の楽曲との相性がよく、楽曲にノリを与えてくれます。また、中高域の粒立ちもよく、ボーカルがしっかりと耳に届きます。スピーカーの向きを自動検知して音声を最適化する「PositionIQテクノロジー」によって、どんな向きに置いてもこのバランスのサウンドが楽しめるのも特徴です。
シンプルな本体ボタンは直感的に操作可能で、モバイル機器(スマホなど)の音声コントロール機能にもアクセスできます。「Bose」アプリから設定できるイコライザー機能は、プリセットのサウンドモードがなく、低音増強/減衰、高音増強/減衰で調整するスタイル。特に高音の効果がわかりやすいので、普段は音質調整機能を利用しない人も試してみる価値がありそう。
シリコンコーティングのボディは耐久性が高く、カラーバリエーションはBoseのBluetoothスピーカーのなかで最も多く用意されています。好みに合わせて選べるのは嬉しいポイントですね。
連続再生時間は最大12時間と短め。フル充電に必要な時間もやや長い点は惜しいところですが、aptX Adaptiveにも対応しており、音質重視のユーザーにも応えるモデルと言えます。
・車のダッシュボードに置いて使うと、純正システムを軽々と超える圧倒的な高音質
・コンパクトながら音量、音質は期待以上だった
※2025年10月21日時点の、価格.com「SoundLink Max Portable Speaker」の製品ページに寄せられたユーザーレビューの一部を抜粋・編集しています。
本記事ではBoseのBluetoothスピーカーを紹介しましたが、JBLやソニーなど、すぐれた製品をラインアップするブランドは多数存在します。他ブランドの製品が気になるならば、以下関連記事もぜひ参照ください。
Bluetoothのバージョンには互換性があり、4.0以降のバージョンであれば、違うバージョン同士でも接続ができます。ただし、最新のBluetooth 5.0以降では、省電力化と通信の安定性が向上しているため、なるべく新しいバージョンを選んだほうが安心です。
はい、基本的には問題ありません。
通常は約10m程度が目安です。Bluetooth 5.0対応機なら通信がより安定し、壁越しでもつながりやすい傾向があります。
タブレットやパソコンのほか、Bluetooth対応テレビやオーディオプレーヤーと接続して使用可能です。アナログ音声入力(AUX端子)付きモデルならば、有線でも接続できます。
マイクを内蔵したハンズフリー通話対応モデルならば可能です。リモート会議用のスピーカーフォン代わりに使える場合もあります。