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2015年・夏のボーナス商戦 目玉商品投入のタイミングと冷夏の影響で、家電の商戦ピークは7月後半にシフト?

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家電市場では夏のボーナス商戦が始まっているが、実際のところ、今年2015年夏の家電市場はどのような動きを示しているのだろうか。昨年2014年は、消費税8%への引き上げに伴う駆け込み需要の反動を受け大いに消費がしぼんだ家電市場だが、今年はその影響はすでになくなっているのだろうか。価格.com上の消費者動向を元に、今年の夏のボーナス商戦の行方を占ってみた。

全般的に低調な家電製品。「4Kテレビ」がやや復調。エアコンは冷夏の影響受ける

図1 「家電」関連・主要5カテゴリーのアクセス数遷移(過去2年)

図1 「家電」関連・主要5カテゴリーのアクセス数遷移(過去2年)

図1は、価格.comの家電カテゴリーに属する、5つの主要カテゴリー(エアコン・クーラー、液晶テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、掃除機、洗濯機)のアクセス推移(過去2年間)を示したものだ。これから、6月下旬の1週間(2014年6月23日週、2015年6月22日週)のアクセス数を比較してみると、5カテゴリーのうち前年を上回っているものはひとつもない。世間的には夏のボーナス商戦まっただ中であるが、家電製品は全般的にこの夏あまり盛り上がっていないということがわかる。

2014年4月に消費税が8%に引き上げられたのにともなって、その直前に大型家電を中心とした駆け込み需要が起こった。その後の反動を大きく受けたのは、「冷蔵庫」や「洗濯機」といった大型家電だったが、このデータを見る限り、残念ながらいまだにその反動減からは抜け出せていないようだ。夏のボーナス商戦に入った6月中盤以降もあまり大きな伸びは見せておらず、微増にとどまっている。「エアコン・クーラー」に関しても、時期的に伸びてきてはいるが、ここまで冷夏が続いているため、大きな盛り上がりにはなっていない(図2)。

図2 「家電」関連・主要5カテゴリーのアクセス数遷移(過去3か月)

図2 「家電」関連・主要5カテゴリーのアクセス数遷移(過去3か月)

いっぽう、若干ではあるが伸びているのは、「掃除機」カテゴリーと、「液晶テレビ」カテゴリーだ(図2)。「掃除機」については、ここ1年かなり底堅い動きをしているが、これは、新機軸ともいえる「コードレススティック型」の掃除機の人気が高まっているため。従来よりもハイパワーになり運転時間も延びたことで、家庭用のメイン掃除機として、あるいは2台目の掃除機として購入する人が増えている。今夏のボーナス商戦でも、もっとも堅調なカテゴリーのひとつと言って差し支えないだろう。

図3 「4Kテレビ」売れ筋5製品のアクセス数遷移(過去3か月)

図3 「4Kテレビ」売れ筋5製品のアクセス数遷移(過去3か月)

図4 「4Kテレビ」売れ筋5製品の最安価格推移(過去3か月)

図4 「4Kテレビ」売れ筋5製品の最安価格推移(過去3か月)

また、「液晶テレビ」についても、ここ1年はほぼ右肩下がりだったものが、ここへ来て若干ではあるが持ち直し始めている。この流れを牽引しているのは、「4Kテレビ」だ。4Kテレビ自体はすでに2年前くらいから市場に出回ってはいるが、なかなか大きな盛り上がりになりづらかったのは、「コンテンツ不足」と「価格の高さ」にあった。しかし、まだ一部ではあるものの4K放送もこの春スタートし、4Kチューナー搭載モデルも登場するなど、4Kの将来性についてはあまり心配がなくなってきた。と同時に、4Kテレビの実勢価格もかなり下がってきており、今では50インチ前後の新モデルが20万円前後で購入できるほどになってきている。従来の2Kモデル(フルHDモデル)との価格差がそれほど大きくなくなってきたこともあって、ここへ来て、2Kモデルから4Kモデルへ買い換えるという動きが加速してきたようだ。

この動きを裏付けるのが、図3の4Kテレビ売れ筋モデルのアクセス推移だ。これを見ると、旧モデル(昨年の冬モデル)も、新モデルも、軒並み人気が上がってきていることがわかる。図4の最安価格の推移と合わせて見るとさらにわかりやすい。5月の初旬と比べどの製品も価格を下げており、なかには、パナソニック「VIERA TH-55CX800」のように、35万円程度から21万円台へと13万円以上も値を下げた製品もあり、かなり購入しやすい状況が生まれていると言える。4Kテレビ市場を牽引してきたソニーの最新モデル「BRAVIA KJ-55X9300C」については、発売日が7月4日に延期されたことで立ち上がり自体は遅いが確実に注目度を上げてきており、最安価格がもう少し下がってくれば、一気にブレイクする可能性も出てきた。

6月末より本格派の注目製品が登場してきたデジタルカメラ市場

図5 「デジタル一眼カメラ」「デジタルカメラ」カテゴリーのアクセス推移(過去2年)

図5 「デジタル一眼カメラ」「デジタルカメラ」カテゴリーのアクセス推移(過去2年)

図5は、「デジタル一眼カメラ」および「デジタルカメラ」カテゴリーのアクセス推移(過去2年)を示したものだ。これを見ると、ここ2年の間、デジタルカメラ市場はほぼ右肩下がりの様相を呈していたが、ここへ来て、両カテゴリーともやや底を打ったような動きが出てきている。具体的には、2015年6月18日以降にアクセスが底を打って上昇に転じているが、これには、注目の新製品の影響が大きく影響している。

図6 キヤノン「EOS 5Ds R」、ソニー「α7R II ILCE-7RM2」のアクセス推移(過去1か月)

図6 キヤノン「EOS 5Ds R」、ソニー「α7R II ILCE-7RM2」のアクセス推移(過去1か月)

その注目製品のひとつは、キヤノンが6月18日に発売したデジタル一眼レフカメラのフラッグシップモデル的な製品「EOS 5Ds R」だ。元々、今年2月の「CP+2015」にて発表されていた注目製品だが、約5060万画素という史上最高レベルの解像度を実現したことで大いに注目を集めており、45万円以上という高価格製品ながらも人気が高い製品だ。

そして、このキヤノン「EOS 5Ds R」の発売後すぐの6月26日に突如発表されたのが、もうひとつの注目製品であるソニー「α7R II ILCE-7RM2」である。こちらも、4240万画素という裏面照射型のフルサイズセンサーとしてはもっとも高い解像度を持つ高級ミラーレスカメラで、価格は40万円を超える高価格製品だ。発売は8月7日と、デジタルカメラの新製品としては異例の時期での発売となるが、こちらも現在非常に大きな注目を集めている。

図7 「デジタルカメラ」カテゴリー人気5製品のアクセス推移(過去1か月)

図7 「デジタルカメラ」カテゴリー人気5製品のアクセス推移(過去1か月)

「デジタルカメラ」カテゴリーのほうでも、注目製品がいくつか6月後半に発売になった。これまでも高い人気を保ってきた本格派モデル、ニコン「COOLPIX P900」や、キヤノン「PowerShot G7X」、ソニー「サイバーショット DSC-HX90V」といった製品に加え、6月25日には、キヤノンの1インチセンサー搭載機「PowerShot G3X」が発売され人気となっている。また、その翌日に発表されたソニーの1インチセンサー搭載機の新モデル「サイバーショット DSC-RX100M4」も7月31日発売ながらすでに多くの注目を集めている。

このように、デジタルカメラ市場については、注目モデルが6月後半以降に徐々に発売されてきていることもあって、商戦のピークも、7月下旬から8月上旬にかけての時期にシフトしそうだ。やや低調な推移を続けてきたデジタルカメラ市場ではあるが、今年の夏のボーナス商戦はやや遅れて盛り上がってきそうな気配がある。

Windows 10のリリースを前に買い控えが起こっているパソコン市場

図8 「パソコン」主要3カテゴリーのアクセス推移(過去2年)

図8 「パソコン」主要3カテゴリーのアクセス推移(過去2年)

最後に、パソコン市場だが、図8のグラフを見るとわかるように,パソコン市場は、昨年4月を境に大きくアクセスを減らしている。これは、消費税の税率アップに伴うものというよりは、昨年4月でサポートを終了したWindows XPからの買い換え需要の反動と見たほうがいいだろう。それまでWindows XP搭載パソコンを使っていたユーザーが、サポート終了直前に駆け込み需要的にパソコンを購入したことで、需要の先食いが起こり、ここ1年はパソコン市場は全体的に低調のままだった。

しかし、6月末くらいからは、その動きにもわずかながら変化が見られる。特に、ノートパソコンやタブレット端末のカテゴリーでは、底を打って上昇に転じているのがわかるだろう。とはいえ、まだまだ以前ほどの勢いはない。と言うのも、パソコン市場では、現在、7月末に正式リリースされる新OS「Windows 10」の登場待ちというムードが強く、そのための買い控えが起こっているからだ。

もちろん、Windows 10は、従来のWindows 7や8.1のユーザーであれば、無償でバージョンアップできるため、新モデルを待たなくても特に問題はないのだが、どうせであれば、最新OSが初めから入ったパソコンを購入したいというユーザーも根強くいる。そのため、今年の夏のボーナス商戦では、パソコンの動きは鈍いが、おそらく7月末から8月初旬にかけて、Windows 10搭載パソコンが出てくれば、市場も盛り上がりを見せるだろう。こちらも、例年に比べると、やや遅れての商戦ピークとなりそうだ。

今年の夏のボーナス商戦は、7月後半〜8月初旬にピークシフトする可能性大

以上見てきたように、今年の夏のボーナス商戦は、目玉商品の発売が7月末〜8月初旬にかけて多いことと、冷夏の影響から、現状ではあまり大きな動きにはなっていない。しかしながら、7月後半以降になると、梅雨明けとともに暑くなることでエアコンや冷蔵庫の動きが活発化することが予想されるほか、7月末以降にデジタルカメラの目玉商品が投入されたり、Windows 10がリリースされることもあって、7月後半から8月初旬にかけて市場全体の動きが活発化することが予想される。今年の夏は、例年よりも、商戦のピークは遅れてやってきそうだ。

鎌田 剛(編集部)

鎌田 剛(編集部)

価格.comの編集統括を務める総編集長。パソコン、家電、業界動向など、全般に詳しい。人呼んで「価格.comのご意見番」。自称「イタリア人」。

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2017.6.26 更新
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