イギリスのブランドから登場した超ハイコストパフォーマンスイヤホン。音は後述の通りハイレベルだし、超小型の金属筐体はシンプルで美しい形なうえに仕上げもよい。その超小型筐体は耳への収まりのよさで屋外周囲の騒音に対する遮音性、そして装着時の違和感の少なさにも貢献している。
超小型の筐体と小口径ドライバーからは予想しにくいベースやドラムスの図太さと、ほどよくシャリっとして明快なシャープネスを感じさせるハイハットシンバルなど、低域、高域共にしっかりとしたアクセントがありつつ全体のバランスもよい。地味すぎず派手すぎず、初めてのイヤホン購入でも「音がよくなった!変わった!」とわかりやすいであろうタイプの音だ。しいて言えば高域のシャリの成分は少し目立つので、鋭い音が苦手な人には合わないかも。逆にシャープさ歓迎!な方には特に推したい。
RHAのS500。カラーバリエーションはなし
現在オーディオ部門はオンキヨーやパイオニアと同じくギブソングループに属している、フィリップスのエントリーモデル。見た目フツーすぎ……と思ったかもしれないが、装着感も普通だし、遮音性も普通だし、後述のように音も普通だ。強いて言えばリモコン&マイク搭載がスマホとの組み合わせでの便利ポイント。
しかし音質面ではその「普通でありつつのレベルの高さ」が特徴。中域から低域のベースやドラムスの太さの帯域あたりを少しだけプッシュしてあるが、そのほかはごく普通=とても自然なバランスや音調で心地よい。その少しのプッシュも屋外の騒音下で低域が聴こえにくくなる分の補正として考えればやはり自然。その自然さのおかげでどんな音楽を聴いても「この音楽にこのイヤホンは合わないなー」なんてことは滅多にない。遮音性、そして音漏れの部分は少し弱いが、その他はほぼオールマイティと言える。
PhilipsのTX2 。カラーバリエーションはホワイトとブラックの2モデル
ソフトバンクがイヤホン?と思ったかもしれないが、高品質なスマホアクセサリーを展開する「セレクション」ブランドの製品ということで実はこのイヤホンもなかなかのもの。金管楽器をモチーフにしたデザインの筐体に様々な音響技術を搭載。いわゆる「ハイレゾ対応」ロゴ取得モデルでもある。またソフトバンクだから当然、リモコン&マイクも搭載。
音質傾向は今回紹介する中ではいちばんフラットかもしれない。フラット、つまりどの帯域にも強調がない印象だ。ポータブルオーディオは低域を少しプッシュしている製品が多いので、それらと相対的に比べると低域弱め、高域強めに聴こえるかもしれない。どちらがよい悪いの話ではないが、ボーカルの息遣いやシンバルの抑揚など音楽の繊細な部分を特に聴き込みたいという方には、シュッとした高域が際立つこういうタイプのイヤホンが合うだろう。
Softbank SelectionのSE-5000HR。カラーバリエーションは、ブラック、カッパー、ゴールドの3モデル
ミュージシャンがステージ上で使うマイクやイヤホンなどプロオーディオ分野の老舗定番ブランドからのエントリーモデル。もちろん、ほかにもさまざまなポイントがあるのだが、何しろ遮音性が極めて高い! 低反発素材耳栓のような感じのソフト・フォーム・イヤパッドをきちんとサイズ選択して使った際には、ノイズキャンセリングヘッドホンとかと比べても負けないのでは?のレベル。あとこのモデルは本体とケーブルが脱着可能で断線修理等が簡単な、いわゆるリケーブル対応だ。
音質的には中低域の豊かさと全体的なパワフルさが持ち味で、迫力のグルーヴを楽しみたい方にはぴったり。新しいモデルではないこともあって、現在の基準からすると高域側のシャープさやクリアさは良好とは言えないが、それが生み出すウォームな味わいが逆によい!と感じる方もいるかもしれない。なおこのモデルをベースにさらに低域重視にチューニングした「SE215 Special Edition」も用意されている。
ShureのSE215。カラーバリエーションはなし
さて今回はここまで。次回はスマホをベースにしつつ音をよくしていくための次なるアイテム、
ポタアン(ポータブルヘッドホンアンプ)
ハイレゾ対応高音質再生アプリ
を紹介する予定だ。