レビュー

JBLのBluetooth対応ハイエンドヘッドホン「EVEREST 700」レビュー

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JBL製ヘッドホン・イヤホンの次世代の最上位シリーズ「EVEREST(エベレスト)シリーズ」が登場した。JBLヘッドホンの上位シリーズでは初めて全モデルにBluetooth接続に対応するのが大きな特徴で、デザインも刷新されている。ラインアップは「EVEREST 700/300/100」と「EVEREST ELITE 700/300/100」の計6モデル。ELITEが付くのはノイズキャンセリングモデルだ。1月28日より順次発売されている(EVEREST ELITEのは春頃の発売予定)。今回は、発売が開始されたEVERESTの上位モデル「EVEREST 700」をレビューしよう。

JBLのEVEREST 700。オーバーイヤー型のヘッドホンだ

JBLのEVEREST 700。オーバーイヤー型のヘッドホンだ

最高峰のフロア型スピーカーの名が付いた意欲作

EVERESTシリーズは、従来の最上位シリーズ「SYNCHROS S(シンクロス エス)」を置き換える、JBLヘッドホンのハイエンドモデル。機能面では、同社のハイエンドヘッドホンとして初めて全モデルにBluetooth接続(コーデックはSBC)を採用したのがトピック。エントリーモデルでしか使えなかったワイヤレスでの音楽再生が、最上位シリーズでも楽しめるようになったのだ。もちろん有線接続にも対応しており、シーンに応じて切り替えて使用できる。

「最上位シリーズでなぜワイヤレス対応なの?」と思うかもしれないが、JBLの本国(米国)では音質と同じくらい使い勝手も重視されており、1万円以上の高級機がBluetoothに対応するのが最近のトレンドになっている。JBLも新モデルでそのトレンドを押さえてきたというわけだ。また、EVERESTシリーズは本体にマイクも内蔵しており、エコーキャンセリング技術を搭載することで、高品位なハンズフリー通話も行える。

もちろん音質も重視して設計されており、スマートフォンとの連携や手軽さといったトレンドを押さえつつ、ワイヤレスでもJBLサウンドを十分に堪能できる製品となっている。力の入った製品であるため、JBL70年の歴史において数百万円するフロア型スピーカーの最高峰モデルに使用されてきた「EVEREST」の名前が使われているのも押さえておきたい点だ。

新開発の40mm径ドライバーを採用。「ShareMe2.0」にも対応する

今回レビューするEVEREST 700は、無印EVERESTの上位モデルだ。ボディは丸みのあるデザインで、折りたたみに対応。カラーバリエーションはブラック、ブルー、グレーの3色で、ブルーはビビッドな色合いのカラーバリエーションとなっている。ハイエンドヘッドホンというと無骨で大きいというイメージを持つかもしれないが、EVEREST 700は、そうしたイメージではなく、カジュアルでポップな印象を受ける。

ドライバーには、ワイドレンジ再生を実現したという新開発の40mm径ドライバーを採用。ちなみに、下位モデルのEVEREST 300もほぼ同一の40mm径ドライバーを搭載しているが、EVEREST 700が耳全体を覆うオーバーイヤー型なのに対し、EVEREST 300は耳の上に載せるオンイヤー型。両モデルは音の傾向が異なっており、聴き比べた限りは、チューニングが若干異なっていることが確認できた。

再生周波数特性は10Hz〜22kHz。対応プロファイルはA2DP 1.3、AVRCP 1.5、HFP 1.6、HSP 1.2に対応。インピーダンスは16Ω、感度は102dB/mW(いずれも有線接続時)。バッテリーは充電式で電池は取り外し不可。充電はUSBで、最大約25時間の再生が可能(EVEREST 300は20時間)。重量は274g(ケーブル含まず)。

折りたたみできる本体

折りたたみできる本体

折りたたみ部

折りたたみ部

充電用のUSBポートと有線接続時のステレオミニプラグ

充電用のUSBポートと有線接続時のステレオミニプラグ

肉厚のイヤーパッド。立体縫製で装着感もなかなか

肉厚のイヤーパッド。立体縫製で装着感もなかなか

さらに、EVEREST 700(とEVEREST 300)は、「ShareMe2.0」とよばれる音楽のシェア機能が搭載されている。これはEVEREST 700/300で聴いている音楽を、別のBluetooth機器に飛ばす機能だ。従来の「Share Me」ではJBLブランド同士でしか使えなかったが、Share Me 2.0ではメーカー問わず使えるようになっている。

音質インプレッション

試聴は、Astell & Kernのハイレゾ対応ポータブルプレーヤー「AK380」を使用して行った。

有線接続時の音質については、全体的に切れ味がよく階調表現豊かな低域が印象的。打ち込み系の重低音から、ウッドベースの音までしっかりと聴こえてくる。深い低音を切り捨てている印象はなく、また、バスドラムは適度な量感を持ちつつスピード感もあるので、量感と勢いのバランスはよくとれている印象だ。

ボトムがしっかりしているためか少し厚めに聴こえるボーカルは、わりとクセがなくフラット。音源との距離感を多少感じるが、男性・女性ともにバランスよく聴こえている。混声合唱も思いのほかいい具合だ。シャープに聴こえるためか広がりは薄いものの、高音は透明感がり、響きも悪くない。

Bluetooth接続の音質については、繊細さは有線接続が有利であるものの、楽曲のイメージが大きく損なわれるような感じには聴こえてこなかった。Bluetooth接続としては高音質を実現していると感じた。

まとめ

EVEREST 700は、オーバーイヤー型ながら携帯できるサイズ感で、折りたたみできるギミックを装備。ワイヤレスだけでなく有線でも使えるので、出先ではワイヤレスで手軽に使い、逆に自宅ではケーブルをつなげて高音質に楽しむ、といったようにシーンに応じて切り替えて使用することができる。

また、ハウジングにマイクを搭載するほか、付属ケーブルにもマイクを内蔵。有線・無線どちらでもスマートフォンと接続することでハンズフリー通話が可能だ。音楽を聴くだけでなく、コミュニケーションデバイスとしても活躍できる。

もちろん、JBLの製品らしく、有線でもBluetoothでもレベルの高いサウンドを実現している。

このように、EVEREST 700は、いろんなシーンで活用できる、高音質なオーバーイヤー型のBluetooth対応ヘッドホンに仕上がっている。価格.com最安価格は27,000円程度(2016年2月2日時点)。機能と音質を考慮すると、コストパフォーマンスは悪くない製品だ。

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銭袋秀明(編集部)
Writer
銭袋秀明(編集部)
編集部の平均体重を底上げしている下っ端部員。アキバをフィールドワークにする30代。2015年4月、某編集部から異動して価格.comマガジン編集部へ。今年こそ、結果にコミット!
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