毎年春と秋の2回行われるヘッドホン・イヤホンの祭典「ヘッドフォン祭」。今年の春は「春のヘッドフォン祭2016」として、4月29日(金・祝)と30日(土)の2日間にわたって東京・中野の中野サンプラザで開催される。2008年の初回より通算17回目の開催となる今回は、前回の「秋のヘッドフォン祭2015」同様、中野サンプラザの6・7・11・13・14・15の計6フロアを使用。国内外のヘッドホン・イヤホンメーカーが多数出展し、注目製品の展示のほか、新製品発表会やイベントが実施される。今年はゴールデンウィーク初日からの開催となり、過去最多の来場者数を記録した「秋のヘッドフォン祭2015」以上ににぎわいそうだ。ここでは、現時点で明らかになっている注目の新製品やイベント情報を一挙にご紹介しよう。なお、1ページにはイヤホン、ヘッドホン、カスタムIEM、2ページ目にはDAP、ポータブルアンプなどのその他注目製品、イベント情報を掲載している。随時更新していくので、「春のヘッドフォン祭2016」に行く人はぜひ参考にしてほしい。
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ULTRASONE「Tribute 7」
ULTRASONEブースは、「ヘッドフォン祭2016 春」のポスターにもデザインされている「Tribute 7」を日本初お披露目する。「Tribute 7」は、ULTRASONE の名機「Edition7」の復刻モデルという位置付けで、オリジナルの「Edition7」のサウンドを忠実に再現しつつ、ULTRASONEで 初となるアルミニウム削り出しのハウジングや、耐久性と通気性にすぐれる「アルカンターラ」をヘッドバンドに採用するなど、新技術を取り入れているという。世界限定777台という超レアモデルなので、気になる方はぜひブースに足を運んでみよう。
ゼンハイザー「HE-1」
ゼンハイザーブースでは、フラッグシップヘッドホンシステム「HE-1」が国内初出展される。同社が1991年に発売したヘッドホン「Orpheus」の後継に位置付けられる製品で、コンデンサー型ヘッドホン「HE 1060」と真空管ヘッドホンアンプ「HEV 1060」で構成。価格は約5万ユーロとなっており、日本円で約625万円(1ユーロ125円時)という世界一高級なヘッドホンシステムとなっている。多数の来場が予想されるため、抽選による特別試聴会という形を取っていたが、応募多数で申し込みにはすでに終了してしまったとのこと。
コノハズク「Konohazuk H3」
木製打楽器などを手掛けるコノハズク。初出展となる今回は、ヘッドバンドからハウジングに至るまで、本体ほぼすべてに国産ブナ材を使用して話題を呼んだ“木のヘッドホン”「Konohazuk H3」を展示する。クラウドファンディング「kibidango」にて支援者の募集を開始し、目標額をすでに達成した「Konohazuk H3」。発売は今冬を予定しているが、「ヘッドフォン祭2016 春」の会場ではいち早く視聴することが可能だ。
MrSpeakers「ETHER 1.1」
昨年開催された「秋のヘッドフォン祭 2015」で平面磁界駆動型ヘッドホン「ETHER」と「ETHER C」の発表会を開催し、国内のハイエンドヘッドホン市場に参入を果たしたMrSpeakers。「春のヘッドフォン祭2016」では、発表されたばかりの新モデル「ETHER 1.1」と「ETHER C 1.1」を展示する。また、イベント会場では、開発中の新技術を日本のユーザーに向けていち早く案内する説明会も開催。説明会の会場は6Fのチャペルで、イベント初日の13時15分スタートだ。
Campfire Audio「ANDROMEDA」
ミックスウェーブブースの目玉は、米Campfire Audioの新型イヤホン「ANDROMEDA(アンドロメダ)」と「NOVA(ノヴァ)」だ。バランスド・アーマチュア型ドライバーを5基搭載したフラッグシップモデルの「ANDROMEDA」は、4ドライバーモデルの「JUPITER」同様、「Resonator assembly」と呼ばれる独自のチューブレス設計を採用。「JUPITER」に比べて中域の表現力が改善し、低域から高域にかけてより安定した階調が得られるという。「NOVA」は、バランスド・アーマチュア型ドライバー2基搭載。2ドライバー両方をフルレンジで使用し、下位モデルの「ORION」よりも余裕感のあるサウンドステージを作り上げているという。いずれも、ブースでの展示を予定しており、Campfire Audio代表のKen Ball氏が製品について直接説明してくれるとのことだ。
Westone「AM PRO 30」
老舗メーカーWestoneの注目製品は「AM PRO」シリーズだ。最大の特徴は、ハウジングに穴を設けることで、ステージ上のミュージシャンがモニタリングしながら周囲の音も確認できるようにする“アンビエント”機構を備えたこと。2月に開催された「ポータブルオーディオ研究会 2016冬(ポタ研)」では「AM PRO 10」のみの出展だったが、今回は3ドライバーの「AM PRO 30」、2ドライバーの「AM PRO 20」、1ドライバーの「AM PRO 10」のフルラインアップを試聴できるとのことだ。このほか、会場限定のキャンペーンも実施。キャンペーンでは、Westone製品を購入したユーザーに対して各日先着20名にオリジナルTシャツをプレゼントする。また、Westone製品を購入したユーザーとWeston製品使用ユーザーは、希望すれば3D スキャナーによる耳型スキャンも体験できるとのことだ。
フォステクス「TE100」
フォステクスブースでは、同社で初となるダイナミック型ドライバーとバランスド・アーマチュア型ドライバーのハイブリット構成を採用したユニバーサルタイプのイヤホン「TE100」が展示される。シェルの製造には、3Dプリンターを使用。ダイナミック・ドライバーには、密閉型で特にシビアな左右・個体毎の差をなくすため、独自モジュール化構成のドライバーを使用したという。このほか、FitEarのエアーコントロール技術を採用。ダイナミック・ドライバーを使用するイヤホンでは音作りが難しかった通気穴のない、高密閉・高遮音性ハイブリッドタイプ・イヤホンを実現したという。
Fender「IN-EAR MONITORS」シリーズ
完実電気の展示スペースには、同社が正規輸入代理店契約を締結したアメリカの楽器メーカーFenderのブースが出展。同社が手掛けるイヤホン「IN-EAR MONITORS」シリーズを国内初披露する。アメリカから担当者も来日するとのことなので、興味のある方はぜひブースに足を運んでみよう。
AROMA「Witch Girl Pro」
Top Wing Cybersound Groupブースは、ダイナミック型ドライバーとバランスド・アーマチュア型ドライバーのハイブリット構成を採用したAROMA社の6ドライバーイヤホン「Witch Girl Pro」や、SoundMAGIC社のBluetoothヘッドセット「BT100」といった同社取り扱いメーカーの新モデルを多数展示予定だ。また、季刊アナログ編集部と共同で、iFi AudioやM2TECHの新製品発表会、豪華ゲストを呼んだトークイベントなども予定されている。
Venture Electronics「VE MONK」
イヤホンやアンプなどを手掛ける中国のVenture Electronicsが、「ポータブルオーディオ研究会 2016冬(ポタ研)」に続き、「春のヘッドフォン祭2016」に参戦。日本総代理店を務めるJuice Barのブースにて、インナーイヤー型イヤホンの入門機「VE MONK」(1,200円/税込)と、上位モデルの「VE ASURA」(13,000円/税込)が展示される。これらの製品は、イベント当日より販売が開始されるほか、「VE MONK」については、2.5mm4極バランス端子を採用した会場限定モデルも用意されるとのこと。
音茶楽「Flat4-玄Ti Plus(KURO Ti Plus)」
音茶楽は、先日発表された「Flat4」シリーズの新モデル「Flat4-玄Ti Plus(KURO Ti Plus)」と「Flat4-緋Ti Plus(AKA Ti Plus)」を出展する。それぞれ、「Flat4-玄弐型」と「Flat4-緋弐型」の上位モデルという位置付けで、新たに純チタニウム材から削り出しセンターキャビネットを採用し、「Flat4」シリーズの中でもっとも力強く、爽快な音に仕上がっているという。会場では試聴展示のほか、少量ながら先行販売も予定。また、相島技研製のゲルマニウム・トランジスタ・アンプの試作品の展示も予定しているとのこと。
インイヤーヘッドホン「NW-STUDIO」シリーズなどを手掛けるninewaveは、ひさびさに新製品発表会を開催。ハイエンドのインイヤー型にこだわった新フラッグシップモデルと、大人気アニメとコラボレーションしたモデルを会場で発表するという。発表会会場は6Fのチャペルで、イベント初日の15時30分スタートだ。
カナルワークス「CW-L52」
国産カスタムIEMメーカーのカナルワークスは、3ウェイ6ドライバー構成を採用した新リファレンスモデル「CW-L52」「CW-L52PSTS」や、ドラマーやベーシストに最適なモデルなど、先日発表したカスタムIEMの新モデル5機種に注目だ。ちなみに、新製品はイベント当日より受注開始となっている。
FitEarブースは、3ウェイ4ドライバー構成のカスタムIEM「MH334」に対するスタジオリファレンスアップグレードサービスの正式受付に先立ち、会場限定で先行受付を行う。「MH334」のスタジオリファレンスアップグレードサービスでは、ネットワークのオプティマイズを実施し、周波数レンジの拡大と中低域解像度の向上を目指したという。なお、ブースにはアップグレードを適応した「MH334 Studio Reference」の試聴機も用意される。
ソニーの五代目耳型職人・松尾伴大氏が中心となって立ち上げたJust Earは、カスタムIEM「XJE-MH1」と「XJE-MH2」の発売1周年を記念して、「1周年記念チューニングモデル」の会期中のみの販売を検討しているとのこと。「秋のヘッドホン祭 2015」でも、AVライターの野村ケンジ氏とのコラボモデル「Night of Knife」を6台限定で発売したが、即完売になってしまったので、気になる人は要チェックだ。