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低迷デジタル一眼カメラ市場で光る、オリンパス「OM-D E-M1 MarkII」の評価とは?

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発売から半年にわたって人気を維持してきた、オリンパスのフラッグシップ機

オリンパス「OM-D E-M1 MarkII」(レンズは別売)

オリンパス「OM-D E-M1 MarkII」(レンズは別売)

図1:「デジタル一眼カメラ」カテゴリーのアクセス数推移(過去6か月)

図1:「デジタル一眼カメラ」カテゴリーのアクセス数推移(過去6か月)

今年2017年、デジタル一眼カメラ市場が全体的に不調気味だ。図1は、「価格.comトレンドサーチ」で見た、ここ半年における、価格.com「デジタル一眼カメラ」カテゴリーのアクセス数推移であるが、昨年末から右肩下がりの傾向がほとんど変わっていない。アクセス数ベースでは、500万PV/週から300万PV/週程度まで落ち込んでおり、約4割程度も減少していることになる。期待されていた2月末の展示会「CP+ 2017」でも、キヤノン以外のメーカーからはほとんど新製品が発表されず、盛り上がりを欠いた。なお、直近で5月末くらいからアクセスが上昇に転じているのは、以前にお伝えしたソニー「α9」の発売(5月26日)による効果が大きい。

そんな低迷気味のデジタル一眼カメラ市場で、異彩を放っているのが、オリンパスが昨年末の12月22日に発売した「OM-D E-M1 Mark II」である。本機は、オリンパスのデジタルカメラにおけるフラッグシップモデルであり、AF/AE追従最高18コマ/秒、AF/AE固定最高60コマ/秒という驚異的な高速連写を実現した製品だが、価格.comの「デジタル一眼カメラ」カテゴリーでは、発売から約半年が経過した今も、売れ筋ランキングで3位、注目ランキングでも3位という好ポジションにつけている(2017年6月14日時点)。5月末にソニーから「α9」が、そして先週6月9日には、ニコンから中級モデルの注目機「D7500」が発売されたタイミングであるにも関わらず、これらと互角かそれ以上の人気を持続する「OM-D E-M1 Mark II」の魅力はどこにあるのだろうか。

図2:「デジタル一眼カメラ」カテゴリーの売れ筋上位5製品のランキング推移(過去6か月)

図2:「デジタル一眼カメラ」カテゴリーの売れ筋上位5製品のランキング推移(過去6か月)

図2は、「デジタル一眼カメラ」カテゴリーの売れ筋ランキング上位5製品のランキング推移を示したもの。これを見ると、発売から4年以上ものロングセラーを続けているキヤノン「EOS Kiss X7 ダブルズームキット」が安定した強さを見せており、その下に、同じくキヤノンの人気フルサイズ機「EOS 5D Mark IV」が続く展開であることがわかる。3位以下は移り変わりが激しいが、「OM-D E-M1 Mark II」は発売された12月末から比較的上位に食い込んでおり、3〜5月にかけて一時期落ち込んだ時期はあったものの、5月末くらいから再び人気を取り戻している。ちなみに、同じオリンパスの「OM-D E-M10 Mark II EZダブルズームキット」(2015年9月発売)も、ここのところ再び人気となっているが、これは主に価格面での値ごろ感が評価されたものと言ってよさそうだ。

図3:「デジタル一眼カメラ」カテゴリーの売れ筋上位5製品のアクセス推移(過去6か月)

図3:「デジタル一眼カメラ」カテゴリーの売れ筋上位5製品のアクセス推移(過去6か月)

図3は、上記5製品のアクセス推移を示したものだが、今年の年初には「OM-D E-M1 Mark II」がダントツの一番人気であったことがわかる。その後、アクセスは下がっていくが、4月くらいにいったん底を打って反転。現状ではほぼ首位と肩を並べるくらいまで戻している。現在は、ソニー「α9」、ニコン「D7500」との三つ巴状態で首位を争っている状態だ。

図4:「デジタル一眼カメラ」カテゴリーの売れ筋上位5製品の最安価格推移(過去6か月)

図4:「デジタル一眼カメラ」カテゴリーの売れ筋上位5製品の最安価格推移(過去6か月)

図4は、上記5製品の最安価格推移を示したものだが、この5製品の中では、フルサイズ機のキヤノン「EOS 5D Mark IV」が33万円台と飛び抜けて高く、「OM-D E-M1 Mark II」が18万円台でこれに続く。6月9日に発売されたニコン「D7500」は14万円台で推移中だ。その他の2製品は4〜7万円台の低価格で、キットレンズが2本付くという、値ごろ感が好感されての人気と言えるだろう。

評価のポイントは、コンパクトボディかつ、高速レスポンス&強力な手ぶれ補正による機動性の高さ

このように、現在のデジタル一眼カメラ市場の中でも、決して安いとは言いがたい「OM-D E-M1 Mark II」であるが、それでも比較的安定した人気を維持しているのはなぜか? この理由を、本機のユーザーレビューの評価から探ってみよう。

図5:「OM-D E-M1 Mark II」のユーザー評価(2017年6月14日時点)

図5:「OM-D E-M1 Mark II」のユーザー評価(2017年6月14日時点)

図5は、「OM-D E-M1 Mark II」のユーザー評価を示したもの。満足度は4.65(レビュー投稿者数39人)で、ほぼカテゴリー平均となっている。特に突出した満足度というわけでもなさそうだ。その内訳を見てみると、「デザイン」(4.61)、「携帯性」(4.58)、「機能性」(4.44)、「ホールド感」(4.70)などが高めの評価。「画質」については4.56で悪くはないが、ほぼカテゴリー平均並みだ。逆に評価が低めなのが、「操作性」(4.18)、「バッテリー」(3.90)など。総じてまとめると、ミラーレス機であるためにボディが小型で、携帯性やデザイン、ホールド感にはすぐれるが、画質は平均的。操作性やバッテリーの持ちに関しては、小型であるだけにやや難あり、といったところだろうか。

ただ、ユーザーレビューの中身を事細かに読んでいくと、上記の数値に現れない本機の魅力が見えてくる。「何と言っても動体AFと連写性能は素晴らしいです!!小学生の運動会はもちろん、高速なものでいうとカービングターンでかっ飛ばしている上級スキーヤーすら余裕でとらえ続けます。」

「各機能、充分すぎるほどです。特に、12-100mmと組み合わせたときの手ぶれ補正は脱帽ものの強力さです。」

「カメラがようやくレンズ性能に追いついたと感じます。特に連写性能においては他社に追随を許さない圧倒的な威力があり、今までのオリンパス機ではなし得なかった領域に入ってきた感じです。」

「(初代「OM-D EM-1」と比べて)手ぶれ補正がマジでパワーアップしてます。全ての処理速度が高速化しています。C-AFがS-AFと同じくらいの速さになりました。連写時のEVFでの見え方が格段に向上しています。」

「AF-Sは勿論、AF-Cがとにかく素晴らしいです。滑り台の真下で降りてくる子供を20連射くらいしても、ほとんどピント合ってます。」

上記のユーザーレビュー(抜粋)からもわかるように、本機はその強力な高速連写機能と、同じく高速なAF精度、そして強力な手ぶれ補正機能、この3点が多くのユーザーから高く支持されていることがわかる。図5の「機能性」という評価が高かったのは、主にこのあたりの性能によるものだろう。これらを組み合わせることで、手持ちでの動体撮影が格段にしやすくなり、スポーツ撮影や、動き回るお子さんの撮影などががぜん楽しくなったと評するユーザーの声も多い。画質については、プラスでなくマイナスでもなく、「十分な画質」と評する意見が多いが、それは本機のコンパクトボディと裏腹な部分が多く、むしろコンパクトであることから外に持ち出す機会が増え、登山やアウトドアなどでの撮影に便利になった、という声も多い。

このように、「OM-D E-M1 Mark II」は、コンパクトボディのミラーレス一眼でありながらも、本機独自の高速連写や高速AF、強力な手ぶれ補正機能などによって、「手軽に持ち出して手持ちで撮影しても、失敗することが少ないカメラ」として高い評価を得ていると考えられる。価格はボディのみで20万円前後と、決して安い製品ではないが、「このカメラでなければ撮れない写真がある」と評する声もあるほど、コンパクトで高性能な本機ならではのメリットは、十分価格に見合ったものととらえるユーザーが多いようだ。

図6:「OM-D E-M1 Mark II」のライバルランキング(2017年6月13日時点)

図6:「OM-D E-M1 Mark II」のライバルランキング(2017年6月13日時点)

図6は、そんな「OM-D E-M1 Mark II」の、6月13日時点でのライバルランキングを示したものだが、ライバル1位は、5月26日に発売され、話題沸騰中のソニー「α9」となっている。また、2位にパナソニックのフラッグシップ機「LUMIX DC-GH5」がつけており、本機の購入を考えている多くのユーザーが、コンパクトなミラーレス機のフラッグシップ機同士を比較検討していることがわかる。

これらの製品に共通する特徴は、ミラーレス機ならではのコンパクトボディと、高速連写機能やすぐれた動画撮影機能を搭載すること。従来は、大型のデジタル一眼レフカメラを持ち出して撮影を楽しんでいた写真愛好家層が、より小型で持ち出しやすい製品をセカンドカメラとしてチョイスするという傾向は以前からあったが、最近では、これらの大型デジタル一眼レフをしのぐような性能を持った、すぐれた機能を持ったミラーレス機が多く出てきたことによって、こちらのほうがメイン機材となるという逆転現象もあちこちで起こっているようである。本機「OM-D E-M1 Mark II」の人気も、こうしたトレンドに沿ったものと言えそうだ。

鎌田 剛(編集部)

鎌田 剛(編集部)

価格.comの編集統括を務める総編集長。パソコン、家電、業界動向など、全般に詳しい。人呼んで「価格.comのご意見番」。自称「イタリア人」。

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2017.12.15 更新
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