レビュー
フルサイズミラーレスは、果たしてオートサロンの撮影で使えるのか!?

キヤノン初のフルサイズミラーレス「EOS R」で東京オートサロンを撮ってみた

EOS Rはどこまでレンズ資産を継承できるのか

EOS Rは、フルサイズミラーレス機としてフランジバックの短い「RFレンズシリーズ」を使用したシステム構築がなされています。キヤノンが、一眼レフなどの交換レンズ式カメラのマウントを変更するのはFL・FDマウント、EFマウントに続いて2回目となります。前回のEFマウントへの変更では、FDマウントユーザーからかなりの不満が出たのですが、今回のRFマウントシステムでは過去のレンズ資産がどれほど継承されるのかも気になるところです。

キヤノン「EOS R」へマウントアダプター「EF-EOS R」を装着することによって、EOS RでEFレンズを使用することができます

EOS Rに完全対応したRFレンズ群は、2019年1月末現在で標準系ズームレンズ2本、単焦点レンズ2本の4本が発表、発売されていますが、これ以外はEFレンズ群を利用しなくてはなりません。そのため、EOS Rのアクセサリーには、EFレンズを使用するためのマウントアダプターが4種類用意されています。今回は、その中からマウントアダプター「EF-EOS R」を使用してEFレンズの資産がどれほど継承できるのかを、ポートレート撮影で検証したいと思います。なお、検証に使ったEFレンズは、すべて筆者の私物になります。

初めに、EOS Rのもっともベーシックな組み合わせである「RF24-105mm F4 L IS USM」を使用して撮影します。

この写真は、東京オートサロン2019のCSOブースにも登場したレースクイーンの霧島聖子さんを撮影したもので、上の写真が105mm、下の写真が24mmです。これを基準に、EFレンズ資産の使用検証をしてみましょう。

キヤノン「EOS R」に、「EF50mm F1.8 STM」レンズを装着して撮影(マウントアダプター「EF-EOS R」を使用)
拡大写真を見る:1.95MB

最初に検証したのは、「EF50mm F1.8 STM」。キヤノンでもっともコストパフォーマンスにすぐれたレンズとして有名で、親しみをこめて(?)“撒き餌レンズ”とも言われているものです。f1.8という絞り開放値で、背景がかなりのボケを見せておりポートレート入門レンズとしてもかなり普及しています。

AF速度は、さすがに「RF24-105mm F4 L IS USM」には引けをとりますが、それでも実用的にはまったく問題ありません。原寸ピクセルに拡大してみても、「RF24-105mm F4 L IS USM」とほぼ同等の解像力です。普及価格帯とはいえ、単焦点レンズの面目躍如と言えるでしょう。RFレンズには、「50mm F1.2 IS USM」という単焦点レンズもありますが、希望小売価格換算で「EF50mm F1.8 STM」が17本も買えてしまうという金額であるため、もしこの「EF50mm F1.8 STM」をすでに所有しているのであれば、当面は使えるレベルであると思えます。

続いては、古めのEFズームレンズ「EF28-135mm f3.5-5.6 IS USM」です。フィルムからデジタル高画素への移行期に設計されたレンズです。現在では生産が終了しており、2021年に修理対応期間が終了するというものですが、標準系ズームとしては望遠側が135mmと長めで、「EF24-105mm F4L IS USM」が登場しても、長らく人気が高かったことで知られるレンズです。

キヤノン「EOS R」に、「EF28-135mm f3.5-5.6 IS USM」レンズを装着して撮影(マウントアダプター「EF-EOS R」を使用)
拡大写真を見る:1.79MB

さすがに設計の古いレンズですので、広角端の28mmではゆがみの大きさが目立ちます。そして原寸ピクセルに拡大すると描写の甘さもうかがい知れます。ですが、USMということでAF速度は「EF50mm F1.8 STM」よりも早く、快適であると言えます。

キヤノン「EOS R」に、「EF28-135mm f3.5-5.6 IS USM」レンズを装着して撮影(マウントアダプター「EF-EOS R」を使用)
拡大写真を見る:1.81MB

続いて、望遠端ではどうでしょうか。さすがに「RF24-105mm F4 L IS USM」には及びませんが135mm側では解像力が上がっており、細部にいたるまで良好な写真に仕上がっているという印象です。AF速度も、RFには及ばないまでも実用的には不満のないレベルと言えます。

そして、今回のEFレンズの検証で一番の大本命となる、現行ラインアップの超望遠ズームレンズである「EF100-400mm F4.5-5.6 II USM」。キヤノンユーザーのモータースポーツ系プロフォトグラファーであれば、持っていない方は皆無と言うほどの傑作レンズです。

キヤノン「EOS R」に、「EF100-400mm F4.5-5.6 II USM」レンズを装着して撮影(マウントアダプター「EF-EOS R」を使用)
拡大写真を見る:1.76MB

AF速度は「RF24-105mm F4 L IS USM」に匹敵し、描写力や解像力もほぼ同等と言えます。特に髪の質感をご覧いただきたいところですが、1本1本を忠実に描写しています。このレンズは完全にフルサポートで、EOS Rに使用することができる光学性能を持っています。

キヤノン「EOS R」に、「EF100-400mm F4.5-5.6 USM」レンズを装着して撮影(マウントアダプター「EF-EOS R」を使用
拡大写真を見る:1.34MB

そして、前期モデルである「EF100-400mm F4.5-5.6 USM」もテストしてみました。設計が「EF28-135mm f3.5-5.6 IS USM」と同時期になる、古めの超望遠EFズームレンズです。現在では、中古レンズとしてかなり値ごろ感が高いレンズと言えますが、描写力はII型を見てしまうと、いまひとつと言うほかありません。

原寸ピクセルの拡大画像をごらんいただき、特に髪の描写に注目いただければわかりやすいと思いますが、解像の甘さが目立ちます。USMなので、AF速度は実用的にはなんら問題ありませんが、「EF100-400mm F4.5-5.6 II USM」や「RF24-105mm F4 L IS USM」に比べると、遅いと言わざるを得ません。

今回の検証結果でわかったことは、EFレンズの資産はすべて活用できるということです。しかし最新のレンズと見比べてしまうと、特にズームレンズは新しいモデルのほうが性能は高く、当然の結果とも言えます。しかし、古めのEFレンズも当時の設計のカメラで使うよりも、EOS Rで使ったほうがすべての面ですぐれているのではないかと思えるほど、美しい仕上がりを見せることは間違いありません。

本来、新製品を読者の方におすすめするのが実機レビューの真の目的ではありますが、EOS Rを東京オートサロン2019で使い倒してみて、また過去のEFレンズ資産への対応検証をしてみて実感したことは、近い将来、筆者自身もEOS Rを購入してしまうだろうということです。すでにキヤノンのレンズやスピードライトをお持ちの方にこそぜひおすすめしたいと思います。その際は、バッテリーの予備とマウントアダプターEF-EOS Rを、同時に購入することもおすすめしたいですね。

キヤノンのフルサイズ機ユーザーであれば、買い替えや買い増しなど持っていて損の無い1台ではないでしょうか。

[Text&Photo:松永和浩]

松永和浩

松永和浩

自動車系フォトジャーナリスト。主にモータースポーツ分野で活動中。自動車全般を取材対象とし、カメラ、写真用品にも精通。スマートフォン、通信関連、アプリゲームやIoT家電なども取材を行う。月刊AKIBA Spec発行人編集長も兼任。

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