オフカメラでストロボを使う場合は、ライトボックスを使って光を拡散することが多いが、今回は付属品と純正アクセサリーを中心にライティングした。ただし、ライトスタンドは手持ちのものを使っている。オークションに一眼レフカメラを出品するために撮影するという想定でA10を活用してみよう。
まず、光を拡散させるためにソフトバウンスを使った。A10は正面でなく右斜めから当てる。TTL調光を使ったのだが、ややアンダーに感じられるのでマニュアルに切り換えて、撮影しながら光の強さを決めた。これでもよかったのだが、せっかくもう1台ストロボがあるので、レンズに光が入り、F3のロゴがクッキリ見える位置にA1Xを追加、2灯にして光の強さを微調整して完成させた。同じライティングでスマホを使いA10を発光させて撮影。モデリングライトとして使えるLEDライトを内蔵しており、ONにすると影の出方がチェックできる。
応用編としてカメラ背景の壁の模様が邪魔なので白いアクリル板を立てて、後ろから1灯、弱く発光させた。影も消えてバックも無地の白になった。この白いアクリル板を敷いて上下からストロボを発光。小物では定番となるライティングで交換レンズを撮ってみた。ここまでセッティングできれば自宅スタジオとしてはかなりの完成度と言えるだろう。
ストロボ使用時はカメラ側の設定でマニュアル時モニター露出/WB反映をOFFにする
ストロボのセッティング。左右から2灯当てると影が出ない
黒アクリル板にカメラを乗せて自然光のみで撮影した
X-E3、フジノンレンズ XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ、1/2秒、F5、ISO200、絞り優先AE
撮影写真(6000×4000、8.69MB)
右からメインを左から補助光を当てた2灯のライティング
X-E3、フジノンレンズ XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ、1/30秒、F8、ISO200、マニュアル
撮影写真(6000×4000、9.27MB)
一度ライティングが決まれば別の被写体もそのまま撮影できる
X-E3、フジノンレンズ XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ、1/50秒、F11、ISO200、マニュアル
撮影写真(6000×4000、9.3MB)
背景に白アクリル板を立てて後ろから1灯入れたライティング
X-E3、フジノンレンズ XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ、1/秒、F10、ISO200、マニュアル
撮影写真(6000×4000、8.68MB)
白アクリル板を敷いて下から1灯、上から1灯入れて撮影した
X-E3、フジノンレンズ XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ、1/30秒、F11、ISO200、マニュアル
撮影写真(6000×4000、1.49MB)
LEDライトを点灯させるとどんなイメージで撮影できるかが分かる
カメラがデジタル化され、高感度と手ブレ補正機能のおかげでストロボの出番は少なくなった。以前は暗いのでストロボを使って明るくするのが主な用途。そのためカメラのレンズの真上に付けるクリップオンタイプが主流だった。しかし、現在はもっと積極的に光と影をコントロールするためにストロボは使われている。そのためにはクリップオンではなく、オフカメラ、多灯、ワイヤレスという流れになる。もちろんプロは銀塩カメラ時代からスタジオで、このような技法を使ってポートレートやブツ撮りをしていた。それがアマチュアでも手軽に楽しめる環境が整ってきたのだ。
A10は確かな基本性能と豊富なアクセサリーがあり、モノブロックと同様のライティングを実現できる。ライトスタンド、ライトボックス、アンブレラなどは安価な中華製を使っても構わないが、充電池を内蔵したストロボ本体は、爆発の危険性を考えると信頼できるブランドの製品を使いたくなる。デザインもクールなので、撮影会では周囲から一目置かれること間違いなしだ。新しいレンズを買わなくてもA10を手に入れれば新たな映像の世界が拓けるだろう。