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車線がなくても、渋滞でも、自動でついていくアイサイトが登場!

渋滞でも疲れない!最新のアイサイト「ツーリングアシスト」を搭載した新型レヴォーグに試乗!

前回の記事では、進化したスバル 新型「レヴォーグ」の試乗記をお届けしたが、レヴォーグのハイライトはまだほかにもある。「ぶつからないクルマ」で一世を風靡した運転支援システム「アイサイト ver.3」が、「アイサイト・ツーリングアシスト」へと劇的な進化を遂げたことだ。

「アイサイト・ツーリングアシスト」は、大幅改良が施された新型「レヴォーグ」と新型「WRX S4」に搭載される

“渋滞”の疲労軽減を期待できる「アイサイト・ツーリングアシスト」

アイサイト・ツーリングアシストでは、「運転支援」の領域を拡大するとともに、「操舵支援」の性能が向上した。要するに、自動運転の技術がさらに向上したのだ。

しかし、スバルは自動運転という言葉はあえて使わず、「ツーリングアシスト」という名称としていることに注目したい。やっていることは自動運転技術そのものなのだが、スバルではあくまで“ドライバーの疲労を軽減する”ことに主眼を置き、“ドライバーが積極的に遠くへ行きたくなる”ことを目的としているという。

従来のアイサイト ver.3でも、直進状態を保持するためにステアリングが自動で操舵を修正してくれていたが、その機能が作動する車速は60km/h以上であった。だが、ツーリングアシストでは0km/h(停止状態)から作動するようになっている。これにより、特に渋滞時の運転の疲労を軽減することができる。

低速域では、高速域よりもステアリングを大きく、速く動かす必要があるが、フィードバック制御により、カーブの渋滞でも安定して車線の中央を維持することができる。さらに、アイサイト・ツーリングアシストでは新たに渋滞時の発進待機制御もプラスされ、完全に停止してから3秒間までなら自動で再発進できるようになった。この機能も、渋滞時の疲労軽減にひと役買ってくれることだろう。

7月に開催された「アイサイト・ツーリングアシスト」メディア試乗会にて

7月に開催された「アイサイト・ツーリングアシスト」メディア試乗会にて

先行車と車線の両方を認識することで、追従機能もさらに磨きがかかった

また、アイサイトver.3では、道路上の車線が認識しにくいときなどには機能がキャンセルされる頻度が高かったが、アイサイト・ツーリングアシストでは新しい認識技術により、操舵支援の制御がキャンセルされる頻度が激減している。

具体的には、60km/h以下の低速時では、先行車と車線の両方をロックオンしながら車線をキープ。たとえば先行車がふらついたり車線を変更しても、それにつられることなく車線の中央をキープし続けるのだ。

クローズドコースで、アイサイト・ツーリングアシストを作動させている様子。先行車と車線の両方を認識することで、車線が途切れれば先行車に追従し、先行車がふらついても車線を認識して中央を走行することができる

また、雨や雪、路面ペイントの磨耗、先行車との距離が近いなどで車線が認識できない時は、先行車の追従に切り替えることにより、制御をキャンセルすることなく機能が継続される。たとえば車線の間隔が広い高速道路の渋滞でカメラが車線を認識できなくなったとしても先行車を追従してくれるようになり、利便性が高まったといえる。

アイサイト・ツーリングアシストなら、カーブも自動で旋回してくれる

さっそく、新型レヴォーグに乗って、アイサイト・ツーリングアシストを試してみた。アイサイト・ツーリングアシストではアイサイト ver.3と同様に、ステアリングを自動で操舵する入力トルクと、実際にドライバーが運転する保舵トルクが近いため、クルマ側が余計な介入をしてくるといった違和感はなく、とても自然な制御であるように感じられた。

メーカーによっては、あえて操舵トルクを大きくしてクルマ側の制御を強調し、作動をわかりやすくしているセッティングもあり、好みが分かれるところだが、自然なほうが多くのドライバーに受け入れられやすいだろう。

なお、アイサイト・ツーリングアシストは100km/hでは400R、40km/hでは80Rのカーブまで自動で旋回することができる。

アイサイト・ツーリングアシストの自動操舵は、実際にドライバーが運転する操舵に近く、自然なフィーリングであることから多くのドライバーに受け入れられるはずだ

また、従来からのアイサイトの美点のひとつである「現状の前方状況認識レベルがひと目でわかる」表示機能も改善されてさらによくなった。走行中、クルマが何を認識しているか(あるいは認識できていないか)が常に把握できることから生まれる安心感は、とてつもなく高い。

メーター中央の赤枠で囲った部分が「アイサイト・ツーリングアシスト」の作動状況を表している

メーター中央の赤枠で囲った部分が「アイサイト・ツーリングアシスト」の作動状況を表している

他社のシステムは、性能的には互角でも、アイサイトに比べるとシステム作動中の認識レベルや作動状況をドライバーに伝える情報が少ないので不安を抱くことがあるが、アイサイトの表示機能の秀逸さはアドバンテージのひとつだ。先行車と車線の両方、先行車のみ、車線の片側のみ、といった具合で細かく表示されるのでわかりやすい。

ステアリングの自動操作などは、インパネ中央部に設置されるマルチインフォメーションディスプレイにも表示されるので、ドライバーのみならず、助手席の乗員も制御の状態が直感的に把握できる。

マルチインフォメーションディスプレイに表示される「アイサイト・ツーリングアシスト」作動イメージ

マルチインフォメーションディスプレイに表示される「アイサイト・ツーリングアシスト」作動イメージ

アイサイトver.3と同様に、ステアリングから手を放すと10数秒で警告が鳴り機能が解除される。ただ、ステアリングに軽く手を添える程度でもドライバーの手の保舵力がわずかな抵抗となるので、ごく普通の運転をしている限りは制御が途切れることなく継続される。これもまた、自然な感覚であった。

そして、今回のアイサイト・ツーリングアシストから、先行車自動追従クルーズコントロールの作動速度が「120km/h」まで引き上げられていて、全車速域でアクセルとブレーキ制御の巧みさがさらに向上していることも見逃せない。先行車がいなくなった時の加速や停止寸前のブレーキ操作などはこれまでと同様に、まるで上手なベテランドライバーが運転しているかのようで安心感が高いのだが、今回のアイサイト・ツーリングアシストでさらに感心させられたのは、追従している先行車のちょっとしたブレーキに対する反応だ。

アイサイトの特徴でもある2つのステレオカメラで前方を認識する方法は、いわば“人間の目”と同じ。クルマが先行車のブレーキを見て減速しようとする過程がドライバーの操作に近く、自然な制御をもたらす大きな要素となっている。

アイサイト・ツーリングアシストでは、先行車がブレーキをかけた際の反応もとても自然で好ましい

アイサイト・ツーリングアシストでは、先行車がブレーキをかけた際の反応もとても自然で好ましい

これが、カメラではなくレーダーなどで先行車の動きを認識するシステムの場合、先行車の動きに過敏に反応しすぎるきらいがあり、これが違和感の元になりうる。先行車の減速Gが発生した瞬間に自車が減速、というのは安全上は好ましい性能と思えるが、動きとしてはやや唐突に感じることがあるのだ。

もちろん、アイサイトは2つのステレオカメラのみで前方を認識するので、濃霧や逆光などの状況では機能しなくなるといった難点もあるが、カメラだけで認識するメリットはコストだけではなく、「制御が人間の運転に近くなる」という部分も実は大きいと感じた。

アイサイト・ツーリングアシストのステレオカメラ。アイサイトでは2つのカメラで前方を認識している

アイサイト・ツーリングアシストのステレオカメラ。アイサイトでは2つのカメラで前方を認識している

今回、アイサイト・ツーリングアシストの開発にあたっては、関東近郊の高速道路を10万キロ以上も走り込んでデータを収集し、性能を煮詰めたという。クルマの基本性能と、先進の運転支援システムの両方の性能を極めた新型レヴォーグ。新型レヴォーグなら、きっと「どこまでも遠くへ行きたくなる」はずだ。

「移動がラクだから、目的地で思いっきり遊べる」「次は、もっと遠くまで行きたくなる」。スバルではアイサイト・ツーリングアシストへ乗るユーザーにそう思ってもらえるような性能を目指したという

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マリオ高野

マリオ高野

1973年大阪生まれの自動車ライター。免許取得後に偶然買ったスバル車によりクルマの楽しさに目覚め、新車セールスマンや輸入車ディーラーでの車両回送員、自動車工場での期間工、自動車雑誌の編集部員などを経てフリーライターに。2台の愛車はいずれもスバル・インプレッサのMT車。

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