今回は、長距離移動でも疲れにくく快適で、運転者も同乗者も満足できる車を紹介しよう。
長距離を移動する際には、まず直進安定性が重要だ。高速道路でふらつくようなクルマでは、運転者が常にハンドルを操作しなければならず、疲労が増してしまう。また、強い横風に対する安定性も重要だ。
さらに、後席を含めた乗り心地も大切だ。乗り心地が悪いと、長時間の移動で体が疲れてしまう。装備については、先行車との車間距離を維持する運転支援機能に注目したい。これにより、ドライバーの疲労が軽減される。そして、車内の静粛性も長距離移動時の快適性を高める要素のひとつである。
長距離移動でも疲れにくく快適な200万円台の車をボディタイプ別にご紹介。直進安定性や乗り心地のよさのほか、運転支援機能も充実している車を選びました(※写真のグレードと紹介車種のグレードは一部異なります)
以上のような性能を持つクルマとしては、一般的には上級クラスのミニバンやSUVがあげられるのだが、価格が高い。そこで、200万円台で購入できる「長距離移動に適したクルマ」をボディタイプ別にご紹介しよう。
ちなみに、筆者としては250万円を上限にしたいのだが、今は安全装備の充実により車両価格が上昇しているため、300万円を上限とさせていただいた。
ホンダ「フリード」AIR EX(※画像はハイブリッドのe:HEV車ですが、紹介しているグレードはガソリンエンジン搭載車になります)
ミニバンでは、ミドルサイズのトヨタ「ノア」「ヴォクシー」や日産「セレナ」、ホンダ「ステップワゴン」などが人気だが、いずれも装備が充実したモデルは300万円を超える。そこで、コンパクトミニバンのホンダ「フリード」を紹介しよう。「フリード」のハイブリッドは300万円を超えるため、ガソリンエンジン搭載車の「AIR EX」グレードを推奨したい。
「フリード」はコンパクトなボディサイズながら、6人乗りモデルは2列目にセパレートシートを装備し、アームレストも備わる。3列目はやや窮屈だが、時々席替えをすれば長距離移動も可能だろう。乗り心地もミニバンながら快適で、ドライバーの負担を軽減させる運転支援機能やマルチビューカメラなどの先進装備も充実している。
「フリード」は多人数で乗車できて、長距離を安全かつ快適に移動できるミニバンだ。
トヨタ「カローラクロス」HYBRID S
トヨタ「カローラクロス」は、人気のコンパクトSUVだ。全長は4,500mm以下、最小回転半径は5.2mで街中でも運転しやすい。また、全長が4,500mm以下のコンパクトSUVとしては荷室が最も広い。さらに後席も広く快適なので、ファミリーカーとして使いやすい。乗り心地は、低速域ではやや硬めだが、17インチタイヤを装着したHYBRID Sなら、18インチタイヤのHYBRID Zよりも快適だ。
HYBRID Sは、ハイブリッド車でありながら300万円以下に設定されていて買い得なうえに、長距離移動時の燃費も良好だ。モーター駆動でノイズが少なく、快適性も高い。
ホンダ「フィット」e:HEV CROSSTAR
ボディが小さなコンパクトカーは街中の移動に適しているが、「フィット e:HEV クロスター」は長距離ドライブも快適だ。その最も大きな理由が、快適な乗り心地にある。
クロスターのタイヤサイズは16インチ(185/60R16)で、扁平率も60%と高めなので、コンパクトカーのなかでは乗り心地がやわらかい。特に、フィットの各グレードと乗り心地を比較してもクロスターは快適だ。さらに、ハイブリッドのe:HEVは加速も滑らかでノイズが小さい。
そして、「フィット」の特徴のひとつとして車内の広さもあげられる。身長170cmの大人4名が乗車したとき、後席に座る乗員の膝先には、握りコブシ2つ半もの余裕がある。
「フィット e:HEV クロスター」は、運転しやすく価格が割安ながら、4名で乗車して長距離を移動するのにもピッタリなコンパクトカーだ。
スズキ「ソリオ」HYBRID MZ
「ソリオ」は、全長が3,790mmで最小回転半径は4.8mなので、取り回しがしやすい。いっぽう、全高は1,700mmを上まわっているので車内は広い。後席の頭上や足元空間にはかなりの余裕がある。4名で乗車して長距離を移動しても、窮屈には感じないだろう。
そして、乗り心地は快適で全車速追従型クルーズコントロールも装備されているので、長時間の運転でも疲労を感じにくい。ライバル車のトヨタ「ルーミー」も人気だが、走行安定性や乗り心地は「ソリオ」のほうがすぐれており、おすすめのコンパクトハイトワゴンだ。
スバル「インプレッサ」ST-G
長距離を快適で安全に移動できる車として、3ナンバーサイズのミドルサイズハッチバック、スバル「インプレッサ」も推奨したい。
全長は4,500mm以下なので街中で運転しやすく、ホイールベースは2,670mmと長いので直進安定性も良好だ。4輪独立式サスペンションは柔軟に伸縮するため、長いホイールベースとあいまって走行安定性や乗り心地もすぐれている。
さらに、「アイサイト」の採用によって衝突被害軽減ブレーキや運転支援機能の性能も高い。後方の並走車両を検知して知らせてくれる機能や、ドライバーの居眠り運転などを検知してくれるなど、安全装備が豊富に採用されている。「インプレッサ」は、すぐれた走行安定性と快適な乗り心地、先進の安全、快適装備などによって、長距離を安全かつ快適に移動できる。