ラーメン業界屈指の強力なカテゴリと言えば、“二郎インスパイア系”。人はなぜ、あの味に魅せられるのかーーその解(かい)として、ぜひアプローチしておきたいのが、神保町の行列店、用心棒が提供する「まぜそば」です。
今回は、明星食品が発売する用心棒のカップ麺と、お店の味を食べ比べ! その再現度を検証します
有名ラーメン店やカレー店がひしめき、“B級グルメ”の激戦区としても有名な、東京・神保町。大人気ラーメン店「ラーメン二郎」の神田神保町店の眼前にオープンした“二郎系”としても話題になったのが、用心棒です(※ラーメン二郎 神田神保町店は現在、同エリアの別の場所に移転。その跡地には、これまた“二郎系”の立川マシマシがオープンしたという、まるで“国盗り物語”的な世界なのだ!)。
用心棒のメインメニューはもちろん、“二郎系”として誉(ほま)れ高いラーメン。さらに、ツートップと言っていいほど、ジロリアンをうならせているのが、まぜそばです。なかには、「二郎系なのに、汁なし?」と不思議に思う方がいるかも。しかし、“まぜそば専用のトッピング”がクセになったりして、多く中毒者を生んでいるわけです。
今回は、そんな用心棒のまぜそばを実際に食べて、その後、同店が監修した「明星 用心棒監修 超ガリマヨまぜそば 大盛」(税別225円)と比べてみます。はたして、コラボカップ麺はどこまで再現しているのでしょうか?
用心棒。都営地下鉄三田線・新宿線、東京メトロ半蔵門線 神保町駅から徒歩2分。営業時間は月〜金が11:00〜14:45(L.O.)、17:00〜22:00(L.O.)、土・祝が11:00〜15:45(L.O.)。定休日は日曜日。2019年2月1日時点「食べログ」より
うぉー! お店の前には、大量のニンニクが! これは、ニンニク界の入り口なのだぁぁぁ
レガシーな券売機から「まぜそば」を見つけて、購入します
“二郎系”初心者にとって恐怖なのが、いわゆる“呪文(コール)”。今回はオーソドックスな「全部入り(野菜、ニンニク、アブラ、ショウガ)」と「辛玉」、さらにまぜそば専用のトッピングである「ガリマヨ(ガーリックマヨネーズ)」を、ゆっくりと頼んでみました(よし、合格!)
まぜそばの「全部入り、辛玉、ガリマヨ」が到着! このボリュームで、850円とは!
白くぶっかけられた、ガリマヨ! まるで、天使の羽根のようだ。涙が出る!
具材に注目。豆板醤ベースの辛玉、刻みネギ、もやし、卵黄といった姿が見えます
極太麺はとっても硬く、歯ごたえ抜群。モチモチでウマすぎる
80円のスキヤキ(生卵)も注文。後半戦、極太麺にからめて食べると、かなり幸せになります
イマジン、想像してごらん。“二郎系”のスープがタレに凝縮され、その上に、モチモチの極太麺。さらに、もやし、チャーシュー、揚げ玉、かつお節、刻みネギ、卵黄。さらにその上には、やり過ぎるほどかかった、ガーリックマヨネーズ。生ニンニクと生ショウガの辛みが加わって、お口とお鼻はカオス。美味いなんてもんじゃない。ああ、積極的中毒決定!
さて、冷静に検証すると、やはり決め手となるのは、ガリマヨ。このコクに、生ニンニクと生ショウガの辛みが混ざり、スパイシーさも感じます。ラーメンと比べて、胃への負担が少ないのもうれしい。ただし、食べ進めていくと、ガリマヨが混ざり切って乳化し、ドロドロになっていくので、注意が必要かも。
ふと、開店時から絶えることのない行列を見ると、この日のお客さんはすべてが男性。しかも、20代の若者が多いようだ。男男男男男男男男男男男男男男男の大行列。まさに、男のオアシス、明日への活力(もちろん、女性も大歓迎!)。これは、すげえもん食った。
用心棒の目の前には、同じく“二郎系”である「立川マシマシ」の姿が。この場所は、ラーメン二郎 神保町店の跡地であります。まさに、ラーメン戦国時代の縮図を見ているようだ!
こちらは、現在のラーメン二郎 神田神保町店。旧店舗から歩いて、5分ほどの場所にあります。あいにく、この日は臨時休業。“臨休”という厳しすぎる現実に、この世の終わりを悟ったかのように踵(きびす)を返す、うなだれたジロリアンの姿も……
用心棒のお店をたずねた後は、同店が監修した「明星 用心棒監修 超ガリマヨまぜそば 大盛」(明星食品)を食べて、あの大ボリュームのまぜそばをどこまで再現したのか、チェックしていきます。
“明星史上最大量”という、圧巻のガリマヨは31.5g。さらに、熱湯の量は、“ひとり暮らし”用の小型ケトルでは、とうてい1回で間に合わない770mlが必要です(と、価格.comマガジンらしい見解を述べてみる)
1食あたりのカロリーは、驚異の810kcalなのだぁぁぁ(ちなみに、「明星 一平ちゃん夜店の焼そば」は607kcal)
パッケージの中には、極太麺に加えて、後入れタイプの「特製マヨ」「粉末ソース」「ふりかけ」が入っています。なんと具材は、極太麺の間にチラホラ見えるキャベツだけという、割り切りよう
見よ、特製マヨのボリューム具合。このパンパン具合、普通じゃない
770mlの熱湯を入れて5分。カップ焼きそばの要領でお湯を捨てた後、まずは、粉末ソースを入れます。この粉末ソース、“二郎系”のラーメンエキスを凝縮したような味と香りです。「これだけ売ってくれ!」というジロリアンがいても、おかしくないほどのクオリティ。実際に私も、このアブナイ粉だけ欲しくなりました
かき混ぜると、かなり匂います。半径1.5m以内に、“二郎系”の香りがただよう!
特製マヨを一気にかけてみた! マヨビームなんて目じゃない大ボリューム
特製マヨの上には、ふりかけ! 鰹節粉、ローストガーリックパウダー、ネギ、七味唐辛子が混ざっており、特に七味唐辛子のピリリとした辛みが際立ちます
極太麺のうまさは絶品。ボリュームがあり、具材がなくても、飽きずに食べられます
まず特筆すべきは、粉末ソース。その味と香りはまさに“二郎”そのもので、このエキスだけでも売って欲しいと、懇願(こんがん)したいほど。これをかき混ぜるだけで、お店の味をほぼ再現できます。美味い!
さらに、特製マヨは、尋常じゃない量。これに、ふりかけが加わり、なかでも七味唐辛子の辛みが、お店の生ニンニクと生ショウガの辛みを思い出させてくれて、お店の雰囲気にグンッと近づきます。特製マヨとふりかけのバランスが絶妙で、お互いがフォローし合っている印象です。
ガッカリだったのは、マヨネーズの味が薄かったこと。量が多いのはいいことですが、薄口なので、やや迫力にかけてしまう。これが濃厚であれば、パーフェクトだったかも。また、もやしやチャーシューないのは、残念ながら減点と言わざるを得ないところ。
具材については、キャベツのみ(しかも量が少ない)という、割り切り方。しかしですよ。全体の味がとてもジャンキーで中毒性が高く、病みつきになるものだから、具材なしでも、最後まで飽きずに食べられる! これ、カップ麺として、地味にすごいことかと思います。
今回の再現度は?
<いいところ>味と香りは二郎系まぜそば、そのもの。特製マヨや極太麺もGOOD。
<気になるところ>特製マヨの味が薄い。具材の少なさは、賛否がわかれるところ
スープ(タレ)の再現度:★★★★★
麺の再現度:★★★★☆
具材の再現度:★☆☆☆☆
食べごたえの再現度:★★★★☆
コスパ:★★★★☆
ラーメンファン以外の方は、「二郎系のまぜそば」というメニュー自体、あまりピンッときてないかも。簡単にいうと、二郎系ラーメンを食べやすくして、なおかつ、胃にもやさしい一杯かと、個人的には思います。今回食べたカップ麺の再現度はすばらしく、これまで二郎系にトライしたことがない方でも、十分に楽しめること間違いなしです。何と言っても、最後まで飽きずに食べられるのが、地味にすごい!
デジタル製品全般からホビーやカップ麺・スナック菓子まで、オールジャンルをカバーする編集部員。大のプロレス好き。読み方は、まつだ・しんり。