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スパイス党を魅了する本格派が集結

「グリーンカレー」11種をプロが食べ比べ! 本格派なのは? 甘めなのは?

日本国内で味わえるタイ料理の中で、特にメジャーなグリーンカレー。王道のカレーとは違って、グリーンカレーはココナッツミルクなどちょっと特殊な食材が必要となるため、家で作るよりもお店やレトルトで食べることのほうが多いのではないでしょうか。

そこで今回は、有名なメーカーを中心にレトルトと缶詰のグリーンカレーをピックアップ。全11種を食べ比べて、辛さや甘さといった評価項目の採点とともに、味や香りの感想をレポートしたいと思います。

比較的入手しやすいものをピックアップしました

比較的入手しやすいものをピックアップしました

・成城石井 グリーンカレー
・成城石井desica ココナッツ風味香るグリーンカレー
・ハウス THAI TABLE グリーンカレー
・エスビー スパイスリゾート タイ風グリーンカレー HOT
・ヤマモリ タイカレー グリーンカレー
・オーバーシーズ Soot Thai タイグリーンカレーチキン
・無印良品 素材を生かしたカレー グリーン
・無印良品 素材を生かした 辛くない グリーンカレー
・西友 みなさまのお墨付き 青唐辛子の爽快な辛み グリーンカレー
・大塚食品 100kcalマイサイズ グリーンカレー
・いなば チキンとタイカレー グリーン


グリーンカレーは本場だとカレーではない!?

グリーンカレーは本場タイでは、「ゲーン」と言います。ゲーンはタイ料理のカテゴリーでいうとスープに近い料理。ご飯にかけて食べることもあり、なおかつスパイスが効いた汁物だということで、日本では便宜上“カレー”と呼んでいるようです。

ちなみに鮮やかな緑色は、乾燥させずに使うフレッシュな青唐辛子の色。バイマックル(こぶみかんの葉)やレモングラス、ナンプラー、ココナッツミルクなどを加えることで、スパイシーかつまろやかな独特の風味ができあがります。タイのカレーでは、ほかに赤唐辛子を使ったレッドカレーや、ターメリックの色が出たイエローカレーなどがありますが、グリーンカレーはこれらと比べて比較的辛い傾向にあります。

それでは食べ比べていきましょう。カレーに欠かせないご飯は、本格感を楽しむために無印良品の「ジャスミン米」をチョイスしました。これは日本でおなじみのジャポニカ米よりも細長いインディカ米という品種で、ねばりが少ないのが特徴。ジャスミン米は“香り米”と呼ばれるほど、甘みを持った上品な香りが魅力です。

日本米とは違った独特の魅力を持つジャスミン米

日本米とは違った独特の魅力を持つジャスミン米


【1】成城石井 グリーンカレー

まずは高級スーパーの代名詞、「成城石井」ブランドから。このグリーンカレーは、成城石井が本場タイで買い付け・開発・製造・輸入を行ったこだわりの逸品です。たっぷりのココナッツミルクとハーブによる、コクと刺激の絶妙なバランスはさすが。化学調味料不使用なのもポイントです。

内容量:200g、カロリー:314kcal

内容量:200g、カロリー:314kcal

ゴロッとした鶏肉と、多めのタケノコが具材のメイン

ゴロッとした鶏肉と、多めのタケノコが具材のメイン

ピッキーヌ(タイの青唐辛子)、バイマックル(こぶみかんの葉)、スズメナスなどが入った本格的な内容。肉は大きめでタケノコがたっぷり入っています。

辛さを際立たせながらも、全体的なバランスは良好です

辛さを際立たせながらも、全体的なバランスは良好です

辛さはひと口目から強めで、余韻としてもジワジワピリピリくる強烈なタイプ。ピッキーヌを食べるとより辛くなるので注意です。ただ辛いだけでなく甘みも十分あって、レモングラスなどの上品な香りも感じることができ、高いバランスでまとまった実力派な印象。製造元が、レトルトタイカレーのリーディングカンパニーである「ヤマモリ」だからというのも、完成度の高い大きな要因のようです。


【2】成城石井desica ココナッツ風味香るグリーンカレー

成城石井からもう1商品をご紹介。「desica(デシカ)」は、「成城石井“でしか”作れないもの」をコンセプトに、成城石井が誇る上質な食材と職人のレシピで作ったブランドです。ハーブの風味とココナッツミルクの甘みに、青唐辛子の辛さがあとからくるクセになる味わい。具材たっぷりで、北海道産の生クリーム乳脂肪を使用しているのも特徴です。

内容量:150g、カロリー:239kcal

内容量:150g、カロリー:239kcal

具材は鶏肉と輪切りのヤングコーンが目立ちます

具材は鶏肉と輪切りのヤングコーンが目立ちます

同じ成城石井でも、先ほどとはかなりの別物。パッケージは箱がなくレンジでチンできるパウチになっています。そして量は3/4なのに対して単価は100円高く(リアル店舗で買った場合)、味わい的にも、国産生クリーム効果か、リッチな甘みがあります。

生クリームのまろやかなコクによるぜいたくな味わい

生クリームのまろやかなコクによるぜいたくな味わい

具としては、大きめにカットされたヤングコーンが特徴的。なおこちらはヤマモリではなく、ごちそうレトルト専門メーカーの「にしきや」が手がけています。


【3】ハウス THAI TABLE グリーンカレー

「バーモントカレー」や「ジャワカレー」でおなじみの、「ハウス」のグリーンカレー。タイで作ったカレーペーストを使用し、具材は鶏肉、ナス、タケノコ、赤ピーマンなどで彩りよく。ココナッツミルクのまったりとしたコクと、青唐辛子の爽やかな辛さ、そしてレモングラスとバイマックルの香りが楽しめます。

内容量:180g、カロリー:149kcal

内容量:180g、カロリー:149kcal

鶏肉と、ナスや赤ピーマンなど数種類の野菜入り

鶏肉と、ナスや赤ピーマンなど数種類の野菜入り

ハウス公式サイトによると、メーカーの定める辛さは5段階中4。やや辛めの設定のようですが、今回の他社と比べると辛さは控えめな印象です。

辛さと甘さは比較的控えめ。その分うまみを感じさせる仕上がり

辛さと甘さは比較的控えめ。その分うまみを感じさせる仕上がり

甘みも抑え気味で、その分うまみが前面に出た食べやすい味わい。具にはナスが入っているのがポイントですが、肉がもっと大きく、タケノコなどの野菜も多めだとうれしいなと思いました。


【4】エスビー スパイスリゾート タイ風グリーンカレー HOT

「カレーの王子さま」などで知られ、こちらもカレーのメーカーとしておなじみの「エスビー」。青唐辛子、バジルなどの厳選したスパイスと、濃厚なココナッツミルクのコクがからんだタイ風カレーです。食感が楽しく、彩り豊かな具材も豊富。

内容量:200g、カロリー:269kcal

内容量:200g、カロリー:269kcal

肉も野菜もなかなか多めです

肉も野菜もなかなか多めです

ファーストアタックの辛さはかなり抑えられていますが、あとからじんわり辛くなるタイプ。具は先ほどのハウスと似ていてスズメナスが入っていますが、エスビーのほうが肉が大きく、量も多い印象です。

日本のカレーに近い、トロッとした粘度です

日本のカレーに近い、トロッとした粘度です

エッジィな香りがあり、これは好き嫌いが分かれるかもしれません。乳化が強めな分、ジャンク感は否めませんが、サラサラよりとろとろのカレーのほうが好きな人はこれをチョイスするとよいでしょう。


【5】ヤマモリ タイカレー グリーンカレー

成城石井のあたりで少し触れた、タイカレー界の雄「ヤマモリ」。その同社の看板商品と言える、深みのある本格的なタイカレーです。新鮮な青唐辛子をベースに、スイートバジル、バイマックル、パクチー、レモングラスなどのハーブの香りをプラス。ココナッツミルクたっぷりなので、辛い中にも甘みを感じられる一品です。

内容量:180g、カロリー:319kcal

内容量:180g、カロリー:319kcal

具材はタイ産のナスを大きめで使うなど、かなりの本格派

具材はタイ産のナスを大きめで使うなど、かなりの本格派

具はしっかりめで、中にはタイのナスが入っているなど、本格的な素材感は現地に工場を持っている同社ならでは。

完成度の高さは、さすが業界のトップランナー

完成度の高さは、さすが業界のトップランナー

シャープで余韻まで続く辛さ、爽やかな香り。そこに絶妙な甘みやクリーミーなニュアンスも加わり、完成度が非常に高いです。成城石井と方向性は似ていますが、やっぱり本家は説得力があるおいしさです。


【6】オーバーシーズ Soot Thai タイグリーンカレーチキン

エスニックな食材に定評があるショップ「カルディ」。「オーバーシーズ」は、カルディで扱われている外国の食品やワインを輸入する関連会社です。そんな同社が手がける、手軽に本格的なタイカレーが楽しめるレトルト。新鮮な青唐辛子、ハーブ、ココナッツミルクをベースにした、爽やかな辛さが効いた本場の味を楽しめます。

内容量:200g、カロリー:142kcal

内容量:200g、カロリー:142kcal

鶏肉の大きさが目を引きます

鶏肉の大きさが目を引きます

辛さはとてもシャープで、トップからラストまでずっと刺激的。味の特徴は、チキンとスズメナスによるコクを感じつつ、油がやや多めでパンチがあります。肉の大きさは今回の商品の中でも随一のレベルで、味も量も全体的に満足度が高いです。

刺激的な辛さの中に力強いコクが感じられます

刺激的な辛さの中に力強いコクが感じられます


【7】無印良品 素材を生かしたカレー グリーン

実はカレーの種類が豊富でファンの多い「無印良品」。エスニックな味付けも得意分野です。そんな無印のグリーンカレーは、青唐辛子のピリピリくる辛さと、レモングラスの爽やかな風味がバランスよく融合。ココナッツミルクの持つコクをしっかりと引き出すことで、辛さの中にうまみも感じられます。

内容量:180g、カロリー:272kcal

内容量:180g、カロリー:272kcal

鶏肉、タケノコと、大ぶりなフクロダケが入っています

鶏肉、タケノコと、大ぶりなフクロダケが入っています

直球な辛さに調和する、甘さとハーバルフレーバー。そしてそれを下支えするクリーミーで豊かなうまみ。若干ピーキーではあるものの、好バランスな仕上がりで、カレーに定評がある無印良品の矜持を感じさせます。

辛さも甘みも強めですが、不思議と一体感のある絶妙なバランスです

辛さも甘みも強めですが、不思議と一体感のある絶妙なバランスです

具は肉が大きめで、フクロダケもかなり大ぶりで入っているので、タケノコとの食感のメリハリも好感触。ただし油の多さは今回トップレベルで、カロリーも高めです。ベタつくほどではありませんが、気になる人はご注意を。


【8】無印良品 素材を生かした 辛くない グリーンカレー

無印良品からの2品目は、グリーンカレーでありながら「辛くない」ことをウリにした一品。ココナッツミルクとハーブが味と香りの中心で、辛さを感じる唐辛子を使わないで仕上げられています。辛いものが苦手な人はもちろん、なんと子供にもオススメとのこと。

内容量:180g、カロリー:224kcal

内容量:180g、カロリー:224kcal

具材はひとつ前の辛い無印と同じく、鶏肉、タケノコ、フクロダケなど

具材はひとつ前の辛い無印と同じく、鶏肉、タケノコ、フクロダケなど

確かに辛くありませんが、その分だけ甘みや塩みも抑えられている印象。淡白な味わいを補うためのダシが強いわけではないので、“グリーンカレー風味のマイルドなスープ”というとらえ方もできます。

辛さはまったく感じません。低刺激でやさしい味わいです

辛さはまったく感じません。低刺激でやさしい味わいです

ガチなグリーンカレー好きには辛いほうが絶対オススメなのですが、この味わいを辛さゼロで実現した開発力はすばらしいのひと言。


【9】西友 みなさまのお墨付き 青唐辛子の爽快な辛み グリーンカレー

「みなさまのお墨付き」は、「西友」のPB。商品を開発したら消費者によるテストを行い、支持率70%以上の“お墨付き”を得たものだけが商品化されるシリーズです。そのグリーンカレーは、バイマックルとレモングラスの香りを効かせた、コクがありつつも爽やかな味わい。ちなみにこの商品の支持率は86.1%だったそうです。

内容量:160g、カロリー:177kcal

内容量:160g、カロリー:177kcal

茶色に近い緑色。タケノコ、赤ピーマン、揚げナスと鶏肉が入っています

茶色に近い緑色。タケノコ、赤ピーマン、揚げナスと鶏肉が入っています

製造元は、高級スーパー「明治屋」のレトルトPBなどを手がける「アーデン」という企業。具の内容や香りはハウスに近い印象ですが、ハウスよりもやや辛めで甘みのボリュームは大きく感じます。

低価格ですが具も味わいもしっかりしていて、満足感があります

低価格ですが具も味わいもしっかりしていて、満足感があります

リアル店舗で購入した場合、1個162円と圧倒的に安く、うまみはやや控えめながら、チープな感じは皆無。非常にコストパフォーマンスが高い商品と言えます。


【10】大塚食品 100kcalマイサイズ グリーンカレー

カレーの世界にも健康ブームの波は押し寄せています。「ボンカレー」の「大塚食品」からは、100kcal以下であることが特徴の「マイサイズ」シリーズのグリーンカレーがエントリー。保存料・合成着色料不使用で仕上げた、ココナッツミルクのまろやかさを感じるカレーです。

内容量:150g、カロリー:97kcal

内容量:150g、カロリー:97kcal

カロリーを抑えるためか、具はかなり小ぶり

カロリーを抑えるためか、具はかなり小ぶり

カロリーは今回の商品の中で一番低い97kcal。離乳食のような見た目からもわかる味の薄さで、ヘルシーにするためにさまざまなものをそぎ落とした企業努力が伝わってきます。そのひとつがダシの存在感で、攻めた刺激や香味はないものの、ボディを支えるうまみがあります。

純粋な味や香りで比べてしまうと、さすがに厳しいか……

純粋な味や香りで比べてしまうと、さすがに厳しいか……

正直なところ、味は最もグリーンカレーからかけ離れているし、具も少なめ。おいしさとしてはイマイチかもしれませんが、健康志向の人にはうれしいはず。カレーライスではなく、緑豆春雨などの麺っぽいものと合わせたスープにするといいのかもしれません。


【11】いなば チキンとタイカレー グリーン

いなば食品は缶詰が主戦場ですが、実はレトルトカレーもやっています。ですが、いなばでタイカレーを語るなら、過去に大ヒットして同社の名物になった缶詰でしょ。ということで、今回はこちらを取り上げます。ウリは、角切りチキンと爽やかな辛さのグリーンカレーを合わせた、本場タイで作ったという本格感。

内容量:125g、カロリー:167kcal(100gあたり)

内容量:125g、カロリー:167kcal(100gあたり)

今回の商品の中で最も内容量が少ないですが、具がしっかり入っています

今回の商品の中で最も内容量が少ないですが、具がしっかり入っています

辛さはおとなしいものの、具に仕込まれているレッドペッパーを食べると、攻めた刺激がギンギンに広がるので注意。甘さは十分で、具もしっかり入っています。スープはやや少なめながら、レトルトのグリーンカレーと遜色のない内容に仕上がっています。

辛さとコクのバランスがちょうどいい感じです

辛さとコクのバランスがちょうどいい感じです


個性豊かなレトルトグリーンカレー達。あなたの好みは?

最後のほうは舌がピリピリしてきましたが、無事11商品の試食が完了。全体的に、本場の風味は残しつつ、日本人向けにアジャストされた完成度の高い印象です。

どんなグリーンカレーが好みかは人それぞれですが、ざっくりまとめてみます。
辛さを求めるなら、「成城石井 グリーンカレー」「オーバーシーズ Soot Thai タイグリーンカレーチキン」「無印良品 素材を生かしたカレー グリーン」あたりがいいでしょう。
甘めが好みなら「いなば チキンとタイカレー グリーン」
本場感を味わうなら「ヤマモリ タイカレー グリーンカレー」ですね。
具たっぷりなら「エスビー スパイスリゾート タイ風グリーンカレー HOT」を選ぶといいのではないでしょうか。

筆者は、個人的には「ヤマモリ タイカレー グリーンカレー」「成城石井 グリーンカレー」あたりが好印象でした。タイ料理に強いヤマモリなど、ふだんあまり耳慣れないメーカーを知れるのも、このジャンルのおもしろいところですね。

どのグリーンカレーがクセになるか、いろいろトライしてみては?

どのグリーンカレーがクセになるか、いろいろトライしてみては?

食材として青唐辛子、バイマックル、レモングラス、ココナッツミルクあたりは共通していますが、味や香りの強さは本当に千差万別。皆さんも自分の舌でさまざまな商品を試してみて、どっぷりハマれる逸品に出合えることを願っています。

中山秀明

中山秀明

食の分野に詳しいライター兼フードアナリスト。雑誌とウェブメディアを中心に編集と撮影を伴う取材執筆を行うほか、TVや大手企業サイトのコメンテーターなど幅広く活動中。

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