レビュー
「糖質ゼロビール」戦国時代が始まる!

「糖質ゼロビール」どちらが美味!? 「キリン一番搾り 糖質ゼロ」vs「パーフェクトサントリービール」

コロナ禍の外出自粛で健康意識が高まる昨今、キリンビールは2020年秋に日本初の糖質ゼロビール「キリン一番搾り 糖質ゼロ」を発売。同社が過去10年間に発売したビール新商品の中でも最速で、出荷数が累計300万ケース(2021年3月下旬時点)を突破するなど、爆発的な人気を博しています。

これまで、糖質ゼロのビールには競合商品がなく、キリンビールのひとり勝ち状態でしたが、これに待ったをかけるライバルが2021年4月13日に発売されました。それがサントリー「パーフェクトサントリービール」です。

店頭で見かけた告知のPOP。4月13日から全国で発売されます。ラインアップは350ml缶と500ml缶

店頭で見かけた告知のPOP。4月13日から全国で発売されます。ラインアップは350ml缶と500ml缶

それにしても、「パーフェクト」を名乗るとは相当な自信の表れだと思いますが、同社によると、「ビールど真ん中のおいしさと糖質ゼロを両立したことでパーフェクトを冠している」とのこと。つまり、「糖質ゼロでヘルシーだけど、すごくウマい完ぺきなビールができたぞー!」ということでしょう。

実物がこちら。商品名の上部に、サントリービールを表す太陽と鳥、ビールのモチーフを缶の上部に配置することで、「パーフェクトサントリービール」が日本のビールの代表ブランドを目指す思いを込めているとのこと

実物がこちら。商品名の上部に、サントリービールを表す太陽と鳥、ビールのモチーフを缶の上部に配置することで、「パーフェクトサントリービール」が日本のビールの代表ブランドを目指す思いを込めているとのこと

そこでここでは、先駆者の「キリン一番搾り 糖質ゼロ」と「パーフェクトサントリービール」を飲み比べて、味の違いをチェック。また、糖質ゼロではないサントリーのビール「ザ・モルツ」とも比較し、本当に“ビールど真ん中のおいしさ”が両立されているのかをレポートします。

この3本をじっくり飲み比べてみました!

この3本をじっくり飲み比べてみました!

【SPEC比較】アルコール度数やカロリーはサントリーが上!

まずは、「キリン一番搾り 糖質ゼロ」と「パーフェクトサントリービール」のスペックから比較。

ポイントは、アルコール度数とカロリーで、前者が4%の23kcal(100ml当たり/以下同)なのに対し、後者は5.5%の32kcal。ほかの数値も、「パーフェクトサントリービール」のほうが全体的に高めで、こちらのほうが力強い味わいになっていると予想できます。

原材料はほぼ一緒。「キリン一番搾り 糖質ゼロ」は、麦芽の一部に国内製のものを使っているようです。いっぽう、「パーフェクトサントリービール」はすべて外国製麦芽を使用

原材料はほぼ一緒。「キリン一番搾り 糖質ゼロ」は、麦芽の一部に国内製のものを使っているようです。いっぽう、「パーフェクトサントリービール」はすべて外国製麦芽を使用

次に、通常のビールとのスペックも比較してみました。

サントリー「ザ・モルツ」は、アルコール度数が5%で43kcal。糖質は3.3gで、アルコール度数以外の数値は「パーフェクトサントリービール」を若干上回っています。

「キリン一番搾り 糖質ゼロ」と「パーフェクトサントリービール」には糖類が使われていましたが、「ザ・モルツ」は不使用。糖質をゼロにすることで弱まった味を補強するために、糖類を使っているのかもしれません

「キリン一番搾り 糖質ゼロ」と「パーフェクトサントリービール」には糖類が使われていましたが、「ザ・モルツ」は不使用。糖質をゼロにすることで弱まった味を補強するために、糖類を使っているのかもしれません

【味わい比較】ボディ感はサントリー! 爽快感と苦みはキリン!

「キリン一番搾り 糖質ゼロ」と「パーフェクトサントリービール」をそれぞれグラスに注ぐと、色味は「パーフェクトサントリービール」のほうが濃いことがわかりました。

「キリン一番搾り 糖質ゼロ」は黄金色。「パーフェクトサントリービール」はやや褐色です

「キリン一番搾り 糖質ゼロ」は黄金色。「パーフェクトサントリービール」はやや褐色です

なお、それぞれの製法を簡単に解説すると、「キリン一番搾り 糖質ゼロ」は、独自の「一番搾り製法」に、新技術の「新・糖質カット製法」を組み合わせているのが特徴。「一番搾り麦汁」の雑味をなくし、澄んだ麦芽のうまみを閉じ込めつつ、新開発した発酵技術で糖質をカットしています。

すっきりした爽快感で苦みも十分

すっきりした爽快感で苦みも十分

いっぽうの「パーフェクトサントリービール」は、「ザ・プレミアム・モルツ」ブランドで培ってきた醸造技術やノウハウを活用。麦芽のうまみと飲み応えを最大限に引き出しながら、糖質の元となるでんぷんを手間暇かけて分解し、糖質ゼロと力強い飲み応えのアルコール度数5.5%を実現しているそうです。

泡立ちがしっかり

泡立ちがしっかり

両者をじっくり飲み比べてみると、味の方向性に大きな違いがあることがわかりました。

「キリン一番搾り 糖質ゼロ」は、シャープですっきり爽快なビールの味。「パーフェクトサントリービール」は、ボディが豊かで飲み応えもしっかりめ。味の濃さは、「パーフェクトサントリービール」のほうが豊か、とは言え、苦みは「キリン一番搾り 糖質ゼロ」のほうがビターに感じました。

料理で合わせるなら、繊細な和食やこってりした料理なら爽やかでビターな余韻の「キリン一番搾り 糖質ゼロ」でさっぱりと。味噌やソースを使うような甘じょっぱい系の濃厚な料理やスイーツには、「パーフェクトサントリービール」がマッチすると思います。

糖質のあるビールはさすがにウマいが、糖質ゼロも惨敗ではない

次は、「パーフェクトサントリービール」と「ザ・モルツ」を比較。こちらもそれぞれグラスに注ぐと、意外にも「パーフェクトサントリービール」のほうが、「ザ・モルツ」より色は濃いめでした。

色の深みは「パーフェクトサントリービール」が一歩リード

色の深みは「パーフェクトサントリービール」が一歩リード

ただし、飲んでみると味のボリュームはさすがに「ザ・モルツ」に軍配が上がります。うまみとコクがしっかりしていて、香りも芳醇なのです。やはり、糖質をカットしていないビールはウマいなーと実感します。とは言え、「パーフェクトサントリービール」も惨敗というほど劣っているわけではありません。ビールらしい芯のある味わいがあり、目指した“ど真ん中のおいしさ”は感じられます。

【まとめ】味の方向性が異なるので、どちらを選ぶかは「好み」による!

ビールの味わいにおいては、王道の最高峰である「キリン 一番搾り」が好きな人、あるいは香りや泡が絶品の「ザ・プレミアム・モルツ」が好きな人などと、好みが分かれるものです。糖質ゼロビールにおいても同じで、味の方向性に違いがあるので、好みが分かれることでしょう。

まずはどちらも飲んでみて、好みの糖質ゼロビールを選びたいですね。なお、飲み比べる際は、香りを感じやすいグラスに注いでお試しを

まずはどちらも飲んでみて、好みの糖質ゼロビールを選びたいですね。なお、飲み比べる際は、香りを感じやすいグラスに注いでお試しを

個人的に興味深いのは、それぞれの開発期間。「キリン一番搾り 糖質ゼロ」も「パーフェクトサントリービール」も、5年の歳月をかけて完成させているのです。やはり、それだけおいしさと糖質ゼロを両立させるのは難しかったということなのでしょう。

そして、「パーフェクトサントリービール」の登場によって、“糖質ゼロウォーズ”が盛り上がることは間違いなく、アサヒビールやサッポロビールも糖質ゼロビールを発売するかもしれません。こうした各社の攻勢によって市場が盛り上がるのも、ビールの面白さだと筆者は思います。目下は、キリンビールとサントリーの一騎打ちですが、まずはどちらが好みか、飲み比べてみてください!

中山秀明

中山秀明

食の分野に詳しいライター兼フードアナリスト。雑誌とWebメディアを中心に編集と撮影をともなう取材執筆を行うほか、TVや大手企業サイトのコメンテーターなど幅広く活動中。

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