「どん兵衛」の“ご乱心企画”に、待望の第2弾が登場!
その商品こそが、2024年1月29日に発売された「日清のどん兵衛 特盛 ラーメンスープの!? 天ぷらそば」。2023年2月に発売された「日清のどん兵衛 特盛 ラーメンスープの!? きつねうどん」のそばバージョンに当たる、今回もユニークな内容です。
「日清のどん兵衛 特盛 ラーメンスープの!? 天ぷらそば」(上段)。コンビニでは税込307円。ちなみに、通常の「日清のどん兵衛 天ぷらそば」(下段)は税込254円でした
前回のうどんは“鶏油の甘み感じる、鶏と鰹のWスープ”がうたい文句でしたが、今回は“豚の旨みに黒胡椒をきかせた醤油スープ”とのことで、よりパンチがありそうな印象です。さらにパッケージには「やってみたら、うまかった。」との一文もあり、きわめて気になるところ。
ボリューミーな特盛であることもポイント。量が多くても完食できるという、日清食品の自信のあらわれでしょうか
第2弾が出たということは、初回のうどんは高評価だったのでしょう。とはいえ、今回のスープはどんな味で、「どん兵衛」のそば麺とマッチしているのか、そして本当においしいのか。レポートしていきます。
まずはスペックからチェック。
内容量的には1食142g当たり640kcal、炭水化物67.1gと、やはり特盛なだけあってなかなか高めです。そして気になるスープは、醤油、豚脂、食塩、ニンニク、生姜、黒胡椒などが主原料で、魚介類は含まれません。ただ原材料を読むと、麺のほうにカツオ節の粉末を練り込んでいることがわかります。
1食142gのうち、麺は95g。なお、通常の「日清のどん兵衛 天ぷらそば」の麺は72gです
フタを開けると、中には液体スープと、「日清のどん兵衛 天ぷらそば」でもおなじみの天ぷらの2袋が入っていました。そして麺の上にはナルトが7枚。麺は中華麺ではなくそばなので、この時点でナルトとのミスマッチが感じられなくもないです。
スープは、「日清のどん兵衛 天ぷらそば」では粉末であるのに対し、こちらではラーメンスープだからか、液体タイプを採用しているのもポイント。一般的に、液体のほうが風味豊かでコストもかかると言われます
そばの麺は、「日清のどん兵衛 天ぷらそば」と変わりない印象の、しなやかな細さ。「日清の最強どん兵衛 かき揚げそば」のような中太麺ではありません。また、今やおなじみとなった、天玉そばアレンジ用の凹み加工「月見ポケット(たまごポケット)」仕様でもありませんでした。
ほかの「どん兵衛」カップそば同様の、油揚げ麺。その上にあしらわれたナルトは、どこかコミカルな印象です
調理時間も「日清のどん兵衛 天ぷらそば」と同様の「熱湯3分」。ただしスープは、液体タイプだからか、食べる直前に入れて混ぜる仕様です。
スープは醤油ベースで黒っぽく、とろみがあるトロッとしたテクスチャー
液体スープを入れると、一般的な「日清のどん兵衛 天ぷらそば」とは別の表情に早変わり。ちょっと和風とは違うような、おいしい獣臭とも言えるような、なかなか力強い香りが広がります。
そのまま数秒待つと、醤油ダレの部分だけが溶けて沈み、油分が浮いて残ります。これは、しっかりオイリーである証拠と言えるでしょう
スープと麺をしっかり混ぜ、袋から出した天ぷらをのせて完成。香りに関しては、かなり攻めた印象ではあるものの、ネガティブな感じはなく、シンプルにおいしそうです。実際に味わってみましょう。
遠目から見れば、そこまで大きな違和感もないでしょう
食べてみると、スープが想像以上に濃厚な味で驚かされます。濃縮スープの油分だけでなく、濃口醤油のコクや甘みのほか、天ぷらの油も加わるため、なかなかのこってり系。ナルトの代わりにネギなど、さっぱりしたアクセントが欲しくなりました。そして、想像以上という点では、違和感もさほどありません。奇をてらってはいるものの、ただのおふざけではないことがわかります。
このスープの旨味は豚脂で作り出しているのですが、どこか鶏っぽいニュアンスも。もちろん主張するのは豚系のテイストですが、それこそ鴨南蛮そばのような印象も抱きました
湯戻しで染み出た麺の味が、スープと調和した点もありますが、おそらくこれは、普通のラーメンスープではないはず。きっとこの商品用に最適化したラーメンスープを開発したのでしょう。さすが日清食品、大真面目にふざけた商品と言えるでしょう。
麺はいつもの「どん兵衛」らしい食感。スープとの相性に関しても違和感はなく、ケンカもしません
麺に関しては、本商品において何か特別だと感じた部分はありません。「どん兵衛」ブランドのそばらしい、しなやかなコシと上品なタッチで、飽きのこない優等生的なおいしい麺です。これは、天ぷらも同様。そばつゆを、ラーメンのスープに差し替えた、という点においてはその訴求どおりです。
天ぷらも、いつもの「どん兵衛」と変わらない味。唯一、これに含まれる海老や青のりが、魚介っぽいニュアンスを醸し出していました
パッケージに書いてある“豚の旨みに黒胡椒をきかせた醤油スープ”については、個人的に黒胡椒はそこまで感じなかったものの、それ以外は文言どおり。ある種、個性的ではありますが、決してゲテモノではないですし、1度は食べる価値があると思います。
今回は醤油でしたが、味噌や豚骨系の味ならもっと違和感が出そう。第3弾以降にも注目です
「こんなにおいしいとは気づかなかった!」とまでは思いませんが、それなりにおすすめできる商品でした。ラーメンとも、そばとも言えない絶妙なラインのカップ麺、ぜひお試しを。