ラーメン好きで結成した「ご当地ラーメンお試し隊」が各地のご当地カップ麺を収集し、47都道府県制覇を目指す本連載。3回目となる今回は、「ラーメン不毛の地」と呼ばれて久しい大阪府。代表的なご当地ラーメンがないと言われる大阪に、美味しいインスタント麺はあるのでしょうか?
「大阪」と大きく書かれたカップ麺を発見!
連載3回目は、古くから「天下の台所」と呼ばれ、現在は「くいだおれの街」としても知られる大阪府。食通が集まる場所ですが、大阪の名物と言えば、「たこ焼き」「お好み焼き」「串カツ」「豚まん」「インデアンカレー」など……あまり、ラーメンの印象はありません。一抹の不安を抱えつつ、ご当地カップ麺を探してみましたが、案の定、発見できたのは「産経新聞 大阪ラーメン」(エースコック)と、袋麺の「マヨら〜めん」(フェイスウィン)のみ。そこでさっそく、これら2製品を試してみることにしました。
くいだおれの街「道頓堀」。ラーメンよりも「粉モノ」が多いような気が……
北海道なら「味噌ラーメン」、福島県なら「喜多方ラーメン」、九州なら「とんこつラーメン」と、全国各地にご当地ラーメンがあります。しかしなぜか、大阪には代表的なご当地ラーメンと呼ばれるものがないようです。そこで、大阪発のご当地ラーメンを作るべく、産経新聞大阪社会部記者が即席麺大手のエースコックと「それゆけ!大阪ラーメン」(エースコック)を共同開発したというので、試してみることにします。
パッケージには、大阪府広報緒担当副知事の「もずやん」が描かれています。「もずやん」のプロフィールを見ると、たこ焼きが好きとなっていますが、ラーメンはどんな味なのでしょうか…
内容量は71g(麺55g)。お湯を入れて3分待てば完成します
麺は弾力があり、モチモチとしています
昆布やチャーシューなどのうま味成分が染み出し、とても深みがあるスープは、甘くもあり、辛くもあり。「とろろ昆布」による独特のとろみもたまりません。この絶妙なバランスにうっかりハマってしまったら、ついつい癖になってしまいそうです。
この独特な「甘辛」スープによく絡む麺は、弾力があって食べ応え十分。具はカップ麺独特のチープさが残りますが、手軽に食べられる「うまいもん」ラーメンであれば、この具こそ必要にして十分。これらの素材が大阪独自の味わいを見事に表現し、実に大阪らしいご当地ラーメンに仕上がっています。
今はまだマイナーな存在ではありますが、「もずやん」や「キン肉マン」などとのコラボも積極的に行っているため、ある日突然人気者になる可能性は大! 味は十分美味しいので、今後の広報活動に注目です。
次に紹介するのは、袋麺の「マヨら〜めん」(フェイスウィン)。パッケージには関西土産の定番「マヨおかき」のキャラクターの顔が描かれていて、非常にインパクトの強いデザイン。こんなところにも、大阪人の心意気を感じます。パッケージ裏で中身を確認すると、その名の通り、マヨネーズを使ったラーメンとありました。そういえば、大阪名物のたこ焼きやお好み焼きは、マヨネーズをかけて食べます。「なるほど!」と納得はしたものの、味はまったく想像がつきません……。正直、かなり不安ではありますが、とりあえず試食を始めたいと思います。
インスタントラーメンマニアとしても知られる「大和イチロウ」氏が監修しています
袋麺にしては珍しい「かやく」入り。キャベツ、かにかま、コーン、にんじん、タマネギが入っていました
完成したマヨら〜めん。具が豊富に入っています
豚骨と粉末マヨネーズがベースになっているスープは、酸味が少し効いた味付け。意外にもマイルドな味で、ラーメンというより、具だくさんの洋食スープといった趣きがあります。パッケージから、インパクト重視のラーメンという印象を受けましたが、実際に食べてみると「普通に美味しい」ラーメンでした。
なお、このラーメンを美味しくいただくには、(1)麺のみ3分間ゆでる、(2)かやくを投入する、(3)火を止めてスープとマヨネーズを入れる、という手順できっちり作っていく必要があります。かやくを茹ですぎると、キャベツのしゃきしゃき感が失われてしまうので要注意です。
左から、「あめゆ」と「ゴールデンボンラー麺 女々しくて塩味」
大阪は、インパクトを重視する傾向が強いイメージがありますが、歴史を大切に育むという面もあります。もちろん、見た目やインパクトも大切にしますが、それ以上にじっくりと「大阪らしい味」に取り組んだ結果、今回試食したようなご当地ラーメンが生まれたのでしょう。
さらに紹介したいのは、なんばグランド花月のお土産屋さんで見つけた「ゴールデンボンラー麺 女々しくて塩味」(藤原製麺)。このパッケージのインパクトは、「マヨら〜めん」に勝るとも劣りません。そういえば、今年の紅白にゴールデンボンバーが出演するそうです。毎年、紅白ではちょっとしたサプライズで話題を提供していますが、今年の紅白ではどういったサプライズを見せてくれるのでしょうか。袋麺の味とともに、期待が高まります。
次にご紹介するのは、自動販売機で買った「あめゆ」(サンガリア)です。「あめゆ」とは、ショウガの効いた飲み物で、温めると「あめゆ」、冷やすと「冷やしあめ」になります。関西圏では当たり前のように売られているのですが、関東ではほとんど見かけません。おなかにもいいという話も聞くので、簡単に購入できるとうれしいのですが……。
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今回は、懐の深い大阪文化を堪能することができました。次回は、どこのカップ麺を試しましょうか……