ラーメン好きによって結成された「ご当地ラーメンお試し隊」が各地のご当地カップ麺を収集し、実際にその味を確かめながら、47都道府県制覇を目指す本連載。6回目となる今回は、秋田県のご当地ラーメンに注目。印象的なパッケージの「なまはげ醤油ラーメン」と、きりたんぽ鍋を手軽に楽しめる「カップきりたんぽ」を取り上げます。
秋田の雰囲気が漂う「なまはげ醤油ラーメン」と「カップきりたんぽ」を現地で入手!
節分が過ぎ、暦の上では春になりました。気象庁が公開している平均気温(1981年から2010年まで)を調べると、1月は5.2度、2月は5.7度、3月は8.7度。この数字を見ると、1月がもっとも寒くて、2月以降は少しずつ温かくなっていくかのように見えます。ところが、その年の最低気温が記録される時期は、1月後半から2月にかけての期間になることが多いそうです。まだしばらくは、寒さが続くと覚悟したほうがよさそうですね。
そこで今回は、少しでも暖かくなるように、身体が温まるカップ麺を探してみることに。そのなかで選んだのが、雪国「秋田」のカップ麺です。秋田料理には、きりたんぽ鍋や大曲の納豆汁、稲庭うどんなど、身体の芯から温まるものが多いので、カップ麺も期待できそうです。
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秋田駅に着いてすぐ、お土産屋さんに飛び込みました。そこで見つけたのが、「かんたん即席 カップきりたんぽ」(斎藤昭一商店)です。パッケージには、ご飯を串につけて焼いたきりたんぽがたっぷりと入ったお鍋の写真が。こんなお鍋を食べれば、身体の芯から温まること間違いなし。すぐにでも作って食べたいところです。
ここで、きりたんぽという名前の由来をちょっとだけ。秋田では、お米を串につけた食べ物を「たんぽ」と呼びます。これを鍋に入れる際に「切る」ことから、きりたんぽという名前になったということでした。知っていましたか?
それでは、カップきりたんぽを作ってみましょう。パッケージを開け、きりたんぽとスープ、具をそれぞれ取り出します。きりたんぽの入っている袋に、ハサミなどで少し切り目を入れ、電子レンジで30秒ほど加熱。温かくなったきりたんぽとスープ、具材をカップにあけて熱湯を注ぎ、1分待ったらできあがりです。
小腹がすいたときに、いつでもきりたんぽ鍋を楽しめます
パッケージには、きりたんぽ、スープ、具材が入っていました
きりたんぽは、レンジでチンして温めます。レンジがない場所では、温かいきりたんぽを楽しめないようです
仕上がりは、ちょっと残念なビジュアル。きりたんぽや具材がもう少しふんだんなイメージだったのですが……
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秋田と言えば、「ナマハゲ」。大晦日の晩、出刃包丁を片手に、恐ろしい形相と出で立ちで、「泣く子はいねがー」と叫ぶ姿は、あまりにも有名です。「男鹿のナマハゲ」として、国の重要無形民俗文化財にも指定されています。お正月を目前に、ウキウキした気分の子どもたちにとって、ナマハゲの来訪は、悪夢以外の何ものでもないでしょう。
しかし、実はナマハゲは怖い存在ではなく、無病息災や幸をもたらすために家々を回っている神様(見た目が恐ろしげなので、とてもそんな風には見えないのですが……)。そのため、各家でナマハゲを迎える大人たちは、ギャンギャン泣いている子どもたちを尻目に、料理やお酒を準備し、ていねいにもてなすのです。
では、そんなナマハゲをパッケージにした「なまはげ醤油ラーメン」(八郎めん)を、さっそく試してみることにしましょう。「なまはげ醤油ラーメン」は袋麺タイプなので、沸騰しているお湯で麺を茹で上げ、スープを入れて作ります。作り方としては、一般的な袋麺と何ら変わりありません。
これがパッケージ。ナマハゲのインパクトがすごい
鍋で麺を茹でます。火を消す直前に、スープを入れるのを忘れずに
モチモチの麺は濃厚なスープによく絡みます
スープは出汁が効いたしっかりとした味付け。具材などを加えれば、贅沢なラーメンになりそうです
醤油ベースのスープは透明度が高く、しっかりした味付け。それもそのはずで、出汁には日本三大美味鶏の1つとして知られる比内地鶏のガラ出汁を使っているとのこと。そのためか、見た目以上に濃厚な味です。麺もコシがあり、ツルツルと食べることができます。
ただし、スープの味がかなり濃いので、関西風が好みという人は、スープの濃さを調整する必要があるかもしれません。もしかすると、東北地方ということで、塩味が強めの味付けになっているのかとも思いました。パッケージのインパクトがすごかったのですが、見た目も味も正統派のラーメンのようです。
「いぶりがっこチップ」なんていうスナックもあるんですね
秋田は、美味しい郷土料理がたくさんあります。大根のいぶり漬け「いぶりがっこ」や、ハタハタなどを原材料とした魚醤「しょっつる」、バター餅など、数え上げたらきりがありません。豪雪地帯ということもあって食品の保存方法にも工夫が必要ですし、食事によって身体を温めるという先人の知恵や工夫などが、現代にも引き継がれているようです。
今回は、寒さ厳しい秋田県を制覇! さて次回のご当地は?